3月29日(水)
ベッドのなかの読書は昨日に続いて「保守のこころ」の特集。出雲神話の古代史や天皇の歴史関係の記述を読む。保守と革新という分類に沿えば日本書紀や近代明治の天皇制は「革新」で出雲神話が「保守」なのかな?面白いですね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。WBCでの栗山監督へのメディアの「絶賛の嵐」を取りあげる。そしてもしも優勝しなかったとしても監督として「絶賛」されたか?「評価」されたか?と問題提起。勝ったから騒いでるだけではタダ勝利至上主義を肯定しているだけで日本の野球もスポーツも進歩しませんよね…といた話をしたあと黒兵衛と散歩。ワン。青空をバックに桜が綺麗。ワン。終日このホームページの改訂原稿作り。コレが結構時間かかるんですよね。途中NHK-BSでやっていた映画『キネマの神様』を見る。うむむむむ。小生は山田洋次監督のリズムが合わないんですよね。かったるい。脚本も怠い。沢田研二の良さも(私には)感じられない。寅さんの好きな人には受けるのかな?山田洋次監督で私が好きなのはハナ肇と岩下志麻の出ている戦後日本を喜劇で見事に描いた『馬鹿が戦車でやってくる』だけですね。午後からもデスクワーク。晩飯のあと映画2本目。ロバート・デニーロ&シルヴェスター・スタローン主演の『リベンジ・マッチ』若い頃にライトヘビー級王者として1勝1敗のライバルで恋人まで奪い合った両者が80歳近くなってリベンジ・マッチを行うというブッ飛んだ話。イヤァ面白かった。年老いたロッキー対ジェイク・ラモッタ(レイジング・ブル)の闘い。老人が主人公の娯楽映画としてはクリント・イーストウッドの『スペース・カウボーイ』と双璧かな。最期は壮絶なリング女王でファイトが繰り広げられて…亀の甲より年の功と言うべき大人の解決。イイ映画でした。デニーロは上手いですねぇ。

3月28日(火)
朝ベッドで『ひらくG』の「特集 保守のこころ」に掲載されていた佐伯啓思『「保守の精神」を失った保守主義』を読む。勉強になりました。ナルホド「本来の保守主義」とは《西欧の近代主義への抵抗思想》であり《進歩主義への異議申し立て》だったのですね。だから《功利主義・経済主義・合理主義などとはまったく無縁の精神》で《人間にとって大事なものは統計的数値やランキングのなかにあるのではなく数値化したり序列化したり比較したりできない日常の具体的な活動において表現される以外になく我々の生を支えるものは経済活動による物的な富の蓄積だけではなく精神的な愉楽や安楽でもあると考える》のが《保守のこころ》だというのだ。《見知らぬものよりも慣れ親しんだものを好むこと(略)完璧なものよりも重宝なものを好み理想郷における至福よりも現在の笑いを好むこと》こそ《保守的な性格》だという。つまり冷戦時代のアメリカもソ連も「反保守の進歩主義」で現在のアメリカにも日本にも「本来の保守主義の政党」は存在しないのですね。かなり昔(20年くらい前に)偶然佐藤優さんと酒を呑み交わす機会を得たとき彼が「アメリカのネオコンはトロツキストなんだ」といった意味が今頃よくわかりました。共産主義の世界革命もアメリカ自由主義の押しつけも進歩主義急進派として同根なんですね。イラク戦争を主導したネオコンを新保守(Neoconservative)などと呼ぶのは根本的に間違ってるんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。染井吉野の悪口を何度か書いたけど満開の花を見るとやっぱり綺麗ですね。ウチの近辺には玉縄桜に始まって山桜・染井吉野・八重桜・枝垂れ桜と順に見ることがでるだけでも幸せですね。こういう近所の桜を愛でるのも本当の保守主義でしょうね。ワン。イロイロ仕事のあと夕方から読売テレビ『すまたん』のZOOM取材を受ける。テーマは胴上げについて。起源は善光寺だとか。大相撲では土俵千穐楽千穐楽神送りで若い行事さんを若い力士が胴上げしますね。スペインや東欧などにも胴上げの伝統はあるみたい。小生はインターハイ出場が決まったあと仲間にチョイと胴上げされましたが怖くてすぐに2〜3回で止めてもらいました。あれは怖いものです。ヌートバー選手の気持ちがわかります。晩飯はコロンビア戦見ながら。監督が試合中に選手にメモを渡して選手がピッチ上で回し読みするなんてサッカーで初めて見ましたね。バングーナガンデいいですねえ。

3月27日(月)
河合小百合『日本銀行 我が国に迫る危機』(講談社現代新書)読了。《安倍政権は"デフレ脱却”と銘打って日銀に事実上の財政ファイナンスをやらせて国債に付く市場金利が上がらないように力ずくで抑えつけてきました。しかしながら市場メカニズムを無視した金融政策が永続させられるはずもなくその日銀が本当におかしくなりかけ財政運営も行き詰まる瀬戸際にきているというのが我が国の現実なんです》そうですよね。国債を山ほど発行しても札束を刷れば問題ない…などと言っていた人がいたけど山ほど謝金して問題ないわけないですよね…という意見に対してイヤ問題ないんだ…と言っていた人の反論を改めて聞きたいですね。記者会見でココは演説の場ではないと言って説明を拒んだ黒田前日銀総裁はどう言うのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。久し振りに桜を見ながら長距離を歩く。ワン。テレビではマダWBCの話題。もしも優勝できなかったとしても栗山監督に対して高評価を下すのならイイですが…勝たないと評価されない騒がれない…という日本野球の現状(カルチャーになり得ていないという現状)を忘れてはならないですね。『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)の出版が近づき共著者共編者の小林信也さんとイロイロ連絡。高校生に読書感想文や高校野球改革案を求めるコンテストは是非とも実現したいですね。大阪の読売テレビ『すまたん』からスポーツの胴上げについて問い合わせ。始球式や胴上げや開会式の入場行進や表彰式などスポーツの周辺に存在するスポーツ以外の様々な要素についてはイロイロ調べたこともあるので喜んで答えることにする。そういうスポーツ周辺の行為で最も不思議なのはスポーツの表彰式でヘンデルのオラトリオ『ユダス・マカベウス』のが局が使われてることですね。『見よ勇者は帰る』と歌詞が付けられた楽曲ですが大相撲千穐楽の表彰式でユダヤの英雄を讃えるのもオカシイけどスポーツで戦争勝利の音楽を使うのもハテナ?ですね。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。内場さんの芸歴40周年記念座長公演。オモシロカッタ。

3月26日(日)
ベッドの読書は河合小百合『日本銀行 我が国に迫る危機』(講談社現代新書)。経済は小生の最も苦手なジャンル。多くの折れ線グラフや棒グラフや円グラフの「意味」はナカナカ理解できないがアメリカやEUが必死になって金融経済を運営しているのに日本銀行(異次元の量的緩和)と日本政府(アベノミクス)は先のことを何も考えずに目の前の株価上昇と維持のみを目指したため今やタイタニック(日本)は霧のなかから突然現れる氷山にぶつかって沈没するという話。まだ半分ほどしか読んでないが黒田前日銀総裁の大批判ですから小生のような経済音痴を納得させるには是非とも両者の(意見を支持する人の)直接対決討論を聞かせて欲しいものですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。外はまた雨。せっかく満開を迎えた染井吉野が可哀想。花ニ嵐の譬ヱモアルサ サヨナラダケガ人生ダ そんな一節を思い出す雨中の散歩。コノ一杯ヲ受ケテクレ 君ニナミナミ注ガセテオクレ と自分が自分に呟く散歩ですね。ワン。チョイとイロイロ仕事したあと午後からは民家(明治時代に建てられたらしい)を改造したobi gallerry(オビギャラリー)で開かれていたご近所さんのアーティスト佐藤実さんのインスタレーション「失われた三角形と隠れた三角形Lost ando Hidden Triangles」を見に行く。面白かった。正四位の人物が墨痕美事に書いた「敬天愛人」の額のかかった古民家に置かれた25音階の天球の音を振動させるオブジェも面白かったが古民家の隣の細長い台形のスペースに持ち込まれたモーリーの定理で現れる正三角形が光るインスタレーションも面白かった。どんな形の三角形でも各頂点を3分割した線分が混じわるところには正三角形が生まれるというモーリーの定理なんて知らなかった。作者の佐藤さんと漱石の草枕(The Three-Cornered World)やモネの睡蓮やピカソやニューヨークのMoMa美術館などの話をしてメッチャ楽しいひとときを過ごす。昔某代議士がテレビ番組のゲストに呼んだ赤塚不二夫氏と対談して自分の「教養」を自慢しようとして台本に書いてあったピカソのことをピカリと読んでしまって赤塚さんが「ピカリは最高の画家ですよ」と反応されてピカリピカリピカリで盛りあがった番組が没になった話で大盛りあがりました。これは赤塚さんが小生の『不思議の国の野球』の文春文庫の解説を書いてくださったときに長谷邦夫さんから聞いた話。ギャラリーでの楽しいひとときのあと帰宅して大相撲千穐楽は霧馬山が2連勝で大栄翔から優勝を奪い取る。しかし小生は愚直な押し相撲も好きですね。晩飯のあとは少し休んでからNHK-BSで愛之助の河内屋与平衛と孝太朗のお吉による『女殺油地獄』。去年の京都南座公演。仁左衛門の狂気よりも優しい愛之助だがそれだけに殺しの場面のリアリティもあって素晴らしかった。しかしこの近松の作品のバックの太棹三味線は最高の現代音楽ですね。

3月25日(土)
ベッドで三島由紀夫の戯曲『喜びの琴』を読む。舞台は公安警察。アカ(共産党の党員)が首相の乗った列車の転覆事故を計画して失敗。その事件に関わっていた犯人の一人が公安警察官。彼を上司として尊敬していた若い公安警察官の挫折と苦悩と再出発の物語。要するにワーグナーのオペラに登場する若者(ローエングリンやジークフリートやパルジファル)と同様のビルドゥングス・ロマンとして読んだが執筆当時(昭和39年)は文学座(杉村春子座長)が緊急総会と理事会を開き上演保留を決定。三島は上演中止を申し入れて文学座は「思想上の理由による上演中止を申し入れ作者も応諾」して三島は何人かの追随者と共に文学座を脱退。作品は少々改訂されて日生劇場で浅利慶太プロデュース演出で上演された。三島は《第一幕を反共思想/第二幕がそのアンチテーゼ/第三幕第一場がそのジンテーゼとしてのニヒリズム/第二場が救済の主題と高揚》と書き直したそうだがやっぱりコレは昔の共産主義の活動をネタにした「ワーグナー劇」ですね。映画『憂国』のバックに三島が延々とワーグナーの音楽(トリスタンとイゾルデの前奏曲と愛の死)を流したのも理解できますね。ワン。雨の中黒兵衛と散歩。雲古したらすぐ帰宅。イロイロ仕事&雑務。その最中にエッ!?と驚く情報が!!指揮者の佐渡裕さんがトーンキュンストラー・オーケストラとウィーンの楽友協会ホールで練習中に指揮台から客席に落っこちて肩と背中を強く打ちつけたとか。あそこの指揮台は狭いしなぁ…佐渡さんは暴れるしなぁ…(>_<)骨折はせず大事なくWBCの日本の優勝見て元気を取り戻したらしいけど気ぃつけておくれやっしゃ。大相撲は大栄翔が一歩リードか。千穐楽で3力士並んでの優勝決定の巴戦が見たいですね。十両湘南乃海は幕内水戸龍に勝って勝ち越したけど9-6で初入幕を確かなモノしてほしいですね。湘南乃海って名前が桃太郎なんですね。益々応援したくなった( ^o^)ノ録画しておいた『報道特集』を見ながら晩飯。放送法とテレビの関係も重要だけどメディアとスポーツの関係も取りあげてほしいですね。一般的なニュースとスポーツニュースは番組を分けるべきかもしれませんね。スポーツの社会的側面の事件は一般的ニュースで報じるべきでしょうが勝敗はスポーツニュースに独立させた方がいいかな?風呂のあと久しぶりに映画&酒。『バグダッド・カフェ』ハッハッハ。面白かった。『フィールド・オブ・ドリームズ』などと同じ貴種流離譚ですね。やっぱりドイツ映画は何かと理屈っぽいですね。

3月24日(金)
ベッドのなかの朝の読書は週刊誌3冊。「現代」の台湾有事の記事が興味深く沖縄と本土を結ぶ何本もある海底ケーブルを海底ドローンで切断されると沖縄は完全に孤立するらしい。政治は高市大臣がどーのこーのと言う以前に弱体すぎる野党をなんとかしなければどーしょーもないですね。ゼレンスキー大統領に広島名物"必勝"杓文字をプレゼントするような情けないセンスしか持ち合わせておらず国会答弁でメモを読むだけの首相で日本は本当に大丈夫なのでしょうか?「文春」と「現代」の故ジャニー喜多川氏の記事が興味深かった。少年に対する性暴力を英メディアBBCが報じて外国人特派員協会でも記者会見があったというのに日本のマスメディアは無視。これは芸能界の問題以上に日本のジャーナリズムとメディアの問題ですね。芸能界とTV業界の癒着は野球界とソックリかも。ワン。久しぶりに黒兵衛とゆっくり長く散歩。山桜は葉桜気味になり染井吉野はアッという間に七分咲き。流石に綺麗ですね。ワン。午前中イロイロ準備して午後早くからZOOMで『ニューズ・オプエド』録画撮り。今日のメインテーマがサッカー森保ジャパンでゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さん。ご両人が新国立で行われる日本代表vsウルグアイの試合を取材されるため録画撮り。中味はWBCでの森安監督の下手な始球式の解説(大住さん)や横綱大関抜きの今の大相撲が開幕直後のJリーグにソックリで面白い(後藤さん)など面白話満載。もちろん日本代表サッカーのまだ選ばれていない期待のフォワードの話などサッカーの面白話もイッパイ。今も聞けますよ。https://op-ed.jp/録画収録を終えてチョイと仕事のあと大相撲。湘南の海は勝ったけど碧富士…負けたかぁ。残念。明日大栄翔に勝つと3敗で並んで面白いけど…。あ。今日は『チコちゃん』がない。ナンデヤネン(>_<)と思いながら録画せずに済んでサッカー日本代表vsウルグアイ。前半はタルかったですね。後半はマァマァかな。まだまだ第二期森保ジャパンは始まったばかりですね。どんな若く新しい元気な選手が出てくるか?楽しみですね。

3月23日(木)
昨日まで2日連続WBCのTV観戦で黒兵衛との散歩が手抜きになっていたことを反省して今日はきちんと歩こうと思ったら雨。まぁシャーナイですね。ワン。終日デスクワークは連合通信『スポーツ博物館』執筆。月イチの連載で145回目とは長く続いている。WBC優勝を喜ぶと同時に「日本野球の未来は明るい!」と絶叫したTVアナウンサーを批判。マスメディア主導の野球界に「スポーツ・ファースト」の組織改革を求める内容を描いて送稿。途中NHK-BSでチャーチル英首相の映画をやっていたので少し見る。3度目かな。忘れている部分が多くなってるので改めて見直したくなった。昔見た映画は内容を結構憶えていて最近見た映画の方が忘れているというのはどーゆーこっちゃ?原稿を送って手紙の整理をしていたら『夢剣士自伝』(左文右武堂)という本が送られてきていた。著者は惠上孝吉という人物で《身長157センチの体躯で昭和30年の剣道界を華々しく彩った人物》らしい。《全日本学生選手権4年連続決勝進出。全日本選手権2位1回3位3回》の成績で剣道指導者として《中京大学で幾多の名選手を鍛え上げ東京大学を全国出場に導き金沢大学を全国レベルに押し上げた》という。本の中味は《ライバルとの激闘/名勝負秘話・独創的トレーニング・戦後剣道の歴史・剣道技術の変遷…》とある。一昨年の共同通信書評として同じく左文右武堂(この出版社名前イイですね)の『剣道の未来』を「今年の三冊」のうちの一冊に選んだ関係で送られてきたみたいですが478ページ2段組の強烈に分厚い鈍器本!でも面白そうだからぼちぼち読みましょう。大相撲は碧富士が頑張ったけど若隆貴に敗れる。さぁ優勝の行方が面白くなりましたね。4敗優勝くらいにもつれたら面白いけど…碧富士&大栄翔にも頑張って神奈川県民として応援してるけど神奈川県民として応援してるけどいつの間にか美ノ海や炎鵬にも負けて黒星続きで6勝6敗。勝ち越して幕内へ上がってほしいですね。

3月22日(水)=追記
朝起きて歯磨き洗面のあとWBC決勝アメリカ戦。途中でRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはもちろんWBCと野球のことだが野球の国別世界選手権の開催が何故難しかったかという話をする。それは審判のストライク・ボール&アウト・セーフへの「判定」に抗議が溢れてしまうからだった…がルールで審判のジャッジについての「抗議」や「不服の意志表示」が禁止されたことによって国別世界選手権が可能になった…という話をする。ラジオを終えて黒兵衛と簡単な散歩のあとWBCのビデオ録画をチョイと早送りで見直し途中で実際の試合の進行に追い着いて日本代表チームの勝利を喜ぶ。しかしアナウンサーは「日本野球の未来は明るい!!」と絶叫していたけどソレはステイクホルダー(利益共有者)の希望的発言であって現実は違うと言わざるを得ないですね。今回のWBCの日本選手の活躍は偏(ひとえ)に試合に臨んだユニフォーム組とスタッフの大活躍であり背広組(日本野球の運営者たち)は組織がバラバラに分裂したままですからね。しかもメディア(新聞社)がバラバラに運営して選手をトータル的に育てるシステムはなく利益を分捕りし合って結局最終的には利益をアメリカ・メジャー・ベースボールに持って行かれるのですからね。まるで日本が第二次大戦の敗れた戦後体制そのものですね。さぁ日本の野球を「どうする新聞社!?」運営から手を引いて日本の野球は「野球を運営する一元的組織」に任せて自らはスポー・ジャーナリズムに徹する批判的精神で日本野球を健全に育てる側に回った方がいいのではないでしょうか?午後から北國新聞の月イチ連載「スポーツを考える」の原稿をWBC優勝おめでとうと同時にそーゆー内容でまとめて送稿。雑誌「ZAITEN」の連載の校正もそーゆー内容にWBC優勝部分を書き加えて送稿。校正を何度もやりとりして…ふううう…一段落。大相撲は若元春が素晴らしい。晩飯食いながらWBC決勝を見直したり…岸田首相ウクライナ入りやプーチン習近平会談のニュースを見たり…。ここ3日間で読了した篠田英朗『戦争の地政学』(講談社現代新書)が現代の国際情勢を考えるうえでが非常に参考になったが習近平中国は二つの一帯一路でランドパワーとシーパワーの両方を手に入れようとしているようですね.それを海から阻止しようとしているのが「クアッド」と「自由でひらかれた太平洋戦略」で大陸で利用しようとしているのがロシアのウクライナ侵攻なのでしょうか?「地政学」というのは確かに「世界観のぶつかり合いの分析」かもしれませんが解説として納得しているだけでは少々重苦しいですね。明るい未来が見えないから…。その重苦しい現代社会をスポーツの勝利でウォッシングしてスポーツを消費するのも辛いですね。やはりスポーツはカルチャーとして育てないと…。

3月22日(水)
いやあああああああああ…昨日の試合が最高に凄かったのに今日はさらに一段凄さのヴォルテージが上がったモノスゴイ試合になりましたねぇ!!日本代表チーム全員の力には驚嘆と共に大拍手です。日本vsアメリカの最後の最後に大谷vsトラウトとは!!もう言葉もないですね。ただただ凄い!!凄かった!!と言うばかりです。しかし…これで「日本の野球の未来は明るい」と断言するのはマスメディアの無責任なコメントですよね。選手は頑張った。ユニフォーム組は頑張った。次は背広組(球界を動かしている組織やメディア)が真に日本野球のために頑張って改革その他に動かなければこのWBCの栄冠がただの素晴らしい思い出にだけに終わってしまいますよね。さぁ日本の野球だけでなく日本の野球界もアメリカに負けずにアメリカ並に発展させましょう!そのためにはマスメディアが日本野球の運営(チームの所有や野球大会の主催)から手を引いて野球の組織を(サッカー協会JFAのように)一元的に統一するべきでしょうけど…発行部数の落ちてる新聞社にとってもその方が望ましいのでは…?

