ナンヤラカンヤラ
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12月5日(火)
『世界思想50号歴史』には斎藤幸平氏の特別講義も入っていた。言わずと知れた『人新世の「資本論」』(集英社新書)の著者。こんな素晴らしいベストセラーがあるのに日本の社会がいっこうに良くならないのは何故?政治が悪いのか?政治家が本を読まないのか?「新しい資本主義」なんて言ってる政治家やその会議のメンバーは彼の本を読んでないのかな?《そもそも資本主義は私たちがもともと持っていた共有財産を解体し独占し人工的な希少性を生み出して商品化を行い貨幣を増やしていく。こうしたやり方が資本主義の根幹にある以上いくらいろいろなものが作られるようになったとしても全てに値札が貼られておりそれを買うために私たちはたくさん働いて必死に競争する。そういう悪循環を続けなければいけない限り本当の意味で豊かになることはできないのではないかということをマルクスも考えていたと思います》大拍手を送りたい意見だが筆者はマルクスを引き合いに出さなくても自分の考えとして表明していいのでは?ルイス・キャロルは「同じこと」を『不思議の国アリス』や『鏡の国のアリス』でマルクスの考えだとの断りなどなく書いてますから。「優れた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む」というピカソの言葉は学者には当てはまらないのかな?『世界思想』に書かれた「歴史」は沖縄の戦争体験の聞き書きの記述(岸雅彦「足首をつかむ指」)などすべてが勉強になりました。こんな素晴らしい雑誌から「スポーツ論」の執筆を依頼されたのはビビるなぁ(>_<)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークは昨日書いた「オリンピックは平和運動」の校正や本HPの原稿作りや明日のラジオの下調べ(かつて綱引きは五輪競技だったという話)などイロイロ。あ。今朝の東京新聞「こちら特報部」には日大アメフット部「事件」に関する小生のコメントが出ていました。「大学生の本分は勉強すること」「スポーツよりも大事なのは勉強」「スポーツ推薦入学なんか止めてしまえ!」「学生はもっと発言せよ!」「部活動も学生が自主管理しろ!」といった電話で喋った内容が少々柔らかくなって載りました。まぁ大学にほとんど行ってない人間の意見としては柔らかいほうがイイでしょうね(^_^)

12月4日(月)
『世界思想50号歴史』読み続ける。オモシロイ。特に「歴史科学としての地球科学」や「一握の土」と題して「土」に注目した「歴史」など理系から語られる歴史がオモシロイ。《地球史46億年・人類史700万年・日本史1万年において生命の躍動ほど注目されてこなかったのが「土」だ》と書き始められ《宇宙塵を集めた惑星から地球》が生まれてイロイロあって《最初はミミズやヤツデなど脚(ミミズは剛毛)の多い地中の土壌生物が登場し次に乾燥に強い6本脚の昆虫が地上で繁栄した。一方4本脚の両生類の上陸後より乾燥に強い2本脚の鳥類やヒトも登場した。「土」踏まずの存在が直立2足歩行を可能にした》こんなオモシロイ「歴史」の書かれ方を読んだのは初めて。そして微生物によって創られた「土」を選び「土」を改良して多くの作物(食物)を獲得して人口を増やしたヒトの歴史が書かれたあとの現代《土壌劣化と肥沃な土地の減少に悩む人類は現在に至るまで土を思い通りに制御するマニュアルも土を作るレシピも持たない。土作りの全てを植物と微生物に依存している状態は5億年変わっていない》だから《土壌動物の持続的なライフスタイルや知性に学び世界人口の扶養と持続的な土壌利用を実現する新たな歴史を作っていくことが今人類に求められている》という。初めて読む「土と地球と人類の歴史」に驚嘆。藤井一至という筆者は森林総合研究所の主任研究員という肩書きで土壌学・生態学を研究している人らしい。世界はいろんな見方があるものですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。最近黒兵衛がよく「土」を食べるのが気になっていたが…藤井先生に訊けば理由を教えてもらえるかな?ワン。終日デスクワークは『週刊エコノミスト』から依頼されたパリ五輪に関する原稿書き。晩飯頃までかかって『平和の祭典の真価が問われる大会/原点回帰へ理想論を愚直に掲げよ』と題した原稿を書く。オリンピックとはメダル争いなどではなく「平和運動」ですからね。サケ&メシで早々とベッドへ。あ。原稿書きに疲れて吉本新喜劇を見忘れる。アッチャー!(>_<)

12月3日(日)
京都にある世界思想社が毎年1冊出版している雑誌『世界思想』から昨日読了した『49号民主主義』に続いて『50号歴史』を読み始める。ノンフィクション作家の堀川恵子×京大人文研准教授藤原辰史の両氏による「歴史の地層を掘る−聴くことと書くこと」と題した対談が興味深かった。『原爆慰霊塔 忘れられた遺骨の70年』(文春文庫)や『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社)などの著作のある堀川氏が「熱いと聞いて何度を想像しますか」と訊く。「100度ですかね」と堀川氏。小生もそう思う。しかし「あの時(原爆投下後)は地表の温度が3000度から4000度です。それを「熱い」と表現できるかと私はいつも怖くなるのです(略)医学的に人間が「痛い」と感じる痛点の深度を測ったものによると皮膚の真皮層が焼かれる痛みがいちばん耐え難いらしいです。原爆はそこをやっているわけです。みんな肌は焼け落ちてずる剥けのべろべろ。その痛みをどうやって書けと。書けないですよね」と堀川氏。彼女の本を『永山則夫 封印された鑑定記録』(講談社文庫)も含めて全部読まねば。藤原氏の『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)も『ナチスのキッチン』(水声社)もタイトルだけで是非とも読みたくなりました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のルーティン。黒兵衛は12歳(犬の年齢早見表での人間年齢は89歳)のくせにメッチャ元気。負けないようにしないと。ワン。いろいろ雑務処理のあと午後からはJリーグ札幌vs浦和で小野伸二の引退試合を見る。最後の挨拶まで放送してほしかったなぁ。まぁYuTubeで見るからイイか。晩飯は『ダーウィンが来た』を見ながら。ファーブルをテーマに昆虫の話は先週の雑草の話とともに面白かっ。。風呂のあと酒を呑みながら反田恭平指揮JNO(JapanNtionalOrchestra)の東大寺でのコンサート。土砂降りの中での演奏だったけどブラームスの『交響曲第1番』の背後で大きな大仏さんが見守っていたのはナカナカの迫力で素晴らしかったですね。

12月2日(土)
世界思想社の『世界思想49特集・民主主義』読了。非常に勉強になりました。現状の経済社会を《これはもはや資本主義ではない。もっと悪い何かなのだ》と捉えて《従来の「資本主義」と「民主主義」というカップルに代わり新たに結ばれた「プラットフォーム資本主義」と「ネオ封建主義」というカップルの姿》の解説は恐ろしくも興味深いモノでした。《Amazonのようにパンデミック以後収益を激増させたデジタル・プラットフォームは離れた安全な場所にいる顧客(ユーザー)には利便性を…配達などのエッセンシャル・ワークに従事する労働者(その多くは不安定な雇用形態で働く「ギグワーカー(ネットで働く個人事業主)」である)には危険性を…最上流の人々(エリート)には財力・金融能力の強化をもたらしてきた》ナルホド。《そのためGoogle・Amazon・Meta(Facebook)・Uberのように多くのユーザーを引き寄せ媒介するのに成功しているプラットフォームには独占へと向かう傾向がそのDNAに埋め込まれているわけである》すなわち《階層化や独占化ひとことで言えばネオ封建主義へと向かう傾向が備わっている》わけで《ネオリベラリズムは労働者階級の敗北の時代でありネオ封建主義はその敗北がもたらした一つの重大な帰結にほかならない》ならばどーすればいいのか?《ユーザー(組合員)の民主的ガバナンスに基づく「プラットフォーム協同組合」》など《平等かつ普遍的な参加と集合的な自己統治からなる真の民主主義の構成は〈共=コモン〉を基盤としたこれまでとは別のプラットフォームの構築と手をたずさえて進まなければならない》ということになるらしい。「デジタル・コミュニズム(コンミューン・イズム)革命」が必要ということなんでしょう…かな?ヤヤコシイ世の中になってきましたなぁ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ワンとなく犬は知らない資本主義デジタル社会は封建制へ逆戻り。字余り。オソマツ。ワン。チョイと仕事のあと昼間は東京ヴェルディvs清水エスパルスのJ1昇格合戦を見る。PKでほぼ掌中にしたJ1昇格をエスパルスは試合終了ぎりぎりでヴェルディにPKを与えて逃してしまいましたね。スリリングな試合…と言えるかも…でもチョイと試合内容のレベルは低かったですね。晩飯は近々フランスへ1か月ほど帰国されるお隣さんと一緒に『鮨処もり山』へ。久し振りのお寿司とお酒を美味しくいただきワイワイと楽しひとときでした。

12月1日(金)
『世界思想49号民主主義』読み続ける。オモシロイ。気候変動の地球的危機を避ける手段として《民主主義の力で権力者に私たちの声を届け無視できないようにする》と言ったグレタ・トゥーンベリさんの「民主主義の使い方」は正しく有効ですね。しかし日本は《戦後の高度成長期から築き上げられた政治経済システムの上で恩恵を受けた立場の人たちが決定権を持ち現状の制度や仕組みを頑強に守っている》そんな日本で「民主主義の力」は発揮できるのか?そう言えば500日後に迫った関西万博を最近マスメディアも問題視するようになったが経費の話ばかりで「世界最大級の木造建築」の大量の材木使用の話は聞かれない。熱帯雨林の伐採と関係はないのかな?「子供の民主主義」の話題も面白かった。子供たちが遊ぶとき《サッカーのポジションや漫画の回し読みの順番を決める》のが「じゃんけん民主主義」。私の子供の頃も草野球の打順や守備位置をすべて「じゃんけん」で決めてました。じゃんけんは「力」に関係なく誰にも平等に「運」で決まるシステムでナルホド「民主的」ですね。《アリストテレスの『政治学』には選挙ではなく抽選こそが民主主義の手法であると書かれており近年は「くじ引き民主主義をめぐる議論が盛んに行われている》という。《選挙では社会的なエリートが当選しやすいのに対して抽選では誰にでも平等に代表者になるチャンスがありマイノリティの代表者を確保する観点からも格好の仕組みであろう》というのだ。ナルホド。二世議員賛成議員の大量発生しているドコゾの国の国会議員も選挙の一部を廃止して抽選民主主義を採用するのもイイかもしれませんね。抽選ならナチスも政権を取れませんからね。実際古代アテネでは公務は地域ごとに抽選で指名された市民が担っていたと塩野七生さんの『ギリシア人の物語』に書いてありましたからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。夕方からは『ニューズ・オプエド』リモート出演『ニューズ・オプエド』のゲストはスポーツライターの小林信也さんと五輪アナリストの春日良一さん。特集テーマは「ウクライナ・パレスチナ戦争と東京五輪招致新疑惑から改めてオリンピックを考える」その話題に関する春日さんの話もメッチャ面白かったけど日大歴代理事長とスポーツ界との関わりの話も最高に面白かった。近々YuTubeで公開されるので是非とも見てください。春日さんはまだウクライナ冬季五輪開催をあきらめてないようです。オリンピックの朝鮮半島南北共同開催やエルサレム開催はいつになるか?『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩飯。NHK-BS再編記念長時間生放送らしいけど最近鼻につく番宣臭が一段と際チコちゃんも寿命?チコちゃんも寿命?

11月30日(木)
昨晩ベッドに持ち込んだ『世界思想 2022年春49号』(世界思想社)の「特集 民主主義」がメッチャ面白かった。と言う以上にいろいろ勉強になった。長崎の原爆爆心地にある《平和祈念像》が彫刻家の北村西望の作だとは知っていたけど彼は戦前皇居前三宅坂の旧帝国陸軍参謀本部前に《韓国併合の中心人物寺内正毅の騎馬像》も作っていたのですね。これも時代の変化なのでしょうが戦前に軍歌や軍隊の行進曲を多く作曲した音楽家が戦後「民主主義行進曲」を作ったのも同じですね。《騎馬像》は戦中の金属供出で失われてその台座には《軍国日本から文化日本への脱皮を象徴する》像として《古代ギリシアの三美神を参照して制作された》「平和の群像」と名付けられた3人の裸婦像が創られて今も残っている。これは《電通の広告人顕彰碑》として創られたらしいが意味がよくわかりませんけどコノ変化はオモシロイですね。ナルホド。レーニン像フセイン像リー将軍像コロンブス像ヴィクトリア女王像…などなど世界で破壊された銅像は山ほどあるのですね。人間の考え方は変わるのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと昨日書きあげた「ベートーヴェンは凄い!」の原稿を少々手直ししてメール草稿のあと午後から東京へ。「川淵三郎氏の文化勲章受章を祝う会」に出席するため国立競技場へ。早めに行って周囲の神宮外苑を見て回る。真っ黄色の銀杏並木が綺麗。この素晴らしい樹木を少しでも伐採する再開発は考え直したほうがイイですね。国立競技場へ入ると大勢の人。千人近くかな。席に座るとラグビー協会会長に就任した元同志社大・サントリーの土田雅人氏とバッタリ。隣の席で故・平尾誠二氏などの昔話。そのうちセレモニーが始まる。川淵夫妻の横に少し離れて高円宮妃久子殿下。その横にまた少し離れて森喜朗元総理・麻生太郎自民党副総裁・盛山正仁文科大臣・遠藤利明日本スポーツ協会会長衆院議員・河野太郎デジタル大臣・室伏広治スポーツ庁長官がズラリと並ぶ。司会はテレ朝の大下容子さん。サッカー大好き女子アナ。スタンドには橋本聖子元五輪組織委員長も。Jリーグのテーマのエレキギター生演奏やいろいろ挨拶があって川淵さんが奥さんを労って…セレモニーは終了。あまりに多い人の群れにパーティの出席は遠慮して退散。林真理子日大理事長にバッタリ出逢ったので「頑張って下さい」と挨拶して帰宅。大好きなテレビ番組NHK『魔改造の夜』を楽しみながら晩飯&酒&ネル。「祝う会」は会費1万円。お土産はバカラのグラスでした。以前のJリーグのパーティでも同じで2個目です(^_^)

11月29日(水)
昨晩寝る前に本棚から小迎裕美子さんの『本日もいとをかし!!枕草子』(メディアファクトリー)を引っ張り出してナゴン(清少納言)のことを読み直そうと思ったのだがどこを探しても見つからなかった。本の行方不明は珍しいことではないが読み直したくなった本が見つからないと精神衛生上良くない。おまけに寝付きが悪くなる。仕方がないので活字を読まずに不貞寝。朝早く目覚めても読む本がないのでベッドを出て昨日書きかけたベートーヴェンの原稿の続きを書き始めるうちに朝になったのでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日調べた新しいアーバン・スポーツの5人制野球「ベースボール5」について話す。最後にこーゆー単純なスポーツがオリンピックでも好まれるようになるかもしれないから綱引きも復活したらいい…と話すとスタジオにいた皆さんがかつて綱引きが五輪の正式競技だったことを御存知なかった。いつか綱引きの話もしなければ…何しろ「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉が生まれたのはオリンピックの綱引きの勝敗で揉めたことがキッカケでしたからね。ラジオを終えて朝飯食って黒兵衛と散歩。天高く馬肥ゆる秋の青空にジェット戦闘機が超航空で飛行機雲を描いて飛んでいた。平和なのかそうでないのかワケのわからない風景ですね。ワン。終日デスクワークは『ベートーヴェンは凄い!』の原稿。たしか昭和30年代にナショナル(松下電器)が作ってステレオの販促用に電気店に配ったドーナツ盤レコードが何処かにあるはず…と本棚を探したらありました!ライナー指揮シカゴ響の「運命」と一緒にフィードラー指揮ボストン・ポップス響のタンゴ「ジェラシー」やハリー・ベラフォンテの「マ・マ・ルック・ア・ブーブー」なんてのも入っていました。それに蒸気機関車が左右に動く音も。何しろ最初期のステレオ用の試聴盤ですからね。他にも東京キューバンボーイズの「闘牛士のマンボ」などの試聴盤も。懐かしいなあ。残念ながらレコードプレイヤーがないので聴くことができません(>_<)原稿を完成させて……ふーとヒトイキ。晩飯&酒&風呂&ネル。

11月28日(火)
朝のベッドの読書は昨日の朝に続いて小迎裕美子『人生はあはれなり…紫式部日記』(メディアファクトリー)再読&読了。斎藤美奈子さんの書評では本のタイトルに『新編』がついていて発行がKADOKAWAになっていた。小生の持っている本は内容も違うのなかな?書評では版元の《平安系こじらせ女子紫式部の超ネガティブ日記》という紹介文が引用されていたが小生の読んだ旧本には「こじらせ」「ネガティブ」の言葉はなかったように思う。このあたりはヨリ売れ筋を狙ったのか?また旧本には『紫式部日記』の原文が抜粋で掲載されていたが新編でまさかカットされてるなんてことはないでしょうね。漫画で紹介された古典では水木しげるさんの『方丈記』が巻末に鴨長明の原文が全文で載っていて思わず読んでしまった。イイコトですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。気温は寒くなったり暖かくなったりですが青空は真っ青な秋の空ですね。ワン。終日デスクワークは昨日書いた原稿の校正や年末の『ベートーヴェン交響曲全曲演奏会』のパンフレット用にベートーヴェンとの「出逢い」の執筆を開始。小生の家は街の小さな電気屋さんだったので最初の「出逢い」はステレオの試聴版レコード。フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の「交響曲第5番ハ短調」俗に「運命」と呼ばれてるヤツですね。小学3年4月始業式の日の出来事と憶えている。1楽章の抜粋だけの体験でしたが強烈なショックを感じた音楽でしたね。途中まで書いて明日のラジオの準備。『現代スポーツ評論49』に紹介されていた「ベースボール5」という「5人制野球」について調べ直す。投手ナシ。21m四方のフィールドを5人で守る守備陣の間を自分で持ったゴム鞠を自分で打って走る。来年日本でも第1回日本選手権が行われ3年後にはセネガルの首都ダカールで開催されるユース・オリンピックでも正式競技に採用された都市型アーバン・ベースボールだという。小生が餓鬼の頃にもハンド・ベースボールやキック・ベースボールや「ハサミ」(2ベース間のランダンプレイを楽しむ遊び)などいろんな「野球遊び」がありましたからね。画家のベン・シャーンもハンドボールという「壁当て野球」のような絵を残してますよね。グラヴもバットもいらないゴムボール1個でできる「ベースボール・ファイヴ5」は世界的に流行するかな?

11月27日(月)
早朝ベッドでの読書は筑摩書房の『ちくま』12月号。金井美恵子・保阪正康・角田光代・鹿島茂など各氏の連載を読んだあと斎藤美奈子氏の連載『世の中ラボ163大河ドラマに備えて作家・紫式部の人生を知る』を読み始めて思わず笑ってしまった。来年のNHKの大河ドラマ『光る君へ』は紫式部が主人公らしいが彼女を知るための本として最初に選ばれていた本が小生のイチオシ漫画本の『新編 人生はあはれなり…紫式部日記』(小迎裕美子&紫式部・著/赤間恵都子・監修/KADOKAWA刊)だったのだ。小生はナゴン派の人間(清少納言が好き)でシキブ(紫式部)は少々というか…かなり苦手にしていたがこのメッチャ面白いシキブ漫画紹介本には完全に参ってしまった。何しろシキブのことが「平安系絶望女子」として社交的でなくネガティヴでセンシティヴでジイシキとプライドがメランコリックに混じり合った女性として捉えられているのだ。まさに400字詰め原稿用紙2400枚分の小説(源氏物語)でも書かなければ生きていけない「平安系絶望文学女子」の人生(日記)が「紫な劇場(激情)パープルライフ」として描かれているのは見事。著者の小迎裕美子さんは当初ナゴン派として『本日もいとをかし!!枕草子』(KADOKAWA)というケッサク本を上梓されたが「をかし」から「あはれ」へ=「ナゴン派」から「シキブ派」へと見事に変身して書かれたその本を3冊選んだ「シキブ」のトップに紹介した斎藤美奈子氏はやっぱりサスガですね。あとの2冊は山本淳子『紫式部ひとり語り』(角川ソフィア文庫)と倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書)。後者は読んだので前者も読んでみよ。そーすれば紫式部の《ソウルメイト》道長との《愛の物語》などと宣伝されている大河ドラマなど見なくて済むに違いない。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは『Up and Coming』(FORUM8)の連載『スポーツは教えてくれる』の原稿書き。川淵三郎氏の文化勲章受賞を取りあげて「スポーツ文化」とは何か?という原稿を纏める。小生が大阪のテレビのワイドショーに初めて出たとき「野球やサッカーを日本の文化に…」と話すと女子アナが「玉木さんの高校では野球部は文化部だったんですかぁ?」と言われたモノだった。今でも「スポーツ文化」とはどういうモノか…?答えられない人が多いですからね(>_<)晩飯はTVKで吉本新喜劇を見ながら。スッチー登場。しかし千葉ちゃんのほうが活躍しましたね。

11月26日(日)
ベッドのなかの朝の読書は『新潮』『文春』。週刊誌で池田大作に関する記事や宝塚の虐め問題・羽生結弦の離婚等の記事を読む。まぁ活字中毒の暇潰しです。そう言えば10年以上前に宝塚の元大スターとテレビで一緒になったときに戦後すぐに海外で撮られた宝塚の役者さん総出演の日本を舞台にした映画が素晴らしかったという話をして大失敗をしたことがある。その時隣の座っていた元大スターはチョイ役だったのだ。そこで厳しい顔になった元大スターは映画で主役を演じた同僚の大スターの悪口をバシッと口にして小生を睨み付けたのだった。「あの方は見た目とは正反対の○○な方ですからねぇ」それはCMのときの話でCMが明けると元大スターはいつもの笑顔に戻ったが小生はその豹変ぶりが一層恐ろしく感じられて身の縮こまる思いがしたものでした。宝塚スター全員に言えることではないかもしれないがその時の嫉妬の爆発はまるで能面の般若でしたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩は昨晩泊まった長女がリードを持ったので俺は後ろから歩いて小便の水掛と雲古拾い。黒兵衛に引かれてるほうが坂道は楽ですね。ワン。帰宅後少々仕事したあと昼飯。午前中に長女とヨメハンが見ていた『アバウト・ア・ボーイ』という映画に続いて同じ監督による映画を見る。イスラエル尾秘密警察モサドがアルゼンチンに逃亡して隠れていた元ナチスのユダヤ人大量虐殺の張本人アドルフ・アイヒマンを捕まえて秘密裏にイスラエルへ連行するドラマ。実話らしいけど強烈なサスペンスドラマ。タイトルが何だったか忘れた。調べてもわからない。配信システムで映画を見るとこーゆーことが起こる。情報の消失。知識の浮遊。嗚呼。チョイと仕事のあと大相撲千穐楽は落ち着くところに落ち着きましたね。霧島の優勝。殊勲賞&技能賞がいなかったのが少々寂しいですナァ。

11月25日(土)
内田樹×白井聡『新しい戦前 この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)読了。一番オモシロかったのは《第6章「暴力」の根底にあるもの》のなかに触れられていた教育論でしたね。《子供たち自身が自分で自分の心身を管理し抑圧している。その典型が「体育座り」です。膝を抱え込んで床に座る「体育座り」は自分の腕と脚を折りにして自分自身を縛り付ける体位です。胸が締め付けられているから深い呼吸はできない。手遊びができない。立ち歩きができない。子供たち自身が自分の身体を身動きできない状態(演出家の)(演出家の)竹内敏晴さんはこの「体育座り」を「日本の学校教育が子どもたちに及ぼした最も罪深い行い」だと批判していました(内田)》《戦わない人生に何の意味があるものか(白井)若者たちに直接「革命をめざせ」と語りかけてゆくしかないと思います。青春期に本気で取り組むことに「恋と革命」以外に何があるんだということをやはり社会的常識として言い続けておかなければいけないと思います(笑)(内田)》文中に(笑)と書かれていたとおり小生も思わず吹き出しましたけどその通りですね(爆)。最後にマスメディア批判がどーっと出てきてメディア(テレビ業界人)の「勇気の無さ」を批判されていた。《放送法の解釈変更で「停波もあり得る」と言われたらテレビ局は「やれるもんならやってみやがれ」と言えばいいだけなんですよね(白井)そうです。やればいいんです。「私どもの放送内容が気に入らないということで総務省の命令により本日ただいまより停波いたします。みなさんさようなら」とアナウンサーが言って画面がプツンと消えて暗転する。メディアが社会的にどういう役割を果たしているかを知らしめる上でこれほど劇的なチャンスはないと思いますよ(内田)》確かにその通りですけど新聞とテレビのクロスオーナーシップの酷さにも触れてほしかったですね。それに「スポーツウォッシング」の最先端としてのテレビの「働き」についても…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。チョイと仕事をして昼飯後ビデオに溜まった録画番組の整理をしているとライザ・ミネリの来日公演のNHKの再放送なんてのを発見。見てしまう。ヤッパリ超一流のエンターテイナーの舞台は凄いですね。「キャバレー」にも「NYNY」にも感激。そしてJリーグヴィッセル神戸初優勝を見たあと大相撲。ヤッパリ霧島が一枚上手だったですね。まだわからないけど熱海富士との優勝決定戦を見たいですね。晩飯は遊びに来た長女とヨメハンと3人で大船のジビエ料理の店『アジト』へ。鹿の焼き肉と猪のぼたん鍋に舌鼓。アナグマのTボーンステーキは少々脂身が多くて参りいましたね(笑)。

11月24日(金)
『新しい戦前』読み進む。《よく政治家が失言をした後に「発言の一部を切り取られた」「真意はそこにはない」「誤解を招いたとすれば遺憾である」というような言い訳をしますけれども「失言」というのはまさに「誤解の余地なき剥き出しのメタメッセージ」の部分を聴き取られたということなわけですよね。その失敗を糊塗するために「いくらでも解釈の余地のあるメッセージレベル」に問題を移すことで話をごちゃごちゃにして責任を逃れることが常套化している。これは日本語のために本当によくないことだと思います(内田)》わかりやすく言えば失言は本音の吐露とことになるのでしょうが馳浩石川県知事の「失言」はあまりにも素直な「本音」と「事実」だったために「言い訳」の余地もなければ日本語のためによくないということもなく「撤回」する以外なかったのでしょうね。しかしリオの五輪招致でブラジルが多くのIOC委員に対して永久力を持つフランスからミラージュ戦闘機を大量購入したとか2億円をアフリカの票集めに使ったことなどに較べるとIOC委員に一人一人に活動の記念のアルバムを製作費20万円で作って配った(合計約2千万円)なんて誤解を恐れず言えば可愛いもんですね。そのアルバムのページの間に何が挟まれていたのか勘ぐりたくなります(笑)。そう言えば日本(東京)の五輪招致委もリオの招致委とまったく同様に同じ相手に同じ金額を渡しましたがリオの招致委員長は逮捕されたけど東京の招致委員長は逃げ回りましたね。馳知事の発言はソレ(2億円)に較べたら小さいもんだ(2千万円+α)とでも思ったのでしょうかねえ?ソレを隠すための話題提供のつもりだったのでしょうか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「メタメッセージ」とは「含意」のことでソレが剥き出しになるところまでは馳知事の「失言」は至っていないと言うことですね。来週の『ニューズ・オプエド』のゲストは元JOC現五輪アナリストの春日良一さんだから本当の「含意」が奈辺にあったのか訊いてみましょう。ワン。終日イロイロ仕事して大相撲の優勝争いは熱海富士と霧島に絞られたのを確認して今日の『オプエド』のゲストは神戸親和大学教授の平尾剛さんと成城大学教授の山本敦久さん。電話でサッカー・ジャーナリストの大住良之さんにJリーグ等々力スタジアムの川崎vs鹿島の会場から日本代表のW杯予選活躍の評価やU-22の五輪出場の見通しなどを電話で話してもらったあとZOOMリモート出演の2人に神宮外苑再開発問題を語ってもらう。山本教授のスポーツの記憶を消し去るような文化としてのスポーツを馬鹿にした再開発批判も印象に残ったが平尾教授の人工芝批判=マイクロ・プラスチックの生産と海の汚染問題も気付かずにスルーしてしまいそうな重要な指摘でした。https://www.youtube.com/watch?v=KMe_A7iHVSI

11月23日(木)
勤労感謝の日。これがハッピーマンデーとして月曜日に移動しないのは宮中行事の新嘗祭に由来しているからでしょうね。だったら名称も「新嘗祭」にすれば良いのに…と思うけどソレは宗教行事と繋がるからダメなんでしょうね。ベッドで『新しい戦前』読み続ける。《アメリカの思想家フレデリック・ジェイムソンの有名な言葉に「世界の終わりを想像するほうが資本主義の終わりを想像するよりも容易である」というのがあります。それをもじって言えば「日米安保の終わりを想像するよりも日本の終わりを想像するほうが容易」なんです。今の日本の政治はそういう状況じゃないでしょうか(白井)》《公文書の改竄が行われ自分の支持者のために税金を湯水のように使い国会で繰り返し虚偽の答弁をしても安倍政権は安泰だった。あれで政権交代が起きるようであれば日本の民主制は健全に機能している。復元力が働いてることがわかった。でも何も起こらなかった。それを見て日本の有権者も政治家自身までもが「日本の民主制はもう終わった」と実感した(内田)》ここまで堕落した日本の政治と日本社会の未来に光は射すのでしょうか?読み続けなきゃ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨晩のNHKの『解体キングダム』は面白かったですねぇ。巨大火力発電所の羽根車の解体。見事でした。日本は第二次大戦時と同じで最前線の兵卒は素晴らしいですね。指揮官・指導者がダメなんですね。ワン。世の中は休日でも小生は終日仕事…と思っていたら徳間書店の編集者からカメラマンの初沢亜利さんの北朝鮮写真集『隣人、それから。38度線の北』が送られてくる。素晴らしい写真集。マスメディアの報道では伝えられていない北朝鮮の日常が見事に捉えられている。佐藤優さんが帯に書いている。《北朝鮮国家の理屈と民衆の思っていることが異なることが伝わってくる写真集だ。朝鮮半島での戦争は絶対に起こしてはならないと平和に暮らす北朝鮮の人々の写真を見ながら思った》その通りですね。初沢さんの結構長い拉致問題等に関する巻末の文章も勉強になりました。おかげで原稿書けず(苦笑)大相撲見物&ビールに雪崩れ込む。熱海富士の強さは本物ですね。琴乃若ガンバレ。いや。みんなガンバレ。

11月22日(水)
『新しい戦前』読み続ける。《アメリカの没落は見方を変えれば属国日本にとっては国家主権を回復して主権国家になる絶好の機会でもあります。日本がアメリカの属国でいるよりもアメリカとは違う世界戦略に基づいて独自に世界秩序を構想する独立国であるほうがアメリカにとって利益が大きいというふうに今こそ説得すべきだと思います》と内田氏は言う。が言うに易し行うに二世議員の世辞かでは難しでは?《間違いなく森(喜朗)さんは面倒見の良さ人情味において群を抜いているのでしょう。もう現役ではないのにスポーツ利権の帝王として君臨できるのは業界からある意味で非常に信頼されている証明です。汚職で逮捕された電通出身の高橋治之もよ東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会理事が東京地検特捜部にどれだけ責められても口を割らずついに森さんの名前は出しませんでした。その動機が恩なのか恐怖なのかよくわからないのですが(白井)。それだけたっぷりと「恩」をこうむっていたということなんでしょうしここで口をつぐんでいれば必ずその分の見返りはあると確信しているからでしょうね(内田)》ナルホド。こういう「大物」は批判なんかせずに擦り寄るべきなんでしょうね(笑)。ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日北國新聞に書いた「大谷のMVPを喜ぶよりも日本プロ野球の改革を!」という話をする。そんな話をし続けてモウ半世紀近くになるのですナァ。嗚呼。黒兵衛と散歩のあと原稿書きは連合通信の連載コラム。大相撲は誰が勝っても誰が負けても面白いですね。こういう文化を伝統文化と呼ぶのでしょうね。

11月21日(火)
以前チョイと飛ばし読みしていた内田樹&白井聡両氏の対談本『新しい戦前この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)を読み直すと《2023年2月に米ジャーナリストのシーモア・ハーシュが報じたウクライナ戦争に関するスクープ記事》という白井氏の発言があった。《彼は85歳。かつてベトナム戦争のソンミ村虐殺やイラク戦争のアブグレイブ刑務所の拷問など数々のスクープを打った》人物で《22年9月ロシアからドイツに天然ガスを送るバルト海の海底ガス・パイプライン「ノルドストリーム」が何者かによって破壊される事件が起きた》けど《それが米海軍の特殊部隊の仕業でありノルウェーがアシストした》というのだ。《情報源はこの工作に反対していた米政府関係者の内部告発》らしいが《これが事実と認識されたらバイデン政権は飛ぶという話なのでCIAか軍のなかの反バイデン派関係者のリークなんでしょう》ということらしいが知らなんだ。マスメディアも(大きくは?)報じなかったし「バイデン政権」もまだ「飛んでいない」から真偽は確定していないのかもしれないがロシア&中国の動向も理解不能のところがあるけどアメリカのやることもワカランですね。台湾有事でアメリカに頼ってイイのかどうかもわからないけど宮台真司氏の言うように「重武装中立」なんて政策も今の政治家には無理だろう(覚悟がない)し難しいですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは北國新聞の連載「スポーツを考える」を書きあげる。大谷翔平選手のMVPは嬉しいけど日本のプロ野球がアメリカ・メジャーに選手を供出するだけの二軍(ファーム)組織に甘んじていて良いのですかね?という内容。まるで日本がアメリカの属国になってるのと同じ…とまでは書かなかったけどまるで経済停滞の円安で海外へ出て稼ぐ日本人の姿…ですよね。そんな組織をマスメディアが引っ張っていてイイのかな?大相撲は一山本が2敗になってサァ大混戦。面白いですね。