3月21日(火)
いやああああああ…WBC準決勝日本vsメキシコ戦は素晴らしい試合内容で凄い結末になりましたねぇ。不振に喘いでいた村上のサヨナラ逆転打は見事でした!!よかった!よかった!村上が打ってくれて本当に本当によかった!明日のアメリカ戦が楽しみですね。もっとも…楽しむだけで日本野球の「発展」につなげるにはどうすればいいのか?そろそろそれを考える時期が来ているはずですが…岸田首相のウクライナ入りを日本のサヨナラ勝ちでブッ飛ばしただけというのもねえ…プロから社会人・大学・高校・中学・そしてボーイズリーグ&リトルリーグ&女子野球まで…一つの組織で日本野球の発展を考えるようにはならないものですかねえ?朝毎読サン考えてくださいよ。

3月20日(月)
朝ベッドのなかでの読書は篠田英朗『戦争の地政学』(講談社現代新書)。いやあ初めて気付かされることが多いですね。《広範に誤解されているがポツダム宣言は国家としての日本の無条件降伏を要求したものではない》エエーッ!!と思ってしまうが《無条件降伏は大日本帝国軍に対して要請されている》もので《ポツダム宣言には日本が戦争指導者を追放したうえで「自由で責任ある政府」を新たに樹立するまで連合国が占領を続けることが規定されいた》が《日本が国連憲章を中心とする国際法秩序を遵守する国に生まれ変わった時にはポツダム宣言に則って占領が終了する》というもののだった。ではその後戦争指導者(A級戦犯)たちが靖国神社に合祀され天皇が靖国神社に詣らなくなった今日はアメリカの占領が復活したというわけか!?ワン!?ベッドを出て黒兵衛と散歩。山桜が満開のうえに鶯の鳴き声がピッコロの高音のように綺麗に響く。おまけにホーホケッケキョとシンコペーションで。梅は終わったのにまだ元気。終日『ZAITEN』後藤逸郎氏との対談原稿の校正や連載『今月のスポーツ批評』の校正。ただしWBC日本代表の最終結果が出るまで仕事は区切りが付かないですね。まぁシャーナイか。

3月19日(日)
『ひらく/8号ロシアとは何か?』の指揮者・井上道義氏へのインタヴューがメッチャ面白かった。小さい頃にバレエを習っていた井上氏はロシア音楽への道筋が早くから付いていたのですね。《ロシア人くらいベートーヴェンの演奏の下手な民族はいない》という言葉には笑ったけど《日本の若い指揮者がロシアでチャイコフスキーなんかやっちゃダメ》という言葉に納得。《「アテネにフクロウを連れて行く」ような真似だけはやめた方がいい》ということですね。わかりますよね。バレエの本場でチャイコフスキーを演奏するのはソクラテスやプラトンやアリストテレスを生んで育てた街に「賢人=梟(ギリシアの通貨にも彫られている賢人の象徴)」を連れて行くようなものだということですね。ショスタコーヴィチの「交響曲4番」を《岡本太郎の芸術は爆発だ!としたら交響曲5番は「完全にコントロールされた原子炉」》と表現されているのも凄いですね。なるほど原子炉の完全コントロールはショスタコーヴィチという大天才の音楽にしてのみ可能な行為でソノ恐ろしさも描かれている音楽(第3楽想は核の冬?)にはナルホド納得ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。静かな日曜の朝に山桜が満開。♪霞か雲か〜というのは山桜のことで染井吉野は坂口安吾が言ったように根っこに死体が埋まってる?ワン。終日雑務。4月6日(ナント小生の誕生日)に発売が決まった『夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)の送本先リストを作ったりホームページの更新原稿を作ったり…で夕方から大相撲見ながらビール飲んで(湘南の海は逸ノ城にも勝てなかったですねぇ…碧富士ナカナカですね)ニュースと『ダーウィンが来た』見ながら晩飯。サンダルのコレクションで巣を作る鼬を見ていると筒井康隆大先生の『虚構船団』を思い出しますねえ。ワッカルカナア…古いなあ(>_<)。風呂の後昨晩に続いてNHKスペシャル『メルトダウン後編原発事故危機の88時間』。新型の原子力発電の原子炉にはメルトダウンした燃料デブリを受ける受け皿が付いているという解説には恐ろしさを感じましたね。原子炉の「完全なコントロール」はショスタコーヴィチの音楽にしかできないことですよね。おまけに核のゴミの処理の話は出てきませんでしたね。相変わらず現代人はトイレのないマンションに住み続けなければならないのでしょうか…?テレビのニュースショー番組では甲子園での「パッパーミル事件」は取りあげないみたいですね。ネットメディアとマスメディアは完全に乖離したようですね。

3月18日(土)つづき
『ひらく/7号日本人の戦後77年』を読んでいたらの座談会「言論の戦後史」を読んでいたら評論家の宇野常寛氏が東京オリンピック2020について次のような発言をしていた。《僕は誘致段階から反対していました。非常に無策ノーコンセプトであり国策としてほぼ無意味であるオリンピックというものを何かある種のその場のノリのようなものでまるで戦艦大和を建造するかのような無為無策の下に招致してしまったことに疑問を抱いてオリンピックに対して批判活動を行いました。ただそれはやめろというのではなく決まってしまったオリンピックはやはり国家の五十年百年の大計であるべきだと「どうせならこれくらいの大きなコンセプトのあるオリンピックにすれば沈みかけた日本にとって少しは資するものがあるだろう」という形でもう一つのオリンピックの計画というものを立ち上げました。ところが全く話題になりませんでした》小生もそんなものを主張されているとは全く知りませんでした。今からでもそれがどんなものだったか知りたいものですが《商業的にも言論戦的にも大きな敗北をしたと思っています》と言われているのは日本のスポーツに関する意見でて何度も何度も「敗北」を喫している小生としては少々大袈裟な感想かなと思いますね。小生は今も東京五輪の「後始末」を雑誌『ZAITEN』で繰り返したり高校野球のナンセンスさに対する批判を繰り返したりしてますから。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとセンバツ高校野球開会式を見る。相変わらずの軍隊閲兵式のような入場行進を「気持ち悪い」と思わず「美しい」と言うNHKのアナウンサーに対してオルタナティヴな開会式を高校生自身が考えるべきでしょうね。などと思いながら仕事をしていたら某大手新聞大阪支社の記者から高校生がペッパーミル・パフォーマンスをしたことをどう思うか?との電話が入る。小生の回答は本欄前項目に書いたとおりですが高校生も流行に流されないで自らの表現を行うべきでしょうね。大相撲は湘南の海は頑張ったけど朝乃山に負ける。惜しい!高安が負けた!碧富士はしぶとい相撲を取りますね。晩飯のあとはNHKスペシャル『メルトダウン前編原発事故危機の88時間』を見る。こんな事故を起こしながら…しかも使用済み核燃料の処理もできずに山ほど核ゴミが溜まるなかで…よく原発の「新方針」なんてのを打ち出せるものですね。

3月18日(土)
ははははは。思わず大笑いしてしまうオカシナ出来事が甲子園のセンバツ大会で起こったぞ。第1試合の東北高校vs山梨学院の試合で東北高校の選手が出塁したときにベンチで「ペッパーミル」をやったところが審判がそのイニングが終わったところでその行為をダメだと注意して禁止したというのだ。馬鹿馬鹿しい!! 小生は開会式をテレビで見てその試合のその瞬間は見なかったが大阪の新聞社の記者が教えてくれた。感想を訊かれたので何故「ペッパーミル」が禁止されたのかと記者に訊いたところパフォーマンスはダメだと判断されたというのだ。ハハハハハハ。思わず笑ってしまったね。大日本帝国陸軍が推奨して定めた開会式の閲兵式のようなパフォーマンスや自衛隊の行進と同じ握り拳を前後に振るパフォーマンスはOKだけどペッパーミルのパフォーマンスははNGなのですね。高野連にその理由を訊きたいですね。

3月17日(金)
昨日に続いて『ひらく/日本人の戦後77年』の特集で佐伯啓思氏&竹内洋氏の対談「日本から知識人は消えたのか」を読む。《ワイドショーなどではお笑い系(の人物)はたしかに井戸端会議での八っつぁん熊さんの役を果たしてますが同時にかつての文化系教授が担っていた横町の御隠居役も兼ねているんですね。今や公共知識人はお笑い系が担っているのではないかと思うほどです》(竹内)《毒にも薬にもならないポリティカルコレクトネスしか言えない芸人なんていったい何なんでしょうか(略)これでは社会の周辺から冷や水を浴びせるようなお笑いの意味はなくなってしまう(佐伯)》人生幸朗師匠が懐かしい?《誰も社会を揺さぶるような際どい球を投げられないからみんなが非常に平板なリベラリズムとか平和主義だとかそんなありきたりの価値観に寄りかかりながら目の前の出来事に対して差し障りのないコメントをするというだけになってしまいました(略)本当に大事なことはそういう公共的な場所ではないもっと私的な空間でしかたぶん表現し得ない気がします(佐伯)》残念な世の中?仕方ないメディアと言うべきか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。メディアの開花宣言などと無縁に玉縄桜は散り山桜は五分染井吉野はちらほらですね。ワン。終日デスクワーク…と言うよりデスクと抽斗(ひきだし)の整理。人生は散らかしと整理の繰り返し。カオスとコスモスの往復。わが仕事部屋は小宇宙かと思って動くと掃除も楽しい?BGMはトスカニーニ指揮NBD交響楽団のヴェルディ『レクイエム』余白に『カンタータ諸国民の賛歌』が入っている。コレは1943年12月にアメリカから第二次大戦中のヨーロッパに向けて放送された録音で演奏の最後に英仏伊の国歌に続いてインターナショナルとアメリカ国歌が歌われてます。何気に凄い時代でしたね。🎵立〜て〜飢えたる者〜よ〜…は何故か私も今も歌えます。夕方から『ニューズ・オプエド』ゲストは2週前に続いて生島淳さんと福島良一さん。解説委員として上杉隆さんにFCバルセロナの審判買収事件について語ってもらったあと(コレはチームの存続に関わる大事件ですね)『WBC日本代表5大会連続ベスト4で考える MLBとNPBの格差』というタイトルで語り合う。今も聞けますのでどうぞ。https://op-ed.jp/最後は高校野球の話にまで至り小生も生島福島両氏も甲子園大会の現在のトーナメントのやり方に大反対しています。野球は全試合をトーナメントでやったりするもんじゃないですからね。『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)は4月6日発売ですと宣伝も入れて番組終了のあとは『チコちゃん』見ながら晩飯&酒&ネル。

3月16日(木)
朝ベッドで『ひらく』第7号の特集「日本人の戦後77年」佐伯啓思『「戦後日本」と言うニヒリズム』を読む。ナルホド日本の「戦後」は三島由紀夫の《場違いなほど真剣な遊戯》だった《クーデターごっこ》で幕を閉じ日本人は《「生きる」のではなくただ「生きている」ことを恥じるどころかその上に築かれた平和と繁栄を世界史の奇跡などという時代》を送ってきたのだ。そして日本は最早《経済大国でもなくなってきている》。《戦後の道徳の崩壊も多様性と言えば聞こえは良いもののただ価値観のだらしない紊乱》に過ぎず《政治家の大演説からツイッターの呟きまですべてが「あり」で(略)まったくしまりのない「重層的非決定」の状態にわれわれは置かれ》ているのだ。かつて三島由紀夫は書いた。《このまま行ったら「日本」はなくなってしまふのではないかといふ感を日ましに深くする》そして三島は《戦後の平和と繁栄を戦争の真摯な反省の上に立った崇高な価値への転換であると言いくるめ自己中心的な保身を「平和主義の理想」と言いつのりカネと地位と権力への強欲を「繁栄」と脚色する虚偽の精神》に充ち満ちた日本社会に警鐘を鳴らすべく自死したのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。山桜が綺麗に花開き始めた。「生きる」の反対語は「死ぬ」ではなく「生きる」と「死ぬ」はひょっとして同義語で「生きる」の反対語は「ただ生きている」なのでしょうね。ワン。終日雑務。新聞の整理をしていると3月13日付の東京新聞夕刊に森喜朗五輪組織会長が女性蔑視発言で辞任したあと組織委理事に就任された來田享子さんが組織委の汚職談合事件について興味深い原稿を寄せられていた。《会長はじめ当時の組織委幹部は深く憂慮しているのだろうが彼らから反省や将来に資する意見はほとんど聞かれない。そのことが事態の根深さを思い知らせる。組織委は政官民とスポーツ界による「オール・ジャパン体制」を誇った。だが個々の専門性を適切に生かせず責任の所在も不明瞭だった。無責任無自覚のまま戦争に国を引っ張った戦前の指導体制を想起させる》《アイデアが出されると「上に聞いてみます」が繰り返されしばらくすると「上がちょっと難しいと言ってます」との回答。上とはどこか明かされることはなかった》《五輪が社会を映す鏡なら東京大会が問いかけるものは日本社会の公正性とそれを支えるモラルの喪失である》嗚呼。晩飯はWBCを見ながら。日本代表は強いですね。野球は面白いですね。素晴らしいですね。ならば改革しなければなりませんね。特にマスメディアに支配された高校野球とプロ野球を!大谷は今日を最後に投手としての登板をエンジェルスから禁じられているとか。何故日本の野球界は抗議しないの?世界一決定戦よりもカネの契約のほうが上位にあるのを誰もオカシイと思わないの?WBCとはその程度の大会なの?

3月15日(水)
昨日は様々に本が送り届けられてきた一日だったがそのなかに丸善出版発行の季刊誌『學鐙』春号もあったのでベッドのなかでそれを読む。特集は「品がいい 品が悪い」。池内了氏によると「品」とは《その人の挙動や話しっぷりから感じ取れる雰囲気》だが確かに最近は《「品のよしあし」という言葉を聞くことが少なくなった。何事であれ直接的表現によって内容がわかりコスパとかタイパとか言って成果ばかりを気にする。そんな余裕を失った現代においては「品」というようなそこはかとなく包み込む「香り」のような属性は不要になりつつあるのだろう》たしかにそうですね。コスパはコストパフォーマンス。タイパはタイムパフォーマンスのことですね。貧相な考え方ですね。トランプ前大統領に「品がない」のは誰もが認めるところだろうがソレどころではなくポストモダンが過激化して《万人が共有できるような客観的事実は存在しない》という《非常識》にまで至るきっかけを創ったと内田樹氏が書いている。《トランプの大統領就任式に「過去最大の人々が集まった」と虚偽の言明をしたことについて問われた大統領顧問ケリーアン・コンウェイが報道官の言明は「代替的事実(alternative facts)」を伝えたものだと述べた》コレが《「非常識」の起点標識》と言え《無数の代替的事実が等権利的に併存している新しい世界の始まりがこの日に宣告されたのである》と…。ナンデモカンデモFACTSの世界とはヒドイ世界になったものです。こーなると《発声機会の多い人や声のデカい人間の勝ちである。それがポスト・モダンの知的退廃の実相である。知的無法状態が現出した》わけで最早《「品が良い/悪い」などという判断に普遍性が求められるはずもない》とはトホホの世の中。それでも品良く生きたいですね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。WBC日韓戦で始球式に現れて大暴投した岸田首相を取りあげて始球式についてアレコレ話す。なぜ大統領や首相が始球式をやるのか?という話。これは「交代の儀式」なんですね。どんなエライさんも野球場では選手が主役であることを示す儀式。大統領や首相の私でも野球はできませんので選手に楽しい野球を見せて下さいとお願いして交代する儀式なんですね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。終日原稿書き。『ZAITEN』の連載コラム「今月のスポーツ批評」を完成させてメール送稿。WBCがどんなに盛りあがっても日本の野球界の「発展にはまったく関係がない!」という話。そうですよね。リトルリーグからプロ野球まで日本の野球組織はみんなバラバラなんですからね。そんなヒドイ組織を主導してる「朝毎読」サン!なんとかしてくださいよ!うわっ。若隆景また負けた。貴景勝も!湘南の海は4連勝で頑張ってますね。

3月14日(火)
ベッドのなかで昨日送られてきた雑誌(?)と言うかムック(?)と言うか佐伯啓思氏監修の『ひらく』(A&F)第7&8号を持ち込み読み始める。7号の表紙と巻頭アートは横尾忠則。8号はロシア絵画で小生の大好きなクラムスコイのアンナ・カレーニナをイメージした『見知らぬ女』。どちらも大判印刷でじっくり見るに値する。編集長になった友人のO氏は良い仕事を始めたようだ。8号のロシア特集から佐伯氏の論文「ロシアの戦争と西欧文化」もマスメディアが指摘しないを「文明の相違」をシュペングラーの「西洋の没落」やハンチントンの「文明の衝突」を引き合いに出して解説。非常に興味深いもので他にも井上道義氏が語るロシア音楽や竹内洋氏と佐伯啓思氏の対談「日本から知識人は消えたのか」など読書欲をそそる企画が満載。ここしばらくは読む本に悩むことはなさそうです。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと北海道旅行の精算など雑務をこなしていると講談社から今月の現代新書が届く。河村小百合『日本銀行 我が国に迫る危機』腰巻きに「金利1%引き上げ2年で債務超過に/新規国債発行ストップで社会保障費も防衛費も一律4割カット」とある。金融政策を自画自賛して辞めた日銀総裁がいたけどチョット眉に唾をつけたくなっていたのでコレは読まねば。篠田英朗『戦争の地政学』も大久保健晴『今を生きる思想福沢諭吉 最後の蘭学者』も読みたいなぁ…と思っていたら玉置悟『地政学と冷戦で読み解く戦後世界史』という単行本も講談社から届いた。著者には特に面識はないがコレも面白そう。読みたい本や読むべき本は一気にまとめて出現する。世の中は上手く進まないものです。あ。大江健三郎さんが亡くなった。高校生のときに最初に読んだ『人間の羊』のショックから『セヴンティーン』『個人的体験』『蔓延元年のフットボール』へと続いた高校時代のショックの連続は忘れられませんね。憲法9条の会&原発反対を引き継ぐ大江さんレベルの人物が出てきてほしいものです。合掌。終日雑務と岩波ブックレット『夏の甲子園はいらないー問題だらけの高校野球』の最終校正を終えて宅急便で送る。あとは表紙・目次・奥付の校正で一段落かな?

3月13日(月)
ベッドのなかで夏目漱石『草枕』約50回目の読了。一番最初に読んだのは中学2年のとき国語の授業で第1章だけを読まされた。難解な言葉の連続に圧倒されながらも辞書を何度も引きながらとにかく画家が旅して芸術論を語るだけの話を読んだ。ふ〜んと感心したことだけを覚えている。その後大学に入って授業はまったく出る気にならなかったけど漱石くらい読んでおかなきゃと思って読んでこれは凄い小説に違いないと感激。その後スポーツライターとして少しは収入を得て漱石全集を買い何度も読んだ。50歳を超えた頃に『草枕』だけは気軽に何度も読みたいと新潮文庫を買ってそれを今も繰り返し読んでいる。もはやボロボロで文章には側線だらけだけどこの本は死ぬまで手放せないですなぁ。苫小牧のホテルでベッドから出てシャワーを浴びてバイキングの朝食を取ったあと岩波書店から送られてきていた小林信也さんとの共著『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)第三校の校正開始。あと少しで自分のページのチェックが終了というところで時事通信社の担当者から電話。時間となったのでこうし控え室へ。苫小牧の財界の方々と昼食を摂ったあと1時間半の講演。先週稚内で話した内容とほぼ同じことを話させて頂いて質疑応答になると子供たちのアイスホッケー・チームを指導している方から勝利至上主義について質問。その弊害がよく語られるけど勝利を目指さないスポーツなんてあり得ないのでは?という問いだったので勝利を目指すのは当然だけど勝利が何よりも素晴らしい(至上)というのは間違いと話す。勝利は単なる喜ばしい勝利だけのことですね。講演のあと時事通信社の用意してくれたタクシーで新千歳空港へ。雨で厚い雲が垂れ込め強風が吹いていたので心配したが無事離陸。機中で『高校野球廃止論』の校正を完成させて羽田へ着いたらちょうど大船行きのバスが10分後に出発。それに乗って帰宅。コロナ明けで1週間に2度の北海道一泊旅行はチョイとシンドイかったかな。吉本新喜劇を笑いながら見ながら晩飯&酒&ネル。

3月12日(日)
今日もベッドでの読書は中止。朝少々早く起きて昨日完成させた『ZAITEN』対談原稿をチェック。完成させて朝飯&黒兵衛と散歩。山桜の白い花が少し開花。染井吉野はまだまだですね。ワン。午前中に『ZAITEN』原稿をメール送稿してイロイロ準備。午後から東海道線で川崎駅へ。タクシーで羽田空港第2ターミナルへ。ANAで新千歳空港へ。タクシーで苫小牧のホテルへ。晩飯は機内で済ませたのでビールだけ買い込んでテレビでWBC日本vsオーストラリア戦。大谷の超特大3ランホーマーも素晴らしかったけど山本由伸のピッチングも流石でしたね。途中ニュースで貴景勝が3場所連続翔猿に敗れるのを見る。土俵際でちょっとバタバタしてしまったですね。綱取り大丈夫かな?WBCは日本チームがオーストラリアに難なく勝って4連勝で準々決勝へ。『草枕』最終章を読みながらベッドへ。苫小牧泊。しかし『草枕』はメッチャ面白い小説ですけど不思議な小説ですね。ドラマが背景にしか存在せず表舞台は芸術論(小説論)なんですからね。しかし何度読んでも面白い。

3月11日(土)
ベッドでの読書は中止して朝6時から『ZAITEN』後藤逸郎さんとの対談の原稿書き。8時頃一端休止して朝食と黒兵衛との散歩のあと再び机の虫に。昼食&昼寝を挟んで2時46分には少し黙祷。あの日は我が家でもかなり大きく揺れて次女が生まれたばかりの長男を抱きしめて叫び声を上げていましたね。幸い被害は軽微に終わってガラスが1枚割れたこととCDが床に散乱したことくらいでギュギュウヅメの本棚の本は迫り出しただけで飛び出さずに済みました。その年の秋から10年連続して石巻を訪れ『武道フェスティバル』に参加したり石巻専修大学の教壇に立たせてもらったりしましたが東京五輪も終わって東京都の支援も終わったようでイベントは終了。小生も訪れることは途絶えてしまった。石巻スポーツ協会や大学の皆さんは元気にやってるかなあ?また機会があれば訪れたいと思います。夕方に原稿完成。晩飯はWBCチェコ戦を見ながら。チェコもなかなかシッカリした野球をやってますね。日本が勝ち進んで大人気のときにケチを付けたくもないですけど日本以外の試合の観客席がガラ空きというのが日本の野球人気の現状の限界とも言えますね。

3月10日(金)
ベッドで『草枕』の続きを読みたかったが仕事の関係で後藤逸郎氏との対談の速記録を読み直して頭に入れる。締め切りの関係がありますからね。『草枕』を読めないのは残念。だがまだ続きを読むことできると思えると嬉しい。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日原稿書きは午後3時で一端休止。『オプエド』の準備。今日のゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと初登場の日刊スポーツデジタル部長の佐々木一郎さん。佐々木さんは大相撲記者歴10年以上で大相撲中心のツイッターのフォロワー数数万人を誇る大相撲の専門家。世の中WBCの話題一色のなかで伝統文化は粛々と推し進められるべしという荒井さんの言葉(以前オプエドに出演してもらったときにロンドン五輪のときにもセント・アンドリュースでの「ジ・オープン」やウィンブルドンでのテニスが行われていたことを例に挙げての指摘)に従って12日(日)に初日を迎える大阪場所の話題を取りあげる。テーマは「どうなる?荒れる春場所!どうする?綱取り貴景勝!」しかし荒井さんも佐々木さんも指摘したけど大阪場所(春場所)は横綱の優勝が多く意外と荒れていないらしい。だから…ではないが貴景勝の綱取りは成功しそうな気配!?そんな話題が満載の番組は今も視聴できます。https://op-ed.jp/ 番組が終わって晩飯食べながらWBC日韓戦。先制ホームランを打たれて3点リードされたもののすぐさま逆転の上に猛打爆発。あわやコールドゲームの圧勝。投手陣の差なのか打線の差なのか?とにかく「差」はありましたね。ヌートバーたっちゃん人気急上昇は納得。こうなると村上にアメリカ戦やドミニカ戦を見据えてゆっくり調整してほしいですね。しかしこのWBC人気により収益はんほんのや級の発展につながるのでしょうか…?

3月9日(木)
ベッドでの『草枕』は熟読と言うよりあらゆる一字一字を楽しんで読める。無人島に持って行く本を一冊と言われれば迷わず『草枕』を選ぶだろう。いや。夢野久作の『ドグラマグラ』も捨てられない。沼正三の『家畜人ヤプー』という手もあるか?いや。谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』だな…などと思った末にヤッパリ『草枕』に戻ってしまう。世の中にこれ一冊あれば十分ですね。グレン・グールドもそう思ってベッドの横に『草枕 Three Cornered World』を置いて亡くなったのですからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暖かい。♪も〜すぐハ〜ルですねぇ〜…ですね。ワン。終日雑務処理イロイロ。岩波書店から小林信也さんとの共著『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』の表紙が送られてきた。4月1日発売の岩波ブックレット680円+税。売れてほしい…という以上に多くの人に読んでほしいですね。スポーツネットワークジャパンからは『スポーツゴジラ58号』も送られてきた。小生の連載『走』第5回は1964年東京五輪マラソンのエチオピアの哲学者(アベベ)の話。特集は『スポーツ選手が愛した本1冊』。ミドル級世界王者だった村田諒太の愛読書はフランクルの『夜と霧』。シブイですねえ。嬉しいですねぇ。ちなみに柔道の山口香さんはマーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』。五輪体操金メダリストの加藤澤男さんは世阿弥の『風姿花伝』と西田幾多郎の『善の研究』でした。ブラーヴォ!晩飯はWBC対中国戦を見ながら。中国も力を付けてきている…とはいえ少々先行きが心配になる第1戦でしたね。村上を4番に戻さなくても良かったのでは?

3月8日(水)
稚内のホテルで目覚める。ベッドでの読書は『草枕』を続行。これは漱石の小説のなかでも絶品ですね。那美さんはナント素晴らしい女性なんでしょうねえ。俗界の人間からキ印などと呼ばれながら寺の和尚に素晴らしい人物と言われる那美さんは男を前にしてザッハリッヒカイトの接触が貫けるところがタマリマセン。エロスがギリシア彫刻の美に昇華する温泉のシーンなど何度読んでも凄い美しさですね。ワン…といういつもの吠え声は聞こえないのでホテルの窓外を見ると濃い雲が垂れ込めている。昨日も曇天で晴れていれば見えるはずのサハリンが見えない。岡田嘉子のようにソ連(ロシア)に亡命したいとは思わないけれど残念。1階のロビーに行くと気温はマイナス1度で凄く暖かいと言われた。ナルホドところ変われば価値観も変わる。部屋に戻ってスタンバイするとRKB毎日放送から電話がかかってきて『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』に電話出演。WBCの盛り上がりを受けて野球の話。明治時代に野球を始めた頃の日本(一高を中心とした旧制高校や大学)では死球でも投球を避けたり逃げたりした打者は一塁へ進めなかったという話を紹介。1899年に発行された『最新ベースボール術』という本には《打ち手たる者の思想盤石なるを称せんとの旨意にて打ち手たる者は抜群の豪漢にあらざれば到底この恩恵(死球で一塁へ進むこと)に預かることを禁ず》と書かれているのだ。さらに明治時代は盗塁を何度も楽しむために塁上の走者は逆走を許されていた話も。野球は面白ルールがいっぱいあったんですね。しかし韓国の投手が大谷にはぶつける以外ない…なんて口を滑らせてしまって内角攻めが遣りにくくなりましたね。日本に有利とは言え私はリリーフ投手陣がチョイと心配です。ラジオを終えてホテルのレストランで朝食を済ませると昨日の講演会でお世話になった時事通信旭川支局長から部屋に電話。東京を飛び立った稚内行きの便が稚内空港の濃い霧と厚い雲のため旭川に着陸するかもしれないという。その際は東京へ帰る便がなくなるので旭川までJRで行って最終の羽田行きに乗るか…または札幌からの便が稚内に着陸できればそれで折り返し札幌(新千歳空港)へ飛んで羽田行きに乗り換えるか…どちらかになるという。マイッタな。サハリンは見えなくても突然本州最北端に来た実感が身に染みる。旭川支局長にとりあえず稚内空港へ送ってもらい少し待っていると羽田からの便が無事稚内空港に着陸との知らせ。そこかしこで良かった良かったと見送りの人と別れた人が(私も含めて)手荷物検査を受けて出発ロビーの待合室へ。そして無事羽田空港に帰って来ることができました。ほっと一息だけど空の上から間近に新宿新宿副都心の高層ビル街や巨大な0(ゼロ)としか見えない新国立競技場などはヤッパリ不気味でしたね。これほど巨大な…それでいてそれほど価値があるとも思えないビルや建造物を山ほど抱えて未来の日本は何処へ向かっていくのでしょうか…なんて感慨を抱くのは『草枕』を読み続けているせいか?

3月7日(火)つづき
羽田を出発して「異変」に気付く。左下に見えるのは皇居か。しばらくすると遠くに高層ビル街。真横にニョキッとスカイツリーが出現した。東京都心の真上を飛ぶ新コースは初体験。飛行機の飛ぶ下の住民の皆さんの気持ちもわからないわけではないがそれ以上にこの大都市はいったい何を創りあげたいのかと巨大な沢山のビルを見ながら首をヒネってしまった。百年経ったらこれを全部壊して造り替えるのかな?…などと思ううちに爆睡。稚内空港に到着。時事通信旭川支局長の方が迎えに来てくれていてホテルへ直行。宗谷はまなすクラブの人たちに御挨拶のあと少し部屋で休んでから講演会1時間半。今はWBCで大騒ぎし東京五輪でもW杯サッカーでも大騒ぎしけど我々が如何に「スポーツを知らない」かということを面白おかしく話させていただく。ドッジボールやバレーボールやサッカーやボクシングとは「どういう意味か?」と聞かれて答えられる人はほとんどいませんからね。体育の先生に訊いても「屁理屈言わずにグラウンド3周」と言われるだけですからね。そんな体育教育しか受けずに「スポーツ文化」とはどういうものかもや知らないままに電通とか高橋氏とかが政府と手を組んで利益を独占したのが今回の贈収賄事件であり談合事件なんですね…といった話やパラスポーツやスポーツベッティングの話をしたあと懇親会に出席。北海道の最北端宗谷地方の広い土地と少ない人口の問題点や美しい自然がまだまだ知られていない実情を教えてもらったり大道芸人さんのジャグリングやマジックショーを楽しんだり…楽しい時間を過ぎさせていただいて稚内泊。明日は雪も降らず風もなさそうで飛行機は飛んでくれそうだと確信して爆睡。

3月7日(火)
朝早くに黒兵衛の散歩を済ませたあと東海道線で川崎へ。タクシーで羽田空港へ。直行便で稚内へ。北海道は何度も札幌や小樽やニセコや函館や釧路や根室や旭川…などに行ったけど日本の最北端稚内は初めてでした。

3月6日(月)
ベッドのなかで読む(たぶん)50回目の『草枕』も凄いけど大谷の2打席連続3ランホーマーはもの凄かったですねえ。今日1日でやった仕事やらナンヤラカンヤラがすべて頭の外にぶっ飛ばされました。まいった。これでピッチャーなんですからねえ(>_<)。おまけに性格も誰もが非の打ち所がないと言う。どーしたらあんな青年が生まれ出てくるのでしょうねえ?マイッタ。

3月5日(日)
ベッドで漱石『草枕』読み続ける。いつ読んでも何度読んでも素晴らしいですね。《四角な世界から常識と名のつく一角を摩滅して三角のうちに住むのを芸術家と呼んでも良かろう》そう言えばAlan Tureyの英訳タイトルは"The Three-Cornered World"でした。ピアニストのグレン・グールドが50歳で亡くなったベッドの脇にはこの本が置かれていたそうです。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。綺麗な紅梅や白梅はそこかしこの庭先で見かけるが玉縄桜があるのは1軒だけ。ヤッパリ家に置くには花が長持ちする梅のほうが散るのが早い桜よりも良いのかな。我が家もそうだけど…ワン。散歩のあと午前中は週明けの久々の講演会のレジュメ作り。午後は『ZAITEN』の後藤逸郎さんとの対談まとめ作業。東京五輪2020では大手新聞社がすべてスポンサーになったのだから贈収賄やら談合やらいったい何やってんだぁ!と激怒すべきなのにみんな静かにしてるのは自分たちにも後ろめたいことがあると思われても仕方ないですよねという後藤さんの指摘は常識的で鋭いですよね。今夜も晩飯のあとNHKの『南海トラフ地震特集』を見たけどヤッパリ少々かったるかったですねえ。深刻な話題なのに鋭さがない。小生がNHKの番組審議委員をやっていた10年前くらいには何人かの委員の方と一緒にわかりやすさを追求してお笑いタレントや芸能人を多用することやジャーナリスティックな話題を安易にドラマ化することを批判したんですけどねぇ…NHKの番組も民放化してきましたね。

3月4日(土)
何日か前に朝のNHK-BSで夏目漱石や森鴎外が私的パーティで食べたフルコースの食事を再現した20年以上前の番組の再放送をやっていて(嵐山光三郎さんや池内紀さんや江國香織さんが出ていた)面白かったので久しぶりに『草枕』を読み返したくなってベッドに文庫本を持ち込む。もう何十回目の読み直しかは忘れたがやっぱりコレは最高に面白く素晴らしい小説ですね。春は《猫は鼠を捕ることを忘れ人間は借金のあることを忘れる》のですね。しかし読み進むとあまりに「非人情の世界」への没入が激しくなって仕事ができなくなりそうでヤバいですね。マァ最後は戦地に赴く若者を見送る話になって漱石も俗界から離れられないわけですが…ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと月に一度の医者通い。先月行った血液検査の結果が出たけど毎度のことながら無問題。血糖値コレステロール肝臓…すべて検体取り違えかと見紛うばかりの問題なし。小生は以前から何故か血液検査だけは百点満点なのだ。大船でヨメハンとの買い物に少し付き合って帰宅。タクシーの窓から見えた早咲きの玉縄桜が満開で綺麗だった。濃い紅色の河津桜よりこっちの方が可愛いけれど量で負けてますね。しかし早咲きでこれだけ綺麗と今に有名になるかな?帰宅後『ZAITEN』対談の速記を読んだりイロイロ仕事。晩飯は『報道特集』を見ながら。電通が発注して電通が受注したオリンピックの運営。下請け孫請け曾孫請け…で予算が膨らんで…こんなバカなことを組織委の事務局長も会長も知らなかったのでしょうかねえ?今何も話さないのは何故でしょう?五輪汚職問題で頑張ってるテレビはTBSの『報道特集』だけ?NHKが南海トラフ地震のドラマを前編後編に分けて力を入れてやったというので見たけれど…かったるいTVドラマの域を出なかったように思えて残念だったのは小生の性格がそもそもTVドラマのリズムに合わないからでしょうかねえ?しかし地震がテーマのドラマに不倫もどきの逸話を入れなきゃならないものなのでしょうか?それが令和の家族の日常?しかしヒドイ脚本ですよヤッパリ(>_<)

3月3日(金)
三島由紀夫『映画的肉体論』が面白かった。《映画製作の場合には知的戦略よりも感覚的抵抗のはうに分があることを認めなければならない。一例が市川崑の「雪之丞変化」であるがこの絢爛たるデカダン芸術の精華は一体誰が騙されてこんなものを作らせたのかと私をして唖然たらしめた。市川氏の感覚的レジスタンスの猛烈さは「東京オリンピック」で世間周知のものとなつたが氏は決して戦略など使はないから結局勝ってしまふのである》ナルホド。チョイと関係ないけど『雪之丞変化』には『東京オリンピック』の聖火ランナーが暗闇のなかから走り出すシーンとそっくりなシーンがありますね。オリンピックをデカダンスとレジスタンスでやっつけた市川崑はやっぱり凄いですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。桃の節句。梅満開ほどの暖かさは昨日までか?終日デスクワークは『ZAITEN』後藤逸郎氏の対談速記録を読んだり夕方からの『ニューズ・オプエド』の準備をしたり。ゲストは生島淳さん&福島良一さん。特集では「WBCの本当の魅力!世界一決定戦より面白いベースボールとは!?」と題して野球の面白さ&楽しさを語り合う。何しろ野球というのはかつて「逆に走る盗塁」が認められていたくらいで盗塁の好きな走者は何度も行ったり来たりの盗塁をやってプレイした(遊んだ)くらい楽しいものですからね。いろいろ野球の楽しい話題を話す。生島さんはメジャーのアリゾナ・キャンプを見ながらレモネードを飲んだときの楽しさが忘れられないとか。小生は同じアリゾナ・キャンプを楽しんでいたときに出逢ったガラガラヘビが尻尾をガラガラ鳴らしていたのが忘れられないというと福島さんがベースボールは周辺まですべてが歴史ですねえ。レモネードとガラガラヘビと歴史の三題噺。もっと本質的なベースボールの楽しい話もしていますのでhttps://op-ed.jp/にどうぞ。今なら見れます。あっ。車椅子テニスの国枝慎吾さんに国民栄養賞が贈られるとのニューズのときに三島由紀夫の文化勲章大批判を紹介。勲章とはそもそも形を残さない人への栄誉として贈られるもの。だから政治家や軍人が喜ぶ。芸術文化(家スポーツ)で何かを残した人に文化勲章のようなものを与えるのはオカシイ(屋上屋を重ねるだけ)というのが三島の主張。生島さんもサスガ三島の炯眼と認めながらもパラスポーツが国民栄誉賞に加わったことは評価。小生も同意見です。盗塁王の福本選手が「立ち小便ができなくなるから」と国民栄誉賞を辞退したのも見事でしたね。イチローの拒否も見事。オプエドのあと『チコちゃん』…はパッと見再放送とわかって桃の節句のバラ寿司と日本酒に専念。   

3月2日(木)
『あなたは現在の恋人と結婚しますか』と題した三島由紀夫の『女性自身』(光文社・昭和39年5月)に掲載されたエッセイも面白かった。男性を「精虫行動型」「セックス・キリスト型」「深謀遠慮型」「健康実行型」「純粋男性型」に分類。順に堀江謙一/エルヴィス・プレスリー/大石内蔵助/金田正一/エジンバラ公を例に挙げる。今の若い女性には(男性にも)ナンノコッチャ?と思うほかないだろうがプレスリーのことを《ヨーグルトを固めたやうな男》と書き《ことごとくセクシーならざるはないといふこの男。しかし男の中の男と呼ぶには何か欠けてゐるやうなこの男》と書く。わっはっは。確かに。祇園で遊ぶ大石内蔵助のことを《俺は酒がうまくて飲むんぢやないぞ。社用で仕方なく飲んでゐるんだ》と言う《社用族の大先輩であり"会社のため”といふ悲愴感に裏づけされた日本的快楽の大原則を打ちたてた》と書く。わっはっはと笑わずにはおられない。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと雑務の一日。『ZAITEN』編集部から後藤逸郎さんとの対談の速記起こしが送られてくる。週末ゆっくりできるかと思ったけれど原稿書きですね。嬉しいこってす(^_^)明日の『ニューズ・オプエド』はゲストが大リーグ評論家の福島良一さんとスポーツ・ジャーナリストの生島淳さんに決定。「世界一を争う(という)WBC」よりももっと面白いベースボールの本当の魅力を語り合いたいですね。

3月1日(水)
三島由紀夫のエッセイのなかに『生徒を心服させるだけの腕力を−スパルタ教育のおすすめ』と題した文章を発見。昔の教師は「教鞭(きょうべん=教師が生徒に使う鞭=むち)」を持っていたとか授業中に無駄話をしていたらその相手の頭と自分の頭を思い切り鉢合わせさせられたとか授業中に後ろの席の友人と睨めっこをしていたら突然教師に机と椅子ごとひっくり返されて「出て行け!」と怒鳴られて詫びたとか…武勇伝にも思える昔話。《私は天才教育などといふアホなものを信じない。「何クソ」といふ気持ちを養はせるだけの力がなければ何事も育ちはしない》《文学書ばかり耽読してゐる子からは無理矢理に本を取りあげてスポーツをやらせる。スポーツにばかり熱中してゐる子は襟髪をつかんで図書館にぶち込み強制的に本を読ませるようにすべきである》わからないでもないがそれは言葉で可能なはず。それに三島が体育部に所属しなかったことは幸いだった。戦後の戦地帰りの体育教師の暴力はかなりのもので特に剣道教師は面を少し持ち上げさせて喉に突きを喰らわせたと聞いたことがある。文豪として有名になってから剣道を始めた三島にはそんなシゴキを加える指導者はいなかっただろうが三島が戦後の学校の体育部を経験していたらスポーツや肉体鍛錬に対する意見も相当に変化していたはずだ。ワン。黒兵衛との散歩の前にRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOM音声出演。市立船橋高校男子バレー部の顧問による暴行事件を取りあげる。昨日も書いたように校長先生の「今は許されない」という発言はダメ!昔は許されたの?三島の文章のことまでは話せなかったがイギリスでも昔は教師が「教鞭」を使い「暴力的指導」もあったらしいがスポーツではそれはなかったはず。何故ならスポーツは一切の暴力を排除することから生まれたカルチャーだといことをスポーツを生んだ国の人々は知っていたはずですからね。それにそもそもSPRTという言葉は遊び・冗談・お巫山戯…といった意味ですからね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。終日デスクワークは主に雑務。新聞の整理をしていたら中国へ帰るパンダが大きく取りあげられていた。テレビのニュースでも大きく取りあげられていたけど皆さん近くでパンダを見たことがないからでしょうね。小生は上野動物園園長時代の中川志郎さんに檻に入ったパンダを間近で見せていただきましたがあの眼の怖さは忘れられません。やっぱり熊猫は猛獣なんですね。それにしてもあの怖い目つきを白黒のかわいい模様でカモフラージュしているのは見事ですね。さすがは中国の動物という言い方は当たってるのかな?

2月28日(火)
三島由紀夫のエッセイは本当に面白い。アフォリズムも引用も自慢話もタネ明かしも照れ隠しも面白い。そうか。『潮騒』は『ダフニスとクロエ』を下敷きにしていたのか。《小泉八雲は日本人を「東洋のギリシア人」と呼んだが都市はともかく辺鄙な漁村などにゆくとたしかにそこには古代ギリシア人に似た生活感情が流れている》ホンマかいなと思うのも楽しい。《顔も都会人より立派で美しい。日本人の美しい顔は農漁村にしかないのではないかといふ気がしてゐる》昭和はそうだった気がします。そして『潮騒』の2度目の映画化に吉永小百合が選ばれたことを大喜び。《彼女がいくら平凡に見えてもかういふ平凡さが永遠に新鮮だといふことを見抜く点では日本の大衆の眼力は相当のものである。いはゆる「個性」なんかには永遠の力はない》なるほど。そして『キネマ旬報』での吉永小百合に対するインタヴューを引用。《尊敬してる人物は?「ペスタロッチと宇野重吉さん」これから撮りたい映画は?「樋口一葉の『たけくらべ』とアンドレ・ジイドの『田園交響楽』この二つの並べ方には十代の少女の清純さの自信に仄かな女優としての自負がまざってゐるところが仄見える》そう言えば吉永小百合さんは五木寛之氏との対談で「好きな音楽は?」と訊かれて「ベートーヴェンの運命交響曲」と答えていた。こういう答えを含めて三島はこう書く。《この何とも形容しがたい返事に私は今の十代の渋好みのダンディズムを感じた》今の(令和の)十代のアイドルはどういう答えを返すのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと『夏の甲子園はいらないーー問題だらけの高校野球』で岩波の担当者とイロイロ連絡。平尾剛・溝口紀子・佐野慎輔の各氏が素晴らしいエッセイを寄せてくれたことに感謝。中日文化センターの担当者ともイロイロ連絡7月の兵庫文化芸術センターでの佐渡裕さんプロデュースのオペラ『モーツァルトのドン・ジョヴァンニ』の講座と鑑賞ツアーのチラシについても打ち合わせ。楽しい雑務は精神的にイイですね。確定申告の残った雑務にはウンザリ(>_<)晩飯食べながらニュースを見ていたら市立船橋バレーボール部顧問の暴行事件について校長先生が「今の時代には受け入れられない」と発言していた。この発言はオカシイ。昔なら暴力指導が受け入れられたのか?そんなバカなことはない。戦後の戦地引き揚げ者の体育教師による学校の部活動の軍隊化の歴史を教育者なら知るべきですね。