11月20日(月)
千葉聡『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書)読了。非常に面白かったうえに勉強になりましたね。とりわけ『無限の姿』と題された最終章は何度も読み返す価値がありますね。『人類は望めば自らを超越することができる』と断言する人物はそれを『トランスヒューマニズム』と命名し1998年に『トランスヒューマニスト宣言』なるものを発表したらしい。『私たちは個人が自分の人生をどう実現するかについて幅広い個人的な選択を認めることに賛成する。これには記憶力・集中力・精神力を補うために開発される可能性のある技術や延命治療・生殖選択技術・人体冷凍保存技術その他多くの人体改造・強化技術の利用が含まれる》うわあ!こりゃマッドサイエンティストの出現じゃないのかなぁ…と思ったら著者も生命倫理の専門家の言葉を引用して《現状のまま生殖細胞系列の遺伝的改変技術の安全性と効力が確立した場合社会は「ディストピアのどん底への転落」を免れないだろう》と書いている。それは結局《実質的に優生学》なわけで《過去の優生学の歴史−倫理と技術の防護壁が次々と消失し気付いたときにはナチスの惨劇に向かって「滑りやすい斜面」を転げ落ちていった歴史と重なるという。悪魔が再び蘇るのである》ナルホド。そして…《社会から偏見や差別や能力主義が消える見込みは乏しくむしろ蔓延している状況では多くの個人の選択の総体として自滅的な優生学化が進む恐れがある。人々の未来への可能性が遺伝的に閉ざされたカースト社会が実現するかもしれない。これは自由・平等・人権という現在の価値観・道徳観に反する世界である》《己の無謬を信じる者が改良を進めた社会は悪くなる−これが優生学の歴史が語る教訓である》引用したい箇所はまだまだある。多様性を認めるなら「悪」も認めなければ…「悪」とはその都度闘わなければならないが「悪」のなくなった社会は「善」のヒーローが活躍するドラマも楽しめなくなる…ナルホド。きりがないからこのくらいにしておこう。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。午後NHKで小生の大好きな映画『スペース・カウボーイ』をやっていたので半分見たあとさらに仕事のあと大相撲は面白いですねえ。豊昇龍に勝った琴乃若はいつ横綱になるのかな?まだ早いかな(^0^;)吉本新喜劇見ながら晩飯食べたあと『スペース・カウボーイの続きをDVDで見る。最後に月に行った仲間のバックに流れるシナトラの『フライ・ミィ・トゥ・ザ・ムーン』のバックはカウント・べーシーなんですね。クリント・イーストウッドの『映画』は優しさに満ちてますね。優生学と対称的です。。

11月19日(日)
『ダーウィンの呪い』は「進化」を「進歩」と誤解した上にそれを社会にも人間にも当てはめようとして必然的にヒトラー・ナチスの優生思想にまで行き着く。そして「劣生な人間」を排除しようとする。こうなるともう笑っては済まされない。優生思想は元々アメリカの進化論者たちが唱えナチスの優生思想研究をロックフェラー財団やヘンリー・フォードたちが支援していたのですね。そして政権を取ったナチスは「劣性人物」に対する「国家不妊手術法」を成立させ《わずか1か月のうちに5000以上の手術が行われ(略)この驚くべき効率と実行力に賞賛と羨望の念を抱いた米国の優生学者たちは「ドイツ人は私たちが創ったゲームで私たちを負かしている」と残念がった》という。そして《ヒトラーの優生政策は米国中の優生学者たちに歓迎された》というのだ。そして1939年《ついに一線を越えたナチスは先天的障碍を持つ子供たちの安楽死プログラムを実行し》さらに《優生政策をエスカレートさせたナチスは1940年(略)身体的障碍者・精神的障碍者・ユダヤ人・能力低下と判断された犯罪者など推定20万人が医師団の手でガス室や薬剤注射により殺害され(略)安楽死による優生政策の開始はその後のホロコーストへの道を開いた》このような優性思想は古代ギリシアにもありプラトンが『国家論』のなかで「優性思想」を開陳しているのですね。さらにクーベルタンが古代ギリシアのオリンピアの祭典に範をとって開始した近代オリンピックも「優性思想」を含有しているところがあるのですね。気合いを入れて読み続けなければ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。『ダーウィンの呪い』は春日良一さんにも読むことを進めなければいけないですね。ワン。午前中に少し仕事したあと故・三波春夫先生からいただいた手紙をテレビで公開したところが是非とも現物を見てみたいとおっしゃった近所のご夫妻が我が家に来宅。4mの和紙の巻紙に墨痕鮮やかに書かれた手紙を見ていただく。せっかく我が家に来ていただいたのだからマリア・カラスのオペラ『清教徒』のアリアやペギー・リーの『テネシー・ワルツ』のSPレコードを蓄音機で聴いていただく。CDでは味わえない生の声に非常に感激してくださったのは嬉しいけど静岡の名酒『初亀』をいただいたのにはまだまだバランスが取れませんね。楽しいひとときのあと少々休んでからデスクワーク。

11月18日(土)
『ダーウィンの呪い』読み続ける。進化論を巡っていろんな学者が次々と山ほど登場してくるのが面白い。ダーウィンの従弟フランシス・ゴルトンは世界で最初に天気図を考案した天才学者らしいが指紋の分類法を確立して犯罪捜査への利用を提案したり最も美味しく紅茶を淹れる方法や最適なケーキのカットの方法を理論と事件か導いたりもしたらしい。また教会での《祈祷の効果を定量的に分析し(略)最も頻繁に健康を祈られている王や女王ら王族は最も長命なはずだと仮説を立てて寿命のデータを調べたところ実際には富裕層のなかでも王族は最も短命だとわかり「祈り」は身体の動きと時間の無駄であると結論して教会を中心に社会から強い批判を浴びた。もっともこの批判は人々の祈りに真剣さが足りなかったからという解釈が否定できなかったおかげで沈静化した》という。今日ならイグノーベル賞連続受賞間違いなしの俗界に寵児だが19世紀はマジな時代だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。爽やかな秋空に秋刀魚や秋茄子を思い浮かべる。松茸が思い浮かばないのはリアリズムですね。ワン。午前中少し仕事をしたあと午後からは野球のアジアなんとか大会オーストラリアとの試合。観客の多さに驚く。しかしチアガールは野球に不要のはずですね。続けてサッカーU-22アルゼンチン相手に日本代表大活躍。試合内容もスピーディで面白かったけど5-2の勝利は素晴らしいですね。日本のサッカーは強くなったし底上げもできてますね。素晴らしい!晩飯は久し振りに『ブラタモリ!』を見ながら。学習院のキャンパスって素晴らしいですね。悠仁様は何故行かないのかな?

11月17日(金)つづき
夕方から『ニューズ・オプエド』MCはプロゴルファーのタケ小山さんに譲って今日はゲスト出演。メインテーマはタケさんやゴルフ・ジャーナリスト協会の小川朗会長やジャーナリストの上杉隆さんが中心になってゴルフの話題。小生はサッカーのミャンマーとの試合についてや(2項目前を参照)大谷のMVPについてなどを語らせてもらう。そりゃ大谷の活躍は見事で素晴らしいですけど日本の野球界は今のままで良いのでしょうかねえ?読売や朝日のマスメディアが野球界の支配から手を引くべきときに来てますよね。アメリカのメジャーはメディアがチームを持つことは禁止というのが不文律ですし読売ヴェルディが川崎から去ったあとの川崎のスポーツ界(フロンターレやレッドロケッツなど)が健全に発展していることを見ればマスメディアは日本のスポーツ界から手を引くべきですね。マスメディアでは喋れないことをいろいろ喋らせてもらって番組終了したあとは野球の日韓戦と『チコちゃん』をイロイロ見ながら晩飯。韓国の投手も良くてイイ投手戦でしたね。うわっニュースで高安が豊昇龍に勝ったのを知る。小股すくいとはお見事!

11月17日(金)
『ダーウィンの呪い』メチャンコ面白い。ロシアのアナキストとして有名なクロポトキンは生物学者でもありダーウィンの進化論を我流に解釈して無政府主義に導く理論を構築したのですね。日本の《人事院は行政官としての素養を高めるため「若手行政官への推薦図書のリストを作成し》そのなかにダーウィンの『種の起源』も掲載されているらしいが《ダーウィンの言葉は生物進化の道筋を説明するだけでなく現代社会を生きる人々への示唆に富んだものにもなっています》という解説文の《出所は国家廃絶に命を賭けたアナキストにして革命家クロポトキンの言葉だとすれば何とも皮肉な話である》思わす吹き出したが笑って良いのかいけないのか…ダーウィンの「進化論」は「進化」を「進歩」と曲解したマルクスの唯物史観にも「影響」を与えて《共産主義社会という最終形態のゴールに向かう進歩を想定》するようになったのですね。なるほど「理解とは誤解の総体」のようですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と雨の中を散歩のあと終日デスクワーク。校正やらナンヤラカンヤラを秋の長雨をナガメシマに。

11月16日(木)つづき
昨日の本欄に書き忘れたけどサッカーのW杯予選ミャンマーとの試合はどーでもイイ試合でしたね。あれほど実力差のある両チームの試合を視聴率目当てに何とか盛りあげようとしたテレビ局も苦しかったことでしょうね。怪我人(ケガを口実に出場を避けた?)選手が多く出たのは良い選択でしたね。しかし…ミャンマー・シリア・北朝鮮と続く試合相手はサッカーとは別に尋常ではないですね。ミャンマーとの試合の外では民主化を叫ぶデモもあったらしいですが…軍人が選手としてスポーツ(国際大会)に参加するのはイイのかな?ジックリ考えてみます。

11月16日(木)
『ダーウィンの呪い』メッチャ面白い。ダーウィンの唱えた「進化論」は《目的も方向性もない盲目的な変化の過程》であったにも関わらず一般大衆や多くの学者は《進化を進歩と捉えて》進化とは《下等な生物から人類を進歩させたプロセスでありより高度な進歩した未来へと人類を導くもの》と考えたのですね。まぁそういう「明るい未来(進歩)」を考えたくなる気持ちはわからないでもないけどそれを「社会の進歩」にまで広げて考えたベンジャミン・キッドの『社会進化論Social Evolution)』(1894年)が世界的ベストセラーとなりイギリス首相のチェンバレンやアメリカ大統領マッキンリーや毛沢東の師匠である梁啓超も影響を受け内村鑑三も新渡戸稲造に宛てた手紙に《我々自身の国家の将来の姿にとってなんと示唆的であることだろう》と書いたというのはイキスギと言うほかないでしょうね。マァみんなが「進歩」を夢見て生物(人間)も社会も「進化=進歩」と考えたかったのでしょうね。しかし夏目漱石は『社会進化論』を《「愚論」だと一刀両断にしている》という。流石は漱石ですね。またダーウィンの(進歩ではない)進化論(単なる変化)を正しく理解したSF作家のH.G.ウェルズは『タイムマシン』で「退化」したとしか思えない80万年後の未来人を登場させた(そういう「進化」もあるのですよね)。小生もこの本の記述でウェルズの小説の本当の意味がやっと理解できました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。道路工事の人たちと挨拶しながらの散歩は楽しい。こんな挨拶に小生が初めて目覚めたのは初めての海外旅行でスペインのホテルに泊まったときでしたね。朝起き出歩いてるとすれ違う人がブエノス・ディアスと挨拶する。その後行ったアメリカでもホテルで見知らぬ人が必ずグッモーニンと声をかける。挨拶をしない日本人はシャイなのか…挨拶する外国人に初めて感激したのは27歳の時でしたね。挨拶する道路工事の人たちも素晴らしいですね。ワン。終日デスクワークの途中で『週刊エコノミスト』の編集者とZOOMで打ち合わせ。ウクライナとパレスチナの現状でオリンピックはどーなる?という話。今こそオリンピックは平和運動であることを強く主張すべきで日本のメディアもスポーツパースンもスポーツに注目するだけでなく平和運動としてのオリンピックを主張すべきですね。五輪停戦を主張する声をあげるだけでも意味があるはずですよね。

11月15日(水)
朝ベッドでの読書は千葉聡『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書)読み始める。チョイと理解しづらいとこもあるけど(遺伝の説明等)オモシロい。ダーウィンは「適者生存」という言葉を使ったことがなく現代の進化学者もコノ言葉は使わなくなった(封印された)けどユヴァル・ノア・ハラリのような有名な学者までが今でも世界的ベストセラー『ホモ・デウス』のなかで「進化論は適者生存(survival of fittest)の原理に基づいている」なんて(間違ったことを)書いている…という指摘には驚きですね。ダーウィンの「進化論」に対する「理解」は「あらゆる名声は誤解の総体である」というリルケの言葉(『マルテの手記』)を思い出させますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。道路工事で通行者や通行車の交通整理をしている人に挨拶。皆さん挨拶を返してくれる。黒兵衛を撫でてくれる人も。気取らない人たちとの挨拶や会話はイイですね。ワン。終日デスクワークは月刊誌『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」の執筆。サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏の文化勲章受賞の「意味」は先月北國新聞にも書いたけどさらに詳しく記述。スポーツを親会社等の宣伝に利用するのでなくスポーツをやることそのものを目的にしたJリーグやBリーグを創設した人物に文化勲章(国の御墨付き)が与えられた「意味」は小さくないですね。これを機会にスポーツを「所有」したり「利用」したりしている企業はスポーツを「支援」するカタチに「進化」するべきですね。夕方から大相撲。玉鷲は素晴らしいですね。良い相撲を取りながら白星に繋がらなかった明生は貴景勝相手に勝てて良かったですね。ニューズを見ながら晩飯のあとはBS11で『三波春夫あなたに逢いたい〜初めて語られる昭和スターの素顔』を見る。小生は自分の出たTV番組はほとんど見ないのが常(恥ずかしいですからね)だけど三波春夫先生からいただいた長さ4mの墨痕鮮やかな手紙をTVで初公開したこともあったのでジックリ見せてもらう。イイ番組でした。娘さんの三波美夕紀さんの話も面白かったし三山ひろしさんの『俵星玄蕃』も美事で素晴らしかった。三波先生と共演したパーカッショニストの話も三波先生が定宿にしていた山形上山温泉「古窯」の女将さんの話も素晴らしかった。すべては三波春夫という素晴らしい人物の賜物と言えるのでしょうがこんな素晴らしい番組に出させてもらえて光栄でした。番組はYuTubeにあります。https://www.youtube.com/watch?v=VKA9ynDyOK0

11月14日(火)
古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』(講談社現代新書)読了。最後は「禅と日本文化」「聖と俗」をテーマに鈴木大拙とエリアーデの解説でした。しかし気楽にベッドのなかの読書としては眠りについたり眠りから覚めたりするのに便利でしたけど物足りなさ満点でしたね(笑)。著者もあとがきに《本書は2022年に出版した『10分で名著』の続編》と書いていたけどそのタイトルだったら読まなかったでしょうね。まぁ入門者の入門編の入り口としてはよかったかも…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近所で水道管とガス管の入れ替え工事が始まって大きなトラックが住宅街を疾走する。まぁシャーナイけど結構恐ろしいものですね。ワン。終日デスクワーク。合間に横尾忠則『老いと創造 朦朧(モーロー)人生相談』(講談社現代新書)パラパラめくる。3〜5頁ごとに現れる著者の描いた作品のカラー図版が現れるのがオモシロい。この人はイラストレイターではなく画家ですね。そう言えば一昨日のNHK-Eテレの『日曜美術館』で紹介されていたけど毎日100号くらいの絵を1枚描かれているんだから素晴らしい「絵の体力」の持ち主ですね。本には『禅について』という章があって横尾氏の禅志向と体験が開かれていた。《禅は語るものではなくまず肉体による体験です》小生もそう思います。体験はしていませんが。ニューヨークで出会ったヒッピーや作曲家のジョン・ケージなどが鈴木大拙を学んだりアートに禅を利用したりしようとしていたのを横尾氏はやんわりと批判。その通りですね…と思う小生も批判の対象ですね。喝!!

11月13日(月)
『謎とき世界の宗教・神話』西遊記・北欧神話・万葉集と読み進む。なんで仏教の説明が西遊記やねん?なんで日本神話が記紀やなくて万葉集やねん?と突っ込みたくなったが読んで納得。三蔵法師は印度へ沢山の経典(お経)を貰いに行ったのですね。万葉集には中国文化圏の営みの内部から生まれたのですね。そっから中国独自の文化を経て日本独自の文化が生まれたのですね。しかしヤッパリ天照大神・素戔嗚尊・海彦山彦・日本武尊…の話も聞きたかったですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。北欧神話はワーグナーの『ニーベルンクの指環』で半世紀以上のお付き合いしてるので親近感があるけどドイツ人(ゲルマン)の神話が残されてないからワーグナーは北欧神話を使ったという指摘には納得しながら少々驚いた。だからヒトラーは古い神話を維持しているユダヤ人に嫉妬した?ということはないでしょうけど…ワン。終日デスクワーク。ナンヤラカンヤラ雑務がイッパイあって少々ウンザリ。メールの処理やらイロイロ。大相撲は高安があっさり負けたことに驚き。昨日はあんなに強かったのにワケのわからん力士ですなぁ。地元力士の湘南乃海は2連勝ですね。晩飯はテレビ神奈川で吉本新喜劇を見ながら。スチコさんは脇役でいつもよりオトナシかったですね。

11月12日(日)
朝の読書は漫画と対談で構成された古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』(講談社現代新書)。一気に聖書・ロシア正教・コーラン・ゾロアスター教・インド神話・ジャイナ教・論語まで読み進む。気軽にオモシロいですね。野球用語の敬遠が論語の「鬼神を敬して之を遠ざく」から生まれた言葉だとは知らなんだ。70年も生きてて知らないことはマダマダあるんですね。興味深かったのはゾロアスター教とジャイナ教とインド神話ですね。しかしゾロアスター教のザラスシュトラで『ツァラトゥストラはかく語りき』に触れられてなかったのはちょっと残念。いやまぁニーチェは名前を借りただけだからイイのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。小雨がパラパラで雲古を見届けてソソクサに退散。昨日の『報道特集』で京都伏見区で発達障害の子供相手の散髪をしている若い床屋さんは素晴らしかったですね。散髪を嫌がる子供に笑顔で接してスマイルカット。素晴らしい!発達障害の子供は「困った子供」ではなく「困ってる子供」と言うのは見事な解説だったですね。そのあとの平尾誠二のドラマはいろんな理由で見ていられなかった。生前の平尾の顔そっくりのメイクと髪型での再現ドキュメンタリーなのか?ドラマ作りとは何か?を考えずに創られてもナァ…。ワン。終日デスクワークは金銭出納や請求書や雑務ばっかり。ふうう。夕方から大相撲。若元春が負けたのは残念だったけど高安の豪快な投げがよかったですね。晩飯と風呂のあとは酒飲みながらジョン・ウィリアムス指揮サイトウ・キネン・オケを楽しむ。ヤッパリ『スーパーマン』や『スター・ウォーズ』や『E.T,』や『インディ・ジョーンズ』は大名曲ですね。小生はその4作品のテーマを歌い分けられることが自慢です(^0^;)

11月11日(土)Once more
毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』(講談社)読了。メッチャ面白かったです。勉強になりました。小川近五郎という検閲官の存在にも非常に考えさせられました。音楽が好きでジャズも認めて…しかし小官僚で音楽界を「是正適正化」しようと考え検閲で発禁命令を下す。「正しいことを行っていると自覚している人」ほど難しい存在はないですね。そのような人物が現在ではSNSを根城にしているワケですね。戦前も戦後も現在も日本社会はあまり変わらないですね。この本は今年のベストワンかな?いや『硫黄島上陸』も素晴らしかったしコレから読む本もあるしマダマダわからないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。帰ってくると講談社から今月の現代新書が4冊届く。読みたい本は一時に固まって目の前に現れるのでチョイと困りますが嬉しいですね。池上彰『昭和の青春 日本を動かした原動力』は帯に《あの熱い時代は何だったのか 学生運動・高度経済成長・新たな文化・そして繁栄の「陰」…》とある。小生の2歳年上の団塊の世代(?)の回想録?現在日本のマスメディアの問題点を語ってほしいとも思うけど…。古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』は漫画と宗教の専門家との対談でゾロアスター教やインド神話から聖書コーラン論語万葉集…等を解説。オモシロソウ。横尾忠則『老いと創造 朦朧(モーロー)人生相談』は横尾画伯の作品がカラーで満載。それを見ているだけで時間の経つのを忘れる。千葉聡『ダーウィンの呪い』これはジックリ読みたいですね。《ダーウィンが独創した「進化論」は科学に革命を起こした一方で3つの「呪い」を生み出した。@進化の呪い。「進歩せよ」を意味する"進化せよ"A闘争の呪い。生き残りたければ戦いに勝て。Bダーウィンの呪い。コレは「自然の事実から導かれた人間社会も支配する規範…》ナルホド。この《呪い》に最も縛られているのは現代日本社会かもしれないですね。まだ「万博」なんて騒いでますからね。片っ端から新書の新刊を次々と拾い読みしていたらあっという間に夕方。TBS『報道特集』を見ながら晩飯&酒。現代社会は詐欺と宗教と戦争の世の中のようですね。嗚呼。

11月11日(土)
これまで本欄の日付を12月と誤記していました。失礼しました。訂正したのでよろしく。そんなに早くアレヨアレヨと月日が進んでもシャーナイですね(>_<)

11月10日(金)
朝のベッドの読書が楽しい。『幻のレコード』メッチャ面白い。服部良一作曲で高峰三枝子が歌った『湖畔の宿』は時局にそぐわないとして「発禁」になったことが常識的に語られてきたが実は「発禁にはなってない」のですね。それと同様戦時中に「ジャズは禁止された」と誰もが(私も)思っていたけどジャズがすべて禁止されたわけではなく《騒擾的なるリズム音楽》《あまりに扇情的淫蕩的感情を抱かしめる音楽》《怠惰感を抱かしめる様な退廃的或いは亡国的なる音楽》以外はOKでグレン・ミラーやベニー・グッドマンのスローバラードなどは発売されていたのですね。しかし「規則」は曖昧で日本のジャズメンたちは「敵性音楽」を奏でると白い眼で見られたようでも日本の民謡をブギウギやルンバやブルースでスイングして頑張っていたようで思わず「お見事!」と言いたくなる記述が沢山ありました。あ。『湖畔の宿』の作詞は佐藤惣之助で古関裕二作曲の『阪神タイガースの歌・六甲おろし』の作詞者ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨が今にも落ちてきそうな曇天。小生は昔から「晴れ男」で通っていたけど最近はよく雨に降られる。歳のせいかな?ワン。校正やナンヤラカンヤラ仕事をこなしたあと午後から東京へ。今日の『ニューズ・オプエド』は休ませてもらうことを告げて品川からタクシーで三井倶楽部へ。来週木曜に開幕する「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」の「ドライバー歓迎イベント」に参加。先日『ZAITEN別冊メセナ特集号』(12月発売)でインタヴューさせてもらった(株)フォーラムエイトの伊藤社長や武井副社長にご挨拶。同社の宣伝に起用されているパックンや広告で支援してもらってる『スポーツゴジラ』編集長の長田渚左さんにもご挨拶。しかし「WRC世界ラリー」のカーボンニュートラルの取り組みやハイブリッド燃料の説明などがメッチャ勉強になった。なるほど自動車レースというのは単に速さを競うだけではなく「自動車の進化」を競って挑戦してるわけか…と納得してパーティは遠慮して帰宅。大船駅でタクシーを待っているとご近所さんの男性に声をかけられて一緒に帰宅。この男性が小生に著作の大ファンとかでメチャボメされて恐縮。ご近所さんにそんな方がおられるとは恐縮至極歓喜雀躍嬉しい限りです。

11月9日(木)
『幻のレコード』読み進む。満州事変・上海事変が日支事変へと進むなかでレコード検閲は厳しくなりホンの男女の心の機微に触れるものでも発禁になる世の中で『皇軍万歳』といった軍歌が横行するようになる。ところが…♪何を小癪な支那の兵〜喩え百万寄せたとて〜抜けば玉散る日本刀〜目に物見せてくれようぞ〜…《と歌詞こそ勇ましいがその実はハワイアンの「タフ・ワフ・ワイ」をホットにジャズアップしたジャズソングであった。新聞の新譜評は「これが何とネタを割るとハワイ名物尻振りエロ踊りのフラ・ダンスの音楽に軍隊の文句を付けたものなのだから物凄い」(読売新聞1937年)と身も蓋もない書きぶりだ》ホント。笑ってしまうというか…戦後はクレージーキャッツの谷啓がギャグにしていた「タフ・ワフ・ワイ」を軍歌に使ったギャグ精神には感服するが《「タフ・ワフ・ワイ」は英語圏では「ハワイアン・ウォー・チャント」(ハワイの戦いの歌)のタイトルでも流布したからこれを時局の歌にしようという発想はごく自然のものだったかもしれない(略)トミー・ドーシー楽団が同じ曲をスウィング化してレコーディングしたのは1938年のことだから日本コロムビアの「皇軍万歳」は本場アメリカよりも1年早い。ギターが刻むエッジの効いたリズムに乗せたラップ調の歌唱はこれが1937年の「時局歌」だとわかってはいても時代感覚を惑わせる》戦時下の発禁下でも日本のジャズメンたちは頑張っていたのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと東海道線で藤沢へ。以前年金事務所へ行った帰りに見付けた素晴らしそうな古書店「太虚堂」を訪れて本を売却する相談をする。若い40代の店長は父親の始めた古書店を継いで若いときは神田の古書店でも修行を積んだ人物だったが最近の古書マーケットの不振部売りをいろいろ教えてもらう。文学全集なんかは全然売れないそうです。漱石も芥川もダメ。古典文学大系も100巻揃って数万円にもならないとか。マルクス全集とかレーニン全集は?と訊くと共産党系は本よりビラなどのほうが値が高いとか。面白いものですね。お店のなかは素敵な画集とかイロイロ面白そうな本がイッパイ。売るより買いたくなる。ジャズの本が多かったけど亡くなった相倉久人さんの家が近いので整理されたものだとか。ウワー。相倉さんも奥さんもよく知ってます…で話が弾んで一緒に来ていたヨメハンが相倉久人さんの『ジャズは死んだか』(音楽之友社)という1970年代に出た本を購入。裏表紙の写真入り推薦文は山下洋輔さん。表紙裏の推薦はタモリさん。みんな若いですねぇ。帰宅すると共同通信から書評の執筆依頼のあった本が届いていた。森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)。面白そうですね。さらにカメラマンの岡村啓嗣さんが神戸新聞社から出した『平尾誠二』さんの写真集も送られてきた。これは見るのがちょっと辛いですね。多くがデジタルになったと太虚堂の店主もいってたけどマダマダ紙の本の文化は廃れないはずだけど…。

11月8日(水)つづき
『幻のレコード』のなかに強烈な発禁レコードが紹介されていた。それは1932年9月新譜のレコードドラマ『東京空襲葬送曲』。同年海野十三(うみのじゅうぞう)が雑誌『朝日』5〜9月号に連載した「SF戦記」のドラマ版で上海事変をキッカケに日本とアメリカが交戦状態に入り東京が米軍の空襲にさらされるという内容。これが《外交問題となりかねない内容》であり《作戦行動や潜水艦の航続距離が写実的に描》かれており《不必要に不安を煽る》として「発禁」となった。《ストーリーの後段で「日本帝国ノ壊滅ヲ思ハシムル」点も問題となった。最終的には光線兵器「怪力線」が米爆撃隊を漏れなく撃墜して日本は救われるのだが架空のドラマでも自国が爆撃にさらされる描写は検閲当局にとって不穏当きわまりない》というわけで「発禁」になったとか。しかし太平洋戦争開戦9年前にこんなSFを書いた当時の作家も凄いですね。いま台湾有事や日中戦争を小説に書く作家はいないのかな?ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。阪神タイガースが日本シリーズに勝って「日本一獲得回数最下位」から脱出した話をする。コレまでたった1回しか日本一になってないチームは2リーグ制以後楽天イーグルスと阪神タイガースだけでしたからね。しかし今年の日本シリーズもヌケヌケ(相撲用語で白星と黒星が交互に続くこと)が成立しなかったのは残念でしたね。これはアメリカのワールドシリーズでも1回しかなく野球という競技には連勝連敗がつきものと言えますね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは『スポーツゴジラ』の連載『走』第8回執筆。F1パイロットだった中島悟氏は自分の職業(肩書き)を「運転手」と言っていたという話。そう言えば多くの人は自動車の運転に集中せずに音楽を聴いたり同乗者と会話したり。中島さんは自動車の運転が大好きだったんですね。「好きこそものの上手なれ」この諺は係助詞の係り結びになってますね…とは中学時代の知識ですね(゚o゚;)

11月8日(水)
『幻のレコード』読み進む。メッチャ面白い。エロやアカや軍隊批判や政府批判や世相批判の歌詞だけが問題にされていた「検閲」が「歌い方」や「声」までが問題にされるようになってくる。満州事変上海事変と進む世知辛い世相中で色っぽい声や艶っぽい声までが問題にされるようになるのだ。そのような一連の艶っぽい歌が「ねェ小唄」と呼ばれて大流行。♪アァそれ〜なのに〜それなのに…ネェ〜怒るの〜は〜怒るの〜は〜あったり前でしょう……てな感じで当時の作詞家もイロイロ頑張ったんですね。『あ丶それなのに』という歌は戦後も歌われて小生もテレビで見聴きしたことがありますね。渡辺はま子や美ち奴や『ウチの女房にゃ髭ある』も知ってます。俺も歳ですね。チョイと用事ができたので執筆中断します。失礼。

11月7日(火)
いつもより1時間早くベッドを出て土砂降り暴風雨大嵐のなかサッサと黒兵衛の散歩を済ませてタクシー呼んで大船駅へ。品川経由新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでの『One Dayオペラ講座』で講義。テーマは『カルメン』。フランチェスコ・ロージー監督ジュリア・ミゲネス主演の映画が如何に素晴らしいか…カルロス・クライバー指揮ゼッフィレッリ演出のウィーン国立歌劇場の舞台が如何に見事だったか…を解説。また我がオペラの師匠永竹由幸さんの「カルメンはスペイン音楽ではない」という「正論」を紹介。いろいろ楽しく話したりDVDを楽しんだり…映画も舞台も半世紀近く経つのに古さはまったく感じられませんね。オペラは歌手も指揮者も演出家も1970〜2000年あたりがピークだったかな?今もコロナの後遺症が響いてるのかな?講義を終えてビールを飲みながらツマミに柿の種を食いながら『幻のレコード』を読みながら新幹線で品川経由帰宅。この見事なドキュメンタリー本には皇紀2600年(昭和15年)にドイツのリヒャルト・シュトラウスやフランスのイベールなどに委嘱して寄せられた奉祝楽曲がレコード化された話題も書かれていたがイギリスのベンジャミン・ブリテンが『鎮魂交響曲』という死者を鎮魂する楽曲を送ってきて日本政府が激怒した話がカットされていたのは残念。これも「検閲」の一種と言えたのでは?

11月6日(月)
朝の読書『幻のレコード』メッチャ面白い。「発禁」の対象が大正から昭和へと移るにつれて「アカ(共産主義)」と「エロ」から「軍隊」や「靖国神社」に対する「取り扱い」へと広がっていく。漫才で靖国神社を取りあげて《小野小町を祀ってある》などと《ボケ》をかますのも発禁。《靖国神社という「国体の尊厳」に触れることはそれが世間一般で周知の事実をわざと外すボケでもけっして許されなかった》しかし「ツッコミ&ボケ漫才」に靖国神社や軍隊をテーマに取りあげたこと自体で戦前のお笑い芸人たちに賞賛を送りたいですね。次々と「発禁レコード」を連発した柳家三亀松や砂川捨丸やエンタツ&アチャコはエラかったですね。それに較べて今の芸人たちは…あ。沖縄を拠点にしている「お笑い米軍基地」がいますね。マスメディアには(TBS『報道特集』以外)取りあげられないけど…といことは戦前の「検閲」とは現在の「マスメディア」のことですかね?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。秋の暑さは空気が乾燥しているから心地よいですね。終日デスクワークは明日のオペラ講座の準備etc。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。池乃めだかさんの80歳記念の舞台だとか。ヨシモトの定番パターンの笑いに大笑いしながら飯食って酒飲んで明日が早いので早く寝る。

Back to 11月5日(日)
朝のベッドの読書は『幻のレコード』の大正期の話。大正末から昭和にかけてレコードが爆発的の売れ出して(実に1か月70万枚)《俗曲・里謡(民謡)・落語・万歳といった通俗な芸能に卑猥な言葉やくすぐり(下ネタ)が入ることは多々あった》とか。《色気づいたか五月の蝉は松を抱えて腰つかふ…》といったものらしいがコレは珍丸愛吉という芸人が吹き込んだ「串本節」だが砂川捨丸も登場。捨丸師匠は小生が餓鬼の頃のテレビの演芸番組にも「捨丸・春代」の漫才コンビでよく登場してましたね。ワン。長女と孫とヨメハンと一緒に黒兵衛の散歩のあと机の解体が終わって広くなった庭の整理。俺が少々仕事をしている間にみんなはホームセンターに出かけて野菜の種などを買ってきてプランターに植え付けたり。俺がゴミの整理で疲れて昼寝しているうちに長女や孫は帰っていったらしい。チョイと仕事のあと関西シリーズ。3-0になった時点でほぼ勝負の行方は決まって6-0で確信。シーズン最多安打の中野に無死一塁で送りバントをさせ…あと1打者で勝利投手の青柳を交代させる…まぁ勝てばいいという野球をタイガースまでがするようになったわけですね。そして山本由伸投手はアメリカへ。時代は変わりましたね。しかし…この先どう変わるか…日本はどうなるのか…誰にもわからないけど…とりあえず関西万博は返上中止にしたほうが良さそうだし神宮外苑の再開発もやめたほうがいいですね。そしてマスメディアが日本の野球界を支配するのもやめにしましょう。野球界は野球人の手に返しましょう。

11月5日(日)
阪神タイガース優勝おめでとうございます。こんなにタイガースの優勝を客観的に冷静にお祝いの言葉を書き贈ることができるのは初めてです。1985年は多数派に与しても嬉しかったけど今回は多数派に与して申し訳ない気持ちです。バファローズも応援したいけど親会社に(イチローの関する小生の記事で)虐められたことがあったので複雑です(このことについてはいずれ本HPで詳しく書きましょう)。まぁ今後何年か強い両チームで関西シリーズを繰り返して優勝を分け合い続けて読売新聞社が阿呆臭くなって日本のプロ球界から手を引いてプロ野球界がJリーグのような組織になることを望みましょう。読売が去ったあとのJリーグは見事に成長してますからね。ま。とりあえずタイガースの日本一おめでとう!来年はバファローズの巻き返し。そしてタイガースの虎のマークと競うに値する岡本太郎画伯の「猛牛デザイン」の復活を期待しましょう!