2月27日(月)
昨晩は送られてきた雑誌『ZAITEN』(財界展望新社)をベッドに持ち込み読む。自分の連載原稿『今月のスポーツ批評』(昔は商品レースと紛い物扱いされた銀座ホステスマラソンが『チコちゃん』によって市民レースの草分けと紹介されたことへの違和感)や佐野慎輔さんとの対談(スポーツとメディアの関係を刷新せよ!)にも目を通したがお目当ては佐高信さんの連載対談。これまで前川喜平・ラサール石井・水道橋博士・安藤優子・西山太吉・田中優子・有田芳生・田中秀征・落合恵子…などの各氏と対談。どれも興味深かったけど今回の相手は鈴木エイト氏。そうか。統一教会とズブズブなのは菅義偉前総理なんですね。世耕弘成参院自民党幹事長も。皆さんテレビでは喋れないことだらけで苦労されてますね。私だけではないのですね(苦笑)。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日聴いた鶯の声はホーホケキョだったが今日はホーホケケキョ。毎年啼くシンコペイデッド・ウグイスが今年も戻ってきた。いや子供かな?散歩のあと終日確定申告資料作り。一番苦手な作業。疲れる。資料のなかに紛れていたWBC東京大会のチケット販売の宣伝チラシを発見。公式戦では年間指定のVIP席。弁当&スナック付き飲み放題。記念ギフト付きやらイロイロ込みでプレミアムラウンジは19万8千円!準々決勝は22万円!プレミアムシートは8万8千円と11万円!こういう金額が日本の野球界に還元されるならイイですけどね…。そーいえば以前三枝成彰さんのオペラ『忠臣蔵』のスタッフとして同じような席に正力亨オーナー夫妻から招待されたことがあった。そのときの巨人の担当者が昔巨人の広報担当者として雑誌記者だった小生と大喧嘩した人物。「再び取材拒否しようと思ったけどオーナーの御招待ですからね」と苦笑いして互いに懐かしくってフランス料理のあと座席後方のラウンジで一緒にウイスキーやビールやブランデーを何杯も飲ませていただきました(笑)。そして試合を見に席に座ると外野のカメラマンが小生を発見。何人もの新聞記者がナンデあの男がオーナーの招待席にいるんだ!?と多勢寄ってきたらしいです。小生には知らせてもらえませんでしたけどね(苦笑)。一度だけの経験ですけど小生は野球は屋外でビール飲みながらベンチ裏の席あたりから見るのが好きです。昔話が出るのは歳とった証拠ですね。確定申告資料作りは一応完成かな。ふううう。

2月26日(日)
二・二六のことなど誰も気にしないその日が少し気になるのは三島由紀夫の読み過ぎか?しかしアフォリズム連発の文章が面白いのだから仕方ない。《テレビによっていくらでも雑多な知識は広く浅く供給される。無用の知識はいくらでも増えるが有用な知識をより分けることはますます難しくなりしかも忘却が次から次へとその知識を消し去ってゆく》《人は孤独になればなるほど予想外の行動に出るものであって「一人きりでゐるとき人間はみんなキチガイだ」といふモオリヤックの言葉は人間性を洞察した至言にちがひない》ナルホド。たしかに。これは昭和39年東京オリンピックの後に「秋冬随筆」と題して『こうさい』という雑誌に連載されたもの。《オリンピックのやうな非常の事態に対抗できるものはただわれわれの「しきたり」だけである筈だがその「しきたり」を失つてしまつてはすべてが浮き足立つてしまふのはやむをえない。たとへばオリンピック期間中には十三夜があり浅草観音の菊供養があり京都平安神宮の時代祭があり鞍馬の火祭がある。それを外人に見せるものにするのは卑しく日本人がかういふ行事をオリンピックなどどこ吹く風といふ顔ですまして自分本位にたつてゐたらどんなに洒落てゐただらうと思ふのに天下の歌舞伎座の正面にまでウエルカムといふ英語の看板が掲げられるやうになつてはおしまひである》確かに。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。満開の梅の脇で鶯がホーホケキョと啼いている。鶯は「しきたり」を守っているようだ。ワン。終日デスクワークは確定申告用の資料を揃える作業。ほとんどはヨメハンがやってくれるのだが小生も少々手伝う。年に1回面白くない作業。モオリヤックはノーベル賞作家だけど読んだことないなぁ…十五夜は知っていても十三夜は近頃誰も騒がないなあ…そもそも新暦では無縁か…などと思いながら領収書の整理。晩飯はヴェルディ『マクベス』第2幕を見ながら。ハンプソンの気弱でやさしそうなマクベスとマッロークのメチャメチャ恐ろしそうなマクベス夫人のコンビはイイですね。歌も音楽も最高のチューリヒ歌劇場の舞台です。風呂の後はNHKドキュメンタリー。ウクライナ開戦直後の72時間。ゼレンスキー大統領周辺の超危機がよくわかりました。そのあとのBSのNHKで働くウクライナ人女性のディレクターのリポートも良かったです。この戦争はどこまで続くのかなあ?イタリアやドイツや日本のような敗戦をロシアが迎えるとも思えませんからね…。

2月25日(土)
三島由紀夫が昭和39年に『現代文学の三方向』と題して評したのは安部公房『他人の顔』大江健三郎『個人的な体験』北杜夫『楡家の人びと』の三編。《かうして見ると今のところ最も有力と見られる現代文学の三方向はいづれも暗雲に閉ざされてゐるやうに見えるが暗雲の兆が見えるのはそれだけ地平線のはうへ人に先んじて歩いて行つたからに過ぎず「本日晴天明日も晴れるでせう」といふやうな小説を私ははじめから愛することなどできない。いづれ「悪しき腫物(しゆもつ)」を生じることにならうとも私はこれら三種の作品とその作者の額に「獣の徽章(しるし)」を見出したからこそこれらを愛読したのである》と書いている。小説のレベルが高い時代だったですね。戦後20年・皇太子御成婚・高度成長・オリンピック…と小説のレベルは関係あるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。あっという間に庭の白梅がほぼ満開に。春はそこまで来ているみたい。ワン。終日デスクワークは本HPの更新原稿作り。以前月に2回やってた作業を月に1回にしたけど日頃からコツコツやっていないから時間がかかる。コツコツ仕事するのは苦手ですね。そう言えば試験もほとん一夜漬けでしたから(>_<)晩飯はニュースのあとNHK『のど自慢チャンピオン大会』を見ながら。同じような歌ばかり(演歌は1曲)だったけどサスガはチャンピオン大会。全員なかなかの歌唱力で市井の素人の頑張る歌声を聴くのは意外に面白かった。優勝は予想通りNHKが好みそうな父母に感謝の歌を歌った若い女性。見終わったら井筒和幸監督の映画『のど自慢』を見直したくなってDVDを引っ張り出して2時間近く見てしまう。これは心優しさに溢れた良い映画ですね。『ゲロッパ』とともに「李鳳宇×井筒和幸コンビ」の大好きな映画です。

2月24日(金)
三島由紀夫『をはり(終わり)の美学』一気に読了。昭和40年に『女性自身』に1年間連載した短いエッセイ。いろんな雑誌に書いてはりますなぁ。「結婚のをはり」に始まって「電話」「流行」「童貞」「OL」「尊敬」「学校」「美貌」「手紙」「芝居」「旅行」「個性」「喧嘩」「正気」「礼儀」「見合ひ」「宝石」「仕事」「梅雨」「英雄」「嫉妬」「動物」そして最後は「世界のをはり」とタイトルを全部書き出したのはドレモコレモ面白い記述に溢れ再度自分で「○○のをはり」を考えるのも面白いと思ったから。《自然に近い人間と自然から遠い人間がある。悪いと思ってゐながらやめられないといふ人は前者。悪いとわかってゐることは絶対に意志の力でやめるといふ人は後者。だいたい全人類の99%が前者で1%が後者だと思って間違ひありますまい》なるほど。《自然は事実を示すだけ。自然はけっして「宣言」などしない》「梅雨のをはり」から始まった記述は「梅雨入り宣言」「梅雨明け宣言」をする人間の話につながる。「英雄のをはり」では《英雄とは本来行動の人物だけにつけられる名称》だから《何も形の残らないもののために勲章と銅像の存在理由がある》と書いて文化勲章は邪道と批判する。ナルホド。プーチンに早く勲章や銅像を与えてウクライナから軍隊を引き揚げさせるべきですね。まさか彼は《永遠に魅力的な夢》である「世界のをはり」に向かって突き進んでいるのではないでしょうね。ワン。黒兵衛と散歩のあと4月1日発売の岩波ブックレット『夏の甲子園大会はいらないーー問題だらけの高校野球』の再校正を必死になって仕上げて宅急便で返送したあと『ニューズ・オプエド』。ゲストは一橋大名誉教授の坂上康博さんとジャーナリストの後藤逸郎さん。サッカーの近畿大会決勝出場より修学旅行を優先させた神戸弘陵高校の判断を高く評価したあと「東京五輪贈収賄&談合事件と日本のスポーツの将来」について話し合う。オリンピックを全TV局が中継する不思議さ坂上先生が指摘。ナルホド。五輪となると新聞社やTV局が足並みを揃えること自体がオカシイことに小生も気付かなかったことを恥じる。今も見ることができます!https://op-ed.jp/ オプエドのあと『チコちゃん』見ながら晩飯。山って何?…なんて質問が出たけど最近のチコちゃんは疑問のレベルが下がり気味かな?

2月23日(木)
読書inベッドは三島由紀夫『反貞女大学』に戻って読了。サルトル&ボーヴォワールのカップルについて(三島に言わせると《サルトルが相当の曲者でタヌキだからこそ成功した》)やイーデス・ハンソンさん(懐かしい!)と文楽人形使いの吉田小玉氏の結婚と離婚(《もし彼女に誤算があったとすれば日本といふ国の特殊性を重く見過ぎたことでせう》)や高村光太郎と智恵子に関する記述など面白かった。《反貞女であればこそ健康で欲が深くて不平不満が多くて突然やさしくもなったりするし魅力的でピチピチしてゐて扱いにくくてまあまあ我慢できる妻でありうるのです》ドン・ホセがカルメンを殺してこが発狂した例をあげて三島は《いくら貞女でも狂人や死人では困ります》と書き自分は《反貞女の待つ我が家へといそいそと帰ることにいたしませう》と結ぶ。三島由紀夫は極めて常識人なのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは連合通信の月刊連載『スポーツ博物館』を執筆。144回目か…12年間も続いてるのですね。最長不倒かな?イヤ違うかな?連載はイロイロやったですからね。ファイルしたモノやパソコンやワープロの履歴を調べ直すのも億劫ですからね。過去は消えてゆくモノですね。しかし昨日の本欄に書いた「居酒屋甲子園」は今も第15回大会まで続いているみたいですねぇ。ふ〜ん…どう考えるべきか…。晩飯は松本清張原作『ゼロの焦点』を見ながら。広末涼子主演犬童一心監督の09年リメイク版。映画の作り方がイマイチで戦後日本の社会状況に「焦点」が合わされずミステリーの面が強調されて少々ウンザリ。エンドローに流れた中島みゆきの歌「愛だけを残せ」は力強く素晴らしかったですねえ。野村芳太郎監督山田洋次&橋本忍脚本の1961年版を見てみたいですね。

2月22日(水)
白井聡『今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義』(講談社現代新書)読了。凄く勉強になりました。『共産主義宣言』でマルクスは共産主義のことを「怪物」「妖怪」などと称したけれど本当の「怪物」であり「妖怪」は「資本」のことだったのですね。そして新自由主義経済下の高度消費社会では《感動・笑顔・仲間・感謝・協同・共感・連帯・連帯など本来われわれが自主的につくり出すべきもの》までもが《資本によって与えられる商品となる》のですね。しかし《居酒屋甲子園》などというイベントがあったことは知らなかった。《全国から参加した居酒屋の店員たちが5000人以上のおそらくはその大半が居酒屋の店員であろう来場者の前で居酒屋で働く夢や希望をつづった言葉を感極まりながら絶叫する(略)「夢は一人で見るもんなんかじゃなくてみんなで見るもんなんだ!人は夢を持つから熱く熱く生きられるんだ!》これは2014年1月14日にNHK『クローズアップ現代』で放送されたらしいがコノ《絶叫》を聞いて《涙ぐんだり笑顔を浮かべたりと共感的な反応を見せる様子を映し出した。このような居酒屋労働者たちの労働条件は同番組で紹介された事例では1日16時間労働で年収が250万円(略)同番組は居酒屋甲子園を「ポエム化」であり「目にしたくない現実を覆い隠す道具になりかねない」と明確に批判的な論調で紹介したため放送後に居酒屋甲子園主催者がNHKに抗議。他方ネット上では「典型的なブラック労働とその隠蔽」「異様な光景」であるといった意見が多く見られた》という。この記述を読んで「甲子園」という言葉がこんなところに使われていることに驚いたけど真夏の熱射病になりかねない太陽の下の熱波のなかでトーナメントで「戦わされている」高校野球もひょっとして「ブラック・スポーツ」と呼ぶべきかもしれませんね?『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)は4月1日発売です!ワン。黒兵衛の散歩の前にRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOM音声出演。今朝の話題も先週に続いてWBCに引っかけて野球。フットボールが古代メソポタミア文明起源の太陽(世界を支配する丸いモノ)の奪い合いだったのに対してベースボールは古代エジプト起源で王様が権力の象徴(錫杖=長いモノ=バット)で世界を支配する丸いモノ(太陽=玉=ボール)を打ってナイルの氾濫を占ったのが起源。フットボールが戦闘的なのに対してベースボールは平和的なスポーツなんですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して午後から東海道線で東京へ。大手町から地下鉄東西線で竹橋へ。徒歩10分弱で『ZAITEN』編集部へ。フリー・ジャーナリストの後藤逸郎さんと対談。テーマはもちろん東京五輪贈収賄&談合事件について。やっぱり組織委の森喜朗会長と武藤事務総長が何も喋らないというのは全く不自然で無言でいること自体が疑問(疑惑)ですよね。対談は4月1日発売の『ZAITEN』に掲載されます。乞御期待。後藤さんには金曜の『オプエド』リモート出演もお願いして別れたあと大船へ帰ってDOCOMOで携帯の機種変更。はっはっは。小生はまだガラケイなのじゃ。ガラケイでもイロイロ書類やら何やら時間がかかるもんですね。便利になると不便なことも増えるんですね。期待して晩飯&酒&寝る。沢山歩いて疲れました。

2月21日(火)
白井聡『マルクス』面白い。なるほど副題にある「今を生きる思想」「生を呑み込む資本主義」という意味がよくわかる。《生産量の増大をもたらす技術革新や発明は人間の幸福を目的としたものではない(略)近代資本主義が達成した生産力の増大は人間の生活を快適で安全なものにしてきたと称賛されてきた(略)しかしそうした肯定的側面は資本の内在的論理からすれば言わば副産物に過ぎない》《消費社会と呼ばれる高度資本主義社会になるとモノを消費することから意味を消費することへと人々の欲望が誘導されるようになった(略)広告宣伝に大量の資金をつぎ込んでブランド化を図るといった手段を講じて人々の欲望を掻き立てる。資本が欲求不満を創り出すようになる社会。それが消費社会である》《資本はただ盲目的な無制限の価値増殖の運動でしかない(略)資本主義が悪であるとするならその罪を資本家の貪欲といった人格的次元に求めてはならない(略)資本家ですら資本の乗り物に過ぎないのだ(略)株式を所有する法人の株式も法人によって所有されるならば人格としての資本家は消える。だからといって資本は消えない。株式会社資本主義・法人資本主義によって資本の他者性は完成する》そして資本は《人間の意図や欲望とは別のロジックで作用し人間の手に負えないものとなる。それが資本である》なるほど資本主義は核爆弾と同様既にシンギュラリティを超えているのですね。次はAIの番?さぁどうする人間?どうする人類?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。メインは北國新聞の連載「スポーツを考える」の執筆。WBCについて。そもそも野球の世界一決定戦は社会人野球の父・山本英一郎氏がメジャーを説得して行おうとしていたのですよね。それが9・11で暗礁に乗り上げて山本氏の企図したものとは異なるカタチでメジャーが勝手に創ったのがWBCなんですね。その第1回大会のとき東京ドームでお会いした山本氏は穏やかな口調でもMLBの自分勝手なやり方を非難されてましたね。原稿完成させてメール送稿。晩飯はニューズを見ながら。バイデン大統領がウクライナ入りか…どこまで続く泥濘ぞ…そんな軍歌はモウ誰も知らないでしょうね。

2月20日(月)
白井聡『マルクス』読み続ける。こんなにわかりやすく資本論を説かれた本を読むのは初めて。資本主義社会というのはタンある貨幣経済ではなく土地と労働力が商品化されて「商品による商品の生産」が始まる「資本主義的生産様式の支配的である社会」のコトを言うのですね。ナルホド。それは《人類の社会の常態ではなく歴史的に発生した特殊な人間社会の在り方の一つに過ぎない》ことをマルクスは証明したわけですね。家内労働から戦争まで何もかもを(もちろんスポーツも)商品にして売買する資本主義社会は外圧によって潰すことが不可能で内部崩壊を待つしかないのですね。しかもそれは不可能のようで……要するに人類は様々なモノを創り出したうえに自分の手に負えないモノ…制御不可能なモノまでも産み出してしまったわけですね。資本主義社会&核爆弾&AI…それは人類の生まれ持った性(サガ)であり業(ゴウ)であり宇宙を含めたすべてのモノはいずれ滅びるのですから人類も資本主義&核爆弾&AIとともに滅びるのでしょうか?…マルクスの本はまだ半分。先を読まねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。いろいろ雑務。金曜日の『ニューズ・オプエド』に一橋大の坂上教授の出演が決定。よっしゃ。五輪問題深掘りするぞー!あああ…深掘りなどという流行言葉を使ってはいけませんね。自戒自戒。晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇見ながら。最近は孫も見てるらしい。関西人の血筋かなぁ。

2月19日(日)
三島由紀夫に少々飽きたので昨晩は講談社現代新書の新刊『今を生きる思想マルクス 生を飲み込む資本主義』(白井聡・著)をベッドに持ち込み読み始める。面白い。ナルホド「資本主義」が怖いのはソレがどんなに悪影響を及ぼす悪いモノだとわかっても《やめられない止まらない。それどころか数々の危機を招きながらも深化する》コトなんですね。カッパエビセンよりも中毒になるわけですね。いやモウなっているのか。《その深化を近代の人間は「進化」だと見なし言祝いできた》中毒症患者ならではの振る舞いですね。あらゆるモノを商品化するのが資本主義ですから当然「スポーツも商品化」しているわけですね。勉強しなければ。ワン。ベッドから出て長女と孫と一緒に黒兵衛と散歩。黒兵衛のリード長女に渡すと坂道が辛い。世の中一人では生きられないものなんですなぁ。犬の手も借りたい。ワン。散歩のあと長女の映画見放題システムを利用して『異邦人』を見る。90分と短いからと思ったが中身は濃かったですね。半世紀前に映画館で見て以来だったけど忘れていたことも多を新鮮。さすがはヴィスコンティ監督。アルベール・カミュの原作通りを映像で見事に創ってイタリア語だから法廷シーンはより過激でナンセンスに。被告にとって意味ない論争から死刑になって神父からも被告には意味ない説教が。ナルホド実存主義はヒューマニズムとサルトルは言ったけど孤独なものですね?午後から連載の校正やらイロイロ仕事して晩飯はサカナクンの『サカナ・スター』を見ながら。いつも美味しい魚料理を食べはりまんなぁ。『ダーウィンが来た!』のニホンオオカミも面白かった。以前飼ってた雑種犬の佐吉は絶対に日本狼の遺伝子が入っていたと外見からも断定できますね(笑)。『日曜美術館』で波山なんて知らなかった陶芸家の素晴らしい作品に感動。NHKスペシャルの国連レポートは興味深かったけど…せやからこれからどーするねん?という気持ちになりましたね。拒否権を有した常任理事国の存在する安保理は自分たちの核戦争を避けるために周辺弱小国で代理戦争を起こす装置ですからね。安保理改革をどーするべきか?をリポートしてほしかったですね。ルイージ指揮N響は『新世界交響曲』でアンコールなし?気取りすぎですね。平凡な演奏だったのに。

2月18日(土)
『反貞女大学』大阪のホテルのベッドでも読み進む。三島由紀夫の旧仮名遣いには全然苦労せず読んでいたはずがわからない言葉が突然出現した。「らふそく」とは何ぞや?「かはいさう」はすぐに可哀想だとわかったが「らふそく」はしばらくわからず「らふそくの光」という文章が出てきてようやく蝋燭のことだとわかった。わかったからといって何の役にも立たないところが面白い。「イカもの喰い」という言葉も出てきて昔大人たちが使っていた言葉だとすぐにわかったが意味も語源もあやふやなので東京へ帰ってから調べると「如何物」だとわかった。普通の人なら「如何な物か?」と疑問に思う物(物)を好む変人のことですね。なるほど。ベッドを出てホテルから徒歩十分のABC朝日放送へ。『教えて!NEWSライブ正義のミカタ』生出演。このタイトルは『世界まるごとHOWマッチ』を真似て漢字平仮名ローマ字カタカナのすべてを使ったのでしょうけど重複のあるのが少々残念ですね。番組では東京五輪贈収賄汚職や官制談合と2030年冬季五輪が札幌からスウェーデンへ移りそうなことを解説。司会の東野幸治さんに「そもそも電通って何をする会社ですか?」と訊かれたので「(金を)中抜きする会社です」と答える。東京キイ局では口にできないコメントでしょうね。しかしこーゆー「口入れ屋」とか「口入さん」という役割は昔から必ずあったものでその行き過ぎを(中抜きするカネが多くなりすぎないように)押さえるために戦前は談合に参加した会社の支払う金額を法律で決めていたのがGHQによって潰されたと言うことを藤井聡さんがコメント。ナルホド。絶対になくならない談合を認めて規制した法律を正義感に溢れるアメリカ人が競争入札一本槍にしたわけですね。しかし東京五輪の汚職と談合は酷すぎましたね。ほかにトルコシリア地震やチャットGPTや日銀新総裁などの話で盛りあがって番組を終えて新大阪駅へ。新幹線でテレビ局にもらったおにぎりの昼飯&爆睡で帰鎌。帰宅すると長女と孫が遊びに来ていてワイワイのうちに晩飯。NHKスペシャルの『キーウの冬と子供たち』というドキュメンタリーが素晴らしかった。被害を受けたり戦争に行ってる父親を思ってロシアを憎む子供たちにロシアにも良い人はいることを教えて防衛戦争だからロシアへは攻め込まないことまで教える女の先生たちの努力に感動。戦争を子供と女性を通して考え直す意義は非常に深いですね。