11月4日(土)
ベッドでの朝の読書は毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』(講談社)読み始める。面白い。確かに音楽(歌)に対する軍による検閲があったことは確かで《一般の声も「この非常時においてというお題目の下にうるさくなった》が《意外なことに検閲官が権威を笠に着て威張りちらしたとか「けしからん!」と怒鳴るなど強権を振りかざした類の回想はまず見当たらない》らしい。作曲家の服部良一は亡くなったときに《戦時下でも当局の神経を逆なでするような哀愁を帯びたブルースものを書き続ける。このため「服部ブルース」ならぬ「発禁ブルース」とか「ハッキン良一」と皮肉られた(読売新聞1993年1月31日付)》と報じられたが実は1937年の『別れのブルース』以下『雨のブルース』『東京ブルース』等の日中戦争下で書かれた服部ブルースに発禁作品はひとつもない。この訃報記事は伝聞に基づいて書かれたものであろう》ナルホド。そして本書は明治時代の「壮士演歌」に対する弾圧から発禁の歴史を解説する。読まねば。ワン。ベッドを出て長女と孫と3人で黒兵衛と散歩。犬のリードを持たないと何故か疲れる。引っ張ってくれる存在がないからか?ワン。散歩のあとみんなで庭の整理。子供たちが小さい頃に卓球をして遊んだりバーベキューの食卓にした木製の机がボロボロになったので鋸と金槌で解体。雑草の整理などで疲れる。子供や孫がいないとできない作業を昼過ぎまで。トホホ。腰が痛い。遅い昼飯のざる蕎麦をみんなでつついて昼寝…と思ったがJリーグのルヴァンカップ決勝が面白くて寝られず。強豪浦和レッズ相手に接戦を制したアビスパ福岡が初タイトル。めでたいですね。チョイと仕事をしたあと家族4人で大船のジビエの店『アジト』へ。昨日の「大船祭り」で食った猪の串刺しステーキがメッチャ美味かったので店を訪ねて薄切り猪のサラダや鹿のステーキや羆(ヒグマ)のステーキや鹿のハンバーグや鹿のピザなどを堪能。ヨメハンも長女も孫もオレも美味い美味いを連発。本当に美味しくリーズナブルな価格のジビエ(野獣料理)でした。横浜ビールも日本酒の荒波も馬勝った。牛負けた(古いギャグですね)。この店では他にアライグマやハクビシンなども出すらしい。次の機会に挑戦するか。途中から長女のスマホで日本シリーズも観戦。今日は山本投手に花を持たせて仲良く3勝3敗。引き分けは1度だけで2度目となると決着がつくまでやるらしいから「俺の予想(期待)どおり3勝3敗3引き分け2チーム日本一」とはならないらしいけどオモシロい関西シリーズになりましたね。

11月3日(金)
文化の日。日本国憲法が公布された日だが戦前の明治節(明治天皇誕生日)を継承したのかな?ベッドのなかの読書は筒井康隆大先生の『カーテンコール』。残された「プレイバック」「カーテンコール」「附・山号寺号」を読み切って読了。面白く楽しく読めました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「山号寺号」という遊びは小生が高校生の頃。まだ立川談志が司会をしていた『笑点』でやっていたのを今も憶えている。そのとき誰かが「カリフォルニア産(山)オレンジ(寺)」と答えて大受け。ちょうど日本がオレンジの輸入解禁でミカン農家が騒いでいた時代でした。時代は変わる(進む)モノですね。ワン。朝チョイと仕事(来週のオペラ講座の準備)をして昼飯時にヨメハンと一緒に大船駅へ。やって来た長女と孫と待ち合わせて「大船祭り」へ。それは3・11をキッカケに生まれた「大船と大船渡」というイベントを引き継いで生まれた祭りで駅前通は鬼の反吐(人だらけ)。楽しく押し合いへし合いのなかでズラリと並んだ屋台のなかから行きつけの店「フラット」の出店を発見。生ビールと唐揚げチキンに舌鼓。長い行列ができてる大船渡の店に長女が並んでくれて焼き牡蠣や秋刀魚のフライや烏賊のフライも手に入れて地ビールの鎌倉ビールも。さらに「アジト」というジビエの店があったので猪の串刺しステーキも喰って腹一杯。みんなで帰宅してチョイと休んで映画鑑賞は孫の教育を考えて『リトル・ダンサー』。イギリスの貧しい炭鉱町に育った小学生の男の子が「女みたいなことをするな!」と怒る父親や兄の反対を押し切ってダンスに目覚めてバレエのレッスンを受けるようになり最後は父を説得してロイヤルバレエ団の試験に受かって英国ロイヤルバレエ団の一員として『白鳥の湖』を踊るという話。孫が今年の夏の読書感想文に選んで映画も見た『ロケットボーイズ(大空の彼方へ)』とまったく同じシチュエーション。孫も俺たちもそれなりに感激。終わってから映画にも出てきたフレッド・アステアやジーン・ケリーのダンスを見ることのできる『ザッツ・エンターテインメント』を見ながら晩飯。酒飲みながら長女にビデオクリップでレディ・ガガや夜遊びなどの今様流行の音楽を次々と見せられ聴かされたがピンとこないので都はるみにしてもらう。時代は変わるもんですね。

Back to11月2日(木)
ベッドのなかの朝の読書は筒井康隆先生の『カーテンコール』から「夜は更けゆく」「お先の人生」「宵興行」「離婚熱」「武装市民」「手を振る娘」「夜来香」「コロナ追分」「塩昆布まだか」「横恋慕」「文士と夜警」を次々と読み進む。筒井先生ゼッコーチョーですね。面白すぎてタマリマセン。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。散歩中も「横恋慕」を思い出して小さな美人の人魚と鮑の水槽の中でのセックスシーンとそれを見て嫉妬する主人公を思い出してケケケケケと笑い出してしまう。「どないしやはったん?」といつも一緒に散歩しているヨメハンに訊かれてイヤマァアノソノケケケケケと狼狽えてしまう。筒井ワールドは毒素満タンですな。ワン。終日デスクワークは本ホームエージの原稿作りと来週火曜の名古屋中日文化センターでのオペラ講座のレジュメ作り。ふうううう。何とか日本シリーズ第5戦に間に合わせてテレビの前でビール&晩飯。いやぁ宇田川投手の超低目に落ちるフォークボールをすくい上げて打った森下の左中間三塁打はホンマに見事やったですナァ。これで小生の予想(期待)通りに3勝3敗3引き分け両チーム日本一になったら最高なんですけどね(笑)。

Back to 11月1日(水)again
この日も毎週水曜恒例のRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演してました。筒井先生の本の面白さとタイガースの選手の監督のアホ采配を凌ぐ頑張りに興奮して書き忘れました。話の内容は10月29日のスポーツ政策学生会議についてです。13年目を迎えてもまだ九州の大学は未参加。来年は是非とも参加してください。特に九州大学の図書館は拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書)を教授たちの推薦する100冊に入れてくれたくらいですからね。是非とも参加してください。

11月2日(木)
森下のフォークボール狙い打ちはホンマに見事でしたが岡田の采配はサイテーですね。1回裏無死一塁でナンデ中野に送りバントやねん?チマチマした野球をするな!(>o<)選手を信用してガンガン攻めんかい!あ〜しんど。

Back to 11月1日(水)
朝ベッドのなかで筒井康隆先生の『カーテンコール』から「本質」「羆」「お時さん」「楽屋控」「夢工房」「美食禍」の6編を読む。どれも面白く一人ベッドのなかでケケケケケと痙攣的哄笑を発してしまったがヤハリ元SF作家だけあって石器時代の人間に現代の美食を食わせる『美食禍』が面白かった。と同時に谷崎潤一郎の『美食倶楽部』を読み直したくなった。これは世界一美味い料理を目隠しして味わうという小説で目隠しされて横に並んだ男たちが涎をびちゃびちゃ垂らしいて旨い旨い旨いとわめくメッチャ面白い小説。その料理とは実は…種明かしはやめましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。黒兵衛の食事も涎垂らしてあっという間ですね。ドッグフードってそんなに美味いのかな?ワン。終日デスクワークは本HPの原稿作りや請求書書きなど雑務。そんなに頭を使う仕事ではないので久し振りにマーラーの交響曲を順々にBGMに。1番の『巨人』はムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団とテンシュテット指揮シカゴ響がイイですね。バーンスタインは若いときにNYフィルを振ったモノがイイですね。『大地の歌』はバーンスタイン指揮ウィーン・フィル綺麗な音とのディースカウとキングの歌が最高ですね。あ。海賊版だけどクライバー指揮ウィーン・フィルのルートヴィヒとクメントの歌も見事ですね…と思ってるうちに晩飯の時間。もちろん日本シリーズを見ながら。岡田はん!今季最多安打の中野に送りバントはさせんといてほしいなぁ。

11月1日(水)
送りバントと監督の采配ばかりが目立つ日本シリーズはアカンで(>_<)選手が奮起せい!送りバントばっかりコチョコチョやってナニやっとンじゃあ!大山も情けない三遊間サヨナラ安打で喜んでたらアカン!ホームラン打てとは言わんけど外野犠牲フライくらいはしっかり打てよ(>_<)関西の雄の2チームが巨人みたいなチマチマした野球やっててどないするねん!まぁ結果は俺の期待通りに3勝3敗3引き分けになりそうでエエけどな( ^o^)ノ

10月31日(火)
朝ベッドでの読書『宗教の世界史』は一時中断。と言うのは昨日筒井康隆先生から最新刊にして帯に「これがわが最後の作品集になるだろう」と書かれた(但し「信じていません!」との担当編集者の註釈あり)『カーテンコール』(新潮社)と題された25本の短編小説(?)集が送られてきたからだ。早速読まないわけには行かない。「深夜便」「花花魁櫛」「白蛇姫」「官邸前」と読み進んでベッドのなかで「痙攣的笑い」に誘われる。サスガですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日外科手術か?と思われた危機を脱した老犬は老体を引っ張り回して元気に歩きまくる。気遣いのない馬鹿犬じゃ。ワン。終日デスクワークは先々週インタヴューしたフォーラム8の伊藤社長のメセナ論を纏める作業。『ZAITEN』の別冊なので少々長い原稿に悪戦苦闘しつつ完成。晩飯はもちろん日本シリーズの関西ダービーを見ながら。バファローズ強い!タイガースも盛り返したけど結局はミスの差が出ましたね。小生の予想3勝3敗3引き分け2チーム日本一…の結果に近づいてますね(笑)。

10月30日(月)
『宗教の世界史』読書復活。「ゴータマ・ブッダ以前のインド」なるほどインドの宗教は奥が深いですナァ。《ローマ人は歴史的・国家的に考えるがインド人は寓話的・宇宙的に考える。ローマ人の思考は経験的・相対主義的・政治的・法律的だがインド人の思考は哲学的・絶対的・教条的(ドグマティック)・道徳的・神秘主義的と対照的である》これはデジタル産業先進国の現代インドにも当てはまるのかな?ワン?ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日ヨメハンが黒兵衛におやつをやったときに小さな乾燥剤を落としてしまったら黒兵衛がソレをすぐに食べたらしく胃の中で水分と混じって熱を発生したらヤバいと心配していたけれど今日の散歩で雲古のなかに混じって出てきた。よしよし。なかなか素早い内蔵の反応で危機脱出。ワン。いろいろデスクワークするなかで最近グレン・グールドのピアノをCDで聴きたいと思わなくなった。モーツァルトは音が激しすぎるしバッハでもグールドやポリーニの優しい音色のほうが好きになってきた。そー言えばカルロス・クライバーのヨハン・シュトラウスのワルツの演奏も強烈すぎてNGと感じるようになった。歳かなぁ(>_<)などと思いながら仕事をしていると講談社から本が送られてくる。毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』コレはオモシロそう!巻末の「発禁レコード一覧表」を見るだけでもオモシロい!服部良一作曲の「タリナイ・ソング」や「ホット・チャイナ」(歌は笠置シヅ子)なんてのも発禁(1940年)だしストコフスキー指揮ドヴォルザークの『新世界交響曲』も1943年に自主的発売中止になっている。古くは1932年に柳家三亀松の漫談『新婚箱根の一夜』や『吉原の一夜』三遊亭蜴}の萬歳『新婚初夜』なんてレコードも警察によって発禁になっている。聞いてみたいですね(^_^)。柳家三亀松師匠は小生が子供頃はまだテレビで見かけた。そこで「今はもう小便だけの道具かな」「立ててくれオレではなくてムスコのほう」なんて川柳を披露していたのを何故か憶えている。昔のお笑いのほうが今より毒があったようですね。晩飯で録画しておいたラグビーW杯決勝を見る。日本の優勝の日は遠いようですね。サッカーのほうが近いですね。晩飯後はテレビ神奈川で「吉本新喜劇」辻本茂雄さんと間寛平さんのアドリヴの掛け合いに大笑い。サスガですね。

Back to10月29日(日)
ベッドでの朝の読書はカットして常より1時間早くベッドから出て小雨降るなか黒兵衛と散歩。秋は天高く…だけでなく我が身世にふる長雨せしまに…もあるのですね。イロイロ準備して大船駅から東海道線に乗って東京駅へ。タクシーで明治大学の駿河台キャンパスへ。スポーツ政策学生会議(Sport Policy for Japan;SPJ)に笹川スポーツ財団の審査員として参加。全国から集まった32大学61ゼミから寄せられた学生たちによる「スポーツ政策」のうち昨日の予選グループを勝ち進んだ5大学(明大・立大・東海大・一橋大・亜細亜大)8ゼミの発表を聞く。最優秀賞に選ばれたのは立教大学の「聴者と聴覚障害者の架け橋プロジェクト」で聴覚障害者と聴者が共に手話によるコミュニケーションを行うなかでサッカーを行うためのノウハウを考えたモノ。学生たちが互いに選ぶ賞でも第1位となりスポーツ庁長官賞にも選ばれた。小生が審査した笹川スポーツ賞は決勝には残らなかったけど一橋大学の文化としてのスポーツを推進する企画『「ウォーキング・ツーリズム×物語」で地域活性化』熊野古道を歩いて物語を創る(AIも用いて)プロジェクトというもの。じつは神奈川大学の『宇宙×スポーツ〜宇宙産業の発展に向けて』という企画もナカナカ面白いと思っていたのだがコレはスポンサーの一つであるフォーラム8賞に選ばれたので一橋大のほうを選んだ。少しでも多くの学生の努力が表彰されるほうがイイですからね。他の賞の結果などは近々スポーツ産業学会のホームページで発表されますのでお知らせします。表彰者に賞状を授与して講評を語ったり記念撮影をしたり…お世辞ではなく今年の学生たちの発表内容はレベルが高かったですね。しかし今気付きましたけど毎年何処かのゼミが題材に取りあげるオリンピックとのコラボ企画が皆無だったのはやはり贈収賄事件の影響かな?若い学生たちとの交流を終えて帰宅。タクシーが捕まらないので御茶ノ水駅まで歩いて中央線&東海道線経由で帰宅。晩飯食べながら日本シリーズは昨日の裏返し。関西ダービーは仲良しダービーですね(2項目前を見てください)。

Back to10月28日(土)
『宗教の世界史』読み進む。一神教の元祖でユダヤ教・キリスト教・イスラム教が信仰するヤハウェYHWHは実は「一柱の神(一神)」だけが存在していたわけでなく多神教のなかから生まれたのですね。それはモーセの《十戒の第一条「あなたはわたしのほかに何ものをも神としてはならない》という一文で明らかなんですね。それは《ヤハウェ主義が厳密な意味での唯一神教ではないことを示している》そしてモーセは《「主(ヤハウェ)よ。神々のなかにあなたのような方が誰かあるでしょうか」と叫ぶ》つまり「自己主張が強く極めて嫉妬深いヤハウェという神」が「自分だけ」を主張して人間(モーセ)がそれを受け入れたところから一神教が生まれたわけですね。神々が人間の生き写しであり「神が人を創った」のではなく「人が神を創った」とするならYHWHは結構自己チューの人々(古代カナンの地に暮らした人々?)が創作したと考えられるのですね。それを「改革」しようとしたのがイエスやムハンマドというワケなのか…読み進みましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。天高く馬太(マタイ)伝売れる秋。22日の本欄をお読みください。いろいいろデスクワークの一日。ラグビーW杯3位決定戦の録画をなかなか見ることができない。トホホ。夜は日本シリーズを見ながら。山本投手が日本シリーズで勝てないのは何故かな?プロ野球七不思議の一つ?「謎は解かれないほうが面白い。説かれないから謎。解かれるような謎は謎ではない」と確か小林秀雄が『モオツアルト』に書いてた。「解かれるような謎」は「謎」ではなくて「なぞなぞ」ですね(笑)。

10月29日(日)
タイガース強すぎの8対0の翌日は0対8の惨敗。さすがは関西ダービー。仲の良い両チームですね。コレがベースボールですね。コレがスポーツですね。憎み合ったり戦ったりするのはスポーツじゃないですね。

10月28日(土)
タイガース強すぎですね。どないなっとるねん。

10月27日(金)
『世界宗教史』読み進む。旧約聖書というのはメソポタミアやパレスチナの古文献や伝承を選りすぐって纏めたモノなんですね。ということは稗田阿禮が記憶した諸家の「帝紀」や「本辞」を太安万侶が集成した『古事記』みたいなモノか。旧約聖書はそこで一神教の勝利を謳い上げたわけですけど古事記は八百万神の素晴らしさを列記したわけですね。万物の支配を命じた人間を嫉妬深く虐める一神教のYHWHよりも私は八百万の神々のほうが好きですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。日本海側や東北や北関東のほか東京でもゲリラ豪雨や雹が降る異常気象らしいけど湘南地方は天高く雲一つない真っ青な秋空の毎日。少々恐ろしいくらい。これが凶兆でなければ良いけれど…なんて思ってしまう。SPJの個人的審査結果をメールで送って足を運ぶのは決勝(最終発表)の日曜日だけにさせてもらう。明日は日本シリーズもあればラグビーW杯の準決勝もありますからね。夕方からは『ニューズ・オプエド』。カメラマンの初沢亜利さんと日刊ゲンダイの今泉恵孝さんを迎えて「どうなる?59年ぶり関西シリーズ日本一日決定戦その本当の面白さとは?」と題してイロイロ語る。小生の予想は(と言うか希望は)タイガースvsバファローズは3勝3敗3引き分けで両者日本一。コレが最高ですね。番組のなかで初沢さんの写真集『2020,2021』を絶賛紹介させていただくと以前(東京五輪前)にオプエドに出演されたとき「五輪の取材証が取れなくてどうしようか…」と言っていた初沢さんに対して小生が「取材証なんかなくても周囲に溢れている五輪の風景のほうが面白い」と言ったことからこの素晴らしい写真集が生まれたとか。小生はそんなことを言ったことはスッカリ忘れていたけど我ながらタマにはイイことを言うモノですナァ(゚o゚;) 今泉さんと初沢さんとのオモシロい会話を思い切り楽しんで番組を終えたあと「チコちゃん」&メシ&サケ&ネル。初沢さんと今泉さんと小生のメッチャおもろい会話は今も聞けますのでドーゾ。https://op-ed.jp/

10月26日(木)
『世界宗教史』はヨーロッパ古代の巨石文明からいよいよパレスチナの旧約聖書の世界へ。遺跡遺構から想像力を働かせるの時代から聖典や文献を読み取る時代に入る。ナルホド聖典というのは過去の宗教の歴史の集大成でもあるのですね。各地の様々な洪水はノアに集大成され様々な神々(多神教)は創造主YHWHヤハウェ(一神教)に纏められる。あとは解釈の時代に入るわけですね。解釈の違いがどこから戦争まで引き起こすのか?「自分が信じる神しか信じないのが一神教」と塩野七生さんは書いたけど正しくは「自分の信じる神の解釈しか信じないのが一神教」ということのようですね。ナルホド宗教とは政治的なものです。仏教だって禅宗と日蓮宗の仏の解釈は全然違いますからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋空と秋の空気は気持ちよいですなぁ。ワン。デスクワークをしているとスポーツ特集をするというので原稿依頼をしてきた世界思想社から『世界思想』のバックナンバーが2冊送られてくる。民主主義と歴史の特集号。コレは読まねば。と思っていると筑摩書房から『ちくま11月号』も届く。斎藤美奈子さんの連載『世の中ラボ』は「ジャニーズ事件から考えるビジネスと人権」このほかにも興味深いモノ満載。コレも読まねばと思っているとカメラマンの初沢亜利さんから写真集『二千二十年、二千二十一年。』が届く。パラパラと眺めただけでコレはオモシロい!コロナとオリンピックの東京。見えたままの人物やふうけいにみえるものがバンクシーの壁絵のようにオモシロい!いかんいかん仕事しなければ…で昨日の続いてスポーツ・ポリシー・フォー・ジャパンの企画書を読みふける。A4用紙各4枚×61ゼミ=244枚。ふううう。しかし結構面白かった。「宇宙とスポーツ」とか「スポーツで恋活」なんてのもありましたしね。ふううう。晩飯はNHKの大好き番組『魔改造の夜』を見ながら…と思ったら再放送だった。最近のテレビ番組は再放送を事前に断らないのはイケマセンね。仕方がないのでハマス・ヒズボラ・イスラエル問題を見ながら晩飯。ニュース解説は解決の道を教えてくれないですね。嗚呼。

10月25日(水)
『世界宗教史』はエジプトの宗教からヨーロッパの巨石文明へ。古代の宗教は見事に政治や日常生活と密接に繋がって(一致して)いたのですね。いや古代だけでなく現代でもそうかな?イスラム教徒や仏教徒がアメリカ大統領に選出されたら就任式ではやはり聖書の上に手を置いて宣誓するのかな?他の国の-たとばエジプトやイスラエルの大統領はどーしてるのかな?クルアーン(コーラン)やタナハ(旧約聖書)やタルムードを用いてるのかな?調べてみましょう。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは川淵三郎氏の文化勲章受章の意味。要するにJリーグというスポーツ(サッカー)をやることを目的にしたスポーツ組織を日本で初めて創ったということですね。それに対して旧体制の抵抗勢力は親会社の宣伝や新聞を売ることにスポーツを利用したかったのでかなり抵抗したけど川淵氏の文化勲章でどちらが正しいかは勝負は決まったと小生は思いますがマダマダ抵抗勢力は日本のスポーツ界に残っているようですね。ナベツネ氏は心を入れ替えたのかな?ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。昨日読んだバンクシーの画集の中に面白い言葉が紹介されていた《優れた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む》ピカソがそう言ったらしい。そりゃベートーヴェンの英雄交響曲や運命交響曲もモーツァルトやバッハのパクリですしバーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』はワーグナーからパクってますしドビュッシーもゴッホも北斎や歌麿からパクってますからね。ワン。デスクワークは北國新聞の連載の校正や連合津心の連載の執筆や終末のSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)の参加大学61ゼミの学生たちの労作(企画書)読み。ふう。他人の原稿を読むのはシンドイですね。今年の学生たちはウィキなんてクダランモンを使わずにキチンと良いものをパクってるかな?

10月24日(火)
『世界宗教史』はメソポタミアからエジプトへ進む。いよいよイシス&オシリスの世界でそれはモーツァルトの『魔笛』=フリーメイソンの世界までつながっているわけですね。おまけに古代エジプトの一時期にアモン神からアトン神への変化が起こり多神教から一神教への変化をもたらしそこへモーゼが現れてユダヤ教につながる強固な一神教が生まれるわけか…この本のタイトルは「世界宗教史」だけど「宗教世界史」のほうがイイかもしれないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と朝の散歩。一神教の神は多くの殺人や戦争を生んだけど多神教の神々が原因で殺人や戦争が起こったことは無いのかな?神話や古代では多神教の神々も戦いを起こしたけど少なくとも近代以降の多神教で起こった戦争は無いのでは?日中戦争や太平洋戦争は八百万の神々の戦いではなく現人神の天皇教の戦いでソレは一神教のようなものでしたからね。ワン。終日デスクワークは北國新聞の連載『スポーツを考える第73回』で川淵三郎氏の文化勲章受章の意味を考えるコラムを執筆。そう言えば40年ほど前に初めてスポーツライターとしてテレビに出演したとき(桂三枝さん=現文枝さんの司会する関西の番組だった)「野球やサッカーなどのスポーツとは文化として育てなければならない」と話したらアシスタントの女子アナが「玉木さんの学校では野球部は運動部ではなく文化部だったんですか?」と言われたのを今も憶えている。それが本気だったのか冗談だったのかは今も判然としないが川淵氏が文化勲章を受章したことでスポーツ(サッカー)も「カルチャー=みんなで(社会で)育てて実らせるるもの」でありそれこそ「文化」(武化の反対語)であると多くの人が…気付いた…かな?スポーツとは暴力(武力)を否定する民主主義社会(立憲民主政の社会)でしか生まれ育たない「カルチャー(文化)」ですからね。この意味がイマイチわからないという人は拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』を御一読ください。

10月23日(月)
『世界宗教史T』読み進む。女神ニンスンと人間の間に生まれたギルガメシュの叙事詩は後にアーサー王物語につながる構造を持っているという。様々な困難に打ち克つイニシエーションの物語。人間は古代から現代までさほど成長していないのですね。いや東洋の東端の島国でギルガメシュをテレビのエロ番組のタイトルに使ったことを思うと人類は明らかに退化しているのかもしれませんね(>_<)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。最近原稿の執筆依頼をしてくれる編集者や仕事の依頼を言ってくるディレクターなどに中高時代に小生の拙著を読んだり大学時代に小生の授業を受けたりした人物が次々と出てきた。それだけ俺が歳を取ったということでもあるのでしょうがマァ嬉しいことではありますね。ワン。Jリーグの創設やBリーグの改革発足に貢献した川淵三郎さんが文化勲章に選ばれた。スポーツ界からは古橋広之進氏と長嶋茂雄氏に続き3人目。とは言え他の2人がスポーツを「やって」スポーツに貢献したのに対して川淵氏はスポーツの「新しい組織を創って」スポーツ界に貢献した。この違いは大きい。かつて三島由紀夫が文化勲章を痛烈に批判した文章を読んだことがある。作家にしろ芸術家にしろ学者にしろ既に各分野で素晴らしい仕事を成し遂げたり作品を残した人物は既に世の中で高い評価が与えられているわけでソノうえに「勲章」を与えるのは屋上屋を重ねるようなものだというのだ。だから「勲章」は世評がよくわからない政治家や軍人に与えて喜ばれるものなのだという。確かに。だから軍人は胸に山ほど勲章を付けて喜んでいるのですね。三島の意見はヘミングウェイの「勝者には何もやるな」という言葉と同じですね。しかし川淵氏の功績は長嶋氏や古橋氏と違って「世評がよくわからない」側にあるものですから価値がありますよね。何しろ当時読売ジャイアンツのオーナーで読売新聞社の社主だった渡邊恒雄氏がJリーグのやり方に大反対。彼と大喧嘩をして創設した「スポーツ(サッカー)を行うリーグ(Jリーグ)」が「マスメディアや親会社の宣伝に利用されているスポーツ(野球)」よりも評価された結果としての文化勲章ですからね。これをきっかけに日本の多くのスポーツがマスメディアや親会社の支配から独立するようになれば逆に文化勲章の価値も(すぐに忘れられてしまうものでなくなり)上昇すると言えますよね。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。最近の吉本は新喜劇の芝居のパターンを残しながら新しい要素をふんだんに取り入れてますね。どの役者が出てきても一定の面白さをキープできるのはどの選手が出てきても強い最近の日本サッカーと似てますね。

10月22日(日)
エリアーデ『世界宗教史T』読み進む。メソポタミアの宗教。まだ拝火教(ゾロアスター)もまだ生まれないずっと前の神話の誕生。世界初の「洪水神話」や「冥界降り神話」。《洪水神話の大部分は言わば宇宙のリズムの一部を形成していると思われる。堕落した人間が住む「旧世界」は洪水の中に没しやがて「新世界」が混沌の水から出現するのである》こんな「終末観」や「再生願望神話」が紀元前4千年くらいのシュメールに生まれていたのですね。そして世界中の文明がそれを共有したということは文明が誕生した後の人間の世の中が如何に住みにくい世界だったかということの証拠かもしれませんね。今のパレスチナに住むアラブ人もユダヤ人も「洪水願望」を抱いているのかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真っ青な秋晴れ。天高く馬肥ゆる秋。昔戦前の東北地方で新約聖書のマタイ伝が良く売れたという話を読んだことがあった。タイトルが漢字で「馬太伝」と書かれていたからという。ホンマかいな?と思うが小学生のときに読んだ『頭の体操』という本に書かれていたと記憶している。くだらんことは良く記憶に残るもんですね。ワン。終日いろいろ雑務。晩飯はデビッド・リーン監督『アラビアのロレンス』の後半とメイキングをDVDで見ながら。スピルバーグの解説が面白かった。ロレンスが「何故砂漠に惹かれるのか?」という新聞記者の問いに「砂漠はクリーンだから」と答えたのをスピルバーグが評価。アリゾナ州で育った彼は「砂漠のクリーンさ」を知っているという。メソポタミアやパレスチナやアラビアも肥沃な土地にすぐ脇に「クリーンな砂漠」があったからいろんな宗教を生んだのかな?あ。スピルバーグはウクライナ系のユダヤ人なんですね。二重に渦中の人は今の世界をどう思ってるのかな?しかしデビッド・リーン監督はよくもこんな凄い映画を撮ったものですね。駱駝や馬が数え切れないほど出てきてデッカい蒸気機関車は爆破されて客車とともに横倒し。それがすべて広大な砂漠のなかでの撮影ですからね。「今の時代にCGを駆使してリメイクするのはデビッド・リーン監督に対する冒涜」とスピルバーグも言ってましたがその通りですね。しかしアラブ世界の実態やイギリスの2枚舌外交をキチンと描いてのリメイクならあるかな?あ。イスラエル国家の建設は少し後ですが初代大統領にはアインシュタインが依頼されそうです。が彼は断った。理由は「ユダヤ人とアラブ人が一緒に暮らす国でないとダメ」というものだったとはNHK『映像の世紀』で知りました。

10月21日(土)
昨夜は「晩飯&酒&寝る」と素っ気なく書いてしまったが実は結婚記念日でワインで乾杯もしていた。44年目のことなので書き忘れてもシャーナイですな(>_<)朝のベッドでの読書はエリアーデ『世界宗教史T』読み進む。メッチャ面白いというか勉強になる。旧石器時代から新石器時代へ。農耕の始まりで人類の宗教も男性的野獣狩猟型祈祷から女性的植物採集農耕型祈祷へ大変化。春夏秋冬の季節の移ろいと時間(未来)概念が加わる。さらに鉄器時代に至って鉄の精製から大地が育む鉱物の神秘性と女性の子宮が結びついて様々な宗教が生まれたわけですね。「人類史=宗教史」と言い切っても間違いではないようですね。ワン。午前中いろいろ雑務をこなして午後は大船からモノレールで深沢へ。サッカーチーム鎌桑インテルのホーム・グラウンド「鳩スタ(鳩サブレー・スタジアム)で催されている「オクトーバー・フェスト」を見学。というかライヴ演奏のステージ前に地ビールや食べ物のテントやテーブルがフィードいっぱいにズラリと並んでいるところで昼間からビール。ウインナーやたこ焼きやシュラスコを肴に茅ヶ崎ビールや鎌倉ビールetcのラガーやピルスナーをグイグイ。ビールは昼間に飲むほうが美味いですね。帰りに大船ルミネの本屋さんアニールで渉猟。うわっ。バンクシーの本『バンクシー・ビジュアル・アーカイブ』(グラフィック社)があったので久し振りに本の衝動買い。時代順にバンクシーの作品が並んだB6判程度のハードブックは手頃でなかなかオモシロそう。ついでに内田樹&白井聡『新しい戦前 この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)も購入。現在日本は「新たな戦前」と言うより「戦中に入った」という指摘に首肯。世の中が変わる時は「空間革命」が起こるという白井氏の指摘に納得。《少し注意して街を歩いてみるだけでわかると思うのですが入場料なり何か買うなりといったかたちでお金を支払うことなく寛(くつろ)ぐことでのできる空間はこの四半世紀の間に激減しました》《今大問題になっている神宮外苑の再開発に代表される都市の「大規模再開発」はその地に積み重なってきた歴史の地層を洗い流して空間の商品価値を能(あた)う限り高めようとする企てに他なりません》誰がこんな馬鹿げたことを推し進めているのでしょうね。「再開発」はたかが半世紀で古くなって「再々開発」で金儲けをしたい人がやってるんでしょうね。『鏡の国のアリス』に登場する動物たちがみんな理由もわからずグルグル走ってる姿を想起しますね。帰宅して本読みながら再ビール。映画『アラビアのロレンス』の前半を見る。パレスチナのことを知りたいですからね。晩飯に雪崩れ込んでパ・リーグのCS。順当にバファローズが勝って関西は結構な騒ぎでしょうね。

10月20日(金)
『世界史の中の戦国大名』はボチボチ読むことにして朝のベッドでの読書はずっと以前から読みたい読みたいと熱望していたミルチア・エリアーデ『世界宗教史全3巻』(筑摩書房)への挑戦を開始。まずは第1巻『石器時代からエレウシスの密儀まで』。古人類が直立歩行を始めて高さと縦横という空間を手に入れ空間の拡張としての「宇宙」や「あの世」の創造的想像が始まりヒトは《生きるために殺す》ところから生物と一体化して《神秘的連帯性》が生まれ《宗教的価値世界を生み出し創造的想像力(としての宗教)を呼び起こし育んだ》というわけか。メッチャ面白い。最近クマが町中に出てきて人間を襲うことが騒がれているけどソレは人間がクマを食べなくなった(カミとして祀らなくなった)からでしょうね。そう言えばかなり以前関西のテレビ局の仕事で福井から京都までの鯖街道を踏破したとき途中で泊まった民家で熊鍋を御馳走してくれるというので期待していたが熊が捕れずに猪鍋になったことがあった。残念。最近の熊騒動はクマがカミでなくなった結果なんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。鎌倉にもクマが出没すれば黒兵衛はどんな反応をするのかな?アイヌの人たちは最近のクマ騒動をどう思ってるのかな?子熊の魂(カムイ)をカミの世界に送るイオマンテ(熊祭)は今はやっていないのかな?そう言えば昔はNHKの『のど自慢』で歌の自信のあるヒトは必ずといって良いほど『イオマンテの夜』を歌ったものでしたけどね…と言っても若い人にはわからないか。だからクマが暴れるのか?ワン。デスクワークのあと夕方の『ニューズ・オプエド』はサッカー特集。ゲストにサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さんを迎えて『日本サッカーの「強さ」は本物か?』について存分に語ってもらう。日本で再度サッカーW杯を開催するよりも日本のサッカーがW杯で優勝するほうが「早く」「可能性は高い」そうです。ゴルフの日本でのPGFツアーの試合の話題も取りあげたのでゴルフ・ジャーナリストの小川朗さんにもゴルフの解説で入ってもらいました。地球温暖化による芝の「痛み」の話題でサッカーとゴルフの話題がシンクロできたのはオモシロかったです。今も聞けますのでどーぞ。https://op-ed.jp/『チコちゃん』見ながら晩飯&酒&寝る。『世界宗教史』読まなきゃ。

10月19日(木)
ひとつの作品(本)を読み終えると本というものは新たに沸いて出てくるものなのか?昨日講談社から今月の現代新書の新刊が3冊送られてくる。久坂部羊『人はどう老いるのか』。帯に《医者はホントは知っている楽な老方苦しむ老方》とある。著者は阪大医学部卒のお医者さんで経済学者でないところがモンダイかな?阿部恭子『高学歴難民』の帯には《学歴があれば「勝ち組」なのか?月10万円の困窮生活/振り込め詐欺や万引きに手を染める/博士課程中退で借金1000万円/ロースクールを経て「ヒモ」に…「こんなはずではなかった」誰にも言えない悲惨な実態》とある。小生は高学歴ではない(高卒)なので無関係無問題ですね。しかし「ヒモ」はある意味スバラシイのでは?もう一冊は鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』。コレを読み始める。ナルホド世界史的には(ヨーロッパ史的には?)戦国大名は信長や秀吉よりも大友宗麟のほうが有名だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近くの道路で「地震に強い水道管への交換工事」が行われている。インフラなども50年くらいが寿命なのかな?そう言えば何日か前のNHK『解体キングダム』での巨大球体ガスタンクの解体はオモシロかった。リンゴの皮を剥くようにバーナーで切っていくのですね。見事。リンゴの皮のように剥いた鉄は再利用もできますからね。中国ではEV車が主流らしいけど大量の蓄電池は再利用可能なのかな?ワン。チョイとデスクワークのあと午後から品川のフォーラムエイト本社へ。『ZAITEN』別冊メセナ特集号の企画で伊藤社長と対談。武井副社長にもいろいろ話しを聞く。クルマの安全運転や道路&橋脚等の整備にVRを駆使しているIT企業のWRCラリー・ジャパンへの関わり方の話は非常にオモシロかった。対談&取材を終えて帰宅。晩飯はプロ野球CSを見ながら。虎は強いですね。牛は継投でちょっと油断したかな?しかし同時刻に試合をやられると見るのがたいへんですナァ(>_<)

10月18日(水)
塩野七生『ギリシア人の物語V新しき力』(新潮社)読了。2度目の完読で部分によっては繰り返し読んでいたにも関わらず通読するとそのオモシロさに感嘆。とりわけアレクサンドロスという人物の天才ぶりは見事ですね。キリストが生まれる300年以上も前の英雄なのに今も西洋ではアレクサンダー(英語)アレッサンドロ(伊語)アレックス(略語)という名前が頻出する理由がよくわかった。著者が随所に書いたアフォリズムも見事。たとえば《脳も筋肉と同じで使わないと衰える》しかり。一神教と多神教の説明も他のどんな本よりわかりやすかった。《それは神の数にはない。本質的な違いは自分が信じる神しか認めないのが一神教で反対に自分は信じなくても他者は信じているのだからその神も認めるのが多神教である。それも嫌々ながら認めるのではなくリスペクトするから認容するのが多神教だ。日本でならば御稲荷さんを自分は信仰していないが御稲荷を信仰している人の想いを尊重してその祠(ほこら)の前に鎮座している石造りのキツネを足蹴にするような真似はしないという態度である。そのうえその稲荷神社が重要文化財になるほど美しい建造物であったりすれば喜んで見学に行くという心の持ち方なのだ》アレクサンドロスのペルシアやエジプトでの態度はまさに多神教世界で育った人物の態度だったのだ。石仏を破壊するイスラム教徒もムハンマドを笑いものにするキリスト教徒もナルホド典型的な一神教徒なのですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはオリンピック。5年後のロス五輪で野球とソフトボールが復活したことは素直に喜べるのか?ブレイキンやサーフィンが五輪競技から外れてクリケットやラクロスが加わったのは時代に逆行?とはいえないかな?だけど来年のパリ五輪のサーフィンを仏領タヒチで行うのは良いことなの?そもそもパレスチナ情勢を見るとオリンピックは開催できるの?IOCはエルサレム開催を唱えたほうがイイのでは?と少々纏まらない話(>_<)世界が纏まってないからオリンピックだけでも常に停戦を実行していた古代ギリシアのオリンピックのように纏まらなければ…。ワン。黒兵衛と散歩のあと校正やら明日の準備やらのあと晩飯はクライマックスシリーズを見ながら。セ・パともに強いチームが勝ちましたね。オモシロないナァ。

10月17日(火)
『ギリシア人の物語V』はアレクサンドロスがインド王ポロスと最後の大会戦に臨んだり敵の槍を胸に受けて瀕死の重傷を負ったり戦友と考えていた兵士に反乱を起こされたり…いよいよ終末に向かう。しかしこの3巻本には傍線を引いて勉強になるオモシロい表現が山ほどある。アレクサンドロスが征服した土地の行政をペルシア人に任せてたら不正と汚職が蔓延ったことについて著者は《所詮は公共心の有無に帰す》と書く。《公共心という考え方自体がギリシア人の発明であってオリエントのものではない。アジア人には欠けていると言っているのではない。がだ一般的に言えばやはり欠けている。民主政も公共心の産物だがこれもギリシアで生まれた政治理念であった》なるほど。だから公共心に欠ける日本人(アジア人)は公共の文化(持ち物)であるスポーツ(野球など)を一企業の私有物にして平気なのですね。政治が自民党の独占(独裁)で平気なのも公共心の欠如から民主政の理解が進んでないからかな?捕虜の尋問に関する記述で《インタヴューが成功するか否かは問われて答える側よりも聴き出す側の能力にかかっている》という指摘もあった。その通りですね。スポーツの試合後のインタヴューで選手に「試合を振り返って下さい」「打った球は何ですか?」なんてバカなことを聞くインタヴュアーがいるけどまさに阿呆ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「秋深し隣は何をする人ぞ」という芭蕉の句は本当は「秋深き」らしいですね。でも「秋深し」のほうがイイですよね。ワン。終日デスクワークは雑誌『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』の執筆。「ジャニーズ事件」を取りあげて日本のメディアのジャニーズ事務所との「馴れ合い・もたれ合い」はスポーツ界も同じという原稿を書く。これも「公共心の欠如」ですかね?晩飯はもちろん森保ジャパン。チュニジアぼ堅固な5バックを崩しての2-0の勝利は見事。この強さは本物?金曜の『オプエド』のゲストが大住良之&後藤健生の両氏なので詳しく語ってもらいましょう。

10月16日(月)
『ギリシア人の物語V』ではアレクサンドロスがガウガメラの会戦にも兵力5倍のペルシア軍相手に見事に勝利。ペルシア王ダリオスはまたしても戦場から逃走。その態度が最後には味方の離反につながるのだがアレクサンドロスも子供のときからの学友で戦友となった仲間の不満や離反や暗殺計画の噂に悩まされるようになる。要はスタンドプレイが鼻につくということなのだが《長い遠征でアレクサンドロスは大きく成長した。が戦友たちはそうでもなかった。それはアレクサンドロスがますます孤独になるということだった》確かに。21歳で東征を始めて8年。まだみんな20歳代ですからね。大天才の周囲にいる仲間もシンドかったでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークいろいろ。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。ナントナントあきさんを中心に人魚や海の底の世界まで現れるかなりブッ飛んだ台本。基本的なギャグは残しながら吉本も成長してますね。パ・リーグのクライマックス・シリーズは延長10回表にホークスが3点入れて勝負ありと思ったところがソノ裏マリーンズが3ラン・ホーマーなどで大逆転。これも場内アナウンすの力かも( ^o^)ノ『映像の世紀バタフライエフェクト』はタイムリーなパレスチナ問題。今日の混乱の原点はイギリスのユダヤ人とアラブ人に対する二枚舌外交が原点なんですよね。録画したので明日にでもゆっくり見直しましょう。日本はイスラエルともアラブ諸国ともキチンと付き合っているので紛争の仲介に入れる立場にあるという人がいるけど立場はあっても人材がいませんね(>_<)

10月15日(日)
『ギリシア人の物語V』読み進む。イッソスの会戦に勝利したアレクサンドロスの軍はメソポタミア(ペルシア帝国)中心部のバビロンやペルセポリスに一気に進むのではなくエジプトへ立ち寄る。その途中ガザが抵抗して立ち塞がる。《ガザと聴くと現代のわれわれにはパレスティーナ人の本拠地としてのガザしか思い浮かばないがイェルサレムは誰も重要視していなかった2300年昔のこの時代ガザのほうが知名度は高かったのである》知らなんだ。ガザはイスラエルやアメリカよりも古い歴史を持っているのですね。ワン。ベッドを出て土砂降りのなか長女と一緒に黒兵衛の散歩。黒兵衛に初めてレインコートを着せるが赤色は還暦のちゃんちゃんこのようで大笑い。ワン。ガザに興味を持ったのでチョイと調べてみると紀元前12世紀頃にペリシテ人によって建設された都市国家らしい。アレクサンドロスが征服したのも建国から8世紀以上経ってからなんですね。凄い歴史のある地域ですね。ちなみにハマス(Hamas)という言葉を『アラブ・イスラム中東用語辞典』(成甲書房)というナカナカ面白い本で調べてみると《正確には「ハマース」で正式名称である「イスラム抵抗運動」の略語。またアラビア語で「情熱」も意味する》とか。ヒズボラ(Hizbolla)は《レバノンのイスラム教シーア派組織》で《本来「ヒズブ・アッラー」で「神の党」を意味するアラビア語》だとか。ふ〜ん。「ガザ」という都市国家の名前の意味は書かれていなかったが《医療用に用いられるガーゼはガザ特産の目の粗い布に由来する名称と言われている》らしい。そんなガザが負傷者の山とは皮肉としか言いようがないですね。午後から雨が小降りになったので東海道線で東京へ。地下鉄東西線に乗り換えて早稲田へ。早稲田大学で開かれた『第126回スポーツを語り合う会:アーバンスポーツの魅力とオリンピックの今後を考える』に出席。ブレイキン(ブレイクダンス)のAYANEさんやサーファーの上山キアヌ久里朱さんや柔道家の山口香さん(筑波大教授)や元レスリング五輪銀メダリストの太田章さん(早大教授)などの話を拝聴。凄く勉強になりました。司会の長田渚左さんに発言を求められたので春日良一さんのウクライナで冬季五輪を!というメッセージを紹介。エルサレムでオリンピックを!という声もあることも紹介。有意義な日曜日を終えてビールを飲みながら帰宅。晩飯食べながら見た『ダーウィンが来た!』の朱鷺のドキュメンタリーも良かったけど『日曜美術館』の棟方志功に感激。デザインが見事な画家と誤解していたことを反省。彼はピカソと肩を並べる画家ですね。棟方志功展に絶対行くことを決める。

10月14日(土)
昨夜のサッカー日本代表vsカナダ戦は4対1の勝利。マァマァ見事な試合でしたね。選手の誰が出てもまずまずの試合ができる層の厚さは感じましたね。『ギリシア人の物語V』はいよいよアレクサンドロスの一大決戦。イッソスの会戦。ダリウス大王率いる15万のペルシ3万のアレクサンドロス軍が挑む。そして見事な勝利。アレクサンドロスの戦法は宮本武蔵の『五輪之書』でいう常に「先の先」だったのですね。一気に騎兵で仕掛けて敵の本陣まで入り込んで大将を打つ。「後の先」で待ち構えていたダリウスは急襲に驚いて逃げ出したわけですね。《迷いは勝利への足を引っ張るが確信は勝利への後押しをする》というわけで5分の1だった兵力のアレクサンドロス軍の勝利。オリバー・ストーン監督の映画と塩野七生さんのイッソスの戦いの描き方は少々違っていますが(前者ではダリウスは戦車で逃げ出すが後者では戦車も捨てて単身馬に乗って逃げ出す)22歳の若き王と47歳の落ち着いた王の違いは明らかですね。本も映画もどちらも面白い。ワン。ベッド出て黒兵衛と散歩。実は最近隣家の老婦人が死去するという事件があり昨日が通夜。小生はオプエドがあったので失礼したが女房と次女と孫2人が参列。今日の葬儀には黒兵衛との散歩のあと女房と長女と孫とで参列させていただいた。長くお世話になったお婆さんで東京住まいの長男の方やアメリカ住まいの長女の方も帰国して葬儀を行われる。長く生きてるといろんな出来事に遭遇するのは当然ですがコロナ禍のあとの日常が戻ってキチンと葬儀で送ることができたのは良かったですね。葬儀のあと久しぶりに『センプリーチェ』に寄って家族4人でイタメシの昼食のあと帰宅。日常が戻ってきたら自分の歳を感じるようになたのは残念ですうなぁ。

10月13日(金)
『ギリシア人の物語V』読み進む。小アジアで進軍を続けるアレクサンドロスはゴルディオンという都市で「ゴルディオンの結び目」という現在でもヨーロッパの子供なら誰でも知ってる一種のナゾナゾに出逢う。一人用戦車と馬を繋いだ革紐が何重にもぐるぐる巻きになっていて誰にも解けない。そこでゴルディンの長老たちがこの結び目を解いた者だけがオリエントの支配者になれるという言い伝えを伝える。するとしばらく結び目を見つめていたアレクサンドロスは剣を一気に振り下ろしてその結び目を切ってしまう。要は「コロンブスの卵」と同じですね。剣を用いるか卵を割るかがアレクサンドロスとコロンブスの違いですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。スフィンクスがオイディプスに問うた謎かけやトゥーランドット姫の謎かけのように謎は英雄が誕生するために解かれて終わるのですね。その英雄の「解」は暴力的だったりルール違反に思えるものだったり簡単なものだったり…。クイズがオモシロイのは英雄を生むからで英雄を生まないクイズはただ知識の量を較べてるだけだからツマラナイのですね。ワン。終日デスクワーク。『ニューズ・オプエド』はフランス&メキシコ&日本を結ぶ初の地球上三元中継に成功。生島淳さんと小崎仁久さんによる日本ラグビーも未来はラグビー協会の運営手腕にかかっているという結論は正鵠を射てましたね。今も見ることができますのでよろしく。https://op-ed.jp/

10月12日(木)
『ギリシア人の物語V』に書かれているアレクサンドロスの「東征」(ペルシアへの侵攻)は流石に興味深い。兵力3万5千はペルシアの10万単位の兵力移動に較べてチッポケで「愛すべき向こう見ずの20歳の若者」をペルシア王ダリウスは対応を地方の部下に任せたがアレキサンドロス軍の中味がオモシロイ。兵士の他に記録係・通訳・建築等の技術者・医師の部隊…それに地理・歴史・動植物等の専門家や哲学者(アリストテレスの甥のカリステネス)なども帯同させているのだ。そして黒海の南のマルマラ海の狭い海峡を渡ってアジアに入ったアレキサンドロスは愛読していたホメロスの『イーリアス』に書かれていたトロイの木馬で有名な古戦場の《観光》にも向かっているのだ。このような「教養」がその後の連戦連勝にどのようにつながったのは(まだ)わからないが酷い戦争の始まったパレスチナの地で戦いを開始した人々はそこがパレスチナという「肥沃な三日月地帯」と呼ばれた土地であることを知っているのだろうか?今「イスラエル交響楽団」と呼ばれてる音楽団体もかつては「パレスチナ交響楽団」と名乗っていたのですからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。老犬は元気そうに見えても相当視力が衰えたようですな。そう言えば「ブッシュの戦争」と言われたイラク戦争に派遣されたイギリス兵はチグリス・ユーフラテスの大河を見て人類文明発祥の地に思いを馳せたというレポートがあったと記憶している。アメリカ兵は無反応だったらしい。それがアメリカの戦争の結果(大量破壊兵器の発見もなくイラクの占領統治に失敗したこと)と関係があるのかな?ワン。終日デスクワーク。昨日のBS-TBS『報道730』での堤伸輔氏の「エルサレムでオリンピック」という発言を春日良一さんに伝えると「パレスチナとイスラエルのスポーツ交流はオリンピックの究極の目標」だとか。明日の『オプエド』はフランス(ラグビーW杯)から生島淳さん。メキシコ(ビーチバレー世界選手権)から小崎仁久さん。ワールドワイドですなぁ(笑)。晩飯はオリバー・スト-ン監督の『アレキサンダー』を見ながら。180分の超大作の3分の1を見る。塩野七生さんの『ギリシア人の物語V』を読んでるからメッチャよくわかる。オモシロイ!しかし戦争ばかりしている人間の「性」というか「業」というか…今こそオリンピックの出番かもしれない…!?

10月11日(水)
『ギリシア人の物語V』読み進む。アレクサンドロスはペルシア(アジア)への遠征を始める。その父フィリッポス国王に関する見逃せない記述があった。マケドニアというギリシアから田舎扱いされていた国の王はオリンピアの競技会に招かれ戦車競争で優勝して「ギリシア化」を達成するがさらに四大競技会の一つであるデルフォイでのアポロンに捧げる競技会の主宰者にも選ばれる。これでマケドニアの「ギリシア化」は完璧に完成と思われたがマケドニアに叛旗を翻したアテネとスパルタがこのフィリッポス主催の競技会をボイコットする。《ギリシアの休戦協定を含む競技会が政治上の理由でボイコットされた最初の例になった》という。《民主制を創り出せば衆愚政も創り出す。市民全員の投票を実現すれば不正投票も実現してしまう。オリンピックを発明すればボイコットも発明してくれる。(略)われわれは良いことも悪いこともその多くを古代に生きたギリシア人に負っているのである》ナルホド。「正」も「反」も創り出したのに「合」は創り出せなかったのかな?ワン?ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはスポーツの秋。ラグビーW杯でアルゼンチンに勝てなかったこと(高齢化が原因?)や体操世界選手権橋本選手の活躍やマラソンで2時間を切る直前の世界最高記録2時間35秒が出たことや札幌市が冬季五輪招致を断念したこと(経済や地元の活性化ばかり言ってスポーツやオリンピックの理念を話さないのだから当然ですよね)やロス五輪で野球が復活すること(同時にクリケットがえら張られたのはヨーロッパへの配慮?)…などなど「スポーツの秋」で話題満載。やっぱりスポーツは夏ではなく秋ですね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。いろいろデスクワークするなかで共同通信から札幌冬季五輪30年開催辞退の感想を聞かれる。経済や地元のことばかり話してスポーツの価値やオリンピックの本義を語らない札幌市長にオリンピックを開催する資格はないといったことを答える。金曜の『オプエド』ゲストはフランスでラグビーW杯取材中の生島淳さんとメキシコでビーチバレー取材中の小崎仁久さんの決定。ワールドワイドですね(笑)。晩飯食いながらTBS-BSでハマスとイスラエルに関する報道を見ているとコメンテイターの堤伸輔氏が「いつの日かエルサレムでオリンピックが開かれるようになれば…」といったことを口にされた。それこそ真のオリンピックのはずですが…。

10月10日(火)
今日が本当のスポーツの日ですね。『ギリシア人の物語V』読み進む。ギリシア全土を掌握したフィリッポス国王が46歳で暗殺されて20歳になったばかりのアレキサンドロスが王座に就く。父と子は相当に不仲でアレクサンドロスも暗殺犯に疑われたらしいが事実は恋人の奪い合いから生じた逆恨みという国王暗殺にしてはツマラナイ理由で行われた凶行だったらしい。《殺意には客観的な基準は存在しないのである》という著者の指摘は最近起こった寺の住職練炭殺人事件にも当てはまりそうですね。早速アジア(ペルシア)征服の旅に出ようとするアレクサンドロスに対して師匠のアリストテレスは「数年にしろ先に延ばすのも悪い選択ではない」と忠告する。「その間に経験も積めるし慎重に対処する利点も学ぶであろう」それに対して若きアレクサンドロスは「おっしゃるとおりでしょう。しかし若いからこそ充分にある瞬時に対応する能力は衰えてきます」20歳にして「衰え」という未来を思い浮かべる音のできたアレクサンドロスはヤッパリ只者じゃないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。あっという間にスッカリ秋。もうすぐ「冬よりも夏がマシじゃと皆が言い」という季節になるのですね。アフガンでは激しい地震。伊豆諸島近辺では原因不明の津波。しかしそれらは天災。ハマスとイスラエルの戦争は人災。ウクライナ戦争もアルメニア&アゼルバイジャンによるナゴルノ=カラバフ紛争ももちろん人災。人災(戦争)の絶え間のないことは現代も古代ギリシアも変わらないですね。オリンピアの祭典は戦争阻止の力を持てないのでしょうか?2030年の冬季オリンピック招致を札幌市は諦めたようですが東京五輪の汚職事件だけでなく地域振興や経済効果ばかりを語りスポーツによる世界平和を語らないような都市や国はそもそもオリンピックを開催する資格があるとは思えませんね。そういう批判を小生がインタヴュアーとなって春日良一氏に語っていただいた記事が『JBプレス』というネットメディアに掲載されました。御一読ください。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/77331
晩飯はウィーン国立歌劇場によるヴェルディ『ドン・カルロ』を見ながら。歌劇場の入り口も通路も客席も使ったコンヴィチュニーの現代演出はメッチャ面白いですね。

10月9日(月)
スポーツの日。最初文科省やスポーツ省の官僚が提示したスポーツの日の定義は「スポーツと親しみ…」という文言でしたがそれをスポーツ議員連盟やスポーツ協会などに提示されたときの会議で「スポーツを楽しみ…」に変えましょうと提案したのはオブザーバーとして参加していた小生でした。その提案が受け入れられてスポーツの日の定義になったのですが(当然ですよね。スポーツと親しみ…なんて意味不明ですよね)この一件は小生の数少ない日本のスポーツへの貢献の一つとして自負しています。エッヘン。『ギリシア人の物語V』読み続ける。マケドニアのフィリッポス国王は後に「大王」と呼ばれるようになる息子アレキサンドロスに対して《奥さんには野蛮だ下品だと軽蔑されながらも息子の教育に適切な配慮で臨んでいた》という。《体育面はスパルタ式に教養となればアテネ式を採用。そのやり方で一貫していた》らしい。ナルホド。この両立は今でもナカナカ難しいですからね。アレキサンドロスの家庭教師がアリストテレスというレベルの高さもスゴイですよね。ワン。土砂降りの雨のなか長女と孫と3人で黒兵衛の散歩。雲古をすると慌てて引き返す。濡れること以上に風邪が心配になる季節になりましたね。ワン。3連休3日目らしいけど1964年の東京オリンピックの開会式の日を記念して10月10日と定められたスポーツの日(旧・体育の日)を移動祝日(ハッピーマンデー)にしたのはオリンピックやスポーツ文化に対する無知と敬意の無さをさらけ出してスポーツを馬鹿にしている最低の処置ですね。1964年10月10日のアノ素晴らしかった最高の青空を思い出してこそ価値ある祝日のはずですからね。何故か急に腰が痛くなって少々身体を休ませるがビール&ワイン呑みながら晩飯食って吉本新喜劇観てると治った。酒と笑いは百薬の長。万病に効くのかな?

10月8日(日)
『ギリシア人の物語V』はついにマケドニア国王の座にフィリッポスが就く。軍隊の大改革や領土の拡大などアレクサンドロス登場前の下地作りに手腕を発揮。そのうえオリンピア競技会の戦車競走でマケドニアの選手が優勝。《フィリッポス自身は馬と戦車を提供しただけでそれを御して勝ったのは別のマケドニア人だがオリンピアの四頭立て戦車競走では御者だけでなく馬と戦車の提供者も表彰される。現代の競走車レースでドライバーと共にフェラーリやメルセデスが優勝杯を手にするのに似ている》おまけにマケドニアは300年もの間オリンピア競技会に《招かれることがなく参加が認められるようになってからも120年が過ぎている。その間マケドニア人の頭上に月桂冠が輝いたことはなかった》それだけに辺境の地マケドニアの人々はフィリッポス国王を中心に気分も高揚し結束も強まったというわけだ。現代行われている近代五輪ではこれほどの「国家の盛りあがり」はないだろう。ワン。ベッドを出て孫と一緒に寒さを感じる空気のなか黒兵衛の散歩。季節の進むのは早いですね。ワン。散歩のあと孫と一緒に映画鑑賞は滝田洋二郎監督『僕らはみんな生きている』。「Japan as No.1」と言われた時代。発展途上の軍事独裁国家の予算で建設事業を奪い合う競争をしていた日本の商社マンたちが革命軍クーデターに遭遇。生死の谷間を右往左往しながら自分たちの非人間的だった人生に目覚めるという見事なブラックコメディ。革命軍に捕まったベテラン商社マンを助けに向かう3人の商社マンのなかで真田広之が革命軍の隊長に向かって行う最後の演説がナカナカ見事。ほかに山崎努・岸部一徳らも名演技でかつての日本のモーレツ商社マンたちの仕事一途の真情あふるる悲哀を演じている。中1の孫もこのブラックユーモアは理解できたようだ。1993年製作の映画。日本経済の没落の早かったことも感じますね。午後はサッカー天皇杯準決勝。J2ロアッソ熊本は残念ながら柏レイソルに敗退。決勝はアビスパ福岡に勝った川崎フロンターレと。夜はラグビーW杯アルゼンチン戦。良く善戦したけれど実力の差が出たかな。残念。冬季五輪のウクライナ開催を主張している五輪アナリストの春日良一さんが札幌市の冬季五輪の「意味のない招致」からの「意味のない撤退」を表明したことに憤ってます。小生もその意見を支持。スポーツ文化&五輪文化のことをまったく無視した行動はまるでバブル期の商社マンのように経済オンリーでオリンピックを招こうとして断念した日本人は映画『僕らはみんな生きている』と春日さんのYutubeを見るべきですね。https://youtu.be/FOsGNmIiN6Y

10月7日(土)
『ギリシア人の物語V』読み進む。著者の先行作品に『ローマ人の物語』があるため所々に「ローマ」が顔を出す。《ギリシア人が創り出した「デモクラツィア(民主政)」と「オリガルキア(寡頭政)」に対し貴族と平民の間で抗争が絶えなかったローマは「レス・プブリカ(共和政)」と名付けた新しい新しい概念を創り出した。「パブリック」を考えれば「対立」よりも「融合」でいくべきだと》ナルホド。《「師の業績は弟子しだい」と私は思っているがローマはギリシアの弟子になったのだ。師をことによっては反面教師にするのも優秀な弟子である証しなのだから》日本は民主政をアメリカから学んだかもしれないがも共和政は学ばなかったようですね。いやジャニーズ事務所の記者会見や首相の記者会見を見ていると日本人は民主政(デモクラシー)も共和政(リパブリック)も学んでない(身に付いてない)ように見えますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋風が吹き始めるとTシャツ&短パンでの散歩は少々寒いですね。いや歩いている時は良いけれど散歩が終わってシャワーを浴びたあとはトレーナーはまだ早いけどGパン出ないと風邪をひきそうですね。ワン。少々デスクワーク&雑務処理で夕方から鹿児島国体の開会式のTV中継を見る。小旗を振ったり足並みを揃えなくても軍隊式分列行進の臭いが消えない各県の入場行進。オリンピック(平和の行進)よりもスパルタキアード(軍隊行進)に近いかな?来年からは国民スポーツ大会と名称を変えるけど日本人はスポーツの「意味」と「実践の仕方」も学びきってない(理解できてない)のかも…。そこへ3連休で孫が遊びに来たので一緒に映画を見る。ティム・バートン監督の『マーズ・アタック(火星人襲来)』。ジャック・ニコルソン&ナタリー・ポートマン&ロッド・スタイガ−&トム・ジョーンズ…らの豪華キャストによるハチャメチャ・ギャグ満載スラップスティックSFは中1の孫には少々難解だったかな?バレーボール見たりアジア大会見たりしながら晩飯のあとサッカーアジア大会決勝日韓戦。急増若手チームが勝てば兵役免除の恩恵付きほぼA代表に負けるのは仕方ないかな。もう少し頑張れれば良かったけど…そのあとブレイキン(ブレイク・ダンス)の男女決勝を見る。このダンスがフレッド・アステア&ジーン・ケリー→マイケル・ジャクソンからどうつながってるのか?つながってないのか?誰か説明してほしいな。。

10月6日(金)
『ギリシア人の物語V』読み続ける。アテネ・スパルタ・テーベなどの先進都市国家が相継いで自滅没落してマケドニアが勢力を伸ばす。《ギリシアのポリス(都市国家)にしてみれば王政を続けるマケドニアは野蛮な国であった。政治的・軍事的・経済的のすべてで長年に渡って後進国と見られてきたのだ》その立場はやがて逆転する。コレはいつの時代にも(現代にも)当てはまる歴史的必然なのか?もう少し読み進めて考えねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋空に一瞬の風の心地よさ。少し待てばスポーツに相応しい季節になるのに運動会を早めて熱中症児童を出したりするのは夏にオリンピックを開催する悪影響か?蝉の声が消えたのに蜻蛉が少ないのは寂しいなぁ。ワン。『オプエド』の準備をしていると隣家のフランス人夫妻の娘さん夫婦が生まれて7か月の子供を連れて里帰りの挨拶に来てくれた。ウチの娘たちの友達もモウすっかりお母さんですね。旦那はノルウェー人のイケメン。我が家の周囲は結構インテルナチオナルですなぁ。お土産にノルウェー産のリキュールをいただく。very good!今日の『オプエド』のゲストはフランスのW杯取材から一時帰国しているラグビー・ジャーナリストの村上晃一さんと先週中国杭州からアジア大会をレポートしてくれた小崎仁久さんが今週はビーチバレーの取材でメキシコから。こちらもinternationalですなぁ。番組の冒頭でスタジオ・アナの舟橋明慧さんが丸の内にあるラグビー神社の写真を撮ってきてくれた話をすると京都在住の村上さんがすかさずソレは下鴨神社にあるラグビー神社から宮司さんが来てキチンと分祀した由緒ある神社であることを説明。下鴨のラグビー神社は昔慶応大学が三高(現京大教養部)に関西初のラグビーを伝えた地にあるコレまた由緒ある神社で村上さんなどもその設立に関わり前回の日本開催のラグビーW杯では世界のラグビー関係者が参拝したとか。そこまでキチンとした神社とはしらなんだ。その他アルゼンチン戦との予想や優勝予想など。最近ラグビー関係の本を出した小崎さんも加わってメッチャ面白く楽しいラグビーの話題を1時間。日本がアルゼンチンに勝つ確率は19%くらいだそうです。『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩飯&酒。そしてアジア大会女子サッカーvs北朝鮮。日本の見事な先制点&後半のゴールラッシュ。「なでしこ」を名乗れない急造チームなのに日本にとっての素晴らしい試合でした。『オプエド』のラグビー面白話は今も聞けますhttps://op-ed.jp/

10月5日(木)
塩野七生『ギリシア人の物語』は最終巻の『V新しき力』に突入。いよいよマケドニアからアレキサンドロス大王が現れてギリシア世界を一変させるのだろうがその前にアテネとスパルタという古代ギリシアで覇権(ヘゲモニア)を競った2大都市国家が自らの重なる失敗で力をなくしてゆく様子が詳細に描かれる。哲人ソクラテスが若者たち(アルキビアテスやクリティアス)を誑(たぶら)かした罪で有罪として毒杯を呑ませたのもアテネの混乱した姿ならギリシア随一の海軍力を支えた兵士たちがペルシアの傭兵となってギリシアを去り(外国でカネを稼ぎ)エウリピデスやアガトンやクセノフォンといった文化人もアテネを出て行った。何やら最近の我が国の姿を見るようだが…一方で軍事国家として経済政策が上手くいかなかったスパルタも自滅する。これは現代中国の姿…かな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。短パンがGパンに変わりスッカリ秋。やっぱりスポーツの季節は秋ですね。オリンピックも高校野球も夏にやるものじゃないですな。ワン。ジャニーズ事務所の記者会見の「NG記者リスト」がテレビでも話題に。問題の根本に「1社1人一問一答」という「主宰者の強権的自分勝手なルール」があることを指摘する人が少ないうえにいつの間にか首相や官房長官の記者会見もその馬鹿げたルールに支配されるようになったことを指摘する人はいない?要するに日本のメディアにはジャーナリズムもジャーナリストも存在しなくなったということか?これでは報道の自由度ランキングが世界で下から数えた方が早い位置まで落ちるのも当然ですね。テレビで唯一「芸能ジャーナリズム」でないジャーナリズム番組の土曜のTBS『報道特集』ははこの問題をどう取りあげるのかな?晩飯はアジア大会を見ながら。バスケ女子は頑張りましたね。平均身長が10p低いとは思えませんでした。TBSはアジア大会を「アジアのオリンピック」とPRしているけど文化プログラムも休戦協定もなくアラブはイスラエルを追い出し中国とインドは対立し北朝鮮のサッカーのやり方や報道の仕方を見ているとすべて「五輪憲章違反」でとても「アジアのオリンピック」とは呼べないですよね。

10月4日(水)
塩野七生『ギリシア人の物語U民主政の成熟と崩壊』(新潮社)読了。アテネはペルシア戦争に大勝し《繁栄の道が開かれた年からは75年後。その繁栄を維持するだけでなくさらに強大化するのに成功したペリクレスの死から数えればわずか25年後》にペロポネソス戦役に敗れて全てを失って没落する。かつて"○○ as No.1"と言われた国が外人観光客のインバウンドや先行き見通しの立たない万博やIRに頼らねばならなくなるほど没落したのも25年くらいのものでしたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。そう言えば昨日『日刊ゲンダイ』の記者から小生がインタヴューを受けた記事「ただ強いだけのタイガースなんてオモロない」がネットの『日刊ゲンダイDIGITAL』にも掲載されたと連絡があった。皆さん!かつてのタイガース・ファンの"嘆き"を読んでみてください。ワン。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/329789
イロイロ仕事して晩飯はアジア大会サッカー日本vs香港を見ながら。4-0の勝利。オーバーエイジの選手も使ってる韓国との決勝の試合がミモノですね。月曜日のジャニーズ事務所の記者会見で「質問させない記者」のブラックリストのようなものが作られていたことが発覚。それには「積極的に質問させる記者」もリストアップされていたとか。そもそも「一社一人一質問のみ」なんて記者会見とは思えないルールを押し付けられてジャーナリストたちがそれを抗議もせずに受け入れている方がオカシイですよね。首相会見も今や記者会見とは言えない「一問一答」に成り下がってしまった。記者会見はモノローグを聴く場ではなくダイアローグを交わす場のはず。かつて佐藤栄作首相が気に入らない新聞記者を追い出してテレビ相手にモノローグを行ったことがあったけどその時は「質問させないなら出て行こう!」と新聞記者全員が自ら退場したものだった。そんなジャーナリストの気概は今やなくなったのか?