2月17日(金)
『反貞女大学』楽しく面白く読み進む。「反貞女」は浮気相手に芸術家を望む。なかでも理想は音楽家らしい。ナルホド。佐渡裕さんに教えてあげよう(笑)。《芸術家が女心をとらへるのは彼自身が女性的だからかもしれない》うむ。ナットク。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ショパン(の音楽)を女性が好むのは音楽が意外と男性的だからと思っていたが女性が好む男性的な音楽を女性的なショパンがわかっていたのかもしれませんね。ワン。終日デスクワーク。昨日半分完成させた『Up & Comming』の連載原稿を仕上げて送稿。テーマは高校柔道の「文武両道杯」。アスリートは高学歴で頭が良いという明治以来の常識を覆して[スポーツマンは脳味噌」筋肉などという間違った認識を広めたのは第二次大戦の戦地帰りの体育教師による体罰教育などの影響もありそうですね。原稿を送ったあと準備して大船から品川へ。新幹線で『反貞女大学』読みながら新大阪へ。結構混んでるのはコロナ禍も終わったからか?いや。コロナを恐れなくなったから?明日の朝日放送『正義のミカタ』に備えてホテルで一泊。晩飯&ビールで『チコちゃん』楽しんだあと『反貞女大学』読みながら爆睡。

2月16日(木)
三島由紀夫『反貞女大学』の続きを読もうと思ったら昨晩違う巻をベッドに持ち込んでしまったので取り替えるのも邪魔臭くそのままパラパラと読み始めると面白い。三島は『トスカ』をオペラの主人公のような激しい嫉妬深い猛女ではなくもっと若く可憐な(だから嫉妬する)女の子だと考えてるのですね。ナルホド。『三十過ぎてのスポーツ』と題した短いエッセイも面白かった。若い頃スポーツマンだった人物は歳とってスポーツをやらなくなり腹が出て…しかし自分はスポーツマンだと思ってるから体力に自信があって暴飲暴食で高血圧でぽっくり逝くという指摘は逝きかけた男としてはその通りだと納得して笑ってしまいますね。学生時代ガリ勉タイプは会社で出世してゴルフに夢中になって過去の自分を忘れてスポーツの効用を吹きまくりポックリと…。そこで《スポーツ政策もなってゐないし(略)スポーツを見るものにしてしまったテレビも悪い。三十過ぎてのスポーツを何だか気恥ずかしいものに思はせゴルフだけは特別に思はせる世間も悪い》と書き《三十代に入った人は一斉にスポーツを》と書く。真面目な人ですね。真面(マトモ)な人ですね。三島は何を読んでもどこを読んでも面白い。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは『フォーラム8』の機関誌『Up & Comming』の連載「スポーツは教えてくれる」を書き始めたり週末の『正義のミカタ』の台本をチェックしたり…。晩飯は昨夜のパッパーノ指揮ヴェルディ『マクベス』の最後を見ながら。素晴らしい舞台で面白いけどやっぱりヴェルディの初期作品は少々物足りなさが残りますね。続けてウェルザー=メスト指揮チューリヒ歌劇場トマス・ハンプソン主演の同じ作品を見始める。パオレッタ・マッロークのマクベス夫人が良いですね。怖いですねえ。パウントニーの現代演出も面白い。ウクライナ戦争の報道は押してる引いてるの戦況分析ばかり。風船も地震も報道と同時にもう少し違う視点や分析や考え方を…と思うのは小生だけではないと思うのですが…。

2月15日(水)
ベッドのなかで三島由紀夫『反貞女大学』読み始める。《新憲法下では人妻が浮気をしても法律上の罪にはならない。法律上の罪になることでさへスイスイやつて金まうけに成功した人が尊敬される世の中ですからまして罪にならないことなら大いにやるべき》こんな文章をスイスイ軽く書いてしまう物書きはいなくなったみたいですね。これは産経新聞昭和40年の連載。今の自民党保守派の人々や五輪で大儲けした元電通社員に読んでほしいですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛の散歩はあとまわしでRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOM音声出演。今朝の話題は近づくWBCに引っかけて日本人は明治時代に多くのスポーツが伝播したなかでなぜ野球が大好きになったのか?という話。それは鉄砲が伝播してわずか半世紀後の関ヶ原の戦いで市民(農民)戦争が一端終わったからという話。鉄砲の闘いはチームプレイ(団体戦)になるけれど刀と槍と弓の闘いは個人戦ですからね。義経弁慶や川中島の戦いや宮本武蔵が好きな日本人の心には「ヤァヤァ我こそは…」とバットを手に打席に立つ野球のほうが全員でボールを追いかけるサッカーやラグビーより納得しやすかったのですねという話。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。デスクワークは『ZAITEN』対談原稿の校正や週末の『正義のミカタ』の打ち合わせ。『オプエド』のスタッフや上杉隆さんに電話して今週金曜の『オプエド』は休ませてもらうことにする。いろいろ仕事をしていたら東京新聞特報部から電話。スウェーデンが30年の冬季五輪開催に立候補するとか。札幌しかやれるところがなくて日本が五輪汚職談合問題で揉めているときにIOCは大喜びでしょうね。しかし日本のスポーツ界としては「Without Mori & Dentsu」で新しいスポーツのやり方を始めるチャンスをなくしましたね?辻村寿三郎さんが亡くなりましたね。この人の創った人形も素晴らしかったけど確か都はるみさんの衣裳にも関わっておられましたよね。合掌。晩飯は昨晩の『蜘蛛巣城』の影響でヴェルディのオペラ『マクベス』を見ながら。パッパーノ指揮コヴェントガーデンの舞台。このフィリダ・ロイドの演出や陣羽織に旗指物などの衣裳は明らかに『蜘蛛巣城』の影響を受けてますね。リュドミラ・モナスティルスカのマクベス夫人が怖くて素晴らしい!パッパーノの指揮も見事!

2月14日(火)
一つ長い原稿を書きあげると結構疲れるのか昨晩から今朝までは爆睡。本読めず。少々残念な気分。昔はニコチン中毒だったけど今は活字中毒かな。ベッドから出て朝食&黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。佐野慎輔さんからの丁寧な赤入れをチェックしていると大阪朝日放送『正義のミカタ』から電話。今週土曜の放送で五輪汚職談合問題と札幌冬季五輪招致問題を取りあげるという。東京キイ局は取りあげにくい話題のようだけど地方局はやれるんですね。喜んで出演承諾。金曜夜の『オプエド』の出演を他の人でカバーしてくれるよう上杉隆さんとスタッフにお願いしたり午後はイロイロと雑務。午後のNHK-BSの映画で『ニューヨークのゴースト』をやっていてあまり好きはない映画で何度見てもしかり見ることができなかったけどメトロポリタン・オペラで『マクベス』を見ることにはじめて気付く。ナルホド幽霊が出ますからね。晩飯は『マクベス』が見たくなって黒澤明『蜘蛛巣城』を見ながら。久しぶりに全編ゆっくり見たけどやっぱりこれは凄い映画ですね。能の演出が下敷きになっていて浪花千栄子の魔女(妖婆)も山田五十鈴のマクベス夫人も怖い!三船敏郎のマクベスの顔の演技も凄い!『椿三十郎』はリメイクできても(面白くなかったけど(>_<))『蜘蛛巣城(マクベス)』のリメイクは無理ですね。能の演出でなくても魔女やマクベス夫人をできる役者がいませんからね。あ。今KAAT神奈川芸術劇場で舞台化上演してるらしいけどチョイと見てみたいですね。

2月13日(月)
朝4時に起きてコーヒーを淹れて『ZAITEN』佐野慎輔さんとの対談原稿を書き始める。深夜や朝早くの仕事は何故か一段とコーヒー(イタリアン・ロースト)が美味しく感じられるがBGMの音量を絞らなければならないのが少々不満。最近はNYフィル時代のバーンスタイン指揮のCDに再々々々度感激している。ベートーヴェンの交響曲(特に3番4番7番)やハイドンの交響曲が素晴らしい。中学生の頃にLPレコードで聴いてこんなに素晴らしいのに何故『レコード芸術』『音楽の友』『朝日新聞』の音楽評では無視されるのだろうと何度思ったことか…この頃から小生は権威や権力というものを信じなくなったようですね。耳が若きバーンスタインの演奏に奪われてチョイと原稿が進まなくなったのでカラヤン指揮ベルリン・フィルのCDに変更。「カラベリ(と煌めくストリングス?)」の当たり障りのない大衆音楽なら美しいBGMとして耳を奪われませんからね。朝8時に原稿はほぼ完成して朝食と黒兵衛と散歩。雨がぽつりと落ちてきたので急いで帰宅して原稿のブラッシュアップ。昼頃完成して送稿したあと昼食と昼寝。目覚めると起きたらNHK-BSで『日本沈没』をやっていた。何度も見たし読んでもいたし小松左京さんには生前インタヴューもさせていただいたのでもう十分かな。『日本沈没』は続編(日本が沈没したあと世界に散らばった日本人がどうーなるか…)を読みたかったですね.筒井康隆大先生の『日本以外全部沈没』もケッサクだけどあの映画には確か北朝鮮のトップ(のそっくりさん)も出演してたけど無問題だったのかな?トルコの地震での建物のパンケーキクラッシュはトルコが世界一難民を受け入れていることと関係があるのですね。寝よ。

2月12日(日)
ベッドへは佐野慎輔氏との1時間半分の対談速記録を持ち込んで読み続ける。対談原稿もインタヴュー原稿も理想はすべて頭に入れて書き始めること。速記録やメモは時折見て確認する程度でいいのですね。そのためには対談速記録は何度も読み返したほうがいい…というわけで昨晩から3度読み返したあとベッドから出て黒兵衛と散歩。体操&スクワットのあと机の虫。原稿書き始める。昼飯は『テルマエ・ロマエ』の最後を見ながら。マンガのほうが面白かったのにこの物足りなさ何かな…と考えてマンガはマンガとして楽しめたけど映画はリアルさを求めてそのリアルさが欠けることが問題のようですね。いくらラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が日本人ことを「東洋のギリシア人」と呼んだからと言って日本人が西洋人になれるわけないですからね。午後原稿の見通しを付けて晩飯は『サカナ・スター』や『ニュース』や『ダーウィンが来た』を見ながら。NHKばっかりですね。『日曜美術館』の欧亜堂田善の話題は面白かった。こんな洋画(西洋風絵画)を描く日本人が寛政年間の江戸時代にいたとは知らなかった。その少々奇妙な洋画風風景画やエッチングに驚きながらベッドへ。早く寝て明日朝早く起きて原稿を完成させるのである。寝よ。

2月11日(土)
ベッドのなかの読書は三島由紀夫「雑文集」。いや「雑文集」などと言ったら叱られる。『楽屋で書かれた演劇論』は見事な評論だった。役者の《仮構に奉仕するやうな世界の危険は重大だ》と書き俳優の中に《生(なま)の生(なま)への激しい渇望》が見られない状態を《健全な兆候とは思われぬ》と書く。《表側しかない大道具と幻惑的なフットライトと舞台の袖で待つあひだのときめきと……これら一連のものから逃走の欲求がほとん見られない》ことに首を傾げ《生(なま)の生(なま)・生(なま)のもの…表側も裏側もある物象…張りボテではない堅固な物体…かういふ存在への渇望が見られないのを不思議に思ふ》と書く。これは日本の役者批判と同時に小説家という虚構を創造する自分への戒めのようだ。そしてイギリスの偉大な役者は《自宅で1ダースの猫に囲まれてひっそり暮らしてゐるそうだ》と最後に書く。猫は「生(なま)」ですからね。小説家のヘミングウェイが自宅で多くの猫と暮らしていたのもそういうことか…。メタヴァースの世界を創ったり推進したりしているデジタル人間たちはどんな「生(なま)」と暮らしているのだろう?いや既にコンピュータ世界にどっぷり浸かって「生(なま)」の不必要な「改造人間(アンドロイド)」になっているのかな?アバターってどんなセックスをするのでしょうねぇ?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。大雪情報は外れてホッ。コンピュータ予想も外れるところはヒューマン(人間的)ですね。ワン。終日デスクワーク。『ZAIEN』対談原稿と取り組み始める。甲府vs横浜の頂上決戦は大声をあげての応援が許可されてサッカーの試合の雰囲気が戻ってきましたね。甲府に2度目の奇跡が起こらなかったのはスタジアムは日常に戻ったからか?晩飯は『ブラタモリ』を見ながら。前橋もなかなか面白い街ですね。日本中至る処青山ですね。意味違うか(ーー;)テレビで『テルマエ・ロマエ』やってたのでチョイと見て終盤録画。面白い映画ですね。そうそう何度も見る映画でもないけど…寝よ。

2月10日(金)
昨晩は週刊誌3冊をベッドに持ち込む。「文春」の「疑惑の銃弾」は安倍元首相を死亡させた銃弾の飛び方がオカシイという。まるでケネディ暗殺みたい。「新潮」のコロナ・ワクチン批判も興味津々。だがホナどないせいっちゅうねん?と言いたくなる。「現代」の中国の台湾侵攻日中戦争米中戦争も読んだがリアリティを欠いてしまうのは記事のせいか?こちらの気持ちのせいか?よーわからん。全部明日になったら忘れる記事か?心に引っかかって残ったのは「新潮」の片山杜秀氏の連載コラム「夏裘冬扇」のローマ帝国は人口減少で滅んだということくらいかな?日本はローマ帝国ほど偉大な国ではないけど気になりますね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。大雪情報で時雨れてきたので雲古させてサッサと帰宅。終日デスクワークは『ZAITEN』連載「今月のスポーツ批評」。今月3日にNHK『チコちゃん』で取りあげられた「銀座ホステス皇居一周マラソン大会」について書く。昔大先輩の新聞記者から「銀座の夜の街の余興」として聞いたことがあった。1964年東京五輪マラソンの影響を受けた2週間後のイベントで優勝タイム23分30秒も40人のホステスさん全員完走も立派だが高級ブランドのバッグや香水や口紅や客へのプレゼント用のネクタイなどが賞品だったこの催しを「市民マラソンの端緒」と位置づけるのはどうか…?それも五輪自身が商業化や賄賂や談合…まで至った結果かな?と書ききったら夜になって昨日の佐野氏との対談の速記がメールで送られてきた。2月は締め切りが早いのですね。晩飯は『チコちゃん』見ながら。ヴァイオリンのストラディバリの話も身体が痒いのは何故という話も鶏肉の唐揚げの話も以前見たなあ…再放送か…とすぐにわかったけど内容(回答)を忘れてしまっているので見てしまいアアそーだったそーだったと思い出す。テレビも週刊誌もそーゆーメディアなんでしょうねぇ。

2月9日(木)
今日の「ZAIEN」の佐野慎輔さんとの対談を少し意識して三島由紀夫は東京五輪の観戦記を読む。やはり面白い。目の付け所が違う。開会式で8千羽の鳩が飛び立ったことに《癒やされた》と書きながら《放たれた鳩の一羽が一向に飛び立とうとせず緑のフィールドに頑固に座ってゐた。かういふ鳩もあっていい》と書く。同じ鳩のシーンは市川崑の映画にもとらえられてますね。思わず笑ってしまう表現もある。女子バレーボールで《(セッターの)河西は素晴らしいホステスで多ぜいの客のどのグラスが空になってゐるか(略)を一瞬一瞬見分けて配下の給仕たちに抜かりないサービスを命ずるのである。ソ連はこんな手痛い良く行き届いた饗応にヘトヘトになったのだった》河西選手の《アップに結ひあげた髪の乱れも見せず》という印象からの連想だろうか。たしか橋本治さんも「アップの髪の毛」から「銀座のママ」を連想したようなことを書いていた。選手たちが子供ではなく大人だった時代のオリンピックですね。三島は女子バレーを見て最後に《生まれてはじめてスポーツを見て涙を流した》ことも書いている。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。東京へ出て財界展望新社での対談が今日で良かったですね。明日なら雪でキャンセルかもしれませんからね。ワン。イロイロ準備をして東海道線で東京へ。地下鉄東西線で竹橋へ。このコースは昔小学館の雑誌『GORO』の記者をしていたときと同じコース。懐かしいですね。財界展望社の会議室で小生が『GORO』記者だったときからのお付き合いのある佐野慎輔さんと対談開始。昔はプロ野球のキャンプ取材でよく出逢った報知新聞記者。その後産経新聞に移られて今は尚美学園大学教授。スポーツとメディア=ジャーナリズムについて約1時間半討論。イロイロ勉強になりました。東京五輪で朝毎読日経産経北海道新聞が軒並みスポンサーになったのは森氏の「策謀」ではなくメディア側から申し入れたとか。何だか日本のメディアは余計に情けないですね。イロイロ話したあと「ZAITEN」編集者の方と締め切りについてはなしたあと逆コースで帰宅。晩飯は何日か前に録画したNHK-BS『贋作の迷宮』を見ながら。メッチャ面白かった。オーソン・ウェルズの映画『FAKE』が大好きで偽物贋作紛い物パッチモン大好き人間には素晴らしい番組でした。贋作でも素晴らしい作品ならイイですよね。ピカソでもマチスでもモジリアニでもモネでもマネでもゴーギャンでもゴッホでも…何でも描いてしまう贋作画家の技術は本当に見事ですね。ゴッホを完成させたあとインスタントコーヒーを全体に塗って古さを出すのですね。自分自身の個性がないのはチョット可哀想だけど絵画を超高額で取引している世界の絵画界のほうが狂ってますよね。すべては個人の評価。好き嫌いがすべてですからね。俺もモンドリアンの贋作なら描けるかな?(笑)

2月8日(水)
三島由紀夫の昭和30年代のエッセイ(短文・雑文?)を集めた文章を読む。谷崎潤一郎や安部公房の小説論(瘋癲老人日記・砂の女を絶賛)演劇論・俳優論も面白い。NHK交響楽団とケンカして追い出された小澤征爾のコンサートの感想もある。ボクシング観戦記も多数。関光徳が世界王者ラモスに敗れた一戦では『釣狐』をを例に挙げて《狐はある場合は敢然と罠に飛び込むことで彼自身の身が狐であることを証明する。それは狐の宿命でありプロ・ボクサーの宿命のごときもにであろう》と書く。ボクシングの観戦記に狂言の大曲を例に出した筆者は三島以外にいないだろう。いや関光徳という教養溢れる異色のボクサーが三島にそれを書かしめたのかも。具志堅用高が何度も世界戦を防衛したとき挑戦者の世話をしたのはいつも関ジムの関光徳会長で小生は何度も見学させていただいてお世話になったが会長はトレーナーで薬剤師のN氏とともに本当に物腰の柔らかい人格者だった。懐かしいなぁ。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOM音声出演。今朝の話題は毎冬恒例の市民マラソン。NHKの『チコちゃん』でも取りあげられていたけどその端緒は1964年の東京五輪マラソンに触発されて行われた「銀座ホステス皇居一周マラソン」だったそうですね。優勝したのは21歳のあけみさん。タイムは23分30秒だったらしいです。それ以来誰もが走る市民マラソンが普及したとか。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。散歩のあと『スポーツゴジラ』の校正や明日の『ZAITEN』対談の準備や金曜の『オプエド』録画取りの準備。午後7時半からの録画撮りのゲストは五輪アナリストの春日良一さんとスポーツライターの小林信也さん。途中東京五輪談合汚職でジャーナリストの上杉隆さんも参加。400億円という莫大な金額が動いた談合事件は今後どう進むのか?組織委・政治家・メディア(テレビ局・新聞社)の関与は?だからテレビや新聞は詳しく取りあげられないのですね…といったことをザックバランに話し合いました。この録画は金曜日午後6時から配信されます。乞ご期待。https://op-ed.jp/
 
2月7日(火)
三島由紀夫『芸術断想』読む。昭和38年8月〜翌年9月『芸術生活』という雑誌に連載された能・歌舞伎・演劇・オペラ・ミュージカル・コンサートとうに接した感想を集めたモノ。メッチャ面白かった。なかでもベルリン・ドイツ・オペラの来日公演でワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を見て孫のヴィーラント・ワーグナーの演出を「三流の知性」の「珍演出」と糞味噌に批判しているのには笑った。音楽を抜けば《うす汚れた布と貧乏くさい櫓や椅子のほかは何一つ見られず陰気な不格好な人物が右往左往するだけの世にも寒貧で退屈な見世物》と酷評。ヴィーラントの演出はワーグナーの上演史上革命的と世界的に評価されたモノできっと日本の舞台装置が残念ながら寒貧だったのかもしれませんね。指揮は若きマゼール。しかし三島の他人の評価をモノともしない自分の判断は凄いですね。同じ来日公演で歴史に残る大名演と言われているカール・ベーム指揮のベートーヴェンの『フィデリオ』を《素晴らしいものであった》と褒めながらも《かつてスカラ座できいたカラヤンの華麗をきはめたこの曲に較べると私のような俗耳には入りにくい》と書いている。ナルホド自分の耳を「俗耳」と認めているところも凄いがカラヤンの演奏を「俗耳向き」と断じる「耳」は相当の「楽耳」と言えるだろう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。11歳になった黒兵衛が相当スマートになったのは老化のせい?食も雲古もシッカリしてるからまだまだ大丈夫のはずだけどチョイ心配募る今日この頃。ワン。終日デスクワークは『スポーツゴジラ』連載『走』第5回を書きあげる。1964年東京五輪でのアベベの「哲学者的快走」について。これを切っ掛けに「皇居一周銀座ホステスマラソン」が生まれ日本中に市民マラソンが…という話は先週の『チコちゃん』でもやってたがコラムでは書ききれないので今回は哲学者ランナー(に見えた)アベベの話だけにする。ふうううう。晩飯時のニュースは相変わらずウクライナ戦争。戦線の戦いの行方(勝敗)を予想とともに語る以外に報道の仕方はないのかなあ…?三島の『芸術断想』でのヒッチコック『鳥』の評価は面白い。《無償の戯れと商業的確実性の見事な結合》《徹底的なリアリズムが実に徹底的なナンセンスの裏付けになつている》ナルホド。寝よ。

2月6日(月)
三島由紀夫『わが思春期』読了。最後は戦時中の長年が年上女性にあこがれてキッス…と少々ポルノチックなハーレクインロマンス風になってしまったようですが月刊『明星』の読者にはぴったりの読み物というか三島由紀夫という人物はすべての仕事でサービス精神旺盛なことがわかりますね。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日雑務。マイナンバーを出版社に知らせたり…インボイスのことはどないしたらええのかヨーワカラン。そもそもインボイスという意味がワカラン。スペルもワカラン。こーゆーことをさせる役所仕事は日本社会の活発で健全な活動を妨げますね。嗚呼。初稿を返した岩波ブックレット『夏の甲子園はいらない−問題だらけの高校野球』(4月1日発売)を切っ掛けに共著者の小林信也さんが日本のスポーツ界に対して新しい活動を始めるという。大賛成の意志を込めてココに彼のYuTube『小林チャンネル』のURLを記しておきます。皆さん応援してください!!
https://www.youtube.com/watch?v=8M0KfWHO_5M よろしく!
晩飯はヨシモト新喜劇を見ながら。MBS『せやねん!』のメンバートミーズのまさやんとけんちゃん大活躍。懐かしいなあ。まだ『せやねん!』やってるのかなあ?最近はジャーナリストも国会議員もインタヴューが下手になりましたね。「同性婚を認めたら家族観や価値観、そして社会が変わる」と総理が言ったのなら、どうして「良い方向に変わるのですか?悪い方向に変わるのですか?」と続けて訊かないのでしょうねえ?これはコロナ以来の総理会見一問一答の悪い癖が染みついた結果というべきでしょうか?嗚呼。

2月5日(日)
三島由紀夫『わが思春期』読み続ける。戦時中、それも終戦間近となった頃に思春期を迎えた人物の回顧記は読む価値ありですね。戯曲『若者よ蘇れ』を読んでいただけに余計に面白い。赤紙が来ても肺病と判断されて入隊失格した東大法学部の学生が女性に恋心を抱く文章を甲種合格で中国の最前線に送られて3度の応招で3度の負傷入院をした親父が読んだらどう思うかなという思いで読んでます。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。ナンヤラカンヤラいろいろ雑務をこなして夕方からNHK『カラーで蘇る大河ドラマ花の生涯』を見る。見事な時代劇ですね。尾上松禄も淡島千景も佐田啓二も香川京子も皆さん台詞回しも演技も上手いし上等ですね。「しょうばら(妾腹)」「ごぞうさ(御雑作)」「ひっきょう(畢竟)」「かじつ(過日)」…等々今日の若い人には通じない言葉も多いとも思われたけどTVドラマなどでこういう言葉を覚えればいいわけで最近の大河ドラマの現代語台詞はリテラシーのレベルをますます下げるだけでしょうね。とはいえ今ではディレクターもプロデューサーも時代劇の台詞はアウトかな。『花の生涯』最終回での「桜田門外の変」はなかなか見事だったけどやっぱり映画にはかなわないと思い晩飯食べながら岡本喜八監督『侍』のDVDを棚から引っ張り出して晩飯食べながら見る。新納鶴千代が水戸浪士に荷担して自分の親だとも知らずに井伊直弼を殺すというフィクションの映画化。三船敏郎&伊藤雄之助&東野英治郎&新珠三千代&八千草薫&杉村春子&松本幸四郎(初代白鴎)&志村喬…という俳優陣も凄いし江戸城のオープンセットも凄いけど黒澤明の『椿三十郎』で殺陣師を務めた久世竜の殺陣も凄い。けど一番凄いのはやっぱり岡本喜八のカメラワークですね。映画のこのレベルの高さがあったから『花の生涯』も高いレベルを目指せたのかもしれませんね。ウクライナ戦争のドキュメンタリーやアメリカの空を横断した中国の気球のニューズ…桜田門外の変で井伊直弼が最後に残した言葉は「これで日本から侍がいなくなる」…今の日本では…そして世界では…何がいなくなろうとしてるのでしょうか?

2月4日(土)
『新恋愛講座』に続いて続編として月刊『明星』(昭和32年)に連載された三島由紀夫の語り下ろし『わが思春期』読み始める。マスターベーションや初キスや同性愛の感情等「性の目覚め」が赤裸々に…というよりナチュラルに語られている。ここでもデュマ&ラディゲ&マゾッホ&コクトーという言葉が飛び出し昭和の思春期読者のリテラシーのレベルの高さを感じる。元殿様で社長の息子という友人宅へ遊びに行ったときの表現として取次に現れる老人が毎回違う部屋に通すのを《おそらく彼のヴァニティであったのでしょう》と書き「ヴァニティ」という言葉に注釈はない。小生がvanityという言葉の意味を知ったのは数年前に筒井康隆大先生の『ダンシング・ヴァニティ』というメッチャ面白い小説を読んで言葉の意味を調べてからだったということは戦時中に生まれ育って戦後に思春期を迎えた『明星』の読者たちはその後のベビーブームのあとに生まれ育って還暦を迎える頃の世代より成長が早かったというか…どこで知識を得たのでしょうね?ベッドから出て黒兵衛と散歩。そー言えば『ダンシング・ヴァニティ』は筒井康隆大先生によって舞台化され音楽を狭間美帆さんと山下洋輔さんによって創られ上演されました。そのパンフレットに原稿を書いたのは小生で『蔵出し原稿音楽編』のどこかにあるはずですので興味のある方はどうぞ。ワン。終日雑務。昼飯はカーリング見ながら。晩飯は『博士ちゃん』見ながら。途中からNHK『大河ドラマが生まれた日』を見る。小学4年の時親父が一番好きだった歌舞伎役者の尾上松禄が主役の井伊直弼を演じた舟橋聖一原作『花の生涯』制作の舞台裏。ケチを付ければNHKの自画自賛番組だけどドラマとして面白かった。ただブロードウェイのミュージカルも舞台裏を描いた『コーラスライン』を上演したあとロクなミュージカル(新機軸の作品)は生まれてないことを思うと大河ドラマもオワコンになったということかな?

2月3日(金)
三島由紀夫『新恋愛講座』読了。少々時代遅れを感じさせる男女の会話の例などもありますが多くの思春期の性に関わるアフォリズム(金言警句)が並んでいる本書は今では小学校の先生などが読むべきかもしれませんね。あるいは少子化対策で筋違いの発言を繰り返す代議士も読むべきでしょう。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。庚高校野球廃止論の初稿も終えたのであとは短い後書きを書くだけ。ほんの見開き程度のうえ岩波ブックレットでは「あとがき」でなく「おわりに」というタイトルになるらしい(「前書き」は「はじめに」というタイトルで既に小林信也さんが書いた)ので今更マスメディア批判や甲子園大会批判をを繰り返すのもつまらないし「登山」の話を書くことにする。ルネサンスの時代にペトラルカが山に登る喜びを詩に書いて以来アルプスを初めとする登山が大流行。誰もが高い山への初登頂を「争う」ようになって投石や岩雪崩をわざと起こして「敵」をやっつけようとするようになったとか。マッターホルンに初登頂したイギリス隊のウィンパーもイタリア隊と争った末に岩雪崩をわざと起こして「敵」のイタリア隊を退けたことを『アルプス登攀記』に書いてますからね。昔の登山は恐ろしいことをしていたモノです。同じようなことを高校生に甲子園球場でやらせていることを大人たちはわかっているのでしょうかねえ…?と「おわりに」の原稿を書いて岩波編集部に送稿したあとは『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。今日のゲストは小林信也さんと山本敦久さん。プロ野球のキャンプやWBCの話題や五輪談合疑獄等についてイロイロ濃い話をしたあとメインテーマはスポーツ協会へのスポーツ活動の暴力暴言パワハラの告発が過去最多となった話。小林さんが東海大管生の監督が暴力事件を犯しながら甲子園に出場することについて鋭い指摘。山本さんは五輪談合に関して根本的IOC&五輪大会批判。今も聞けますのでどーぞ。オプエド終えて『チコちゃん』見ながら晩飯&ネル。オプエドのURLです→https://op-ed.jp/

2月2日(木)
三島由紀夫が月刊『明星』に連載していた『新恋愛講座』読み進む。面白い。ついにサルトル&西鶴&バルザックまで登場。映画はキム・ノヴァク&ウィリアム・ホールデンの『ピクニック』やラナ・ターナー&リチャード・バートンの『雨のランチプール』まで登場。時代と言うべきかもしれないが三島自身が《思春期の人たち》と書く昭和30〜31年『明星』の読者は相当にリテラシーのレベルが高かったようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと岩波ブックレットから4月1日の発売が決まった小林信也さんとの共著『真夏の甲子園はいらないーー問題だらけの高校野球』の小生の書き下ろし部分(第三章・甲子園大会の「廃止論」どころか「改革案」も封殺する日本のジャーナリズム(マスメディア)の根本問題)を校正。高校野球・都市対抗野球・職業野球の主催開催を朝毎読の大新聞社が次々と決定する一方で同じ時期に日本の軍国主義化が進むという記述(年表)のなかに箱根駅伝の開催が落ちていたので書き加えたりイロイロ赤入れして完了。宅急便で送稿。これだけメディア批判をしたら大新聞の書評には取りあげてもらえないでしょうかねえ?…でも書くべき事は書かねば…いや最近の潮流が変化して大新聞の書評にも取りあげてもらえることに期待しましょう!!『新恋愛講座』は『明星』の出版社である集英社の編集者だった粉川宏という人物が三島の口述を筆記して三島の赤入れで完成したモノらしい。同様の同じ編集者が同様の口述筆記で三島の『わが思春期』『第一の性』と続いたらしい。昔は『明星』の読者だけでなく芸能編集者のレベルも高かったようですね。

2月1日(水)
別に読もうと思ったわけではないがパラパラとページをめくっていたら意外と面白くて読み出してしまったのが三島由紀夫の『新恋愛講座』。ギリシアの同性愛・キリスト教の禁止の多い愛・日本の男女の奔放な恋の説明も興味深かったがそこからの引用が凄い。キルケゴール(ドン・ジュアン論)ボーマルシェ(フィガロの結婚)スタンダール(恋愛論)プラトン(饗宴)プルースト(失われた時を求めて)ヴェデキント(春の目覚め)メリメ(カルメン)テネシー・ウィリアムス(欲望という名の電車)万葉集/古今集…さらに多くの恋愛映画から男女の様々な恋愛のパターンが紹介される。小説家がストーリーテラーとして自らの素材を分類したのを優しい言葉で女性に(?)語りか恵田のあと思って初出を巻末の見てみると『明星』昭和30年12月〜31年12月とあった。集英社の月刊『明星』と言えば平凡出版(現マガジンハウス)の『平凡』と並ぶ二大芸能雑誌。昔の芸能雑誌はレベルが高かったですねえ。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOM音声出演。今日の話題はスポーツ協会の小中学生に対する暴言パワハラ指導が増えたこと(体罰は減ったらしい)を受けてかつてミスター・ラグビー平尾誠二さんが口にしていた選手指導の3箇条(+2箇条)を紹介する。@長く叱らないA感情をあらわにしない(「コラ−!」はダメ)B相手の人格に触れない(アホ、バカ、マヌケ等はダメ。「愚か者めが」もダメですよね)…+@選手の誤りの指摘は繰り返さず簡潔にA嘘は言わない(死ぬ気でやれ!はダメ)他に彼が指導者としてよく言ってたことは「言ってワカラン奴に叩いてワカルわけがない」「見て真似て身体で覚えろって指導者のアンタが言葉で説明できないだけのこと」…彼はいいこと言ってましたね。ラジオを終えて黒兵衛と散歩。ワン。終日デスクワークは『甲子園大会はいらない』の初稿校正。対談部分の校正を終わってレターパックで投函。自分の書き下ろしメディア批判『甲子園大会の「廃止論」どころか「改革案」も封殺する日本のジャーナリズム(マスメディア)の根本問題」と題した原稿も校正。ふうううう。残るは短い「あとがき」だけ。サケ・メシ・フロ・ネル。テレビでウクライナ戦争の戦車や航空機がどーしたとか戦戦がどーしたとか語ってる人々が楽しそうに見えるのは小生の誤解でしょうね。

1月31日(火)
三島は昭和30年代に渡米。ニューヨークでミュージカルをたくさん観ていて感想を残している。『マイ・フェア・レディ』はレックス・ハリスンもジュリー・アンドリュースも絶賛。バーナード・ショーの『ピグマリオン』からの翻案も高く評価。『南太平洋』は「バリハイ」の歌以外はケチョンケチョン。『ウェストサイド・ストーリー』もシェイクスピアの『ロメオとジュリエット』の《現代化の必然性が感じられない》と批判。序曲は「だらだらした古典調」でケンカの振り付けの迫力やストーリーから脇道に逸れた「女だけのシーン(「アメリカ」?)」や「男だけのシーン(「クール」?)」を評価し「クルプキ巡査」の歌と踊りを「白眉」と評価しているもののニューヨーク・タイムズの「惰眠をむさぼっていたブロードウェイの目を覚ました」大傑作という評価も《私にはこの評価は少々誇張に思はれた》と低評価。三島はバーンスタインの音楽の革命的サウンドには気付くことができなかったようだ。《人々はロメオのソロ(「マリア」?)をほめるが私には面白くなかった》《筋は最後のところがロメオとジュリエットから離れてゐて(略)ロメをだけが死んでジュリエットは葬列に加はるところで幕となるので終末のクライマックスが著しく減殺されてゐることは否めない》いやいやジュリエットまで誤解から毒薬を飲んだりしていては終幕がだらだら長くなるだけでしょう。ここは三島の意見が間違いだと断定できる。大作家も評価を誤ることはあるのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは岩波ブックレット『甲子園大会はいらない』の初稿と格闘。小林信也さんも校正に大格闘しているようで対談部分の「赤入れ」が多いのでその部分だけでも早く戻してほしいと編集部から指示。イイですねえ。小生も気合いを入れてやらねば!!

1月30日(月)
『鹿鳴館』初演の頃(昭和32年)の三島の文章が読みたくなって全集29巻をぱらぱらめくっていたら朝日新聞連載の『きのふけふ』(昨日今日と読めますよね?)と題されたエッセイで面白い文章を見つけた。《首相特使一行が水爆事件中止要請のため英国へ旅立った。日本政府といふものがかふいうことをやる能力があるとは夢にも思ってゐなかっただけにこのニュースは嬉しい驚きである。動かないはずの政治の筋肉が動いたといふ驚きである。ついでに英国にもまた隠された未知の能力があって意外にも「OK中止しよう」といふことになればなあ!》三島は原水爆実験に反対だったのですね。これは昭和32年4月1日掲載の文章で当時は石橋湛山内閣から岸信介内閣に代わるところ(3月)だったが年表を見ると3月9日に政府がソ連に核実験中止を要請。同月15日参院が原水爆禁止を決議。4月25日に政府(岸内閣)が攻撃的核兵器保有は違憲との統一見解を発表。29日には政府がアメリカにも核実験中止を要請と書かれている。もっとも岸首相は自衛権の範囲なら核保有も可能と参院で答弁した(5月7日)とある。「自衛権の範囲の核保有」ってまさか自国内で使うわけにはいかないし…半世紀後の今日の「敵基地攻撃能力]がまさか核保有につながるのではないでしょうね?広島出身の岸田さん!ワン!ベッドを出て黒兵衛と散歩。三島の昭和32年1月の朝日新聞のコラム「猫の首に鈴」にも興味深い記述があった。猫の首に鼠が鈴をつけるには《まづ実現しうる事から手をつけて行かうといふわけで1月18日原水爆実験の事前登録制ならびに実験に関連する世界の放射能の観測を実施する制度の確立を要望する日本・カナダ・ノルウェー三国の共同決議案が国連総会に提出された。(略)この共同決議は日本が国連へ入って最初の意義ある仕事だと言っていい。日本は鼠でも古株の鼠だから国連における日本の思考は大人の知恵であってほしい。(略)日本も苦労して大人になったはずだ》最近の日本が少しでも大作家に褒められるようなことをしたことがあったかなあ?ワン。終日デスクワークは『甲子園大会はいらない』の初稿校正と格闘。ふうううううう。晩飯はヨシモトを見ながら。メダカさん活躍。

1月29日(日)
読書inBED三島由紀夫『鹿鳴館』読了。三島の戯曲は読んでも本当に面白いですね。ドラマの盛り上がりの勘所をきちんと押さえている。登場人物の背景+物語の展開の巧みさですね。政治家伯爵夫人に収まった元新橋の芸者が昔付き合っていた政敵とのあいだに男子を産んでいて彼がテロリストとして夫の命を狙う。男の政治vs女の愛の闘いの結末は…?政治vs愛はシェイクスピアでもヴェルディでもワーグナーでも普遍のテーマですが最近のTVドラマでは政治がなくなり浅薄な愛だけになったようですね…ってあまりTVドラマを見ていないので断定はできませんが…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。静かな日曜日。終日デスクワークはココ数日コツコツと取り組んでいた第2回SDGsジャパン・スカラシップ岩佐賞芸術部門の一次審査のマトメ。昨年度から審査に関わらせてもらっているが第2回目は安定した企画の取り組みが多くなったのは悪いことではないけど破天荒な面白さのある企画は減ったかな?まるまる一日かかって仕事を終える。ふううう。第1回の内容はHPをご覧ください。https://sdgs-iwasazaidan.com/ 他に兵庫県立芸術文化センターでの佐渡裕プロデュースのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』のツアー企画を考えたりして晩飯はNHK『さかなクンのサカナスター』を見ながら。さかなクンの解説とイラストは素晴らしいですね。ゴンズイの話も面白かった。ニュースのあとは『ダーウィンが来た!』。ブッポウソウとアカショウビンの飛ぶ姿を撮ってるカメラマンは凄いですね。続けて『日曜美術館』は農民画家と言われてた坂本直行氏の話題。雪を頂いた日高山脈の絵が素晴らしい。六花亭のチョコの包装紙のイラストは彼の作品なんですね。続けて昨年9月の歌舞伎座公演『仮名手本忠臣蔵七段目一力茶屋』仁左衛門の由良之助は見事ですね。海老蔵は現代劇っぽくなるんですよね。しかしワインが進んで久々の歌舞伎を堪能。俺はNHKのまわし者か!?しかし『どうする家康』はちょっとミタだけでパスしました(>_<)。

1月28日(土)
朝の読書は中止。少々早く起きて黒兵衛と散歩のあと新幹線で名古屋へ。去年の秋台風で中止になった名古屋栄中日文化センターでの『オペラ講座「椿姫」とは誰のことか?』を開講。アレクサンドル・ドゥマ・フィスの『椿姫』を原作にしたヴェルディのオペラ『ラ・トラヴィアータ(道に迷った女)』を舞台映像を見ながら解説。フランコ・ゼッフィレッリという演出家の衣裳や舞台装置の色使いは本当に見事ですね。レナート・ブルゾンというバリトン歌手も絶品ですね。みんな過去の人になってしまいましたね。ゼッフィレッリの師匠だったヴィスコンティ演出マリア・カラス主演の舞台は録音だけで映像が残っていないのが悔やまれますね(ジュリーニ指揮。男声はステファノ&バスティアニーニ。凄い!)オペラのレベルは過去から現代へと下がってきている?いやオペラ以外も?そう言えば鈴木邦男氏が亡くなりましたね。彼も三島も「愛国心」を政治家が言う(強調する&押しつける)ことに反対してましたね。当然ですよね。スポーツで君が代を大声で歌えと言った馬鹿な政治家がいましたが君が代は大声で歌う歌ではないですよね。1964年の東京五輪の表彰台では誰もが静かに聴いて大声で歌ってなどいない。それこそ国を想う美しい姿でしょう。三島の本を鞄に入れ忘れて行きも帰りも新幹線では爆睡するほかナシ(帰りはビールを飲みましたが)残念。帰宅後晩飯は「ブラタモリ」みながら。時々天下を取った足利氏(市)。面白かった。

1月27日(金)
朝のベッドでの読書は三島由紀夫『鹿鳴館』。一幕読了。テロリストはどのように現れるのかな?明治時代の脱亜入欧の象徴かもしれないが三島は解説に現代のほうが《鹿鳴館時代のやうに外人に阿諛(あゆ)を呈しながらも一方新興国家のエネルギーと古い封建的矜持とを二つながら備えてゐたのとは比べものにならない》と現代(昭和30年代)を批判。三島が生きていたら今の岸田首相のアメリカへの阿諛追従(あゆついしょう)ベッタリの防衛費増額(米古道具平気大量購入)外交をどのように嘆くだろうか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。いつもの散歩道に沢山貼られている「決断と実行」と書かれた岸田首相の顔のポスターが最近の冷たい雨のせいか色褪せている。存在感の現状を表してるようでもありますね。ワン。終日イロイロデスクワークのあと『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。今日のゲストは神宮外苑の再開発による銀杏並木の伐採等に反対しているロシェル・カップさんと秩父宮ラグビー場や神宮球場の新規建て替えに反対している神戸親和女子大学教授の平尾剛さん。あのラグビー場を人工芝にしようとしていることでもわかるようにラグビーや野球のことは何も考えられていないビジネス再開発(R・ホワイティング氏の指摘)でありボストン・レッドソックスの歴史的建造物フェンウェイ・パークがファンの立て替え反対で建て替えられなかったことを見習うべき(M・キーナートさんの指摘)などを紹介してこの「開発計画」が如何に無謀かを示す.ロシェルさんが言ってたけど東京(日本)には都市計画がないのですね。ジャーナリストの上杉隆さんも参加して統一地方選で開発反対派の区議を増やして都知事を動かさねばとの指摘も。研ぎのなかには再開発反対議員もいるそうですね。このオプエドでの討論は今も見聞きできます。https://op-ed.jp/