10月3日(火)
『ギリシア人の物語U』の長引く泥沼のペロポネソス戦役の記述で興味深い表現があった。基本的には宣戦布告なきアテネ(デロス同盟)vsスパルタ(ペロポネソス同盟)の戦いなのだが戦戦が広がってアテネがイタリア半島の南にあるシラクサ(シチリア)を攻めるようになった時にスパルタはコリントに対アテネ戦戦への参加を求める。シラクサはペロポネソス同盟に参加していないが元々シラクサを植民した都市国家であると同時にスパルタと同じ「ドーリア系ギリシア人」でアテネの「イオニア系ギリシア人」とは異なるから「ドーリア民族」として「イオニア民族」との戦いに参加せよというのだ《民族の別を持ち出してくるのもまた戦争が長期化した場合に生ずる一つの特徴である。戦争が長期化すると起こる悪弊のもう一つは宗教を持ちだしてくることだが多神教の世界であった古代ではそれは起こらなかった。ドーリア系であれイオニア系であれゼウス以下の神々を信仰していることでは変わりなかったからである》しかし現代の長期化したウクライナ戦争ではウクライナ系スラブ人はウクライナ正教会を信仰しロシア系スラブ人はロシア正教を信仰し一方は民族と宗教の違いを強調し他方は民族と宗教の同一性を主張している。覇権主義(帝国主義)は差異よりも同一性を強調するものなのですね。それをfascismoと言うのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。流石に神無月も3日になると涼しくなる。散歩のあとのシャワーも温水でなければ風邪をひきそう。ワン。終日ナンヤラカンヤラ雑務。締め切りがなくてもデスクワークの雑用がイロイロあるのはちょっとウンザリですね。晩飯はアジア大会を見ながら。テレビ局はオリンピックと同じように数多くの競技が…と強調しアジア大会の価値を高めようとしているけどよーワカラン。負けても笑顔で平気に敗因を分析する選手もいてそれもオモシロイかな。必死さを強調しないスポーツとして…。マスメディアは不満だろうけど…。

10月2日(月)つづき
重要なことの書き忘れ。ジャニーズ事務所の2度目の記者会見を見た。内容はともかく「各社1問だけ」などという縛りを主催者側が主張するのはオカシイ!首相記者会見もそうしているが「各社1問」などというダイアローグ(対話)を拒否する会見など記者会見と呼べないはず。そのような縛りを設定する権利など会見の主宰者にはないはずでこの言論の自由を封殺するような会見の一般化はジャーナリストたちは断固阻止するべきですね。

10月2日(月)
『ギリシア人の物語』は泥沼のペロポネソス戦争が延々と続く。優秀な指導者を欠くアテネはマンティネアの会戦でまったく馬鹿馬鹿しい作戦の失敗からスパルタ中心のペロポネソス連合軍に大敗。その失敗を取り返そうとして保守派の指導者ニキアス(53歳)はデロス島にあるアポロン神殿への参拝ツアーに市民を招待。豪華壮麗な儀式で市民のショックを慰めようとするが効果なし。一方改革派の指導者アルキピアデス(33歳)はオリンピア競技大会で最も人気のある四頭立て馬車による戦車競走に7組もの戦車チームを引き連れて参加。表彰台を独占する大活躍でアテネ市民を熱狂させて喜びの渦に巻き込んだ。とはいえ《オリンピアの競技会で表彰台を独占しそれによって沸きあがった熱狂もアテネが直面している状況が打開されるとは誰も思っていなかった》。「スポーツ・ウォッシング」とは昔も今もこの程度のものなのでしょうね。今年の夏の甲子園で慶応高校が優勝したからといっても「高校野球の問題点」は何も改善されてませんからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ようやく秋の空気が肌に快く感じる季節になった。ワン。いろいろデスクワークをしているところ『日刊ゲンダイ』のI記者から先日行ってくれたインタヴューの掲載紙が(9月28日発行)が送られてくる。タイガースの優勝を「ただ強いだけのタイガースなんてオモロない」とのタイトルで完全試合続行中の村上投手の降板やまるで維新(第2自民党)のようになったタイガースを批判。ただ単に単なるタイガース批判だけでなくメディア主導で将来の展望のない日本の野球界をも批判。「責任者出てこーい!」という人生幸朗師匠のギャグは今や通じないかな?晩飯はアジア大会を見ながら。途中TVKの吉本新喜劇へ。スチコさんと千葉ちゃんが出るとオモシロイ。一度台本を見てみたいですね。何%くらいがアドリブなのかな?台本がなかったりして(笑)。日本の女子ソフトボールは中国を破って優勝してアジア大会6連覇。アジア大会はNHKが9時のニューズで取りあげない程度の出来事なんですね?

10月1日(日)
『ギリシア人の物語』読み進む。宣戦布告なき古代のペロポネソス戦争が現代のウクライナ戦争にそっくりと言うよりも戦争とはどれもこれも似たような展開になるものなのかもしれない。そして有能な指導者がいる時は停戦から休戦→終戦→不可侵条約→平和条約へと進むモノですが有能な指導者がいない時は戦争はずるずるとウンザリするほど長引くのですね。著者の塩野七生さんの創った古代ギリシアの政治家の採点表の項目がオモシロかった。ペリクレス&クレオン&ニキアス&アルキピアデスを各項目100点満点で採点しているのだがソノ項目というのが「知性」「説得力」「肉体の持久力」「自己制御能力」「持続する意志」「運」そして「容姿」というもの。《真・善・美を言い出した民族なのでギリシア人にとっての容姿の美は神々の授けてくれた贈物なのである。つまり神々から愛されている証拠なのである》という理屈は古代ギリシア人だけに当てはまる理屈だろうが現代の政治家にもある程度プラス評価になると言えるだろう。この7項目の採点表で誰か日本の現代の政治家も採点してほしいものですね。ちなみに古代ギリシアの政治家の著者による採点のトップは言わずと知れたペリクレスの580点でした。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらず残暑厳しい秋(これを書いてる月曜日はかなり涼しくなりましたけどね)ワン。何日か前にNHKでマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』をやっていたのを思い出しDVDを持っていたので少し見直してみる。カトリック系の中高に通っていたせいもあるのか中2で読んで激しく感動した遠藤周作の原作だったが映画はイマイチ。映画の出来が悪いわけではない。想像力に訴える素晴らしい小説は映像化が困難なのですね。やっぱり。晩飯はアジア大会を見ながら。女子卓球は頑張りましたね。男子サッカーは北朝鮮のラフプレイ相手に勝って良かったけどアノ国は困ったモノですね。スポーツを通じて改善…はできないモノでしょうかねえ。

9月30日(土)
ウクライナ戦争にそっくりなペロポネソス戦争の展開を『ギリシア人の物語』で読み進む。辺境から起こったイザコザがやがて大国同士のぶつかり合いに…それを阻止しようとしたアテネ(ペリクレス)とスパルタ(アルキダモス)とペルシア(アルタクセルクセス)の指導者が次々と死亡。アテネは《50年かけて築き上げた民主政を25年で台無しにしてしまう》ことになり衆愚政の世の中になる。《今日に至るまで人間は指導者を必要としない政体を発明していない。民主政でも衆愚政でもリーダーは存在する。ただし性質は違う。民主政=デモクラツィアdemokratiaのリーダー=民衆(デモス)に自信を持たせることができる人/衆愚政=デマゴジアdemagogiaのリーダー=民衆が心の奥底にもている漠とした将来への不安を煽るのが実に巧みな人。前者はプラス面に光を当てながらリードしてゆくタイプだが後者はマイナス面を暴き出して不安を煽るタイプのリーダーになる。今日では政治家に限らずデモの指導者もマスコミもウェブも自覚していようがいまいがには関係なく立派にデマゴーグ(扇動者)にになりうる》ウクライナ戦争から台湾有事へ…「不安を煽る」方が民衆(デモス)は導かれやすいようですね。デマゴーグとデモクラツィアのリーダーを見分けなければ…とは思うものの後者(民衆に自信を持たせる指導者)は現在の日本に存在するのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと近所の小学校の運動会へ。コロナ明けで父兄や見物人も校庭へ入ることができる運動会は3年ぶりかな?しかし今も午前中だけの短縮ヴァージョンで徒競走とダンスだけ。結構面白い(アジア大会以上に!)けど玉入れも綱引きも組み体操も騎馬戦も棒倒しもナシは寂しい。しかもBGMに「トリッチ・トラッチ・ポルカ」も「道化師のギャロップ」も「天国と地獄」もなくJ-POP(?)もどきばかり。まぁ仕方ないのかな?近所の小学校は我が家から見れば谷底にあって鎌倉名物谷戸のかなりの坂道を上り下りしなければならない。久し振りの激しい坂道に汗だく。まぁ運動になってイイか。たっぷり昼寝のあとホームページの更新原稿作り。晩飯はアジア大会を見ながら。テレビ中継は盛りあげに必死だが視聴率(注目度)はどのくらいあるのかな?卓球女子ダブルスは中国の世界一ペアに素晴らしい試合でしたね。張本の負傷は不運でしたね。VTRに収録しておいた「ブラタモリ」で利尻島を見てからベッドへ。

9月29日(金)つづき
早朝にサモアとの試合をテレビで見たあと再びベッドへ。少し寝て『ギリシア人の物語』読み耽る。第二次ペルシア戦争が終わったあとのペロポネソス戦役は現在のウクライナ戦争によく似てますね。大国のアテネとスパルタ(アメリカとNATOとロシア)は正面切って戦わず周辺諸国(コリントやテーベやプラタイア=ウクライナやアゼルバイジャンやアルメニア)を援助する(戦わす?)。《辺境で起こった事変は中央に向かってくるという例の一つかっもしれない》おまけに漁夫の利を掠おうとする国も現れる(ペルシア=中国?)。そして《戦争が「悪」となる理由の一つである長期戦という弊害を避けることもできた》はずなのにダラダラと続いて…さてどーなるか読み進めよう。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ぶり返す残暑ほど不愉快なものはないですね。ワン。本HPの原稿作りをイロイロやって夕方からは『ニューズ・オプエド』リモートMC参加。ゲストのスポーツライター小崎仁久さんは中国杭州のアジア大会メディアセンターから参加。アジア大会は中国でもあまり注目されていないことや国慶節でそれどころではないこと。中国のメディアはスポーツをメダルの対象としてしか報道していないことなどを的確に伝えてくれる。もう一人のゲストである小林信也さんはプロ野球二軍のチームが来年から2チーム増えることを何の未来展望もない弥縫策と切って捨ててアジア大会やラグビーW杯やバレーW杯の報道が全て番宣でしかないことを批判。まったくその通りですね。さらに小崎さんはイスラエルを追い出すアラブ諸国のアジア大会やインドとの国境争いを露骨に表沙汰にした中国のアジア大会など政治色丸出しのアジア大会批判。今も見聴きできますからどうぞ。https://op-ed.jp/ オプエドを終えて『チコちゃん』見ながら晩飯。アジア大会水泳や陸上を見ながら酒。あ。昨晩NHKの『魔改造の夜』は抜群に面白かったことを書き忘れました。猫のおもちゃが改造されてパラシュートで空飛んで走りまくる…アジア大会よりよほどオモシロイ番組ですね。

9月29日(金)
予定をやや遅れて目が覚めたのでラグビーW杯は前半20分からテレビの前へ。日本が既に1トライ&ゴールでリード。後半最後にサモアに追い上げられるが逃げ切って勝利。サモアの少々雑な攻撃に助けられた感もあるけど確かに日本のラグビーは強くなりましたね。しかし今日の戦い方では次のアルゼンチン戦がかなり心配ですね。

9月28日(木)
『ギリシア人の物語』はとにかく戦争の連続。著者が《戦争をこうも重要視するのはそれを叙述すること自体に興味があるからではない。誰がいつどのように始めそれがどう展開していったかによって当事者に限らずそれ以外の人々の運命さえも変わってくるという人間世界の現象に関心を刺激されるからである》ナルホド。しかしギリシア人は戦争の連続で《四年に一度のオリンピック休戦は相も変わらずギリシア人にはっ必要であった》オリンピック休戦すら守らない現代人の戦争のやり方の方が阿呆のようですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。彼岸までのはずの暑さがぶり返す。天気予報の正確でなかった時代はこのような異常気象をどう表していたのかな?彼岸過ぎの暑さ寒さを表す古語はないのかな?あ。異常気象そのものがなかったのか!ワン。月末が近づき請求書書きの雑務等いちばんキライな金銭に纏わるデスクワーク。昔は(物書きを始めた頃は)請求書なんぞ書いたことがなかった。それが最近はインボイスがどうのこうのとワケワカラン。フリーランサーの生き難い世の中は誰もが生き難い世の中だと思いますけどね。明日の朝はヤッパリちょいと早く起きたいので早く寝る。

9月27日(水)
『ギリシア人の物語U』でペリクレスがスパルナのペロポネソス同盟に対抗してビザンチオン(現在のイスタンブール)も含めてデロス同盟の結束を固めようとするなかで黒海からエーゲ海に抜ける《この海域は主食である小麦の黒海地方からの輸入路にも当たっていたのでアテネにとって重要きわまりない一帯であった》という記述があった。現在のウクライナ戦争での小麦の輸出問題とまったく同じ問題が2千5百年前にもあったかと思うと世の中は変わらないなぁと思うほかない。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは今週日曜のベルリンマラソン女子でエチオピアのアセファ選手が2時間11分53秒乗せ開催校記録を出したことを取りあげマラソンの新記録が何故エチオピアとケニアの選手に固まっているかという話をする。川島浩平氏の『人種とスポーツ 黒人は本当に「早く」「強い」のか』(中公新書)によるとエチオピアとケニアの国境地帯に住む民族には各集落の牛を盗んで夜を徹して走るという経済活動を500年以上続けてきた文化の影響があるという。ただしアフリカ大陸にはユーラシア大陸よりも多い数の民族の文化が存在しておりそもそも「黒人は…」という言い方には何の意味もないという。「黒人は足が速い」という言い方は「ユーラシア大陸の人はバレーボールが上手い」と言うのと同じ間違いなのだ。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。桜の葉が紅葉しないまま黄色い落ち葉となって積もってる。コレも温暖化の影響?ワン。終日デスクワーク。今週金曜のオプエドは杭州からアジア大会のレポートをスポーツライターの小崎仁久さんから送ってもらうのだがZOOMが上手く使えるか否かの実験に成功したとか。でも習近平共産党批判は駄目なんでしょうね(ーー;)そう言えば『ギリシア人の物語』にこんな文章があった。《強国になるのも難事だが強国であり続けるに至っては並大抵の努力では成し遂げられない。チャンピオンになるのとチャンピオンの座を維持し続けることの違いに似ている》具志堅用高さんがチャンピオン時代に同じことを言ってましたね。Red Chinaはどこまで強国の座を維持し続けるのか?日本は「Japan as No.1」などと言われすぐに転がり落ちましたね。嗚呼。

9月26日(火)
『ギリシア人の物語U』はアテネ民主政を頂点まで育てあげたペリクレスが実は当時の常識に照らして《とんでもない男》だったとの記述に及ぶ。彼は他国生まれの《ヘタイラ》を現代の女房のように扱い連れて歩いたらしい。「ヘタイラ」については我がオペラの師匠である永竹由幸氏の『椿姫とは誰か?』などを読んでいたからよくわかる。後世では「高級娼婦」とも呼ばれたヴィオレッタ・ヴァレリーのような女性のことで《歌い踊り楽器も奏で男たちの話し相手もできるくらいに教養ある女たちのことでそのうえ肉体的にも美しければ言うことない》というような女性のことらしい。ペリクレスはそのヘタイラのアスパシアを男たちの集まりに同席させて建設中のパルテノン神殿の工事現場にも同行させて設計者のフィディアスとも会話させたとか。彼女は《教養深くソクラテスを初めとする当時のアテネの知識人たちとも対等に話せる女性だった》らしいがペリクレスは子供も産ませたというから家に籠もって機を織る生活が普通の当時のギリシアの夫人とは異なりまさにヴィオレッタ(椿姫)を夫人扱いしていたのですね。ところがこの25歳年下のアスパシアはさほどの美人ではなくヴァチカンの美術館に残され散る胸像(の写真)を見るとナルホド《ポッチャリ型の女性》ですね。でも《古代の三大美男》の一人でありペリクレスにとってはいい女だったのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒尾兵衛と散歩。ちなみに「古代の三大美男」のあとの二人はペリクレスの後を継いだアテネのアルキビアデスとローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスだそうで各々《静謐の美・危険な美・冷徹(クール)な美を見事に表しており単なる美男は一人もいない》そうです。現代の美男は古代の美男に負けそうですね。ワン。終日デスクワーク。今週金曜の『オプエド』は中国杭州からのアジア大会現地レポートが決定。最近のテレビのスポーツ報道は自局の放送するスポーツだけを取りあげるので広がりがなくなりましたね。それが普通かな?オリンピックを全局で騒ぎ立てるのは日本だけだそうですからね。晩飯は高麗屋三代白鴎・幸四郎・染五郎の舞台から『勧進帳』。富樫は吉右衛門。最近見続けているベテラン陣の舞台に較べると流石に未熟さが際立ちますね。でもマァ良いのでしょう。これから成長してくれればネ。巨人は昨日に続いてベイスターズに0-1で負ける。マァ良いのでしょう。巨人ばかりが勝っていた過去のプロ野球の方が異常だったのですから。ワン。

9月25日(月)
『ギリシア人の物語U』読み進む。第二次ペルシア戦争が終わると早くもアテネ(デロス同盟)とスパルタ(ペロポネソス同盟)の間で戦争が…なるほど古代ギリシアでは4年に1度の「オリンピア休戦」が必要だったのですね。現代も同じはずだが「オリンピック休戦」を破ったロシアとそれを支持したベラルーシはパリ五輪には呼ばれないけどその後はどーなるのか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋たけなわの涼しさになってきた。もうすぐ「冬はまた夏がマシじゃと言いにけり」などと誰もが言い出すのだろう。日本人のいい加減な性格は四季から来ているのか?ワン。散歩のあとのシャワーは温水だけで冷水は使わなくなり風呂場を出たあとの扇風機も不要になった。秋の来ない夏はない。春の来ない冬はない。朝の明けない夜はない。日本人はずっとそーして生き存(ながら)ええてきたのですね。ワン。終日デスクワークの途中に午後から五輪アナリストの春日良一さんとJP PRESSのZOOM対談。と言うより小生がインタヴュアーとなって2030年のウクライナ冬季オリンピック開催と2036年のソウル夏季オリンピックが北朝鮮のピョンヤンとの南北共催になるかどうか…その意義と可能性を春日さんに訊く。1時間弱かけて話し合ったことを20分程度にまとめてくれてネット配信されるとか。オリンピックの商業主義もこういう未来に向けて進むと有意義な存在になるはずですよね。放送予定が決まればお知らせします。晩飯は『勧進帳』を見ながら。旧歌舞伎座さよなら公演から今日の配役は弁慶が吉右衛門。富樫が菊五郎。義経が梅玉。ベテランの芝居と舞も良いけれど勧進帳は若手でハラハラドキドキするくらいの方が良いのかな?バックには染五郎・松禄らの若手が並ぶが…常陸坊海尊が段四郎か…。ちょっと別の意味でドキドキしてしまった。今日はTVKがベイスターズvsジャイアンツで吉本新喜劇はお休み。ちょっと残念。同じ野球の試合はBS-TBSでもやってましたからね。結果はベイスターズが1-0の勝利。巨人は初の同一監督による2年連続Bクラス。まぁ過去の結果は巨人が「何故か?」勝ちすぎてただけのことですよね。

9月24日(日)
『ギリシア人の物語U民主政の成熟と崩壊』読み進む。《民主政と言いながら一人の政治の時代》を担ったペリクレスも《市民集会で演説する時は十分な準備をしたという。演説と言っても単なるスピーチではない。彼の考えた政策が都市国家アテネの国策になれるか否かはアテネ市民が決めるので市民集会はペリクレスにとって戦場といってよかった。作業はまず自宅で草稿をかくことろから始まる。次いでそれを時間をかけて手を入れることで完成稿にいてゆく。だが"ペーパー"を手に話そうものならそれだけで陶片追放にしかねないのがアテネ人だ。"ペーパー"を十分に読み込み完全に自分のものにしておく必要がある。そのたえには声に出しての練習も欠くわけにはいかなかっただろう》どこぞの国の総理大臣のように官僚の書いた原稿を棒読みするだけでは"追放"は確実なんで寸ね。でもどこぞ国では"追放"されない。悪いのは大臣?国民?それともメディアの記者?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。エアコンがないと汗まみれになった夜は消えて小さな掛け布団が必要になる涼しさで散歩も気持ちが良い。ワン。出数ワークは明日の春日良一氏とウクライナ五輪についての対談の準備や机の整理やら雑用やら…。夕方から大相撲。優勝決定戦が4人の力士で…と期待したら2人dけの決定戦になって大関が立ち会いの注文相撲でガッカリ。霧島は空気が読める力士かと思っていたが高安を負かしてしまった。気分直しというわけではないけど隣人のフランス人夫妻と一緒に『鮨処もり山』へ。美味しい肴と楽しい話の最後に土瓶蒸しが出てきた。松茸はヤッパリ美味しいですね。秋ですね。

9月23日(土)
朝の読書inベッドは塩野七生『ギリシア人の物語』は『U民主政にの成熟と崩壊』に突入。帯に「民主主義の罠 黄金時代を迎えたアテネ。その崩壊の足音を手繰り寄せたのは民主政に巣くうポピュリズムであった」とある。いよいよ現代日本史とドッキングする時代に入るのか?《ギリシア人とは四年に一度オリンピアで催される競技会という「休戦」が必要なほど戦争ばかりしてきた民族だった(略)今日でも各国で使われている「平和」を表す言葉の全てはローマ人の言語であったラテン語の「パクス(PAX)」を語源にしているが「続くからこそ平和」という概念はローマ人が創り出した概念であってギリシア人にはない。あらゆる理念・概念を創造したギリシア人だが「平和」という概念だけは創り出せなかったのだ。ギリシア人にとって戦争をしていない状態は束の間の休戦に過ぎなかった》現代の地球人は「オリンピック休戦」すらできない情けない民族ということか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったモノで彼岸が近づくと急に涼しくなった。諺は常に正しいのだ。正しくないと思った時は別の諺を探せ。正しい諺は必ず存在するのですよね。小生は読む本がなくなった時は小学館の『故事成語ことわざ大辞典』を読むのが大好きです。ワン。デスクワークは連合通信の連載「スポーツ博覧会」を書く。テーマはジャニーズ事件と日本のスポーツ界の共通点。日本のメディアが触れないこと。この内容をテレビ番組触れた時は隣に座っていた政治ジャーナリストの人物に「そんなことを話したら呼んでもらえなくなりますよ」とCM中に囁かれて事実その通りになった(>_<)まぁシャーナイですね。テレビとはそーゆーものですから(^_^)晩飯は久し振りに歌舞伎『勧進帳』を見ながら。旧歌舞伎座のさよなら公演から幸四郎(現白鴎)の弁慶・吉右衛門の富樫・染五郎(現幸四郎)の義経。芝居(会話)重視の引き締まった舞台はイイですね。

9月22日(金)
塩野七生『ギリシア人の物語T民主政のはじまり』(新潮社)読了。面白かったというか勉強になりますね。《歴史家は公平な立場に立って叙述すべきであり登場人物の好き嫌いなどはしてはならないと歴史学者は多い。だがまずもってそれでは人間の集積である歴史が生彩を欠くものになってしまう。ある歴史家は誰が好みで誰が嫌いだとわかるほうが書く側の立場を明確にすることになるから読む側にとっても役に立つと思うのだ》ナルホド。《持てる力全ての活用を重要視する精神がペルシア戦役を機にギリシア人の心に生まれギリシア文明が後のヨーロッパの母胎になっていく道程を経てヨーロッパ精神を形成する重要な一要素になったのではないだろうか》ウクライナ戦争が西方(ヨーロッパ)vs東方(ロシア)の戦いとするなら西方は「持てる力全てを活用」しなければならないはずだが…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暑さ寒さも彼岸まで…の兆候を少しは感じますね。ワン。終日デスクワーク。締め切り前の執筆はなかなかエンジンがフル回転しない。アイドリングに時間がかかる。ジャニーズ事務所尾「事件」で「タレントに罪はない」という言い方が正しいかどうかを考える。スポーツ組織で不祥事があった場合も「アスリートに罪はない」という意見を耳にする。はたしてそうだろうか?選挙権が18歳に引き下げられたことを考えると少なくとも18歳になれば自分の判断と意見は口にすべきで不祥事を知りながら口を噤むのは「罪」と言えるのではないかな?いろいろメモを取ってコラムの骨子を作る。三波春夫さんのTV番組(BS11/あなたに逢いたい〜初めて語られる昭和スターの素顔/11月15日放送)のスタジオ収録が終わったとのことで娘さんの三波美夕紀さんから美味しい海苔が贈られてくる。生前の三波春夫さんから頂戴した墨痕鮮やかな巻紙に書かれた手紙を披露して「長編歌謡浪曲」などについて「日本のオペラ」と持論を楽しく話させていただいただけなのに恐縮ですと感謝の返事を書かせていただく。大相撲はヤッパリなぁ…貴景勝が大関の貫禄で熱海富士を破りましたね。晩ご飯はクリント・イーストウッドとジーン・ハックマンとエド・ハリスが活躍する映画『目撃』を見ながら。女好きの大統領の大スキャンダル(殺人事件)を盗みに入ったコソ泥が発見して命を狙われるサスペンス。イーストウッドの後期の作品ほどの深味はないけどオモシロかったで。。 

9月21日(木)
塩野七生『ギリシア人の物語T』読み続ける。まるで現代史を読んでいる気分。《「自己制御」は「持続する意志」と表裏の関係をなす》《奇策とは繰り返せないから「奇策」なのである》《先見の明は誰にも恵まれる才能ではない。多くの人は今現在眼で見られ手で触れることにしか想像が及ばないものである》あるいはシーザー語録かシェイクスピアの一文か?そう言えば著者の「七生」という名前もスゴイ。「ななみ」といかにも女性らしい呼び方の名前だが「七生報国」にもつながる名前ですね。まさか戦前の大日本帝国政府の唱えた「七生報国」ではないでしょうが「報国(国に報いる)」の仕事をなさっていると思えます。「国に忠義を尽くす」のではなくね。あ。戦時中の生まれだけれど誕生日が7月7日であることから付けられた名前だとか。失礼しました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。風は秋。蒸し暑さは夏。この近辺(鎌倉)はモーレツな雷雨が一度だけあったけどそれで済んでいるのはラッキーなだけか?それとも地形的にゲリラ豪雨は発生しないのか?昔からある夕立と最近誕生したゲリラ豪雨はどう違うのか?名前の違いだけ?夕立よりもゲリラ豪雨のほうが規模が大きいならゲリラじゃないはずですよね?それとも最近のゲリラはパワーが増してるということ?ワン。終日デスクワーク。明日の『オプエド』はタケ小山さんたちのゴルフの時間に譲って来週月曜ビデオ収録JBプレスでの春日良一さんとの「ウクライナでオリンピックを!」の企画をメールで推し進める。あらゆる機会にこの企画は広めなければ!大相撲は熱海富士が大栄翔に土。明日の熱海富士vs貴景勝の一番がオモシロそうですね。晩飯はBS-TBSの『報道730』を見ながら。日本という国がカネだけで動いて文化を破壊している音がわかったけどソレを推進している人も出演させるべきですよね。高層ビルを推進している人は誰だ!?皆さん御存知ですよね?

9月20日(水)
『ギリシア人の物語』読み続ける。オモシロイ。第2次ペルシア戦争はいよいよ最終決戦「プラタイアの戦闘(バトル)」。国家の《パワーには持続力と瞬発力がある。広大なペルシア帝国の各地方から供出させた兵士がカネで働く傭兵しか知らないペルシア軍の総司令官は市民皆兵制を採るギリシアの都市国家の兵士の「パワー」を理解していなかったのではないかと思う》コレはまさにヴェトナム戦争時のアメリカが冒した「マクミランの誤謬」と同じですね。全てを計数化してデータから正しい判断を選択できると判断したマクミランは「ボディ・カウント(死体の数)の多少だけでアメリカはヴェトナムに勝ち続けていると判断したのでしたよね。いかにもハーバード大学トップ卒業のエリートが間違いそうな「誤謬」ですね。今GDPがどうの…失業率がどうの…円安がどうの…などと連日ニューズになっている数字もペルシア帝国クセルクセス大王やアメリカのマクミラン国務長官が「量(数字)で勝てる」と判断した「誤謬」と同じことかもしれませんね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはラグビーW杯でのイングランドの「ヘディングからのトライ」について。ヘディングはノックオンでなくキックと同じ扱いなのですね。ではバレーボールやバスケットボールのヘディングはどうなのか?野球でボールを持った野手がベースに頭(ヘディング)でベースタッチしたのは有効か?などイロイロ面白話を喋ったあと黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは昨日書いた北國新聞の原稿の校正やホームページ原稿の整理等ナンヤラカンヤラ。晩飯はバファローズvsマリーンズを見ながら。オリックスvsロッテと言わないとわかりにくいのが現在のパ・リーグの弱点ですね。バファローズの2死無走者からの一気の逆転劇は見事でしたね。バファローズは岡本太郎デザインのバファローのマークをいつになったら復活してくれるのかな?

9月19日(火)
朝の読書inベッドは『ギリシア人の物語T』に戻る。サラミスの海戦でテミストクレス率いるアテネの海軍を中心と知るギリシア都市国家連合がクセルクセスのペルシア軍を完膚なきまでにやっつける。まだ戦いは終わったわけでなくペルシアは越冬隊の大軍を北部ギリシアに残したが大海戦での完敗は相当の痛手でペルシアに協力してきたギリシア人や傭兵たちは浮き足だった。《市民皆兵のギリシアの都市国家にはそもそも傭兵という概念すらもなかった。だが専制君主制の国であるペルシアでは傭兵制度のほうが普通であったのだ。これもオチデント(西方)であるヨーロッパとオリエント(東方)であるペルシアの違いの一つなのである》ロシアもやっぱりオリエントの専制君主国のようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。蒸し暑いだけでなく陽射しも強いですね。秋はまだ遠い?ワン。デスクワークは北國新聞の連載「スポーツを考える」の執筆。春日良一さんの持論である「ウクライナで冬季五輪を!」を紹介。これは繰り返し紹介する価値ある主張ですね。マスメディアは取りあげないでしょうがココから新しいオリンピックが始まりココからスポーツの価値も見直されるはずですね。経済効果やメダル獲得数に騒いでるようではドーショーモナイですね。大相撲は1敗同士の激突で高安が負けた…嗚呼。熱海富士は空気の読めない力士ですなぁ。まぁシャーナイけど…最近は空気を読んだ一番もなくなりましたね。これは良いことなんでしょうか…どうかな…。

9月18日(月)つづき
養老孟司×茂木健一郎×東浩紀『日本の歪み』(講談社現代新書)読了。鼎談の中味は面白かったけど中江兆民の『三酔人経綸問答』を頭に浮かべてしまいましたね。もちろん中味は憶えてないのでタイトルから連想しただけですけど「日本は変わらない」けど近く必ず起こる「大震災」で「どう変わるか?」というのが結論では「酔人」の「問答」というほかないですね。もちろん団塊の世代のイデオロギーによる出来もしない革命論や変革論を耳タコで聞かされた団塊直後世代としては酔人問答を読む方がよっぽどオモシロイですけどね。ワン。ベッドを出ていつものように黒兵衛と散歩。養老孟司さんが「問答」のなかで「平和」という言葉を使わず「日常」と言われたのは流石だと思いましたね。でも兵隊の「日常」とは何なのかな?自衛隊の「日常」は?米兵の「日常」は?韓国兵や北朝鮮兵の「日常」は?中国人民解放軍の「日常」は?…と考えるうちに中国のパラリンピックのメダル獲得数が抜群に多いことを思い出した。国内の障害者スポーツ大会も盛んらしいけど兵士が多いのは何故かな?ワン。終日雑務。コンピュータや机の上や引き出しの整理をする。途中録画しておいた世界のドキュメンタリー『ケネディvsカストロ』を見たり(平和を望んでいた二人の証言やケネディ暗殺の一報がカストロに伝わったときに同席していたフランス人記者の証言など極めて興味深かった)オーストラリアvsフィジーのラグビーを見たり。ウェールズ相手に同点寸前ノックオンで試合終了のフィジーがオーストラリアに勝ったのは実力ですね。日本はイングランドのヘディングプレイをノックオンとセルフジャッジしたことから(マァ仕方ないけど)リズムが悪くなりましたね。大相撲はオモシロいけど豊昇龍はちょっと負けすぎ。高安は…黙って見守りましょう。晩飯は茂木健一郎三もオモシロイと御墨付きを出したなんばグランド花月の吉本新喜劇をTVKで見ながら。今日の芝居はマァマァやったかな。ベッドへ…と思ったらNHKで『解体キングダム』をやっていたので見てしまう。首都高大師橋の架け替え工事。300m4000トンの橋を誤差数ミリの範囲で動かす。見事。スポーツライターの仕事もこういう人々の仕事に負けない気合いと中味でやらねばと思いますね…と若い人にも伝えたいですね。

9月18日(月)
かつては日本のサッカーもイタリアやブラジルなどの強いチームによく"善戦"してましたよね。日本のラグビーもまだその段階かな?イングランドは強い。ミスをしなえれば…なんて言うのは日本のラグビーがまだ弱い証拠ですね。次のサモア戦ガンバレ!