1月26日(木)
読書in bedは三島由紀夫『近代能楽集』から『道成寺』。オモシロイですねエ。大きな鐘がデッカい家具に変わってますねえ。『葵上』の解説として作者が書いてる文章が面白かった。《われわれは無意識のうちにも古典の伝統によって技法上の恩恵を受けてゐるので源氏物語から能楽へ移され能楽からかうして近代劇へ移されながら「身分の高い女のすさまじい嫉妬の優雅な表現」といふ点では諸外国にも例を見ない日本独特の伝統の不滅の力に負うてゐるのである。ことは文学だけにとどまらず芸能の技法のうちでも男の酔態と女の嫉妬は連綿たる伝統の上に洗練されてきた両性の代表的特徴の表出であった。そしてそれはどんな女の美徳の表現よりも女の本質をすなわちその暗い業を射当ててゐた》その伝統はまだ続いてるのかな?どこかで断ち切れたとも思われるけど…。続けて『班女』も読む。男と女による不幸ゆえに美しい狂人となった美女の奪い合い。レズビアンが勝利する。オモシロイですねエ。男の嫉妬も政治家ならずとも深いですね。ついでに三島が日劇ミュージックホールのレビューのために書いた短い台本『恋には七つの鍵がある』も読む。村松梢風・東郷青児・トニー谷らとの競作オムニバス。アポロンやバッカスがヌードダンサーと絡む小品。ジプシーローズは出てたのかな?男優は大泉滉の名前がある。演出は丸尾長顕。懐かしいなあ。昭和30年代にはテレビにも出てましたよね。三島はイロンナ仕事をしてますね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。机の虫になって岩佐賞芸術部門の審査や土曜のオペラ講座の準備。ふううう。晩飯映画劇場は午後にNHK-BSで『太陽がいっぱい』をやっていたのでDVDを引っ張り出して見る。ルネ・クレマン監督の傑作ミステリー。オモシロイですね。24歳のアラン・ドロンが美しいですね。淀川長治氏は史上最初のホモセクシュアル映画と評したらしいけど納得。ドロンが友人を殺したあとの荒波にもまれるヨットのシーンは圧巻でカメラマン(『地下室のメロディ』『大人はわかってくれない』も担当したアンリ・ドゥカ)はヨットの帆柱に縄で身体を縛り付けて撮ったと映画評論家の山田宏一氏が書いていた。凄い!この荒波とヨットの撮り方は市川崑の『東京オリンピック』のヨットのシーンでもパクってますね。DVDの解説にはニーノ・ロータの音楽はベッリーニの音楽から生み出されたとも書かれているけどコレは明らかにドニゼッティの誤りですね。『ルチア』の二重唱のメロディにソックリですからね。

1月25日(水)書き忘れ
昨日も毎週水曜朝のRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演は行いました。書き忘れただけですので書き加えておきます。話の内容は柔道家の溝口紀子さんから教わった全柔連山下泰裕会長(JOC会長でもありますね)が強力に推し進めた高校柔道の文武両道杯について。柔道の創始者である嘉納治五郎が灘の清酒菊正宗の蔵元出身者でもあり進学校の灘高と関係があったこともあって偏差値の高い進学校だけの大会。灘の他に日比谷・筑紫丘・千葉・ラサール・大阪星光・白陵・長崎東…女子は溝口さんの出身校の浜松西・盛岡第一・新発田…などの高校が参加したとか。結果はどーでもいいですね。ちなみに日本のスポーツは明治時代には旧帝大や大学のエリートを中心に発展したので学歴は高かったとか。サッカーの日本代表のサムライ・ブルーも東大のスクールカラーから生まれたという説がありますね。だからなんだってこともないですがイロンナ大会があってもイイですね。大学には各種競技で七帝戦(旧帝大対抗戦)や医大大会もありますからね。アスリートの皆さん!勉強しましょう。

1月25日(水)
読書inベッドは三島由紀夫『近代能楽集』から3編。『源氏供養』は文学論臭がチョイと臭って理屈っぽかったが『熊野(ゆや)』は桜と女性の魔力を対比させて面白く『弱法師(よろぼし)』も戦争で盲目となった孤児の育ての親と生みの親の奪い合いという大人の論理を成人した孤児が一気にぶっ壊す迫力に魅せられた。しかし三島という人は本当にドラマ(芝居)をドラマチックに仕立て上げるのが見事ですね。シェイクスピアの戯曲を「諺だけで芝居を創った大天才」と評したのは誰だったか忘れたが三島も同じですね。子供の頃から「旦那の囲碁丁稚は将棋。旦那のお能丁稚は歌舞伎」と教えられて未だに『熊野』も『弱法師』も見たことがないけれど『近代能楽集』を読んだだけでも序破急の迫力と魅力が感じられて興奮します。高校時代に読んだ時はパープリンだったけど(>_<)ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。10年に一度の寒波と言われながらメッチャ暖かいやんと思っていたら夕方前頃から急激に気温低下。坂道の夜間路面凍結も怖いし週末のオペラ講座の準備や岩佐賞の審査もあるので日本スポーツ学会大賞の表彰式と記念講演は休ませてもらう。長田渚左さんスンマセン。帰宅が11時というのは相当にヤバいですから申し訳ないけど失礼。村田諒太さんおめでとうございます。ドイツとアメリカからウクライナへの戦車の供与が決まったようですね。終末時計は残り1分30秒という残り時間の意味もよくわからないけどわかっているのは日本の政治家もメディアも頼りにならないと言うことですね。嗚呼。

1月24日(火)
ベッドのなかで三島由紀夫の『女は占領されない』一気読み。面白かった。越路吹雪による主演上演を前提に書かれた戯曲でGHQ幹部(中佐)と未亡人有閑マダムの恋物語。戦後の没落貴族や公職追放された男たちに保守革新両政党の権力(選挙)争いも絡んでGHQ幹部と恋仲になったマダムが「人助け」に動くが…最後は破滅とはいえ美しい別離の結末が…「君は世界にも稀な贅沢な女だよ」「それが日本の女といふものよ」「僕は一生忘れないだろう」「私のことは忘れてもいいわ。でも楽しさだけは覚えてゐてね」…ストーリーテラー三島由紀夫の面目躍如たるドラマですね。エッセイでは自分を「女ぎらひ」を何度も書いているのに「いい女」は好きなのですね。ワン。越路吹雪の他に岸田今日子&神山繁などが出演。長岡輝子の演出で昭和34年に上演。再演はされないだろうけど三島の書いた台詞を読むだけで越路吹雪の姿が浮かび戦後の日本社会が眼前に広がるのは凄いですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは北國新聞のツキイチ連載『スポーツを考える』執筆。短いコラムは書いてて推敲の繰り返しが楽しいですけど疲れますね。夕方から急に気温が低下。それが仕事部屋でもわかる。ふうううう。原稿メール送稿して晩飯&風呂&酒。ウクライナへのドイツ戦車の援助はどうなるのかな?戦力の漸次投入が戦争では最も下手な戦法だということくらい小生のような政治(戦争)嫌いの人間でも知ってるのにNATOはウクライナをどうするつもりなのかな?ロシアとの全面戦争を避けた落としどころは?ドウスルNATO?

1月23日(月)
昨晩早く寝たので午前2時頃目覚めてベッドのなかで三島由紀夫の戯曲『十日の菊』一気に読み切る。二・二六事件を題材にしてコレほど波瀾万丈の人間ドラマを創りあげる三島の筆力に脱帽。しかも商業演劇として見所見せ所満載でエロスの香りも漂わせながら「家政婦はミタ」にもつながるサービス精神まである。中身はもちろんずっとずっと高尚で作者本人が解説しているとおり《人間の性格と運命の関はり合いの劇》は青年将校たちに命を狙われる大蔵大臣の逃亡を助ける菊という名の家政婦でもあり愛妾でもあった女性を中心にしたエンタメの魅力満載のドラマです。舞台の設定は昭和27年。発表は昭和36年。杉村春子・岸田今日子・荒木道子・北城真記子・中村伸郎・三津田健らによって文学座創立25年記念として上演されたらしい。三島の戯曲はウヨクもサヨクも無関係ですね。『英霊の声』『憂国』と並ぶ『二・二六事件三部作』らしいけどこの作品が一番オモシロイですね。ベッドから出て黒兵衛と散歩。途中から冷たい小雨。早く切り上げて帰宅。風邪引いたらどもならんですからね。ワン。イロイロデスクワークで通信社のコラム仕上げたら昨年もお手伝いした岩佐賞芸術部門在宅審査の資料がどかっと届けられる。今年の応募はどんな企画があるか楽しみ。大相撲が終わると少し寂しいですね。晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら。前回はウチバ&ツジモト大活躍でお笑い。今回もハザマカンペイ&ツジモト&ナマエシラズの老人役トリオの大活躍で大爆笑。ワンパターンの台本でも役者が揃ってるときのヨシモトなら良いのですよね。あ。三島の戯曲の『十日の菊』は「菊(重陽)の節句の翌日の意」で『六日(端午の節句の翌日)の菖蒲』と同様「時期遅れで役に立たないこと」指す慣用句なんですね。知らなんだ。この歳になって(_ _)(_ _)

1月22日(日)
『黒蜥蜴』読了。面白かったという以上に楽しかった。三島由紀夫は芝居や小説で観客や読者を喜ばせる勘所を熟知しているのですね。『黒蜥蜴』も『潮騒』も『豊穣の海』もある意味エンターテインメントとして秀逸ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。明日からは寒い日が始まるらしいが今日は暖か。冬の暖かい日は何か幸せを感じますね。夏の涼しい日よりも。デスクワークでHP更新の準備をしていたら『黒蜥蜴』の映画は京マチ子主演の古いモノしかDVDがなく深作欣二監督美輪明宏主演のは出ていないことに気づく。残念。しかしネットの動画で一部を見ることができた。黒蜥蜴の隠れ家の恐怖美術館のシーン。殺した人間の裸の剥製が並んでいて若い男女を新たに剥製に仕立てようとするシーン。裸の剥製の役でナント三島自身が演じているではないか!死体だから演技はないが自慢の裸体を惜しげなく曝け出して美輪明宏に撫でられている。ナルシストですね。夕方から大相撲千秋楽。序の口力士の優勝決定巴戦も面白かったし十両で惜しくも優勝を逃した湘南の海が金峰山を破った一番も面白かった。そして幕内最後の取り組みの貴景勝は見事でした。優勝会見での発言も見事。見直しました。晩飯は日曜美術館でアンディ・ウォーホルを見ながら。解説がちょっと的外れかな。NYのMoMAで彼のキャンベルスープを見たときはその大きさとその大きな絵から滲み出す迫力に圧倒されました。彼はただのポップアーティストではないと確信しましたからね。権威や権力をぶっ飛ばし被差別や弱者の側に立ってるのは明白ですよ。続けてクラシック音楽館でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ありきたりの美しいクラシック入門曲ですが台湾出身のヴァイオリニストであるレイ・チェンの演奏は見事でしたねえ。この聴き慣れた楽曲がこんなにも激しい感情の起伏を表し深い憂いを含むモノかと初めて気づかされました。レイ・チェンという音楽家はタダモノじゃないですね。ブラーヴォ!!

1月21日(土)
ベッドでの読書は三島由紀夫の戯曲『黒蜥蜴』。江戸川乱歩原作。明智小五郎vs黒蜥蜴の恋情溢れる探偵捕物劇…なんて書き方は古めかしいけど1956年昭和31年の作品ですからね。昭和に育った小生のような人間にはなかなか面白いけど今の若い人にはNGでしょうね。そう言えば台詞のなかに「写真機」という言葉が出てきて思わず笑った。というのは今年の正月子供や顎たちと食事をしたときにヨメハンがみんなで写真を撮ろうとして子供に「写真機を取って」と言ったので大笑いになったのだ。子供にも孫にも「意味」は通じたがスマホを写真機と表現した婆さんがいることに大爆笑。日頃は若ぶっているけど昭和人であることを暴露してしまった(^_^)しかし子供たちは『黒蜥蜴』での明智小五郎の次の台詞を読むべきですね。《今の時代はどんな大事件でもわれわれの隣の部屋で起こるような具合に起こる。どんな惨鼻な事件にしろ一般に犯罪の背丈が低くなったことはたしかだからね。犯罪の着ている着物がわれわれの着物の寸法と同じになった。黒蜥蜴にはこれが我慢ならないんだ。女でさえブルージーンズを穿く世の中に彼女は犯罪だけは煌びやかな裳裾を5メートルも引きずってゐるべきだと信じている》というわけで「エジプトの星」と呼ばれる113カラット1億5千万円のダイヤモンドを奪い取ろうと策を弄した黒蜥蜴。第二幕まで読んで第三幕はどうなる?黒蜥蜴?初演は水谷八重子/芥川比呂志/田宮二郎/大空真弓…だったとか。京マチ子/大木実…新藤兼人脚本で映画化も。昭和43年には深作欣二監督/丸山(美輪)明宏/木村功…でリメイク。見なければ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事&大相撲。明日は貴景勝と琴勝峰で勝ったほうが優勝か…決定戦で当たることも期待していたけど…まぁイイか。

1月20日(金)
ベッドのなかで黒鉄ヒロシ『マンガ葉隠』を改めて読み返す。メッチャオモシロイ。巻末の参考文献にやっぱり三島由紀夫の『葉隠入門』が紹介されてました。入門解説書としてはこれだけですがソレで十分ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事しながら昨日届いた週刊誌2誌を読む。巨人選手の反社団体の人間との不祥事?高校野球センバツ出場校監督の暴行常習事件(今まだそんなことをやってるのか!!)そして長嶋一茂氏が江川事件を起こしたのは父親で江川卓氏に謝ったとか。そんな馬鹿な!江川投手をほしがっていたのは事実でドラフト前に何度か会っていたことは小生も某氏から聞いていましたが「空白の一日」を企んだのは別人ですよね。球界は不愉快な事件が多いですね。そんななかで文春がグラビアで扱っていたセントルイスカージナルスのヌートバー選手の記事は新鮮でしたね。WBCの日本代表選手としての活躍を見たいですね。夕方からは『ニューズ・オプエド』。ゲストは大リーグ評論家の福島良一さん&スポーツ・ジャーナリストの生島淳さん。福島さんにはヌートバー選手の詳しい解説やWBCでの大谷投手vsトラウトの対決やメッツに入団した千賀投手への期待などを話してもらって生島さんにはWBCやメジャーの今季の見所のほかに大相撲今場所の面白いこ!!!やラグビー・イングランド監督からオーストラリア監督にかわったエディ氏の話もしてもらう。両氏のどの話もメッチャ面白かった。番組を終えてから『チコちゃん』見ながら晩飯。オプエドは今も見ることができますからどうぞ!https://op-ed.jp/

1月19日(木)
三島由紀夫『葉隠入門』読了。《武士道とは死ぬ事と見つけたり》という文章の意味がよくわかりましたね。この本はニヒリズムの果ての自由の獲得という処世術を説いた書物でもあるのですね。要するに「memento moriメメント・モリ」の日本流ですね。しかし三島由紀夫のゴリ押し解説は非常に読みやすくわかりやすく楽しかったですね。この解説本と黒鉄ヒロシ氏の『マンガ葉隠』と岩波文庫の原本があれば十分ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク&明日の『ニューズ・オプエド』の準備など。福島良一さんと生島淳さんのリモート・ゲスト出演が決まったのでメジャーとWBCの話を思い切りやりあしょう。湘南の海は今日はどうだったかな?と思ってテレビをつけると既に終わっていて何と朝乃山に負けていた。慌ててパソコンで相撲協会のビデオを見てみると…頑張ったけど実力差だったかなあ…。貴景勝は連敗か…大相撲のカオスの世界はなかなかコスモスに成長しないですね。

1月18日(水)
昨夜は午後8時過ぎにベッドへ。今朝は午前4時半にベッドから出て机へ。溝口紀子さんとの対談原稿に集中。ふううう。8時から朝食と準備をしてRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。一昨日の本欄に書いた『報道写真展』の「写真批判」について少々言葉を和らげて話す。しかしZOOMだったのでニール・ライファーの撮影したモハメド・アリvsソニー・リストンのKOシーンの写真を見せるとスタジオの皆さんには即座に小生の話していることを納得してもらえた(と思う)。これぞスポーツ!でガッツポーズや抱き合って喜んでるシーンはスポーツの言わば周辺ですからね。ラジオを終えたあと黒兵衛と散歩。そう言えばご近所さんの某カメラマン氏にヨメハンが小生の「報道写真批判」を伝えたところ賛意とともに「キャプションを読まなければわからないのは写真と言えないです」という返信メールがあったらしい。その通りですよね。散歩から帰って仮眠をとったあと昼前から午後7時までパソコンの虫となって大格闘。ふうううう。晩ご飯は録画した大相撲を見ながら。貴景勝を負かした琴乃若は見事でした。十両では地元力士の湘南の海が頑張ってますね。優勝の可能性も。あ。書き忘れましたが月曜夜の神奈川テレビ放送の吉本新喜劇はメッチャ面白かったですねえ。役者が揃うと吉本の舞台はまだまだパワーがありますね。

1月17日(火)
昨晩からベッドでの読書は三島由起夫の『葉隠入門』。オモシロイ。ナルホドこーゆーことだったのかと目鱗ボロボロ落ちる。小生の悪い癖で先人の残した名著と呼ばれるモノを難しく考えすぎることがある。少々気軽に考えるべきなのだ…と思いながらベッドを出て黒兵衛と散歩して終日机の虫。パソコンと格闘。溝口紀子さんとの対談原稿をまとめ始める。情報量が多いからタイヘン。女性の論理は学ぶことが多いからこれまたタイヘン。これは良い意味で。ふうううう。

1月16日(月)
昨晩ベッドに入ったときから今日書く『ZAITEN』連載原稿のことが頭の中をぐるぐると巡る。テーマは「2022年報道写真展」。横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で4月まで開かれてる企画展の宣伝なのだが新聞広告に使われている写真がとても報道写真とは思えないヒドイ代物ばかり。写真としても低レベルでマイッタ。いちばん大きな写真はスワローズ村上が56号ホーマーを打ったあとのガッツポーズ。これが報道写真?これがスポーツの写真?せいぜい少年漫画雑誌の表紙に使われる程度の代物ではないか!もう1枚のスポーツを取りあげた写真はW杯ドイツ戦で堂安選手が同点ゴールをあげたあと選手たちが抱き合い大騒ぎしている1枚。この写真のどこに「写真展」に選ばれる価値があるのかわからない。2枚とも新聞の雑ネタ扱い程度の写真ではないか!しかもウクライナ戦争を扱った空を見上げる女性の写真も沖縄の「慰霊の日」の写真もまるで芸術写真。断固として報道写真とは思えない!今更ニール・ライファーやロバート・キャパを見習えと言う気はないがカメラマンならスポーツの「何」を撮りたいのか?戦争の「何」を撮りたいのか?ということを考え抜いた末に現場へ行ってシャッターを押してほしいものだ。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと「報道写真展」のHPを開けてみてさらにガッカリ。北京冬季五輪女子パシュートで金メダルを逃した日本女子チームの表彰台で泣いている姉を慰める妹の写真。こんな写真は誰にでも撮れる。どうして「氷の魔物に足を取られて転んでしまった恐ろしい冬のスポーツの瞬間の写真」がないのか?安倍元首相の国葬の写真?この程度の写真も誰にでも撮れる。しかもウクライナ戦争で防衛費が倍増になった2022年の報道写真展の最も大きな宣伝写真が「村神様56号」とは日本のジャーナリズムとしてあまりにも恥ずかしいことではないのか!そんな気落ちを込めて原稿を書いたので疲れた。ふうううう。疲れた頭を大相撲を見て癒やしてから晩飯。若元春は良い相撲を取ったけど豊昇龍の怪我が心配。優勝争いはますます混沌?やっぱり貴景勝か?晩飯のあと録画していたNHK-BS世界のドキュメンタリー『おばあちゃんのサッカー』を見る。平均年齢70〜80歳のフランスと南アフリカのおばあちゃんのサッカーチームによる国際試合の準備から試合までのドキュメンタリー。両国のおばあちゃんたちのサッカーによる素晴らしい国際親善。めちゃめちゃ面白かった。これこそスポーツの素晴らしさですね。

1月15日(日)
小正月という言葉ももう死語になったかな。昨晩はベッドに入ってもスピルバーグの『ウエストサイド』について考え続けた。この監督はオペラやミュージカルといった音楽劇を本質的に理解していないに違いない。台詞を多くして物語をリアリスティックに描こうとすればするほど音楽やダンスのリアルさが消えてミュージカルの意味がなくなる。オペラやミューカルは歌や音楽やダンスこそリアルなのにスピルバーグはそれを理解していないようだ。だからせっかくの歌や音楽やダンスが日常的な映像ドラマから遊離してしまった。おまけにトニーが死んだマリアに抱かれる最後のシーンに主題歌(?)のトゥナイトを流したのは最悪の失敗。ココはやっぱりサムホエアでなければ「歌=リアル=ドラマ」の音楽劇的構造を構築できない。前作と同じになってもそれは仕方ないですよね。嗚呼残念。『ラ・ラ・ランド』というミュージカル映画を小生は馬鹿らしくて最後まで見ることができなかったが音楽映画は音楽によるリアルな表現を理解している監督に撮ってほしいですね。バズ・ラーマン監督の『ムーラン・ルージュ』のように!ベッドのなかでの読書は三島由紀夫の近代能楽集のなかから『葵上』。読んでる途中で高校時代に読んで最高にオモシロイと感じたのを思い出す。まるでイヨネスコの心理劇ですね。だから『源氏物語』も『葵』だけは読みました。そこで能の『葵上』も見たけど最高に退屈しましたね(>_<)。ワン。ベッドから出て長女とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。のあと昨日に続いて長女のソフトで川瀬直美監督『東京オリンピック2020sideA』を見る。sideBは既に見ていたのでsideAも見ておかなきゃ…と思って見たけど…スポーツが描かれていない人間ドラマばかりの物語にがっかり。オリンピック2020の「新しい意義」も描かれておらずAもBもテレビ・ドキュメンタリーのレベルでしたね。スポーツをもっと学んで考えてから描いてほしかったですね。この映画を将来見てみようと思う人がいるのかなあ?午後からデスクワークのあと大相撲。いやぁ!カオスのなかの大相撲はオモシロイですなぁ。誰が飛び出してコスモスを形成するのか…朝乃山が復活してくるのかな?

1月14日(土)
三島由紀夫の戯曲『若人よ蘇れ』読む。戦時中終戦直前(原爆投下の日=第1幕)と終戦の日(第2幕)と11日後(第3幕)の学生動員寮での生活を三島の経験を元に描いた私小説的戯曲。戦争モノは戦場を舞台にしたモノが多いなかで戦争(兵士)から落ち溢れたインテリ(教授や学生)のコンプレックスと未来への希望と虚無感の入り交じった戯曲。こういう戦争物は初めて読んだので興味深かった。昭和29年の作品。様々な事情があったにせよ戦時中とはどんな観念論もどんな思想もすべてが戦争に包み込まれていた時代だったのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日パソコンの整理。古いパソコンから新しいパソコンにデータ(過去の原稿や資料等)を移す作業。こーゆー作業をしているとコンピュータというのは本当に世の中を不便にしたとつくづく思いますね。嗚呼。夕方になって大相撲を楽しんでいると長女がやってきて一緒に晩飯。映画を何でも見ることのできるソフトを入れたとかで食後にスピルバーグ監督がリメイクした『ウェスト・サイド・ストーリー』を見る。……何と言えばいいのか……過去のロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンス監督版と較べれば最低の出来ですね。がっかりしたことと悪口は500例くらい並べ立てることが出来ますが最悪だった点を二つ。ダンスにまったく切れがない。迫力がない。サラリーマンのようなチノは明らかにミスキャスト。評価できる点は一つ。成功したとは言えないけどドクを女性にしたことかな。しかし……ジョージ・チャキリス&リチャード・ベイマー&ラス・タンブリン&タッカー・スミス&ナタリー・ウッド&リタ・モレノ…は最高でしたね。それにバーンスタインの音楽は史上最高のミュージカル音楽ですね。スピルバーグはやっぱり『E.T.』と『ジョーズ』だけの監督かな?

1月13日(金)
三島由紀夫の初期の戯曲が読みたくなって全集の一冊を持ち込んだらラジオ作品で『ボクシング』というのがあった。バンタム級の世界タイトルをなくす男の試合の話だがやたらと様々な効果音の指示があって何じゃコレはと思って解説を読むと黛敏郎のミュージックコンクレートを聴いて面白くなって作品を作りたくなった結果らしい。《楽譜のない音楽。楽譜を通さないで楽譜による解釈の余地を残さないで音そのものによって構成された音楽》で黛氏が三島にラジオの台本を依頼したらしい。そこで《本当は台詞も使いたくなかったが使はないわけにはいかなかった》というところで生まれた作品らしい。短い作品なのでその解説を知ったうえで読み直すといろんな音(街の喧騒やボクシング会場の音)が交錯して響くのを想像するのがオモシロイ。昭和29年にこんな前衛的な試みもしていたのですね。《「事実の世紀」といはれれる二十世紀はこんなものを生み出す必然があるのだろう》と三島は書いている。では「虚構の世紀」である二十一世紀にはどんな音楽やアートが相応しいのかな?コレは考え直す価値ありですね。トランプやボルソナロのテーマミュージックはどんなものになるのかな?Fake Musicってどんな音楽?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク&『ニューズ・オプエド』の準備。今日のゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと尚美学園大教授の佐野慎輔さん。ナルホド。今場所の大相撲の土俵はかなり中身が充実していると言えるのだ。一人大関で大混戦だがカオスがコスモスに定まってゆく経過を同時代人としてナマで見ることがでいるのは嬉しいことですね。さらに日本のスポーツは…といいうことで札幌五輪の行方からIOCの将来とスポーツベッティングの話まで非常に有意義な話でした。今も部分的に見聞きできますのでどうぞ…https://op-ed.jp/

1月12日(木)
昨晩は週刊誌を数冊ベッドに持ち込んだがコレといった記事はなし。最近の○○砲と言われて話題になる記事も昔なら女性週刊誌が書いたような話題ばかり。国会で野党の力が衰退しているのと歩調を合わせるように週刊誌月刊誌ジャーナリズムが衰えているような気がしてならないですね。そー言えば数日前の新聞に報道写真展の宣伝が出ていて数葉の写真が紹介されていたけどいちばん大きかった写真がスワローズ村上の本塁打。2番目がW拝サッカー日本代表。それらがウクライナ戦争や沖縄基地問題の写真よりも大きく扱われていたけど…「報道」はそれでいいんでしょうかねえ?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して午後イチで大船駅から東京へ。東西線大手町駅まで歩いて竹橋へ。財界展望新社『ZAITEN』編集部で教育評論家で柔道家の溝口紀子さんと対談。昨年から隔月のペースで小林信也さん春日良一さん平尾剛さんと対談してきた第4弾。初の女性登場で女性のスポーツについて訊きたいことがワンサカあったけど溝口さんのメッチャ鋭い回答に目から鱗が何枚も落ちる。話題は女性スポーツが差別されている実態だけでなく(甲子園大会の女子高生の扱われ方はボクシングのラウンドガールと同じといった話題だけでなく日本のGGI(ジェンダーギャップ指数)の低さ(世界で120位!)や女性議員を増やすためのクオータ制の話まで。これは日本で何とかしなければならない問題だけど…少子化がこの問題の解決に役立つかも…という指摘は興味深かったです。地下鉄と東海道線で帰宅。ちょうど大相撲が終盤。うわっ。豊昇龍負けた。大栄翔強い!横綱不在の混戦もオモシロイですね。

1月11日(水)
三島由紀夫の雑文…と言うのは失礼だろうが新聞や雑誌に書いた短い文章が面白い。『愛国心』と題したのもあった。《実は私は「愛国心」といふ言葉があまり好きではない(略)この言葉には官製のにほひがする。また言葉としての情緒ややさしさがない。どことなく押しつけがましい。反感を買ふのももつともだと思はれるものがその底に揺曳してゐる》そのとおりですね。《愛国心の「愛」といふ字が私はきらひである(略)日本語としては「恋」で十分であり日本人の情緒的表現の最高のものは「恋」であって「愛」ではない》このエッセイは全部書き写したいくらいだがこのくらいにしておく。彼は政治的右翼ではなく当たり前のことですが文学者ですね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはスポーツベッティング。つまり「スポーツを賭けの対象」にすること。アメリカはこれを解禁して40兆円産業になりスポーツ予算も獲得できたとか。日本のスポーツ省の年間予算はネイマール+ロナウド+エムパペの年俸より低い程度。刑法の賭博罪を廃止してイギリスや欧州のようにすれば日本のスポーツ予算が税金抜きで賄える…というのを検討すべきときに来たようですね。何しろウェディング(結婚)のラテン語の原語のウェドゥモニウムは「賭けの対象」という意味ですからね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。終日デスクワークは明日の溝口紀子さんとの対談の準備など…金曜の『オプエド』のゲストに『チコちゃん』に出演した佐野慎輔さんと相撲ジャーナリストの荒井太郎さんが決まったので大相撲も見ておく。豊昇龍強くなりましたね。晩飯映画劇場はクリント・イーストウッド監督主演『ガントレット』。バカスカ撃ちまくってパトカーもヘリコプターも家屋もバスも穴だらけの蜂の巣状態で壊してしまうのにはココまでやるかと笑いますね。『ブルース・ブラザース』のカーチェイスのモデルはこれかな?

1月10日(火)
三島由紀夫の対談で避けていた『世阿弥の築いた世界』を読む。対談の相手はドナルド・キーン氏と中世文学の専門家の小西甚一氏。小生は子供の頃から親父に「能と囲碁は旦那。丁稚は歌舞伎と将棋」と教えられて育ったので能はパープリン。ブリテンのオペラ『カーリュー・リヴァー』から能の『隅田川』に興味を持て見たが死ぬほど退屈した。最近テレビで『安宅』を見て『勧進帳』の元ネタだから楽しんだが『勧進帳』で十分だと思った。しかし能の世界がわからないなりにも対談は楽しめた。《能の場合はどうしても絶対的なものでなければならないでしょう。若い女の人のような歩き方とか手の使い方を全然無視したとき初めて詩としての美しさが現れてくると思います》と語るキーン氏は凄いなぁと思いますね。けど…能を見てそれが感じられるかな…とも思いますけど…。《日本の芸能というものと年齢というものをいちばんよく考えていたのは世阿弥だろうと思います》という三島のほうがすんなりと理解できますね。《日本の芸能はどうして年をとってもできるのかという不思議なことがあそこで発見されてますね。西洋のバレーなら三十過ぎるとそろそろ振り付け師にならなければならんしそれでは最高の芸は見せられませんね。西洋のスポーツも青年が最高のものだと思いますね。日本だけは武道も剣道で七十歳の剣道範士なんていう人がいて誰もかないませんからね。お能や歌舞伎でもそうでしょ。逆に言えば老いというものの芸術的な意味をあれだけ早く知っていた人は世阿弥を置いていないと思いますね。これは文学にも言えるので日本文学は不思議に年とってから妙に色っぽい変なもの書くでしょう》なるほど。年とった三島のポルノを読みたかったなあ。しかし森下洋子さんは70歳を過ぎてバレエを踊ってますよね。アンナ・パヴロワやマヤ・プリンセツカヤも瀕死の白鳥だけは…あの演目だけは世阿弥的なのかな?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日スポーツと武道と世阿弥を考える。晩飯はNHK-BS『嘘と政治と民主主義』を見ながら。トランプ前大統領と議会襲撃を扱ったドキュメンタリー。こういうジャーナリズムの存在するアメリカは凄いですね。日本のジャーナリズムはどこへ消えた?

1月9日(月)
成人の日…らしいけどそれはやっぱり15日の小正月に祝日とすべきですね。10月のスポーツの日もそうですが由緒ある記念日(1964年東京五輪開会式の日)を動かすのは良くないですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと録画しておいた『チコちゃんに叱られる』冒頭を見る。駅伝の話を『オプエド』準レギュラーの佐野慎輔さんが解説。読売新聞主催で始まった東京奠都50年記念東海道駅伝を企画した土岐善麿が多額の赤字を出して朝日新聞に移った話までわかりやすく解説。お見事。できれば箱根駅伝が関東だけの地方大会だと付け加えてほしかったですけどね。何日か前にテレビで顔写真や自分の身体の写真を修正する話をしていて気になっていたので本棚から木村泰司・著『名画は嘘をつく』(ビジュアルだいわ文庫)を引っ張り出すとありました。有名な西洋画の貴族の肖像画はほとんどみんな修正されていたのですね。ハプスブルク家特有のシャクレ顎は男女ともに短くなりエリザベス1世もポンパドール夫人も皆さん肌は若々しく…。女の子が顔を修正するのは世の中が豊かになった証拠?午後から高校サッカー。みんな上手いけど少々チームプレイの荒さ(パスミスの多さ)が目立ったかな?昨日も書いたけど高校日本一を決める必要があるのかな?テレビは盛り上げたいでしょうけどね。昨日に続いてゆっくり大相撲。星の潰し合いも面白いけど…抜け出すのは誰?

1月8日(日)
黒鉄ヒロシ『千思万考 天の巻』(幻冬舎)最後に残っていた石川五右衛門/三浦按針/紫式部/長谷川平蔵/ペリー提督読み終えて読了。ほかに2冊出ているらしい。そう言えば昨日読んだ細川ガラシャのなかに「ドウスル ガラシャ?」との一文があった。今年の大河ドラマ『どうする家康』はココからとった?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。見事に晴天続きの正月ですね。日本海側はたいへんですが。チョイと仕事をしたあとお節料理の入れ物の返却と隣家のフランス人家族がパリに帰られるというので一緒に昼飯を『鮨処もり山』で。美味しい魚に舌鼓のあとヨメハンの買い物に付き合って帰宅して昼寝。ゆっくり目覚めて大学ラグビー終盤は予想通り帝京大の大勝。しかしそろそろ大学スポーツや高校スポーツを全国的に大騒ぎするのはやめたほうがいいですね。日本の国力低下と大学の学習レベルの低下がシンクロしているかどうかはわかりませんがラグビー日本一の大学や野球日本一の高校という「頂上」は教育機関に不要でしょうね。大相撲初場所をビール飲みながら楽しんだあと『どうする家康』見る。小生は連続TVドラマはやっぱり体質的に受け入れられないですね。カメラワークも台詞も×××ですから。悪口は伏せ字で。酒飲みながらNHKスペシャルは微生物の話。微生物って凄いですなぁ。しかし微生物解説ドラマは不要でしたね。オペラ『天国と地獄』やってたけど×××××。寝よ。

1月7日(土)
黒鉄ヒロシ『千思万考』フランシスコ・ザビエル/柴田勝家/武田勝頼/細川ガラシャ/ルイス・フロイス/柳生宗矩…読み進む。オモシロイ。何しろ柳生流の無刀心を解説するのに登場した人物が南方熊楠/ユング/ソシュール/ポアンカレ−/カイヨワ/ホイジンガ…なのだからぶっ魂消る。そう言えばこの本をどこで手に入れたのか思い出した。黒鉄氏がテレ朝の昼の番組のコメンテイターをされていたときにイラストとともに歴史的人物を紹介されていたのをまとめてテレ朝で展覧会を催されたのを見に行ったときにお土産にもらった本なのだ。展覧会は原画の即売会になっていて「売ってるんですか?」と訊くと「チョイと資金が入り用でね」「馬ですか?」「はい。まぁ。そんなところですね」との返事。ギャンブルお好きなのですね。柳生の解説もそこでまとまってました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。孫がいなくなると急に静寂を感じますね。デスクワークはゆっくりとパソコンの整理など。途中高校サッカーを見たり…しかし日テレのアナウンサーの「盛り上げ方」は異常ですね。箱根駅伝でもウルサイ!と思ったけどこの「叫び」は虚無感すら覚えますね。もちろんスポーツ文化とは無縁ですね。ゆっくり晩飯食ってゆっくり酒飲んでゆっくり風呂入ってゆっくりベッドへ。餓鬼どもがいなくなるとゆっくりするものですなぁ。

1月6日(金)
黒鉄ヒロシ『千思万考』楽しく読み続ける。竹中半兵衛・黒田官兵衛・OKハザマの決闘・小泉八雲・夏目漱石…どれも面白かった。漫画家ならではのブッ飛んだ(噸だ)文章も冴えてる。一高の英語教師として人気のあった八雲の後任となったのが神経症気味の漱石で彼が叱責した青年が数日後「巌頭之感」を残して華厳滝に飛び込んで自殺した藤村操だったのか。知らなんだ。人生不可解。ワン。孫たちと家族一緒に黒兵衛と散歩するのも今日が最後。ダンベル体操をできるようになった孫たちは午後に自宅へ帰って行った。静かになった家でイロイロ準備をして夕方から『ニューズ・オプエド』。ゲストはスポーツライ柔道家で教育評論家の柔道家で教育評論家の溝口紀子さん。ペレの死去や駅伝や国立競技場に関して日本のスポーツ予算がいかに少ないかという話など。スポーツ庁の予算が大谷の大気以降の年俸よりも低いという小林さんの指摘は鋭かった。今年5月カタールで開かれる世界柔道に関して溝口さんの斉藤評も面白く世界柔道が楽しみに。番組は今も見ることができますのでそちらをどうぞ。『オプエド』のあとは『サカナ・スター』と『チコちゃん』見ながら晩飯&酒。おおっと…サカナ博士のハゼの話が面白かったのでチコちゃんの駅伝の解説を見落としてしまった.9日(祝)の朝に再放送があるのでそれを見ましょ。『オプエド』セミレギュラーの佐野慎輔さんが解説者として登場しているはずですからね。オプエドのURLです→ https://op-ed.jp/

1月5日(木)
黒鉄ヒロシ『千思万考 天の巻』読み続ける。上杉鷹山・河井継之助・東郷平八郎・山本五十六…面白い。ギリギリ戦中生まれの戦後民主主義社会派の著者とは言え戦後には戦前軍人的ケジメもあったんですよね。著者は鷹山の項目の最後で今日のニッポンを嘆く。《我が国のこの混乱ぶりと程度の低さは何時からで何の所為か。鷹山先生の教えには「何の為に是を為すか」だけではなく「為す精神のバックボーンを隠さないこと」が示されている。平成の改革(?)の「何の為に?」の答えとその対立者とが見すぼらしく感じられるのは精神のバックボーンの周りに付着した「経済」一辺倒の脂肝やら贅肉やらが見苦しい所為であろう》この本が出版されたのは2012年4月。日本は10年間まったく進歩なしか?いやバブル崩壊以来20年以上暗剣殺状態か?ワン。孫たちと一緒に黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。今年最初の晩飯映画劇場は娘が小6の息子(孫)と見たい言ったので『関ヶ原』。歴史好きの孫も興味を持ったかもしれないけど登場人物の多さや台詞の聞き取りにくさのため一端中止して晩飯に専念。婆のつくった美味しい炒飯やらイロイロ食べたあと『関ヶ原』再挑戦。岡田准一の石田三成はそんな感じかと思うが役所広司の徳川家康はちょっと違うかな?彼は『清洲会議』での柴田勝家のほうが似合ってましたね。原田雅人監督が真面目に司馬遼太郎の視点を映像化した意志はわかるけどモウちょいエンターテインメントにしてほしかったかな?孫には次に来たときに黒澤の『蜘蛛の巣城』でも見せましょう。

1月4日(水)
昨日チョイと本棚を漁っていたらスポーツの資料の奥から読んでない本がゴロゴロ出てきた。なんでやねん。掃除と整理のあと失念したか?ブルーノ・タウト『ニッポン−ヨーロッパ人の目で見た−』(春秋社)『日本雑記』(中公ブックス)これは嬉しい。おまけに黒鉄ヒロシ『千思万考』(幻冬舎)の第2弾『天の巻』も。これは途中まで読んでいて何年か前に行方不明になった本。発見されて無事救出。まるでUFOに掠われて帰ってきた『未知との遭遇』の帰還者のようなものに。さっそく北条政子とシェイクスピアの項目を読んでベッドのなかでゲタゲタ嗤う。政子は「尼寺へ行け」まで含めてシェイクスピアの四大悲劇をすべて体験したのですね。ワン。ベッドから出て今年初めてのRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。新年の挨拶のあと駅伝の話。箱根駅伝という地方大会で近代スポーツの定義も長距離レースのルールも外した大会(特定地域の大学しか出場できず平等性が保たれていないうえコースの高低差がありすぎる)を騒ぎすぎ…という話。首都圏の大学ばかりが注目されてまったく困ったもんですねぇ。来年の100回大会以後は全国の大学が(それに女子も!)出場できるようになることを祈りましょう!ワン。孫たちと一緒に黒兵衛と散歩のあと『甲子園大会批判』の原稿に集中。晩飯前にやっと書きあげてメール送稿。ふうううう。読みたい本が出てきたので早々とベッドへ。

1月3日(火)
『アインシュタインの夢』とともに正月3日目目覚める。時間の進み方が場所によって異なるドラマがオモシロイ。ワン。ベッドから出て孫たちと一緒に黒兵衛と散歩のあとダンベル体操。ガリガリに細ってる小6の孫が年末から毎日やってるダンベル体操で最初真横に10回持ち上げることのできなかった1.5sのダンベルを軽々と上下に動かせるようになった。やればできるのだ。その後部屋に籠もって『甲子園大会マスメディア大批判』の原稿と格闘。ふううう。明日には完成できるでしょう。晩飯はニューイヤー・オペラ・コンサートともに。20年ほど前に黒柳徹子さんの司会でゲストに出させていただいたことがありました。懐かしいですね。風呂のあとの酒飲みながらのNHKスペシャルが面白かった。仏英独などが帝国主義時代にアフリカ諸国から収奪した歴史的美術品を返却する話。返却は当然にしても返却先が政府か旧王族か博物館か…イロイロ問題があるようですね。しかし過去に犯した「問題」は一つ一つ順々に少しずつでも解決していかなければならないのですね。

1月2日(月)
正月2日目。ベッドの読書はアラン・ライトマン『アインシュタインの夢』(早川書房)。何度も読んだ大好きな短編集を初夢代わりにいくつか読む。気分爽快。ベッドから出て家族全員で黒兵衛と散歩。いつもお会いする近所の初老の男性が長男の着ているNASAのジャンパーに目をつけて「それ本物?」もちろんパッチ物だがその人はかつて宇宙工学をやっていてNASAとも関係があったとか。全員驚愕。しばらく歩くと今度はアメリカで作曲の勉強している青年が家から出てきて挨拶。父上に現代音楽作曲家の藤倉大の本をプレゼントとして預けておいたお礼を言われる。いいんですよ。小生よりも読むべき人が持っているほうが…。いろんな人がいてオモシロイ。散歩のあと幼稚園児の孫がゴジラの映画を見たいというので『ゴジラvsモスラ』と『ゴジラvsキングギドラ』の派手に闘うシーンばかりを見せてやる。午後からは家族みんなで大船観音へ初詣。かなり傾斜の強い坂道がツライ。来年は無理かな?下り坂をなんとか手摺を持って歩き切って駅ビルのルミネのイタリア料理店で生ビールとピザやパスタで家族7人のパーティ。帰りに本屋で正月のお年玉のピタゴラじゃんけんの本と江戸時代の参考書を買って帰宅。一眠りして長女が操作するナントカというビデオ装置で『映像の世紀バタフライエフェクト』から『女性兵士』と『ジェノサイド』のドキュメンタリーを見ながらビール&赤ワイン&つまみイロイロ。いい正月…かな。明日から仕事です。

令和6年2024年1月1日(日)元旦
改めて明けましておめでとうございます。年賀状はヤメにして4年目かな。くださる皆さんありがとうございます。しかし…日本サッカー協会の田島会長からの年賀状は少々ヤリスギかな?堂安や三苫や日本代表チームの選手たちの写真と森安監督のサイン入り。そりゃドイツ&スペインに勝ったのは悪くないけどちょっと自慢が過ぎる気がしないでもない。まだ弱いチームが強いチームに必死になって勝っただけのことで強いチームになったわけではないですからね。家族全員で隣家二軒に新年の御挨拶。孫たちはお年玉をいただく。ありがとうございました。昼飯に京風白味噌のお雑煮とお節で正月気分。午後イチに『鮨処もり山』さんからお節料理が届き夕方から家族で長い酒盛り。