9月17日(日)
『ギリシア人の物語』は一休み。養老孟司×茂木健一郎×東浩紀『日本の歪み』を読む。イロイロ面白かった。戦時中の英語禁止でカレーライスが軍隊では「辛味入り汁かけ飯」と言っていたのは知らなんだ。海軍さんのカレーではないのですね。「國體」を「国体」と書くようになって「國體」についての議論をやらなくて済むようにした(以上養老氏)という指摘も面白いですね。そして「国体」は「国民体育大会」のこととなり今に「国スポ(国民スポーツ大会)」となって「國體」の浄化が終わったということでしょうか(東氏)。「俺は今の"吉本的なお笑い"が大嫌いです。テレビで見る吉本のお笑いには人間関係の過剰さや忖度しかない。僕は日本のお笑いはバカの壁の象徴だと思います。批評性がない」と言いながら「なんばグランド花月でやってるのは好きだけど」と言う茂木氏の意見には100%同意。他にも目ウロコの会話続出です。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。住宅街の静けさは連休のせいか残暑のせいか?ワン。仕事はちょっと横に置いてNHK-BSで撮り溜めしておいたビデオを見て楽しむ。ベルリン・フィルのヴァルトビューネの野外コンサートはいつ見ても聴いても素晴らしいですね。ネルソンスの指揮でリヒャルト・シュトラウス特集。『ばらの騎士組曲』はいつ聴いてもいい音楽ですね。テノールのフォークトは得意のワーグナーから『ローエングリン』。続けてウィーンフィルのシェーンブルン宮殿コンサート。メゾのがランチャとの『カルメン』や『サムソンとデリラ』も良かったけどラヴェルの『ボレロ』でダンサーが宮殿に大きく影で映し出されたのは見事でした。指揮はヤニック・ネゼ=サガン。さらに昨年ヴェネツィアのサン・マルコ広場で行われた野外コンサートでオルフの『カルミナ・ブラーナ』指揮はファビオ・ルイージ。オケと合唱はヴェネツィアのフェニーチェ劇場。これだけ連続で楽しむと満足満足。ちょっと休んで養老×茂木×東の本を読み続けてからビール飲みながら大相撲。高安を応援する人が「アレをめざせ!」という看板を手にしてる。イイですねぇ。かつてのタイガース的イマイチ力士には今場所こそ「アレ」を手にしてほしいですね。うわっ。3大関が続けて黒星。大相撲はオモシロイですねぇ。

9月16日(土)
『ギリシア人の物語T』はいよいよギリシア都市国家連合vsペルシアの一大決戦へ。《凡将は先例に基づいての想定内で戦略なり戦術を立てる。反対に名将は先例には縛られずにあらゆる事態を考慮し想定外まで考慮してそのうえさらに自軍の兵士の有利と不利だけでなく敵の有利と不利まで考えに入れて戦略戦術を立てるのだ》確かに。しかし言うに易し行うに難しなんでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらず蒸し暑い日々が続く。カラカラに乾くより湿度のある方が生物が生きていくためには良いのでしょうが…ならば世の中は気持ちが悪い方が良いと言うことなのかな?イエスは十字架の上で「我乾く」といったらしいけど…よーわからん。ワン。講談社から現代新書の今月の新刊が3冊送られてくる。養老孟司×茂木健一郎×東浩紀『日本の歪み』帯に「この社会の居心地の悪さはどこから来たのか?考えたくなかった戦後日本の論点を徹底討論!」とある。「賢人」が何を言っても…とも思うが読んでみるか。倉本一宏『紫式部と藤原道長』帯には「源氏物語がなければ道長の栄華もなかった!」面白そう。読まねば。もう一冊は栗田治『思考の方法学』どれもコレも取りあえずはサラミスの海戦を終えてからですね。夕方は久し振りにビデオでなくナマで大相撲観戦。高安!初優勝に向けて突っ走れ!豊昇龍に勝った錦木は強い相撲ですね。正代が貴景勝を破り…大相撲はいつ見てもオモシロイですね。錣山親方(寺尾)が湘南乃海のの蹲踞の姿勢が美しいと褒めていた。そうですよね。何しろ土俵上で制限時間いっぱいの時に汗を拭いた手ぬぐいをキチンと畳んで返す力士ですからね。今日琴恵光に勝って4勝3敗。強く美しい力士に育ってほしいですね。

9月15日(金)
『ギリシア人の物語T』は第2次ペルシア戦争サラミスの海戦の前にテルモピュレーの会戦。戦争が始まる前にも論争好きのギリシア人たちはどの都市国家の誰を総司令官にするか?陸軍の総司令官は?海軍の総司令官は?と会議と論争と説得が激しかったのですね。《説得力とは他者をも自分の考えに巻き込む能力である。他者の意見を尊重しそれを受け入れ歩み寄ることによって着地点を見出すことではない》ナルホド。そーゆーものなのでしょうねぇ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。チョイと黒兵衛の元気がなくなくなってきているように思えて心配。もう12歳だからゆっくり歩く。ワン。ナンヤカンヤラ雑用と仕事と『ニューズ・オプエド』の準備などをしていたら上杉隆さん経由でスタッフからタイガースの優勝で喜んでいる初沢亜利さんというカメラマンがいるのでゲストにどうかと推薦される。今日の特集は『2030年ウクライナ冬季五輪と36年ソウル=ピョンヤン合同五輪の可能性は?』というものでゲストは五輪アナリストの春日良一さんと千葉大大学院生で「おりがみ」(オリンピックを学生みんなで)代表の都築則彦さんに決まっていたのでどーしょーかと悩む。おまけに今年の「保守的な虎の優勝」を喜んでるような人物では話が合わないので取りあえずニューズのコーナーだけの出演にしてもらう。ところが!カメラマンの初沢亜利さんとは「今年の優勝はオモロナイ」で意見が大一致。1985年のハチャメチャ優勝を小学5年生で体験した彼と100%意見が一致して話が盛りあがる。今もそのダイナミックでラジカルで破壊的な会話を見聞きできますのでよろしく!https://op-ed.jp/初沢さんとはホンマにオモロイ野球とは何か?ということで近い将来の再登場を約束してもらう。小生の自称大名著『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)あのとき虎は美しかった』(朝日新聞社/河出文庫)を紹介してこのコーナーを終えて話題を「ウクライナ冬季五輪」と「ソウル=ピョンヤン五輪合同開催」に移す。五輪については若い都築さんの疑問に春日さんが答えるカタチ。BRICSがプーチンを中心にオリンピックをやろうとしている話など興味深い話題満載。春日さんも「若い人と話すのはイイですね」。番組を終えたあと『チコちゃん』見ながら晩飯&酒&寝る。

9月14日(木)
『ギリシア人の物語T』はいよいよテミストクレスvsクセルクセスお第2次ペルシア戦争=サラミスの海戦へ。テミストクレスも彼と対立したアリステイデスも《ある一点では共通していた。それは二人ともが政治家として国益を最優先する人であったことである。公職となると無給であったアテネでは国のためにする仕事でカネを稼ぐという概念がない。ゆえにこのアテネでは公金横領罪で告訴されることはない。国家のカネを自分のポケットに入れるという観念からしてないからだ》現代日本もそのようにすればとも思うが…そうすれば大金持ちしか政治家になれないし…とはいえ…国家のカネで喰ってる人が多いことにも困ったものですね。ワン。ベッド出て黒兵衛と散歩。今日は朝から何やら落ち着かないのはタイガースのアレが決まるかも…という気持ちが働いているからかも。そんな気持ちを落ち着かせるためにも…という気持ちは全くなく『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』に阪神優勝の予定稿を書く。こんなに強い虎は阪神の虎らしくない。完全試合よりもチームの勝利を目指した虎も阪神の虎らしくない。嗚呼!あのオモシロくも美しい虎はどこへ消えた?とゆーよーな内容の原稿を書いて送稿。虎は勝ちゃーイイとゆーよーな巨人のよーなチームとは違うはずですよね…と思いながら晩飯はBS朝日で阪神vs巨人戦を見ながら。完璧な勝利が危うく追い着かれるか…となっても負ける気がせん戦い方はかつて『トラキチは奇人変人マゾ集団』という原稿を今はなき『月刊現代』に書いて署名原稿デビューした小生としてはあんまりオモロイ優勝ではなかったですなぁ。まぁ岡田はんのインタヴューのボケ方が悪ぅなかったよってに許したることにしたろかなぁ…と思いながら酒を呑む。昔は巨人=自民党vs阪神=社会党とも言われたのが「第二の保守(維新?)」になったらオシマイやでぇ。酒呑も。

9月14日(木)緊急にヒトコト
ハチャメチャに楽しくメチャメチャに面白かった1985年のグチャグチャのタイガースの優勝!!日本列島が揺れ動いたタイガース・フィーバーに較べて今シーズンのキチンと強い野球をするタイガースの圧倒的に管理された「優勝騒ぎ」はツマラナイですね。嗚呼。タイガース優勝おめでとう!虎よ!虎キチよ!もっと牙を剥け!…と「老虎狂」は吠えて叫びたい!嗚呼!!

9月13日(水)
『ギリシア人の物語T』はいよいよペルシア戦争マラトン会戦突入。《専制君主政ならば起こらない党派抗争も民主政では起こるのだ。(とは言え)民主政体を維持しながらまとめていくのも難事だが専制君主国なら容易かと思うとまったくそうではない》ペルシア王ダリウスの下には《無敗無敵を誇っていたペルシア軍がありこのペルシア王の命令で従軍しても大丈夫》と思っていたペルシア人がマラトンの戦いで敗れたことで反乱を起こしソレを収める4年間の心労のうちにダリウスは死去。プーチンもウクライナ戦争に絶対に負けられないわけですね。ダリウスの次にクセルクセスが王に。クセルクセス(Xerxes)は『セルセ』という呼び方でヘンデルのオペラになってますね。アリア♪オンブラ・マイ・フが有名でCMにも使われましたね。久し振りにDVDで見直そうかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは阪神タイガースの「アレ」目前でこんなに強いタイガースはタイガース的ではないと1985年優勝の時の記念ウイスキーや記念ビールの空き瓶や空き缶をZOOMで見せながら話す。ハチャメチャに大暴れした85年に較べて村上に完全試合をやらせないで優勝する姿は"旧トラキチ"としては美しくないとしか思えないですね。85年の大フィーバーは二度とないのかな?ラジオのあと黒兵衛と散歩。午後からは大船に喫茶店で日刊ゲンダイ記者の取材を受ける。テーマはタイガースの"アレ"。小生の傑作の一冊(笑)『タイガースへの鎮魂歌』を熟読してくれていた記者だったので今年の虎の"アレ"がオモロないということを納得してもらえる。逆に1985年当時の巨人vs阪神が自民党vs社会党に喩えられたのに対して今は?と訊かれて大阪の維新を思い出す。虎は第二の保守党に堕したか!?嗚呼!!続けて笹川スポーツ財団の方と同じ場所で打ち合わせ。今年秋のSPJ(Sort Policy for Japan)の審査について打ち合わせ。今年も50チーム以上のゼミの大学生が参加するとのことでどんな企画がとみ出すか楽しみですね。阪神タイガースが「ただの強いチーム」になってしまったのではなく虎が牙を剥いてるような爆発的な企画を期待したいですね。うわっ!豊昇龍また負けた!それも正代に!霧島も阿炎にやられる!これからどーなるのかなー?

9月12日(火)
『ギリシア人の物語』読み進む。アテネの民主主義は《市民には投票する権利を与えた。だがその権利を行使するかしないかは市民一人一人の自由である。とはいえその権利を行使しなかった場合でも-つまり棄権した場合でも棄権せずに投票した人々が決めたことには従う義務は市民全員にある。だからこそアテネ人は棄権という現象を問題視する必要を感じなかったのだし少数意見も議場内で行われる白熱した討議は認めているのだからそれで十分とでも考えていたのではないだろうか。もしもそうであったとすれば棄権や少数意見をことさら重要視すること自体が民主政治の精神に反することになる。そしこうも冷徹に考えでもしない限り民主政を機能させていくことはできないのではないかとも…》昔も今も為政者は《冷徹に》政治を考えているのでしょう。民主主義に理想もなければ出口もないのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。今日はコロナ以前から手入れしなかった庭木を職人さん達が手を入れてくれている。ご苦労様です。午前中チョイと仕事して午後からは大船の貸しスタジオ(会議室?)へ。BS11が11月に放送予定の番組『三波春夫、あなたに逢いたい〜初めて語られる昭和スターの素顔』の取材に応じる。三波春夫さんが小生の書いたエッセイを読んで喜んで下さり3本の越乃寒梅や著作物やCD&DVDとともに送っていただいたお手紙を披露する。以前日経のエッセイに書いて小さな写真で紹介されたことはあったけどテレビ公開は初めて。長さ4メートルはあろうかと思える和紙に墨痕鮮やかに書かれた手紙を改めて広げてみるとスゴイ迫力。見事な筆蹟でシベリア抑留の時の話まで書かれているこの手紙は冗談抜きで国宝級ですね。末尾に『藝魂花心 三波春夫』と書かれて大きな四角い朱印が押してあるのを久し振りに見直して感激。三波春夫先生の『元禄忠臣蔵』は紛う方なき見事な日本のオペラですね。帰宅してビール&大相撲。北海富士また大関を破って3連勝!スゴイ!オモシロイ!晩飯は昨日録画した『映像の世紀バタフライエフェクト/9.11同時多発テロ運命が激変した3人の物語』を見ながら。トランプ&パウエル&女性下院議員バーバラ・リーの話。パウエル国務長官は政治に利用されたりもしたけどやはり良い人ですね。リー議員はアメリカの良心ですね。トランプはドーショーモナイシャーナイショーモナイ男ですねえ。晩飯の後サッカー日本代表vsトルコの試合。3点リードして追い着かれそうになっても負ける気がしないほどの強さでした。

9月11日(月)
『ギリシア人の物語』は今の時代に読み直して本当に良かったと思う。《アテネの民主政は高邁なイデオロギーから生まれたのではない。必要性から生まれた冷徹な選択の結果である。このように考える人が率いていた時代のアテネで民主主義は力を持ち機能したのだった。それがイデオロギーに変わった時代に都市国家アテネを待っていたのは衰退でしかなくなる》ナルホド。今は民主主義と民主主義を主張する国家の衰退でしかないのかもしれませんね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋近し言えども歩けば汗まみれ。歩くと何やら腰が痛い。歳か?ストレッチのしすぎか?年寄り相手に宣伝を強化して金儲けを狙ってる薬にだけには頼りたくないですね。ワン。終日イロイロ雑用。インボイス制度でのアンケートが何ちゃらかんちゃら。政府のすることはわけワカラン。古代ローマのように10分の1税だけにすればわかりやすいのに…それより何より国会議員数や地方議員数を減らすことですね。そもそも人口が減っているのですから(>_<)うわっ。豊昇龍が負けた。北海富士強い!大相撲オモロイ。サッカーのドイツ監督解任は当然ですね。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。アキさんの徹底したわけのわからんナンセンスぶりはスッチーさんと双璧ですね。NHK『バタフライ・エフェクト』録画してベッドへ。


9月10日(日)つづき
朝の黒兵衛との散歩の後締め切り原稿もないので『ギリシア人の物語』読み進む。ソロンの改革に続いて「ティラノス(独裁者)」などと言われながらもアテネの民主政を押し進めたペイシストラトスは《今で言えばイヴェントの祖と言える》らしい。《四年に一度女神アテナに捧げる「汎アテネ祭」を立ち上げた。オリンピックと違って競うのは歌唱力。ギリシア人ならどの都市国家からも参加でき歌と言ってもホメロスの叙事詩を竪琴の伴奏で朗々と歌いあげそれを競い合うしゅうさいである》さらにディオニソス(バッカス)を演劇の守護神とし《それを観た後ならば酒を飲んで騒ぐのもディオニソスの認めた行為とな》り《半世紀後にアイスキュロスを生みギリシア悲劇の全盛期への扉は開かれたのだった》《確かにペイシストラトスは専制的な統治者ではあったが快適な専制者で》《アテネは毎日がエクスポ(見本市)であったのかも》現代世界の専制者にそーゆー人物は聞きませんね。午後からは大相撲。大の里は勝ちましたね。湘南乃海は豪ノ山に負けてしまったけど取り口の前に渡された汗ふき用のタオルをキチンと畳んで返す唯一の力士であることを発見しました。今度荒井太郎さんに教えてあげよう。貴景勝は北勝富士の叩き込みに負けて少々心配。若元治に勝った朝乃山は大関の強さ復活?大相撲は見所満載ですね。晩飯はラグビー日本vsチリ。う〜んむむむうむ…日本は勝つには勝ったけど松田のプレスキック以外に…評価できるところはなかったかな?イングランド&アルゼンチン&サモア戦が少々心配…。

9月9日(土)〜10日(日)
『ギリシア人の物語』面白い。ペルシアがアテネとの戦いの破れたのは老いたダリウスが戦いの指揮を二人の将軍に委ねたことにあるという。そこで《後年ナポレオンは非凡なる二将は凡なる一将に劣ると喝破する》ナルホド。一方古代社会で何故アテネだけが民主政を確立できたか?それは《アテネだけが中産階級の確立に成功したからだ。(略)中産階級の存立なしには民主政治は機能しえないとは歴史上の現象に留まらず現代の世界情勢でも実証されていることである》せっかく大量の中産階級を生んだ日本社会だったのに何時のころか世界に較べて富裕層が少なく全員中産階級であることが何か悪いことであるのような空気が醸し出されて貧富の差が開いたのは残念なことでしたね。これもマスメディアの責任ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。イロイロ仕事の後晩飯は別のお隣さんからいただい「青鬼」というなのビールを呑みながらW杯ラグビー開幕戦のフランスvsニュージーランド戦を見ながら。フランス強いですねえ。初優勝に向けて突っ走るかな?しばらく休んだあとサッカーの日本sドイツ。日本強いなあ( ^o^)ノ4−1でっせ。ドイツが弱いのかな?とにかく富安はじめディフェンスが良かったですねえ。続けてラグビーで日本と同じグループのイングランドvsアルゼンチン。さすがはラグビー発祥の地イングランドだけあってはグビーが生まれた当時は得点がキックだけで決まっていた伝統があるのか(キックすべきゴールを通り過ぎたらキックで得点に"トライ"する権利が与えられたのですよね)退場で1人少なくなっても全得点を菊で決めて勝ちましたね。しかしアルゼンチンも強いですね。日本はトーナメントに進めるのかな?かなり本気で心配。W杯前の練習試合も凡ミスが多かったし…メディアは騒ぎすぎだし…。

9月8日(金)
読み直し始めたらヤッパリ面白いので読み進んでしまう塩野七生さんの『ギリシア人の物語』。アテネの民主政の前にスパルタの専制主義が一世を風靡する。《スパルタに泥棒さえいないことは有名だった。アテネでは日常茶飯事だった権力抗争もなく政治上の安定を長期にわたって維持することに成功する。あくまでも「スパルタ的」につまり閉鎖社会にしたからではあったのだが》いつの世でも(現代でも)「スパルタ的な社会」は存在するものなんですね。ワン。ベッドを出て颱風の雨にしては弱い霧雨のなか黒兵衛と散歩。線状降水帯は千葉から茨城にかけてで南関東は平穏のまま。しかしマァ油断しない方がイイでしょうね。関東大震災では津波が鎌倉大仏の首まで襲ったといいますからね。日本で災害セーフの土地は存在しないと考える方がイイのでしょう。ワン。いろいろ仕事した後『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは大リーグ評論家の福島良一さんと相撲ジャーナリストの荒井太郎さん。話題が二つに分かれるかと思いきや伯桜鵬の左肩脱臼手術と大谷翔平の右肘手術と腰痛は?ということでアスリートとケガという話題で見事にクロス。いろんなケガの話題で盛りあがる。メジャーでトミー・ジョン手術をしたのは562人。そのうち2度目の手術をしたのは40人で成功率(見事に復帰した投手)は前者が85〜90%。後者は50%だとか。大谷も悩むところですね。彼のトレードの第一候補はドジャースだけど福島さんによるとパドレスのほうがWシリーズ未優勝だから大谷が移籍してWシリーズに勝つほうが面白いとのこと。伯桜鵬はまだ20歳ということで2〜3場所休場して脱臼癖をキチンと直す方がイイといいというのが荒井さんの見立て。ほかに日曜日から始まる秋場所の注目は新十両の大の里と新関脇の琴乃若だあとか。他にも面白い話満載でした。https://op-ed.jp/

9月7日(木)
ベッドのなかで上田泰平(三重ホンダヒート元ヘッドコーチ)の監修した『ラグビー観戦が120%おもしろくなる!ラグビーの教科書』(実業之日本社)を読む。確かに「ラグビーがおもしろくなる本」で一つのプレイがほとんど1分以内(平均は36秒)で終わるとか様々なスペースを攻めるサインプレイが紹介されているなど確かに読んでいて楽しかった。しかし初心者(にわかファン)向けと言うよりある程度ラグビーを見ている人向きかな?誌筆者は先週の『オプエド』に出演してくれた小崎仁久さん。でもこの本を読めばラグビーの《にわかファンから"ツウ"にアップデート!》できるのは事実ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。颱風のせいか季節の移り変わりのせいかた志那に日ごとに秋の気配がして蝉の鳴き声も弱々しいですね。ワン。午前中校正などの仕事をして昼飯&昼寝のあとはテレビでジャニーズ事務所の記者会見を見る。「メディアの沈黙」は読売ジャイアンツや朝日毎日の甲子園高校野球も同じことなのに誰もそのことを指摘しないのはジャニーズのように実害を指摘する被害者がいないからか?それとも外国のメディアや国連が指摘しないからでしょうか?

9月6日(水)
活字中毒者の早朝読書inベッドは塩野七生『ギリシア人の物語T民主制のはじまり』(新潮社)。現在の近代オリンピックにどうやら新しい動きが出そうなので基礎知識を読み直しておく。《ギリシア人にはオリンピックが必要であったのだ。でなければあれほど長い年月にわたってギリシア人には珍しい律儀さで続いたはずはない。オリンピックとは戦いばかりしていた古代のギリシア人から生まれた人間性に深く基づいた「知恵」であったのだった》戦いばかりしているのは現代も同じ。いよいよ「本物のオリンピック」の出番かもしれない。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはワールドカップ。バスケのW杯にメディアは大いに興奮したがバレーボールのW杯もそうですけどアメリカ生まれの球戯のW杯はヨーロッパ生まれのサッカーやラグビーのW杯とは趣が違いますね…という話。後者は試合以外のイベントやベースキャンプの都市との交流を含めて文化プログラムが充実してますが前者は試合だけですね。試合後のレセプションもない。五郎丸さんも言ってたけど「ラグビーは酒も含めた文化」なんですね。では野球(WBC)はどうなのかというとヨーロッパにルーツがあるのでかつては試合後のレセプションも重要だったけどアメリカで続けられるうちにその文化は消えてしまったという話。バスケW杯ではせっかく沖縄に多くの国の選手が集まってくれたのだから試合で勝った負けたと騒ぐ以上にもっと文化交流がほしかったですね。ワン。黒兵衛と散歩の後いろいろデスクワーク。夜は隣家のフランス人夫妻からご主人のピエールさんの誕生パーティに夫婦で招かれる。「鮨処もり山」の大将夫婦も参加。ロゼと赤のワインとお手料理のフランス料理に舌鼓。最後はハッピーバースデイ・ケーキ&シャンパン。我が家からのお祝いは猫の瑠璃ちゃんをプリントしたTシャツやバッジなど。楽しい夜でした。

9月5日(火)
昨晩はベッドで読む本が途切れたので『週刊現代』『週刊新潮』『週刊文春』を持ち込む。台湾有事にジャニーズ問題にビッグモーター問題に木原誠二夫人の元夫の不審死問題に慶応高甲子園優勝で慶応卒業生多数派閥の問題…等々。週刊誌ジャーナリズムには大いに活躍してほしいけどイマイチゆるい印象。慶応の問題など東京五輪汚職ともっと結びつけてほしいし銀座にある慶応卒業生とその紹介がないと入れないと巨大クラブなど取りあげてほしかったなぁ。小生も一度だけ10年以上前に慶応関係者に連れて行ってもらったことがありましたが大勢の女性コンパニオンが同席してロングドレス姿で酒の接待してくれるというのは教育関係団体の経営するクラブとしては少々「?」でしたね。日本の政財界に入り込んでいるKO閥ですから男性中心社会なんですかね?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋風が少々爽やか。毎朝挨拶する水道管の工事で交通整理をしている人の小型扇風機付きのジャケットもそろそろスイッチ・オフかな?ワン。終日デスクワーク。『スポーツゴジラ』の連載『走』第7回を書いてメール送稿。昔マラソンのヒートリー選手に取材して「走るのに大事なことは器械体操の動きを学ぶこと」という話を聞いたことを月面宙返りの塚原光男さんに聞いた話と合わせて書く。「体操は人間にとって不可能なことに挑戦していない。人間にできる動きを発見する」という塚原さんの言葉は素晴らしいですね。スポーツの全てに通じることと言えるでしょうね。「だから月面宙返りも倒立も誰にもできることなんです」と言葉は頭ではわかってもナカナカ納得できませんが…(>_<)「走る」のも最も合理的なフォルムを発見してそのフォルムを持続する勝負なのでしょうね。

9月4日(月)
奥野克巳『はじめての人類学』(講談社現代新書)読了。面白くいろんなコトが学べました。「外部」から多くのことを学んできた人類学は《新たな「外部」を招き入れる試みとして》《「人間以上の(more than human)人類学」や「人間的なるものを超えた(beyond the humen)人類学」と呼ばれる流れが形成されつつある》という。《人間を中心において世界を捉え働きかけようとする傲慢な姿勢に疑念を抱》いたわけですね。何だか東洋思想のほうが昔から遙かに前方を歩んでいるような気もして…観音人類学なんてのが生まれそうな気もしますが…ワン。ベッドから出てミストのような小雨のなかを黒兵衛と散歩。さすがにこの日ばかりは少々蒸しても暑さはマシで着実に秋は近づいてきてますね。地球温暖化の秋と冬はどんな感じになるのかな?ロシアが喜ぶのかな?ワン。いろいろデスクワークの合間に『ZAITEN』10月号を読む。ジャニーズ問題におけるメディア(テレビ)の責任はどんなふうに自己検証されるのかな?第二次大戦のメディア(新聞)の責任のように曖昧には終わらせてほしくないですね。連載対談『佐高信の賛否両論』での「イデオロギーが異なる国とも外交で解決する」と題した鳩山由紀夫氏との対談が面白かった。《どうしてほとんど役に立たないアメリカ製の武器を日本が買うのかと岸田政権を見ていて思います。ここが今の政権の最大の問題です(鳩山)。聞く力だけあって言う力はないですね(佐高)》夕方からZOOMで共同通信の取材を受ける。千葉ロッテマリーンズの本拠地である千葉市のZOZOマリーンスタジアム改築or新築の問題について。米大リーグの球場が全て税金or税金の援助で建てられているのに日本のプロ野球球団には税金を投入し難いのは何故か?という根本的な話をする。スポーツ(野球)という公共文化財をメディア(新聞社)が牛耳っているから日本の野球文化は歪なママなんですね。政治も戦争もスポーツも日本のメディアの責任は大きいですね。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。スッチーが出なくてもマァマァ笑えたかな。NHK『映像の世紀バタフライエフェクト』は「関東大震災 復興から太平洋戦争への18年」。軍部が関東大震災を如何に利用したかがよくわかった。全部を見たわけではないけど震災特集の様々な番組のなかで最も鋭かった。サスガは『映像の世紀』ですね。

9月3日(日)
『はじめての人類学』はアメリカの人類学でちょっとオモロない方向に入ってしまったなあ…とガッカリしていたら今も活躍を続けるティム・インゴルドの解説で俄然面白さが爆発。このイギリスの現役人類学者を小生は知らなかったが彼の「報告書を書いて満足している過去の人類学者批判」や「科学に解決できない問題などないと考える自然科学者批判」には大納得。彼が大学に新設した「4つのA」というコースは素晴らしい!Anthropology(人類学)+Arcaeology(考古学)+Art(芸術)+Architecture(建築)という4つの学問領域をまとめたコースで特にArtを《私たちの感覚を呼び覚まし知識を成長させてくれるものだと考えた》とする考え方はブラヴォー!ですね。生半可な知識ですが小生がクラシックジャズや絵画や演劇や歌舞伎を好きになったことがどれだけ多くの役に立ったか計り知れないほどですからね。こんなコースが小生の入学した大学にもあったら半年で辞めることもなかったでしょうね…ッテ単なる言い訳でしょうけどね(>_<)ベッドから出て昨晩我が家に泊まった長女と一緒に黒兵衛と散歩。相変わらず蒸し暑いですね。帰宅すると長女が見たい映画があるので付き合えというので付き合う。タイトルは『ジョジョ・ラビット』。第二次大戦中のドイツ。ナチスの少年部隊に憧れて「立派な兵隊」を目指して現実的に現れるヒトラーの幻影と会話していた10歳の少年が母親が自宅に匿っていたユダヤ人と会話するうちに様々に成長して母親のナチスによる虐殺等を経て終戦を迎える話。少々理屈っぽく作為的過ぎるかなと思える喜劇になりきれない喜劇でコレなら『ライフ・イズ・ビューティフル』のほうが良くできてるな…と思いながらも最後まで見てしまう。アメリカ映画ならもっとメル・ブルックスまでヤッテほしいと思うけどマァ面白かった。午後からチョイと仕事したりNHKの関東大震災100年の特番を見たり…。晩飯後も関東大震災の特番。ナルホド火災旋風とはスゴイものですね。地震は仕方なく起こる自然現象だとしてもその後の火災や津波は防ぎようがありそうですね。

9月2日(土)
『はじめてに人類学』はレヴィ=ストロースを経てアメリカの人類学へ。ボアズが起点となって『菊と刀』のルース・ベネディクトや『サモアの思春期』のマーガレット・ミードに引き継がれたアメリカの文化人類学は共産主義とファシズムに対する政治状況から常にアメリカ民主主義を正当化する政治性を帯びることになったのですね。それよりもやはりレヴィ=ストロースの「冷たい社会(未開社会)」と「熱い社会(近代社会)」という分類のほうがはるかに面白い。「冷たい社会に所属するニューギニアのガフク・ガマの人々に《サッカー文化が新たにもたらされたとき彼らは両チームの勝ち負けの数が正確に等しくなるまで何日でも続けて試合を行った》という指摘は面白い。そもそも近代スポーツは《勝ち負けの差をはっきりと生み出すもの》だが儀礼的未開社会の構造は《もともと離れていた2つの集団を一つに結びつけるものなので(略)彼らはサッカーというゲームを通して自分たちを初めの状態に保とうとしたのです》なるほど。近代の生んだスポーツ競技は差異を付けて優劣を決めるところから優勝劣敗という結果を「発展」と捉えて喜んだのですね。ポストモダンのスポーツは勝敗のなくなる方向に進むのでしょうか?ワン。ベッドから出て相変わらずの猛暑の陽射しのなか黒兵衛と散歩。時折吹いてくる秋風が爽やかですね。台風の影響かな?いろいろデスクワークをしていると夕方になって買い物に出ていたヨメハンが長女と一緒に帰宅。長女は仕事柄レッドロケッツやフロンターレなどと仕事をしているのでワインを飲みながらその話で盛りあがる。川崎市長はスポーツに理解があって川崎市では今後スポーツ文化の面白い発展が期待できそう…という話で盛りあがって晩飯と酒に雪崩れ込みバスケW杯日本vsカーボベルデ戦。よっしゃこれは勝てると思ったところが最終ピリオドで危機到来。ナントカ勝利で逃げ切れることができてパリ五輪に出場できることになったのは素晴らしいけどマダマダ日本のバスケは強いとは言えませんね。浮かれてないでBリーグの一層の発展(地域密着)を目指すべきですね。昨日のテレビのワイドショウで日本のバスケをマイナーマイナーと連呼している馬鹿がいて代表チームが国際試合で勝って盛りあげないと…などといかにもマスメディア的な馬鹿なコメントを口にしたコメンテイターがいたけどソレは大間違いのコンコンチキですね。サッカーや野球以上に競技人口の多い日本のバスケはJリーグと同様にBリーグという裾野を固めて上を目指すべきですね。そーしないと野球のように勝たなければ騒いでもらえないまま競技人口の減少を止められずスポーツ文化とは程遠い企業スポーツに堕してしまいますよね。

9月1日(金)
『はじめての人類学』はレヴィ=ストロースに突入。構造主義と言語学と彼の人類学の関係が非常にわかりやすく説明してあり納得。おもしろい。ただしレヴィ=ストロースがジーンズ・メーカー"LEVI'S"の創業者のリーヴァイ・シュトラウスと同姓同名だというようなことは書かれていませんでした。当たり前ですよね(>_<)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。長月に突入しても猛暑かなチョイと涼しい秋風の吹く。秋は確実に来ていますね。ワン。フォーラム・エイトの機関紙『Up and Coming』の連載『スポーツは教えてくれる』の原稿を書いて担当者に送稿。テーマは五輪アナリストの春日良一さんが力を入れて提唱している「2030年ウクライナ冬季五輪開催」について。最近数日間春日さんと連絡が取れなくて少々心配していたら彼から夕方にTel。海外出張をされていたとのこと。内容はまだ書けませんがオリンピックで新たな動きが蠢いているとか。ナカナカ凄い動きで近々本欄でも書かせていただきます。夕方から『ニューズ・オプエド』今日から名前が変わって『AIテレビ・オプエド』になったとか。ゲストは千葉大大学院の院生でNPO法人「おりがみ」理事長の都築則彦さんとスポーツライターの小崎仁久さん。都築さんは金曜以外の『オプエド』には既に2度登場。東京五輪の前に「おりがみ(オリンピックを学生みんなで)」という団体を立ち上げいろいろ活動したとか。オリンピックの「平和運動」の理念に賛同しての活動とのことでオリンピックの歴史にも詳しく日本の「金儲け五輪」やメディアの大騒ぎにも批判的で『オプエド』8回目登場の小崎さんとともにオリンピックの問題をいろいろ話し合えたのは非常に有意義でした。若い人が台頭してくれたら老兵はただ去るのみ…かな?(笑)「札幌冬季五輪はどこへ行った?」というテーマでいろいろ話し合った内容は一部がまだ聞けますのでどうぞ。https://op-ed.jp/

8月31日(木)
昨日書き忘れたけどNHKの月イチ番組『解体キングダム』はメッチャ面白かったですね。巨大変電所の巨大変圧器の解体!!こんなことが現代社会では行われてるのですね。膨大な無駄とは言いませんが…この番組で巨大原子力発電所の巨大原子炉の解体はいつ放送されるのでしょうか?それはさておき『はじめての人類学』読み進む。マリノフスキーの推し進めた「参与観察」と「インポンデラビーリア」の記述。西太平洋諸島の「クラ貿易」など興味深く読み進みますが西洋人が少しは謙虚になったのが「未開人の素晴らしさの発見」という人類学の視点だったようですね。ワン。ベッドを出てまだまだ続く猛暑のなか黒兵衛と散歩。それでも少しは秋の風を感じるようになったかな?ワン。終日デスクワークはHP更新原稿を整えたり請求書を書いたり明日の『オプエド』の準備をしたり…で締め切り原稿1本書けないままバスケW杯ベネズエラ戦。またしても素晴らしい大逆転劇…と言うべきか…スタート時から力を出せよ…と言えばイイのか…とにかく勝って良かったですね。マスメディアは勝たなければ騒いでくれませんからね。そーゆーマスメディアの大騒ぎよりもBリーグの地道な発展のほうが大切なことは言うまでもありませんが…。

8月30日(水)
奥野克巳『はじめての人類学』(講談社現代新書)読み始める。マリノフスキーやレヴィ=ストロースが登場する前のヨーロッパの大航海時代から異文明との接触が始まって以来のホッブス・ルソー・モンテスキュー等の解説。面白い。小生の読書の大方針である「乱読」の価値アリ。コッポラの映画『地獄の黙示録』でウィラード大尉(マーティン・シーン)がカーツ大佐(マーロン・ブランド)を訪ねたシーンで《何気なくフレイザーの『金枝篇』が置かれてる》なんて知らなんだ。《映画では王を殺害したウィラードを国民が「新たな王」として迎える演出がなされます。『地獄の黙示録』の一つのテーマは「王殺し」だからです》原作がコンラッドの『闇の奥』だとは知っていたけど『金枝篇』も重要なポイントとして利用されてるとは気付かなかった。見直さねば。ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはバスケットボール。ジェイムズ・ネイスミスが1890年に室内で行うフットボールとして創作した話を解説。オフサイドを許可して3歩ルールを創ったことこそネイスミスの大発明だったのですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと仕事をしてると東京新聞特報部から電話。W杯で盛りあがったバスケボームは持続するか?というテーマでコメントを求められる。BリーグはJリーグと同じような地域密着のスポーツ文化を目指しているから『スラダン』以来の人気と競技人口の増加と発展は大いに期待できると答える。企業(メディアの所有)中心の野球は世界で勝ち続けたり慶応のようなマスメディアの喜ぶ慶応のようなチームが優勝しても一次的な大騒ぎだけで終わるでしょうし企業とマスメディアの介入が微妙なラグビーとWeリーグは発展も微妙ですね…と答えを続けたがマァ後半は文字数の関係でボツでしょうね。でも取材者に何がスポーツ文化で何がスポーツ文化になりきれてないかをわかってもらうために喋り続けましょう。晩飯はブーレーズ指揮ウェールズ国立オペラのドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』を見ながら。メーテルリンク原作のこの退屈なオペラも好きなるぞ!という意気込みで見ればナカナカ面白い。長い髪のシーンはラプンツェルがパクってますね。

8月29日(火)
保阪正康『テロルの昭和史』(講談社現代新書)読了。二・二六事件というのは結局帝国陸軍内のクダラナイ派閥争いの末に生じたものだったのですね。そして血気盛んで前後の見境なく突っ走った皇道派の青年将校達を新統制派と言える東条英機などが利用して馬鹿野郎達が有能な天皇の股肱の臣たちの排除に成功。馬鹿者どもが戦争に突っ走ったのですね。暴力に訴える連中とそれを利用する連中は馬鹿者どもだということがよくわかりました。今の永田町の馬鹿者どもはどんな馬鹿者達が利用しているのでしょうか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ジリジリと夏の陽射しが刺すなかでソヨソヨ優しい秋風が吹く。秋は近いのかな?ワン。デスクワークはホームページの原稿を書き直したり『連合通信スポーツ玉手箱』の連載を書いて送ったり。晩飯は日本vsオーストラリアのバスケW杯を見ながら。実力違いを見せつけられた試合でしたね。しかしバスケのファンはサッカーのファンに較べて優しいですね。3ポイントを何度外しても解説者も「大丈夫大丈夫」と連呼。サッカーであんなに外したらあ〜あと嘆くかバカヤロー!と怒るところですよね。バスケは100点取られて負けても80点取るから許せるのかな?サッカーは1-0で負けることが珍しくないですからね。ゴール(シュート)を外すと怒りたくなるのかな?しかしテレビ放送が自局の放送のときだけ騒ぎ立てて応援して日本以外の試合は無視するうちはバスケ人気も次の段階に発展しないでしょうね。

8月28日(月)
『テロルの昭和史』はいよいよ二・二六事件へ。その前に「死のう団事件」の詳細な説明に驚く。「死のう死のう」と叫びながら集団で行進する姿は確かに異様だが「死のう」という言葉は「不惜身命」の現代語訳で身も命も惜しまず頑張る意味だとか。そう言えば貴乃花が横綱になったときにも「不惜身命」という言葉を使いましたね。ところが昭和初期の神奈川県警特高刑事達はこの日蓮系非暴力宗教集団をテロ組織と認定。特高警察は非暴力集団の男女の信者達に対して言語を絶する拷問を加えた。これを著者の保阪正康氏は《国家暴力によるテロリズム》と呼んでいる。そして国家による暴力は二・二六から戦争の拡大へと突き進んだのか…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらずの殺人的陽射しと気温だが風と水道水の冷たさに秋を少し感じるかな。ワン。ナンヤラカンヤラ仕事をしていると講談社から『南海トラフ巨大地震』という劇画本が届く。なぜ小生に送られてきたのかはわからないが劇画本だけにあっという間に読み切る。巻末の南海トラフ巨大地震の過去の歴史の解説は参考になった。白鳳時代にも起きた巨大地震は日本書紀にも記されているのですね。過去に十数回起きている南海トラフ巨大地震はもうすぐ起きるのでしょうか?劇画は第1巻で第2巻ももうすぐ出るそうな。日本の復活はその巨大地震の後でしょうね。そのときには阿呆な政治家達も消えることでしょう。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。千葉ちゃんとスッチーさんのコンビは絶妙ですなぁ。そのあとワイン飲みながらマスネのオペラ『タイス』を見る。アナトール・フランス原作のこのオペラは物語も素晴らしいですね。美女(運命の女=ファムファタル)が堕落させた町が滅びるのを修道士が救おうとする。トリノの舞台も斬新で最高です。『瞑想曲』も美しい!ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』ドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』と並ぶファムファタル系の名作オペラで
すね。

8月27日(日)
保阪正康『テロルの昭和史』読み続ける。当初は曲がりなりにも人々の支持を集めていた「至純な動機」によるテロもやがて軍(帝国陸軍)のなかでの皇道派と統制派による派閥争いに変化。その自覚すらない青年将校達が二・二六事件に突っ走りそれを利用した陸軍が中国戦線拡大に利用。理屈抜きの戦線拡大は太平洋戦争にまで突入したわけですね。思想や理屈や国家戦略を抜きにテロ(暴力肯定)と戦争拡大の親和性に注目したほうがいいようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。蝉時雨がまだ喧しいなか少々秋の気配も?♪小さい秋小さい秋…はまだ見つからない。ワン。チョイと午前中仕事して午後から川崎へ。期限切れ寸前のJALのクーポンが少し残っていたのでヨメハンと一緒に長女を誘って川崎JALホテルのレストランへ。チョイと豪華にハワイアン・ランチを楽しむ。帰宅したあとはビールを飲みながら世界陸上のダイジェストを楽しんだあとマスネのオペラ『タイス』を見る。幕間の「瞑想曲」だけが有名なオペラだが他の部分もなかなか面白く一度ゆっくりと全曲を楽しみたいと思っていたオペラ。ステファノ・ボーダの演出がメッチャ斬新なトリノの舞台。傾城の美女(魔女)が都市を破滅させるというアナトール・フランスの原作も面白い。バーバラ・フリットリのタイトルロールも見事。晩飯に雪崩れ込んで久し振りにEテレ『日曜美術館』の「アートする身体」が面白かった。義足の持つ美しさ面白さとサイボーグへの発展を感じる。AIよりよほど未来的ですね。9時からは関西の能や茂山家の狂言を録画してバスケの日本vsフィンランド戦。良いスタートだがな〜んだヤッパリ負けるのか…とガッカリしていたらナント最終ピリオドで大逆転!!見事な勝利でした。世界陸上もいろいろ頑張っていて日本でレベルが低いのは政治だけ?

8月26日(土)
『テロルの昭和史』読み続ける。昭和初期テロが「動機至純論」と「感情優先論」から「暴力肯定論」へと進んで「正当化」され多くの国民の支持まで得るなかでジャーナリズムはどうしていたのか?《新聞や新しく登場したラジオ放送は権力批判というよりむしろ権力の走狗となったと言っていい状況だったように思う。新聞記者やラジオの放送記者を記者すなわちジャーナリストと見て独自の職業意識や矜持を持っていたなどと見るのは誤りである》昔も今も変わらないですな。そんななかで昔は桐生悠々が孤軍奮闘。《だから言ったではないか。五・一五事件の犯人に対して一部国民が余りに盲目的雷同的の賛辞を呈すればこれが模倣を防ぎ能わないと。だから言ったではないか。疾くに軍部の盲動を諫めなければその害の及ぶところ実に測り知るベからざるものがあると》また代議士のなかにも民政党の斎藤隆夫のように国会で親軍派の議員の激しいヤジや脅迫や威圧を受けながらも1時間半に及ぶ粛軍演説や反軍演説をぶちかました議員もいた。最後には軍の強大な力もあって議員を除名されるのだが当時は党議拘束はなかったのかな?今は肥大化する防衛予算を非難する演説をする議員は現れないのかな?ワン。ベッドを出て今日も殺人的猛暑のなか黒兵衛と散歩。今日は町内の夏祭り。午後から子供神輿が練り歩き夕方から近所の公園で盆踊りや抽選会や飲み会で盛りあがる。途中激しい通り雨が2度。テントの下で酒を飲み続ける人間には涼風を歓迎。慶応出身の爺様方も多く高校野球やワグネルオーケストラの話題で隣人のフランス人のフルーティストと一緒に盛りあがる。湘南高校が戦後初の甲子園で優勝したときの在校生の爺様(90歳)もおられていろいろ話しを聞かせていただく。そのときの二塁手佐々木信也さんにはイロイロお世話になったけどどうしておられるかなあ?代議士は県会議員などもやってきたけど『テロルの昭和史』を薦めときゃ良かったなあ(>_<)

8月25日(金)
保阪正康『テロルの昭和史』五・一五事件読み進む。ナルホドこの事件はただ単に首相を殺害したテロというだけでなく日本の多くの国民を巻き込んだ軍部の宣伝謀略事件と捉えるべきなんですね。軍部と右翼に乗せられた老若男女の全ての国民が涙を流して「決起した青年達」に減刑署名を送ったのですね。そして世の中が変化。《⑴動機が正しければ如何なる行為も許される=動機至純論⑵感情はあらゆる論理に優先される=感情優先論⑶テロによる死者は国家の救済者である=暴力肯定論》が支配する世の中=テロを許す世の中が生まれて戦争へ日本滅亡へと突き進んだわけですね。今はまだ⑶までは進んでないようですが⑵はかなり進んでいるかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらずの殺人的蒸し暑さ。イロイロ準備して夕方から『ニューズ・オプエド』は『「真夏の甲子園はいらない」出版記念最終回+1今年の甲子園は何だったのか?』を小林信也さん&山本敦久さんと徹底的に語り合う。慶応高校が優勝したけど慶応高校にしか出来ない選手集めと勝ち方と野球部の運営で高校野球全体の変化にはつながらないことで意見は一致。ただし部分的に新しい野球のやり方を提示できたことは事実で今後「新しい野球のやり方」の広がりに期待。もっとも「古い野球のやり方」も残るのが多様性のはずですよね。しかし慶応高校の「応援(大歓声)の暴力」は気味が悪いしイヤだったですね。おまけに朝日新聞社社長の♪ああ栄冠は慶応高校に輝いた…という大会歌の意味を曲解した勝利至上主義の阿呆な挨拶は非難されるべき…等々3人でマスメディアでは話させてもらえない真夏の甲子園大会のことをいろいろ話して番組は終了。今年の甲子園特集も全16回で幕を閉じたけど『真夏の甲子園はいらない』を出版した意義はちょっとくらいあったかな?されど真夏の甲子園は続く…殺人的炎天下で…嗚呼。番組を終えてビール&晩飯&チコちゃんのあと世界陸上ハイライト&ワイン。『テロルの昭和史』を持ってベッドへ…いつの世の中も最も問題が多いのはジャーナリズム不在のマスメディアかな?

8月24日(木)
保阪正康『テロルの昭和史』読み続ける。昭和6年の「三月事件」と「十月事件」という2度の「幻のクーデター事件」に続いて十二月にも帝国陸軍は3度目のクーデター計画を立てていたという。その「幻のクーデター」の連続に痺れを切らせたうえ陸軍のクーデター計画者たちの《飽く迄も成功者となって新社会の重要なる椅子に就かんとする態度心情に対し同志達が之を極端に嫌悪し非難するようになってきた(略)平たく言ってしまえば我々の愛国の情をバカにするのかと鬱積した感情が湧き起こるようになった》結果「一人一殺」の井上日召率いる血盟団事件につながったわけですね。連続するテロルは何層にも存在する鬱屈した感情から生まれるのですね。ワン。まだまだ殺人的猛暑のなかを黒兵衛と散歩。マウイ島やカナダやギリシャの山火事には本当に驚かされ被災者に同情するほかないが我が家の近くにも緑や雑草が少なくないので心配になる。ただ乾燥とは無縁の蒸し暑さには感謝すべきかなと思いながら汗まみれの散歩と体操を終えてシャワーのあと仕事を始めると筑摩書房から『ちくま9月号』が送られてきた。本HPの"蔵出しノンジャンル"でも公開しましたが同様の酷い表現が『ちくま8月号』にもあったので抗議した結果文章を書いた高崎俊夫氏と『ちくま』編集部の連名で「編集部から」のコーナーに「お詫びと訂正」が書かれていた。《八月号に掲載されました高崎俊夫「虫明亜呂無ふたたび」に誤りがございました。玉木正之氏はスポーツ・ジャーナリストではなくスポーツライターもしくはスポーツ文化評論家であり『虫明亜呂無の本・2 野を駈ける光』は音楽論や恋愛論を含む内容で「スポーツをテーマにした評論小説に絞られて」おりません。心からお詫びし訂正申し上げます。(高崎俊夫・編集部)》間違いは誰にでもあることですから「間違ってしまいました。本当にすいません」と謝ってくれれば「わかりました。イイですよ」で終わるのに…そういう謝罪が今もってないことには少々腹立たしさが尾を引きますね。朝日新聞社の社長さんも♪栄冠は慶応高校に輝いた…というような加賀大介氏の詩を曲解した大間違いの閉会式での発言を早く詫びて訂正されたほうがイイですよ。でないと高校野球が勝利至上主義の間違った方向へと進みますよ。いや。もう進んでいるか…明日の『ニューズ・オプエド』で小林信也さん山本敦久さんと一緒に今年の真夏の甲子園を再検証することにしましょう。

8月23日(水)つづき
もう一度書いておきます。♪ああ栄冠は君に輝く…と優勝校(慶応高校)に向かって閉会式で挨拶した朝日新聞社の社長は加賀大介氏の歌詞を曲解したと詫びで訂正するべきですね。高校野球で栄冠が輝くのは優勝校ではないはずです。それを主催社(朝日新聞社)の社長が勝利至上主義を讃えるかのように間違えたのは高校野球精神を踏みにじるほどの大問題。その精神を表している大会歌の曲解をした責任を取って辞任すべきほどの大問題でしょう。朝日新聞社が来年から主催社を降りるという責任の取り方もあると思いますが…。

8月23日(水)
保阪正康『テロルの昭和史』読み続ける。昭和5年11月の濱口雄幸首相狙撃事件に続く陸軍の三月事件(幻のクーデター)が昭和のテロルの連鎖の基点(起点)となったのですね。三月事件を企てた橋本欣五郎が結成した桜会の《趣意書》には《政党の腐敗》などを批判すると同時に《国家の将来を考えず国民思想の頽廃を誘発する言論機関》も槍玉に挙げていた。彼らが今のテレビのニュースショウを見ればどう思うでしょうね?《昭和期のテロには一つの幹がありそこから決行者・資金提供者・思想家そして支援活動家の層があることがわかる。テロとはその層から突出してくる部分でありそこを繋いで潮流が出来上がっていく》なるほど。現代では山上事件は起きてもテロの連鎖はなさそうですね。いや。岸田首相に何か投げつけた奴も出ましたね。保阪氏の昭和のテロルの分析を読み続けましょう。ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは夏の満員富士登山と登山の歴史の話。昨日の北國新聞に書いた内容に加えてエベレスト登頂で亡くなったマロリーが何故エヴェレストに登るのか?と問われたときの有名な言葉"Because it is there(そこに山があるから)"も紹介。この言葉が日本で有名になったことで日本のアスリートたちは傲慢になり理屈や理論を言わなくなった(言えなくなった)のかも?午後からテレビで高校野球。慶応高校の応援(大声の暴力?)の前に慶応のユニフォームを真似たけど長髪には出来なかった仙台育英は名前負けした…ということでしょう。もう一度書いておきますが閉会式で朝日新聞社長が「ああ栄冠は…」と歌までうたって慶応高校に「輝く」と言ったのは加賀大介の歌詞の意味を曲解した最低の恥ずべき挨拶でしたね。♪いさぎよし微笑む希望 ああ栄冠は君に輝く…という歌詞ですからむしろ仙台育英ナインにこそ栄冠は輝く…と言うべきでしょう。ちなみに同じ部分の2番3番の歌詞は「青春の賛歌をつづれ」「感激をまぶたにえがけ」で「栄冠が勝者に輝く」とは一言も歌われてませんからね。ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の有名な歌”Climb every mountain"もエヴェレストや富士山に登れとは一言も歌ってませんからね(笑)。慶応高校の勝利で高校野球は変わるか?優秀なリトルリーグやボーイズリーグの中学生を集めて勝たなければ(優勝しなければ)理屈を認めないスポーツ界(メディア界)では変わらないでしょうね。

8月23日(水)臨時に挿入
夏の甲子園大会高校野球の閉会式を見ていて朝日新聞社の社長が挨拶の言葉のなかでヒドイ間違った言葉を口にしたと思ったのでここに記しておきます。♪ああ栄冠は君に輝く〜という大会歌の歌詞は(地方大会も含む)大会に参加した全高校生(の頑張った行為)に向けられた言葉だと解釈すべきなのに朝日新聞社の社長は「栄冠は優勝チーム(慶応高校)の選手たち(の頭上に)に輝いたような挨拶をしました。甲子園大会とは勝利至上主義で「優勝チームだけに栄冠が輝く大会」だったのですかねえ。嗚呼。この朝日新聞社社長の詩に対する感性も高校野球に対する考え方も最低ですね。朝日新聞社が高校野球を続けたいなら社長は辞任すべきですね。

8月22日(火)
昨日一冊本を読み終わると絶妙なタイミングで講談社から現代新書の今月の新刊4冊が送られてきた。宮地美陽子『首都防衛』。これは首都直下型地震・富士山噴火・南海トラフ巨大地震に加えて弾道ミサイルについても考える一冊らしい。NHKスペシャル取材班による『中流危機』も面白そう。結婚できない・正社員になれない・自家用車を持てない・持ち家に住めない・年に1度以上旅行に行けない・趣味にお金をかける余裕がない…等「中流」になれない日本社会の現状が書かれているらしいけど正社員・自家用車・旅行・趣味とは無縁の小生にはちょっとピンとこない。趣味は仕事にしてしまいましたからね。奥野克己『はじめての人類学』は帯に「人間ってなんだろう?人類学100年のダイナミックな知的格闘を一望し最前線まで一気に誘う。読み出したら止まらない!入門書の決定版」とあった。これから読み始めようかと思ったら保阪正康『テロルの昭和史』もあった。うん。まずはこれからですね。安倍総理の銃撃殺人事件と昭和の五・一五以来の連続テロルとの共通点と相違点が序章に並べてあった。どんな個人的事情があるにせよ政治家の殺害はなるほど政治テロなんですね。ワン。ベッドから出て相変わらず殺人的激暑のなか黒兵衛と散歩。油蝉・熊蝉・蜩・蜺が一斉に啼き叫んでいる。早朝ベッドでの読書中に聞こえた秋の虫も声も聞こえる。妙な激暑が続く。ワン。終日デスクワークは『北國新聞』の連載『スポーツを考える』の執筆。通勤満員電車のような夏の富士登山からペトラルカの近代登山や岩雪崩で初登頂を競い合ったウィンパーのマッターホルン初登頂の話まで…登山から競争がなくなった歴史を簡単に書く。慶応高校が決勝に進んだせいか明日の甲子園の決勝を前にテレビが騒いでる。高校野球が日本一を競わなければならない理由はあるのかな?仙台育英の監督は慶応出身で慶応は素晴らしい人材を多く輩出していることを生徒に語ったとか。巨額の賄賂が動いた五輪疑獄の中心にも高橋治之はじめ慶応出身者が多数暗躍していた疑いのあることも話したのかな?それは慶応高校の同窓会誌を読めばわかることですが…。

8月21日(月)
永竹由幸『ロココのスカートをめくった男モーツァルト』読了。メチャメチャ面白かった。最後はモーツァルトのフリーメイソンによる毒殺説と『魔笛』の素晴らしい解説で終わるが《最近ではナポレオンもエルバ島で毒殺されたという証拠が出てきている》などモーツァルトの話以外でも驚かされることが満載の一冊。《イタリア料理に宮廷料理はない》という指摘も面白かった。《フランスや中国韓国ベトナムetc全部宮廷料理があるがイタリアにはない。イタリアには金持ちと貧乏人はいるが彼らに階級意識はない。それにイタリアでは芸術家は昔から尊敬されていた。ローマ法王もミケランジェロの扱いに手を焼いた(略)イタリアで大芸術家(モーツァルト)のケツを足蹴にした伯爵なんていない》ナルホド。我が日本はどうだろう?日本も天皇家の宗教行事の料理はあるが宮廷料理はない。しかし芸術家は尊敬されているとも思えない。芸術家ではないが最近は博物館に税金が行き渡らずクラウドファンディングで資金を集めるという情けない事態も起きた。文化やスポーツに対する認識は低いですね。高校生の教育的クラブ活動の高校野球や市民の応援するプロ野球を新聞社が主催しているのですからね。そういえば永竹氏のこんな指摘もあった。《とにかくモーツァルトの時代の貴族たちは勝手だった。(略)ちょうど現在の日本社会みたいなものだろう。高級官僚は自分の天下り先のことばかりを考え官僚組織を肥大化させ税金をどんどん遣う。政治家は建設業者と癒着して談合システムで賄賂を取りそれを選挙資金に使い選挙民はその汚れた金で踊らされて投票し二世三世議員まで生まれるという悪循環がどうしても絶てない日本。これだけ産業界が働いてるのに日本円はどんどん下がる経済の基本の弱さはそこにある。それをほとんどの人が気付いていながらどうにもならない》そして同じような18世紀のウィーンの貴族社会で《モーツァルトが藁をもつかむ思いで入会したのがフリーメイスンだった》のですね。ワン。ベッドを出て災害的猛暑の続くなかを黒兵衛と散歩。この猛暑はいつまで続くのかな?

8月20日(日)
永竹由幸『ロココのスカートをめくった男モーツァルト』読み進める。『フィガロの結婚』の解説は抜群の鋭さ面白さだ(特に最終場面で伯爵が女房=伯爵夫人をスザンナと間違えたヤッテしまったあと伯爵夫人が浮気に走っていた旦那=伯爵を許すという解釈は秀逸で納得する以外ない)が何気なく挿入されてる言葉にも驚きがイッパイだ。《ピカソが幼児画を描かなかったようにモーツァルトにも稚拙な曲はない》確かに。それにオスカー・ワイルド的警鐘が顔を出すのも面白い。《成金の特徴は節約ということを知らないこと。そして本能的欲望に歯止めがきかないということだ。それは労働の報酬が自分の考えていたものより大きすぎるからなのだ》そこからホリエモン&ムラカミ批判さらに日本の政治家の世襲批判&日本人の民主主義の民度の低さへの慨嘆へとつながる。この嘆きはモーツァルトの貴族批判とシンクロしますね。ワン。ベッドを出て激暑のなか黒兵衛と散歩。帰宅すると孫が夏休みの読書感想文をpdf.で送ってきたので添削してやる。同時に次女(母親)がレナード・バーンスタインの伝記映画が作られたことを教えてくれる。題名は『MAESTRO』で『アリー/スター誕生』製作監督を務めたり『セックス・アンド・ザ・シティ』に出演したブラッドリー・クーパーが監督・脚本・主演したらしい。ネットで予告編を見ると顔も煙草の吸い方も指揮する姿もバーンスタインそっくり。小生にとってのバーンスタインは小学5年生のとに彼がNYフィルを指揮するドボルザークの『新世界交響曲』の30pレコードを初めて買って以来60年を超えるお付き合いなのだ。彼の演奏したレコードは(CDも)ほぼ全て持って聴いていることが自慢だが彼の映画が出来たとなると絶対に見ないといけませんね。
予告編はhttps://www.udiscovermusic.jp/news/bradley-cooper-transforms-into-leonard-bernstein-in-maestro-trailer
晩飯のあとテニスを語る会にZOOM参加してベッドへ…小生の人生の選択で成功したのはヨメハンを別にすればレナード・バーンスタインを好きになったことですね。カラヤンじゃなくて本当に良かった(^_^)

8月19日(土)
『ロココのスカートをまくった男モーツァルト』読み進める。ハチャメチャに面白い!!プロテスタント教会を創始したルターはカトリックの免罪符に大反対したがソレを一番買ったのは不貞を免罪してほしかったドイツの人妻たちだったらしい。そこで《ドイツ女が不倫をしたのでサン・ピエトロ大聖堂が建ったのだ》そして《免罪符を買う女たちに不快感を持っていた男たちが宗教改革の支持者だった》という。もちろん不貞はドイツの女性だけではない。ロココの豪華な《釣り鐘型の楕円形のスカートの中にはパニエという鯨の骨で作った骨組みが入っていた。その広がったパニエの下には何も付けていなかったそうである。当然スッポンポン。なぜか。それは用をたすときに下着を脱ぐなんて面倒なことは不可能だったからだ。そのままちょっとしゃがんでシャーッとやっていたというのだ。それどころではない。ちょっとまくればすぐにコトができるのでラブホテルなどなかった当時でも浮気は簡単にできたのだそうだ》カサノヴァも《「一瞬のうちに掻き乱すことができ一瞬のうちに元に戻せる」と言っていたらしい。そういえば日本でも昔は腰巻きの下に何もつけていなかったから花柳界では「芸者芸」と言って好きな男のお座敷になかなか出られず義理の旦那衆のお座敷ばかり出なければいけない時は小部屋で待っている間夫(まぶ)のところに来て胡座(あぐら)をかいている彼の前で着物をはだけて上から乗ってコトをなしてまたすぐ乱れを直して次のお座敷に行ったという。だからパニエの女性たちも女性上位なら難なくコトができたわけだ。ということはヨーロッパの王宮の生活は日本の花柳界よりも乱れていたのかもしれない》思わず引用が長くなってしまったがロココのノーパン釣り鐘型スカートセックスはメル・ブルックスも映画『珍説世界史partU』で描いてましたね。ワン。ベッドを出て災害的激暑のなか黒兵衛と散歩。仕事もあまりやる気にならない猛暑だから高校野球をテレビで見たり『ロココのスカート…』の本を読んだりモーツァルトの素晴らしい(と最近気付かされた)オペラ『皇帝ティトの慈悲』を見たり…。甲子園の高校野球はやっぱり大人が喜んでばかりで高校生のためにも日本の野球界やスポーツ界のためにもならない"ロココ"のような(つまり周囲ばかりが派手に騒いで中味の空疎な)イベントですね。NHKが中継放送する意味はないですね。皆さんはどー思われますか?

8月18日(金)つづき
しばらく仕事をしていると大船警察署生活安全課の杉山という人物から電話。先週詐欺で逮捕した2名(斎藤某35歳と山田某52歳)の所持品のなかに詐欺に利用する名簿があり小生の名前が書かれていたいので確認したいという。住所は合ってると言うと年齢とか生年月日を訊いてきたうえ「被害はないですか?」と言う。そこで詐欺犯はどこの銀行の詐欺をしたのか?と訊くとゆうちょ銀行だと言う。小生はゆうちょ銀行に口座を持ってないと言うと「奥さんにも質問したいから代わってもらえますか?」と丁寧に言う。保留にしてヨメハンに知らせると「それこそ詐欺やでぇ」。確かにそんな臭いがしていたので「こちらから電話をかけ直してイイか?」と訊くと「改めて防犯課から電話をする」と言う。「いや。こちらから電話をするから番号を教えてくれ」というと電話番号を教えられて切れたのでその番号に電話するとピーとファックス音。苦笑いしながら本物の大船警察署に電話すると本物の生活安全課につないでくれて即座に「大船署の生活安全課に杉山という人物はいません。ソレは明らかに詐欺ですね」。教えられた電話番号もどこか保険会社のFAX番号だったらしい。電話でのやりとりを本物の警察官に詳しく話して一件落着。以前泣きそうな声で「お父さんですか。交通事故を起こしてしまって…」という電話がかかってきて「下手な芝居やな」と一括したことがあったけど最近は詐欺の手口も複雑になってきましたね。大船暑員を名乗った男と本物の大船暑員の喋り方がそっくりなことには驚きました。晩飯はクダラナイ事件は忘れてグラインドボーン音楽祭でのモーツァルトのオペラ『皇帝ティトの慈悲』を見ながら。ナルホド。あまり人気があるとは言えないオペラ・セリアでもモーツァルトの最後のオペラはヤッパリ素晴らしい音楽じゃないですか。食わず嫌いはダメですね。

8月18日(金)
永竹由幸『ロココの裏の欲望』に続いて『ロココのスカートをまくった男モーツァルト』(扶桑社)読み始める。やはり我が師匠永竹氏の解説は面白い。オペラの解説にとどまらずバロック・ロココの意味の解説からヴェニスの歴史(何故この海上都市国家が栄えたか)とイスラムやビザンチン帝国の関係までこんなにわかりやすい解説は他にない。塩野七生さん以上と言うか表門の説明も素晴らしいけど小生は裏門からの説明のほうが好きですね。ワン。ベッドを出て災害的猛暑のなか黒兵衛と散歩。この汗まみれの散歩と体操の出来る間は後期高齢者に数えられるようになった小生も老犬もまだ生きながらえるかな?ワン。チョイと仕事をして昼飯を食べていると知人から電話で「TBSひるおびで高校野球の改革論をやってるよ」と連絡が入ったので見てみる。歴史的問題(開会式は帝国陸軍の閲兵式・丸坊主は兵隊の姿…等)や日本一の野球高校を決める必要性はあるのか…という根本問題や高校生の部活を勝負として煽り立てるメディアの問題…等々には触れず。そういうことに触れる我々は出演させてもらえないわけですなぁ(>_<)午後には久し振りに東京新聞の記者から電話。東京五輪の夏の暑さ対策が効果があったかなかったかいろいろ聞かれる。表面温度を下げる舗装の効果があったのかなかったのかマラソンが札幌に移ってしまったためわからなかったのは残念と答えると東京都はまだ「涼しくなる?舗装」の改装工事を続けているという。自動車の走り回る道路を改装して効果があるのですかねえ?

8月17日(木)
永竹由幸『ロココの裏の欲望モーツァルトのオペラワールド』(ショパン出版)読了。モーツァルトの最後のオペラ作品『皇帝ティトの慈悲』は筋書きも面白くないさほど価値のないオペラ・セリア(真面目なオペラ)だと思っていたが永竹さんに言わせれば「ゴヤの絵を見るように味わうのではなくベラスケスの絵を見るように味わう」と良さがわかるという。つまり絵と同時に絵に描かれた意味を味わうのではなく絵の色使いや濃淡や筆遣いの素晴らしさを味わうと素晴らしいというのだ。ナルホド。成熟したモーツァルトの音楽の妙味そのものに耳を傾ければ良いのですね。我が家にはホグウッド指揮でバルトリが暗殺者セストを歌うCDがあるから聴きまくってみることにしよう。小生のクラシック音楽の聴き方は(小学5年以来)とにかく聴きまくること。するとメロディを憶えるくらいになって面白くなりますからね。「読書百遍意自通」の音楽ヴァージョンですね。ワン。少々早めにベッドを出て孫と一緒に黒兵衛と散歩。サッサとシャワーを浴びて準備してヨメハンと孫と3人で大船駅へ。孫と別れて東海道線でヨメハンと新橋へ。タクシーで歌舞伎座へ。鮨処『もり山』さん(のお客さん)からいただいた招待券で8月夏の納涼歌舞伎を観劇。獅童・七之助・彌十郎・高麗蔵・橋之助…などによる『次郎長外伝裸道中』と勘九郎・扇雀・幸四郎・染五郎…などによる『大江山酒呑童子』を楽しむ。久し振りの歌舞伎は高麗屋三代白鴎・幸四郎・染五郎の襲名披露を見て以来かな。東京の歌舞伎座で見て京都の南座でも見ましたね。歌舞伎は大衆演劇で観客を楽しませ喜ばせてくれるのがイイですね。オペラも同じですね。勘九郎の勘三郎襲名はまだかな?夕方帰宅。チョイと仕事して晩飯&酒で早々とベッドへ。東京の昼の暑さには参りましたからね。

8月16日(水)
永竹由幸『ロココの裏の欲望』読み進む。「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」の解説は圧巻でした。永竹氏の解説を読まずしてモーツァルトのオペラを語るのは大谷翔平を無視して現在のメジャーリーグを語るようなものですね。永竹氏ははっきりと書いています。モーツァルトは暗殺されたと。暗殺命令を出したのはフリーメイスン。「魔笛」でフリーメイスンの入会儀式や様々な秘密を暴露されフリーメイスンがこれ以上秘密を(フランス革命やアメリカ独立戦争の舞台裏等を)暴露されたらヤバいと思って毒殺命令を下したという。直接毒を盛ったのは夫モーツァルトに何の愛情も感じず浮気を重ねていた女房のコンスタンツェだとか。モーツァルトの死後に葬式もでずコンスタンツェが一生フリーメイスンの支援で暮らしていたことを考えるとめっちゃリアリティありますね。さらにワーグナーもフリーメイスンによってヴェニスで客死というのも凄い推察ですね。こちらは「パルジファル」がメイスンの逆鱗に触れたらしい。ふ〜ん。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはプロ野球ジャイアンツvsベイスターズ戦で坂本のレフトフェンス直撃弾を外野席のファンが手を伸ばして触ったこと。それで「二塁打とした」といった審判の説明が曖昧だったことを指摘。結果は同じ二塁打でも観客がボールに触れた時点でボールデッド。もしも観客がボールに触れていなかったらどうなっていたかを審判は判断しなければならなかったのだ。そこからメジャーの観客と試合の関係を話す。小生がクリーヴランドで野球を見たときに目の前に飛んできたイージー・ファウルフライを落球したら観客から凄いブーイングを浴びせられたことを話す。アメリカでは野球を「見る」という言い方はなくgo to the ballpark to take in the baseball ggame.と表現する。take in(参加する)。そう言えばアメリカでヤジのキツかった酔っ払いの観客を審判が退場にさせたシーンを見たこともありましたからね。日本の大相撲も昔は関取と餡客が桟敷席で酒を交わしたりして参加していたのですよね…とかイロイロ話したあと今日も猛暑のなか孫と一緒に黒兵衛と散歩したあと孫は夏休みの宿題の読書感想文。俺は『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」を執筆。2030年の冬季五輪から札幌は招致の意志を撤回してウクライナ開催を支援しろ!という内容。ふううう。原稿を書きあげてメール送稿したあと孫の原稿をチェック。手助けしてやる。文章を書くというのは難しい行為ですね。

8月15日(火)
永竹由幸『ロココの裏の欲望モーツァルトのオペラワールド』読み進む。メッチャ面白い。《モーツァルト学者は品の良い人が多くそれを裏返すと下品なところを見ないことにもなる。そういう偉い学者はどうもモーツァルトを音楽の天才と偶像視しすぎてモーツァルトの人間を見る目の鋭さとか台本に対する細かい気配り等といった音楽以外のところでの彼の優れた面には目を向けてくれないのだ。一方モーツァルトでひと稼ぎしようとする悪い連中(私から見ればのことだが=戯曲「アマデウス」を書いたピーター・シェーファーのこと?)はサリエーリの名誉を奪いモーツァルト像をまるで糞尿談好きの天才馬鹿に仕立て上げている。もしもモーツァルトがそんな人間だったらあの「フィガロの結婚」のような名作は絶対に生まれていない》確かにその通りですね。確かに音楽的天才だけで評価するなら《ロッシーニは21歳で『アルジェのイタリア娘』というヒットを飛ばし24歳で彼の最高傑作である『セビリァの理髪師』を書いてしまった》ですからね。《モーツァルトは26歳でやっと『後宮からの誘拐』という佳作をものに出来たに過ぎない》ので《オペラ作曲家としては遅咲きだった》のですね。永竹氏のモーツァルト論は小林秀雄以上ですね。ワン。ベッドを出て孫と一緒に黒兵衛と散歩。言うまいと思えど今日も蒸し暑い。颱風の直撃に遭った人には申し訳ないけど颱風は逸れても災害級の暑さですね。ワン。午前中に孫と一緒に映画『飛べ!バージル』を見る。チンパンジーにジェット戦闘機の操縦を教えて核戦争の放射能を浴びてどれくらい生き延びるかの実験を極秘にやっていたアメリカ空軍の話。それに対してチンパンジーに手話を教えていた女性学者と実験に参加させられていた空軍兵士が叛旗を翻してチンパンジーたちが反乱を起こすなか最も頭の良いチンパンジーのバージルがセスナ機を操縦して飛んで逃げる…というお話。最後のバージルが仲間のチンパンジーを乗せてセスナ機で飛び立つシーンではみんな泣いてしまった。核戦争を想定した怖い映画ですけどイイ映画です。主演の空軍兵士役のマシュー・ブロデリックは小生の大好きなメル・ブルックスのナチスを馬鹿にしたミュージカル喜劇映画『プロデューサーズ』でも主役ですね。午後からチョイとイロイロ仕事。明日のラジオの準備とか連載原稿の下調べとか…。ヤッパリ猛暑の夏はフランス人やイタリア人のように1か月間まるまる休みたいですけどそれが出来ないのが日本人なんですね。ナンデデキナイ?


8月14日(月)つづき
元共同通信記者でジャーナリストの青木理さんが文化放送の『西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(午後3時30分ー5時45分)内の『青木理の話しておきたいこと』というコーナーで小生と小林信也氏の共著『真夏の甲子園はいらない』を取りあげて高評価のコメントを話してくれました。YuTubeにも出ていますので見てください!https://www.youtube.com/watch?v=uNwMlPmz8xA

8月14日(月)
永竹由幸『ロココの裏の欲望モーツァルトのオペラワールド』(ショパン出版)再読開始。真面目な学者先生の文章を噛み砕いてわからせてくれる音楽の先生は永竹氏を置いて他にない。《バッハの有名な「トッカータとフーガ」という曲を思い浮かべていただきたい。このトッカータというのは日本語に訳せば「お触り」でありフーガは「逃げまくり」という意味である。女の子のお尻をトッカータ(お触り)してフーガ(女の子が逃げまくる)と理解してごらんなさい。バッハのあの高尚な品の良いイメージはなくなってしまう》《このフーガの技法は非常にストイックな感覚で生まれた芸術なのである。絵画で言えばこれは幾何学模様であり具象ではないのだ。原始キリスト教は徹底的に具象を排していた。古代ギリシャ・ローマは全て具象であった。その最たるものが人間の裸体で(略)それは現代にも通じる美的感覚》そこから抽象音楽の方法論として対位法が生まれるが《具象が好きなイタリア系》と合体して《オペラ・ブッファ(喜劇オペラ)》が生まれモーツァルトの登場となるのですね。もつぁるとの音楽の《どこが目新しいかというと音楽の持って行き方の落としどころが違ったのだ。例えばイロハニとくればホヘトときそうなところをイロハニトロイと持っていってしまうのだ》ナルホド。現代の我々の耳には美しく流れるモーツァルトの音楽も昔は衝撃だったのですね。ビートルズも同じですね。こんな説明をするのは永竹氏だけですね。ワン。二人の娘と一人に孫は昨日のうちに自宅へ帰ったのでベッドを出て残った中1の孫と黒兵衛の散歩。颱風は関東を逸れたようだが余計に暑くなったかな。汗まみれで帰宅してシャワーのあと昨日に続いて午前中の夏休み映画劇場は『東京原発』。久し振りに見てまだ古臭くなっていないことを知る。3・11の前に創られたリーズナブルな原発反対論(映画)を無視して日本は相変わらず原発推進政策を進めるのはどういうわけでしょうねえ?午後から少々仕事。晩飯はTVKの吉本新喜劇を見ながら。孫も吉本が好きなようでヤハリ関西の血が流れているのかな。舞台はイイヨ〜のアキさんが大活躍。スチ子さん抜きでも面白かった。

8月13日(日)
茅田俊一『フリーメイスンとモーツァルト』(講談社現代新書)読了。フリーメイソンとヨーロッパ社会&モーツァルト&彼の音楽との深い関係がよくわかりました。しかし残念ながら(?)フリーメイソンによるモーツァルト暗殺説には触れられず。メイソンのロッジでの祝典に参加して元気に戻ってきて2日後にコロリと死亡したのが流行の疫病のせいというのでは少々納得できませんが小林秀雄に言わせるなら「謎は解決できないから謎であってすぐに答えの出るような謎は謎とは言わない」のでしょうね。ワン。ベッドから出て長女と孫二人と共に激暑のなか黒兵衛と散歩。ふううう。午前中に中1になった孫に見せようと思っていた映画『遠い空の向こうに』をみんなで見る。アメリカの貧しい炭鉱町の高校生たちがロケットを打ち上げる実話に基づいた映画に孫も感激。この映画の主人公で後に大学を卒業したあとNASAの職員として宇宙飛行士の訓練に携わったホーマー・ヒッカム・ジュニアの書いた『ロケットボーイズ』(草思社文庫)を孫の夏休みの読書感想文として勧める。昼飯のざる蕎麦と若干の仕事のあと長女と今日2本目の映画は『コッホ先生と僕たちの革命』。19世紀にイギリス留学からドイツに戻ったコッホ先生がドイツの学校の生徒たちに英国流民主主義とフェアプレイ精神としてのサッカーを教えるというコレも実話に基づいた話。基本的には『ロケットボーイズ』と同じ子供たちのミニビルドゥングスロマンですね。一昨日の本欄に書いたナチスの『ヴァンゼー会議』についてドイツ語に堪能な友人から長女に対してさらにオモシロイドイツ映画があれば教えてほしいとのショートメールが入ったので伝えると「だったら『グッバイ・レーニン』かな」との返事。それなら俺も見た。ベルリンの壁崩壊時に意識不明になって入院していた婆さんが目を覚まして東ドイツのなくなったことを知らせるとショックが大きすぎるからと祖母の周辺だけで東独の暮らしを続ける子供たちの話。その子供が『コッホ先生』を演じた名優ダニエル・ブリュールですね。晩飯時はヨメハンが見てないからと言うので『帰ってきたヒトラー』を見ながら。本物のヒトラーが1945年の死ぬ直前にタイムスリップして現代に蘇りテレビのお笑いタレントとして人気を博する話。本人は本気で結構ドイツ国民の支持を集める様子が恐ろしい笑って済まされない名作喜劇。今日は映画三昧の一日でした。

8月12日(土)
『フリーメイスンとモーツァルト』読み進む。イギリス中世イギリスに生まれたフリーメイスンが啓蒙専制君主時代のヨーロッパ大陸でこんなに広範に広がっているとは知らなんだ。ハプスブルク家のオーストリア=ハンガリー帝国ももちろん例外ではなくモーツァルトがフリーメイソンに入会するのも必然だったと言えそうですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と灼熱の太陽の下を長女と孫二人と一緒に散歩。家族は多いほど煩いけどウルサイほうが静かなことよりいいですね。ワン。チョイとデスクワークのあと次女の運転するチョイと大きな人乗りワンボックスに乗って行きつけのヘアサロンLOWRENCEへ。ヨメハン&長女&次女&孫一人がヘアカットetcをするというので小生も久し振りに散髪。女ども全員の頭髪調整が終わるまでの間『フリーメイスンとモーツァルト』かなり読み進む。『フリーメイスンのための葬送行進曲』や『魔笛』だけでなくモーツァルトは様々な楽曲のなかにメイスンの主題や匂いを入れてるんですね。永竹由幸氏が書いていたようにモーツァルトは本当にメイスンの「秘儀」を「魔笛」で明らかにしたからメイスンに殺されたのか?読み進まねば。帰り道にあった回転寿司(と最近は言わないらしいけど)に寄って6人で食事。まぁ安かったのでお腹はふくれて楽しくて良かったかな。帰宅して少し休んで隣家のフランス人ご夫妻にいただいたシャンパンで乾杯。悪くない盆休み…かな?

8月11日(金)
朝ベッドでの読書は茅田俊一『フリーメイスンとモーツァルト』(講談社現代新書)読み始める。少々古い本(1997年8月刊)だがフリーメイスンのことが最も詳しく書かれているようだったので読み始める。そもそもはイギリス発祥なんですね。そこからオーストリアへ…そしてモーツァルトへ…興味津々。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。午後になって長女が来訪やってくる。早速興味深い映画を発見したというので一緒に拝見。ヒトラーのユダヤ人1千万人絶滅計画の実行を決定した『ヴァンゼー会議』を再現したドイツ映画。映画は会議の模様に終始。ナチスの軍人はヒトラーの分身。人道的に反対論を唱える官僚もヒトラーの「最終結論の方針」には逆らえず「全員一致」で「最終結論」に突き進む。即ち猛毒ガスを利用した大量殺人。アイヒマンも含めて「唯の普通の官僚」が無自覚的大量殺人の実行者に平気でなってゆくのが恐ろしい。ドイツ自身がこういう映画を作っていることを認めたい。日本は?夕方になって次女が孫二人を連れて来訪。突然我が家もけたたましくなる(^_^)。サッカー女子W杯日本vsスウェーデンを見ながらビール&ワイン&晩飯。日本惜しかったですねえ。スウェーデンが一枚上手だったかな?長い晩餐はオペラ&ミュージカルを楽しみながら…楽しい一夜。

8月10日(木)
玉野研一『無限とはなんだろう 限りなく多く大きく遠いふしぎな世界』(講談社ブルーバックス)読了。最後はゲーデルの不確定性原理まで登場してイロイロ面白いこともあったけど数式が多くて文系の小生には少々難物でした。結局無限とは何かということはわからず有限の人間には理解不能であることがわかったわけですでね。だったらもう少し楽しく笑かしてほしかったなぁ。ワン。ベッドを出て今日も災害級の激暑のなか黒兵衛と散歩。毎日建物や木立の影(陰)を選んで歩く。そう言えば雑誌記者になりたてのころベテラン編集者にタイトルに困ったら「○○の光と影」と付けろと教えられた。もう少し強いタイトルがほしいときは「○○の栄光と悲惨」でいいと。天邪鬼だった小生は絶対にそんな定番のタイトルだけは付けなかったですね(笑)。ワン。終日コンピュータの中味の整理やら請求書書きやら部屋の掃除やら…ナンヤラカンヤラ仕事はあるもんですね。晩飯はニュースやら巨人阪神戦やらを見ながら。巨人は本当に弱いですね。読売新聞社(メディア)が野球チーム(スポーツ団体)を所有したり運営したりするのはメジャーリーグのようにもうヤメにしたほうがいいですね。でないとスポーツジャーナリズムが機能しませんよね。朝日新聞社が夏の甲子園を主催するのも同じですね。いつになったら日本のメディアが真っ当なスポーツジャーナリズムを取り戻し日本のスポーツ界(野球界)が公共の文化(カルチャー)として自立発展するようになるのでしょうかねえ…?それを主張すべきはメディア(ジャーナリズム)自身のはず。先ず隗より始めよ!

8月9日(水)
『無限とはなんだろう』読み進む。代数的公式が並んだレるところはパープリンだったが幾何的な説明に入ると俄然面白くなってきた。0(ゼロ)を中心に左右に−∞(マイナス無限大)から+∞(プラス無限大)まで並んだ数直線は視点を数直線外に置いて眺めると−∞と+∞が円環のように一致することがわかるのですね。はっはっは。面白い。宇宙の果てまでまっすぐ進むと反対方向から元に戻るのですね。ヤッホー!ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは日大アメフト部の大麻覚醒剤事件について。テレビではまったく触れられていないけど問題の根源はスポーツで推薦入学した学生が勉強もせずに卒業できるという大学のあり方にあるのですよね。高校野球にもあるのかな?何故誰もそのことを指摘しないのか?大学生(高校生)ならキチンと受験に合格して入学しキチンと勉強しろ!という話を大学には1〜2か月しか行かずに大学教授や講師として15位の大学や大学院の教壇に立った人間として力説させていただく。大学生(高校生)よ!本を読みなさい。ワン。ラジオを終えて激暑猛暑のなか黒兵衛と散歩。犬を飼ってる近所の多くの人は午前5〜6時頃に散歩しているらしいけど真夏激熱の午前9時毎日の散歩も慣れれば平気。甲子園で走り回っている高校生たちも慣れてるのかな?終日いろいろデスクワーク。小生もボチボチお盆休みかな?子供や孫たちは遊びに来るのかな?颱風はどうなるのかな?早い晩飯はヴェルディ『仮面舞踏会』の続きを見ながら。1980年代のパヴァロッティもリッチャレッリもキリコも凄い歌唱だけど最近のオペラ歌手はどんな感じなのかな?ヤッパリ小粒になったのは否めないかな?世の中何もかも小粒に…と思うのは老人のくだらない先入観かも?早い晩飯のあとはNHK-BSのドキュメンタリー『玉砕の島手テニヤン&サイパン』を見る。強烈な戦争体験の生々しい証言の連続にショック。日本の軍人の命令で母親が自分の赤ん坊や子供たちの首を絞めて殺すのですからね。鳴き声で米兵に見つかるとか子供は逃げるのに手に負えないとか言われて…。しかも現地人のチャモロ族も巻き込んで…。戦争と戦禍はまだまだ語り継がれないといけないですね。

8月8日(火)
ベッドで『無限とはなんだろう』読み進む。う〜ん…この本はちょっと数式が多すぎるかな。おまけに小生が高校の数Vでお手上げとなったテーラー展開まで出てきた。二度寝三度寝がよくできるというメリットはありますね(゚o゚;)ワン。ベッドを出て災害級猛暑のなかを黒兵衛と散歩。まだ関東南部は集団的な災害には遭っていないけど沖縄九州地方の人は気をつけてください。颱風&猛暑。耐える夏ですね。ワン。帰宅すると鈴ちゃんが死んでいた。鈴ちゃんとは我が家で飼っていた金魚のこと。10年近く小さな金魚鉢で生き延びて体長10センチくらいに成長。まるまると太って可愛かったけど死因は猛暑ではなく寿命かな。ヨメハンと一緒に庭にお墓を作って埋めてやる。南無阿弥陀仏。仕事の合間に某高校の3年生からのインタヴューにZOOMで答える。小生の『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』を読んでくれて感激したとかで学内での研究発表のためというので質問にいろいろ答えてあげる。女子ラグビーをやっているとかで平尾誠二のラグビーに対する考え方をいろいろ教えてあげる。2回に分けてインタヴューを受ける合間に日本大学アメフト部員の大麻覚醒剤事件に関する大学理事長や学長の記者会見を見る。大学スポーツ部の問題はイロイロあるけど最大の問題点はスポーツ推薦で入った学生が勉強をしないことですね。大学側も学生が勉強することを期待していない。ほとんどの学生が大学をただ卒業して就職する手段にしか考えてないというのがいくつかの(20近くの)大学で客員教授や講師として教壇に立った小生の感想ですね。嗚呼。しかし日大の競技スポーツ担当の副学長が元検事というのは解せないですね。晩飯は久し振りにオペラを見ながら。メトロポリタン歌劇場のヴェルディ『仮面舞踏会』。全盛期(40歳代)のパヴァロッティの声はやはり一声聴いただけで感激しますね。パターネの指揮はイタリアっぽくてイイですね。

8月7日(月)
最近ベッドでの読書が戦争モノとか裁判訴訟モノなど少々ハードなものが続いたので少々遊びで趣味的なモノを読みたくなって最近衝動買いしていた一冊を持ち込む。玉野研一『無限とはなんだろう 限りなく多く大きく遠いふしぎな世界』(講談社ブルーバックス)。ブルーバックスは久し振りだけど以前は都築卓司さんの本『四次元の世界』『不確定性原理』『トポロジー入門』『マックスウェルの悪魔』などを愛読していましたね。仕事にまったく無関係の本を読むのは楽しいですね。しかし「無限」はチョイと難物かな。ゼノンの「アキレスと亀」の矛盾やエッシャーの無限の絵なら楽しめるけどラムゼイの定理にはチョイと苦労。でも夏休み中の読書には最適ですね。親父も生前仕事を引退した頃に突然数Tの教科書を開けて二次方程式の公式と因数分解で遊んでましたからね。そういう趣味のDNAが組み込まれてるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と災害級猛暑のなかを散歩。暑くても仕事がないときは気が楽ですね。高校野球の監督は仕事だから大変でしょうね。最近高校野球でもトーナメントではなくリーグ戦を企画する地域が出てきたけどソレに対して某高校野球関係者は「リーグ戦は所詮お遊び」と言ったらしい(『ZATEN』今月号の対談での小林信也さんの言葉)言葉)。ならば甲子園での野球は高校生にとっても仕事?ワン。イロイロ準備して午後から藤沢の年金事務所へ。小生もとうとう年金を受け取ることにしました。けっして少額でない金額を長年払い続けたのですからマァ返してもらわなければ損ですよね。しかし年金も収入として確定申告に加えないといけないというのは何だかオカシイですよね(>_<)帰宅してチョイと仕事のあと晩飯は吉本新喜劇見ながら。スチ子さんと千葉さんが活躍するときはマルクス兄弟も真っ青なくらいナンセンスの度合いが急増ですね。いやぁ笑いながら気分はスッキリ。数学の本読みながら寝よ。

8月6日(日)
早朝ベッドでの読書で上杉隆『五輪カルテル』読了。ラグビー・ワールドカップや東京オリンピックというビッグ・スポーツイベントを利用した東京の一等地神宮外苑の再開発。まだ解決していない進行中の捜査や案件のノンフィクションだけに今後がどうなるか注目。弘中惇一郎氏が『特捜検察の真実』(講談社現代新書)に書いたようにトップ(当時の五輪組織委員長やIOC委員JOC会長やJSC会長etc)まで捜査が及ばず特捜の「やってる感」を示すだけでは終わってほしくないですね。ワン。ベッドから出て広島の原爆忌集会をテレビで見る。「核抑止」など無意味な戦略だと断じた広島県知事の挨拶が良かったですね。子供たちの言葉も良かった。平和や反核を言葉だけの絵空事だと言うのは嘘ですね。言葉は繰り返し叫んでこそ意味を持つのですから。ワン。甲子園大会開会式を録画して黒兵衛と猛暑のなか散歩。さっさと帰宅して録画を見ると入場行進の先頭に男性。?!報道ではプラカードガールだけでなくプラカードボーイも登場すると思っていたけど小生の勘違いか?NHKに登場していた人はこの項真意鳥肌が立つほど感激したと語っていたけどソリャ帝国陸軍の閲兵式を真似たデレゲーションですから背後にある死屍累々の敗者たちを思うと鳥肌も立つでしょうけど…そこまでは考えてないか?試合開始。第一試合で熱中症による患者が二人?オッサン(監督)はベンチから指図するのではなく炎天下の三塁コーチャーズボックスにでも立てば?イロイロ仕事をしたり掃除をしたりテレビで高校野球を見たり…の一日。晩飯は隣家のフランス人音楽家ご夫妻の招待を受けて美味しいシャンパンと赤ワインとアルジェリア料理のクスクスやゴルゴンゾーラ・チーズなどを食べながら歓談。音楽やオペラの話や政治の話で盛りあがり(笑)ノルウェー在住の娘さんや産まれたばかりのお孫さんもTV電話に出てきたりで楽しい一夜。たまにこーゆー豊かな夜もないと猛暑酷暑も不合理な日本社会も乗り切れませんね。

8月5日(土)
『五輪カルテル』もう少しで読了。我々の国の支配者たちの東京オリンピック開催の最大の目的は明治神宮外苑の再開発だったのですね。村上春樹さんも大反対し生前の坂本龍一さんも大反対した神宮外苑の老木の大量伐採を伴う再開発をそれでも進めるのはナンデ?日本の世の中は悪い方向に進むばかりですね。昨日の『オプエド』でも発言したけど明治天皇が祀られている明治神宮の外苑をメチャメチャにするのに右翼は何故怒らないのかな?もちろんメディアも批判の声もあげるべきだが自民党清和会の森喜朗元総理時代からオカシクなったという。《そもそも自民党の総裁派閥とその領袖は伝統的にメディアを訴えることをしてこなかった。田中角栄の木曜クラブも竹下登の経世会も池田勇人の宏池会も総理総裁を輩出した派閥はいずれも「批判するのが記者の仕事」と受け止めメディアを提訴することをしなかった。その禁を破ったのが清和会であり森喜朗元総理だった。(略)清和会の政治家は小泉と福田を除いては批判をまったく受け付けず政治報道の現場に直接圧力をかけ裁判に訴えるのが当然となっていく。そしてメディアの萎縮は進み五輪報道への忖度のみが残るのだった》メディア(ジャーナリズム)の働かない社会とは独裁(専制主義)国家に他ならないですね。《小泉と福田》以外の清和会総理とは「森と安倍」のことですね。嗚呼。ワン。ベッドを出て高校野球だけは例外扱いの猛暑のなかを黒兵衛と散歩。ワン。終戦記念日が誕生日の黒兵衛はもすぐ12歳。ちょっと白内障気味だけどそれ以外は元気ですね。でも無理は止めましょう。ここは甲子園ではないのですからね。ワン。いろいろデスクワークは雑務処理して夕方は女子サッカーW杯なでしこvsノルウェー戦。身長の差も杞憂に終わって3-1の見事な勝利。次はアメリかかな?晩飯食べながらニューズを見たあとテレビのチャンネルを移したら昔の高校野球を取りあげた特番をやっていた。彼らに肖像権はないのかな?高野連は放送権料を求めないのかな?それを高校野球や高校生のスポーツ活動に利用して高校の部活を発展させようとは思わないのかな?メディアは高校生を利用して視聴率を稼ぐだけ?嗚呼。

8月4日(金)
『五輪カルテル』読み進む。日本のスポーツの根っこは皆同じ。スポーツを文化(カルチャー)として育てようとするのではなくビジネス(金儲け)に利用するだけ。それでアスリートのためにやっているのだと詭弁を弄する。甲子園の高校野球も同じですね。スポーツに興味のある人には絶対に読んでほしい一冊。スポーツに関わっている人には必読本ですね。自分も東京五輪汚職で逮捕されるのではないかビビっている人も必読です(笑)。銅像を建てようなんてとんでもない!神宮外苑再開発問題も含めて捜査はまだ終わってませんからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と災害級熱波のなかを散歩。毎日のルーティンだと思うと平気でこなせるけど暑いものは暑いですね。ワン。終日イロイロ準備。JBプレスの取材を受けて『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)について共著者の小林信也さんと対談したものがYuTubeにアップされた。メッチャメチャ暑い日に道に迷って汗まみれになったあとの対談ですが中味は濃いので皆さん見てみてください。https://www.youtube.com/watch?v=Gaw2Os-_y8g
今日の『ニューズ・オプエド』のゲストは小林信也さんの他に成城大学の山本敦久教授。それに『五輪カルテル』を上梓したばかりの上杉隆さんも参加してもらって甲子園問題と五輪汚職問題について徹底的に話し合う。加えて女子サッカーW杯に参加している選手でLGBTQをカミングアウトしている選手が87人もいること(前回大会は40人だった)について専門分野の山本教授に詳しく話してもらう。この番組も中味の濃いものになった(マスメディアでは語られないものになった)と自負できる内容ですので少し覗いてみてください。https://op-ed.jp/
番組を終えて『チコちゃん』見ながら晩飯。早くベッドに入って『五輪カルテル』読み続ける。元総理や元財務相事務次官や元IOC委員の逮捕まではないのかな…?

8月3日(木)
本を一冊読み終えたところへタイミング良く別の本が送られてくる。上杉隆『五輪カルテル』(扶桑社)。早速読み始めるがコレは凄い!!安倍元総理が亡くなったことにより「開いたパンドラの匣」が「政官財界」にマスメディア(報道)も含めた「政官財報」による史上最大規模の東京五輪汚職だったというわけ。明治の文明開化以来あるいは戦後の混乱期以来の「ボタンの掛け違い」から捻れてしまった日本のスポーツ界(政官財報によるスポーツ支配)の辿り着いたバニシングポイントが東京五輪汚職と言えるのですね。毀誉褒貶がジェットコースターのように激しい上杉氏だが(笑)この一冊はジャーナリス上杉の大谷並みの見事な一打と言えそうだ。早く読み終わらねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と災害級の炎天下の猛暑のなかを散歩。途中ガス管工事の交通整理をしていた人に小型扇風機付きのジャケットを見せてもらったがナルホドこれはチョットしたスグレモノだ。甲子園に出場する高校野球の選手のユニフォームもコレにすれば?(苦笑)ワン。終日デスクワーク。途中年金の申し込みの処理やらナンヤラ雑務にウンザリ。放っておいたけどヤッパリもらわなきゃ損だと6月下旬に年金事務所に電話したら7月の受付は予約がいっぱいで8月上旬まで待たされることになった。マイナナントカよりもこーゆー仕事をサッサと処理してほしいですね。晩飯は映画『栄光のランナー/1936ベルリン』を見ながら。ジェシー・オーエンスがベルリン五輪に出場した話。ゲッペルスもレニ・リーフェンシュタールも出てきて(ヒトラーはほんの少しの映像のみ)なかなか面白かった(スポーツと政治対する分析・問題意識は低かったですけどね)。走り幅跳び欧州王者でオーエンスに敗れて2位になったドイツのロングは反ナチスでオーエンスと仲良くなったが第二次大戦で最前線に飛ばされて死亡した…というエピソードは知らなかった。が当時アメリカ五輪委会長(後のIOC会長)のブランデージの描き方はアメリカ映画だからかチョイと甘かったかな?彼は反ユダヤ主義者&女性差別主義者&ナチス大賛成の人物だったはずだが……。

8月2日(水)
酒井聡平『硫黄島上陸 友軍ハ地下に在リ』(講談社)読了。素晴らしいノンフィクションでした。硫黄島の遺骨収集団に4度参加。最後は今上陛下への記者会見に参加し硫黄島の遺骨収集について訊くという見事なラストは北海道新聞宮内庁担当記者にして可能だったにしてもその最後に行き着くまでの取材&文献調査&現地調査&禁酒までしての執筆に賭けた執念には頭が下がりました。日本人なら必ず読んで欲しい一冊ですね。小生のもとへ送られてきた理由は未だによくわかりませんが3度の応招で武漢三鎮の中国戦線で戦った父親と昭和天皇の宮中正月参賀に参加した人間として書いた短いエッセイを読まれて送られてきたのなら嬉しいです。この本の帯に書かれているとおり《戦争はまだ終わっていない》のですからね。なのに次の戦争の準備を始めるのは戦争の悲惨さを語り継がれなかった人たちによる勝手な行為ですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは2030年冬季五輪について。札幌での開催の可能性がなくなって…ならばどこで開催するのがオリンピックにとってもIOCにとっても世界中の人々にとっても一番イイと思いますか?の問いにMCの田端竜介さんが小声で「ウクライナ?」と答えたのでこれは大正解と言うか絶対に素晴らしいアイデアですよね。実は五輪アナリストの春日良一さんのアイデアであることを説明したうえでウクライナは戦争が始まる前の2021年2月に冬季五輪開催希望をIOCに伝えていたことやIOCには冬季五輪を開催する財力があること(春日さんの意見)などを紹介。ロシアもベラルーシも参加して平和の祭典が実現されることこそオリンピックの平和運動で在りスポーツが政治に打ち克つ証左になるはず…と話す。ラジオを終えて黒兵衛との散歩の前に東京新聞の朝刊を見ると斎藤美奈子さんが週一連載エッセイ「本音のコラム」で小林信也さんとの共著『真夏の甲子園はいらない』を紹介してくれている。《甲子園に固執するあまり高校野球は高校生の心身の健康を損ねている》という我々の主張を的確に表現してくれたうえに短いコラムのなかで猛暑以外の様々な高校野球の問題を朝日毎日NHKの《大人の利権》まで取りあげ最後に《甲子園至上主義からの脱皮が必要な時かも。でないと野球人口はますます減るぞ》と鮮やかなマトメ。こんな嬉しい文章はない。斎藤美奈子さんありがとうございました。いつもより少々遅れて黒兵衛と災害級猛暑のなかの散歩は素早く済ませて斎藤美奈子さんのコラムを小林さんや岩波の担当者や様々な人たちに連絡。さらにいろいろデスクワーク…で本HPが更新されて"蔵出しノンジャンル"に掲載されたちくま文庫の編集部と虫明亜呂無の文庫を編纂した編者に対する抗議と同様の抗議を本欄でも激烈に展開しようと思ったが人の心を大いに傷つけたことに気付かず謝りもしない鉄面皮の編者に対してギャアギャア騒ぎ立て掻き立てるのも阿呆臭くなったのでやめます。皆さん!小生の怒りの抗議文を"蔵出しノンジャンル"で御一読ください。晩飯は大好きな番組NHKの『解体キングダム』を見ながら…と期待したけど巨大ビルの解体でなく松任谷由実さんの巨大ステージの解体はチョイと期待外れだった。巨大な舞台はオペラではザラにあることだし…残念。

8月1日(火)
夜来風雨声。午前2時だか3時頃に猛烈な雷&稲光。強烈な電光と雷鳴。ヨハン・シュトラスの楽曲以上の激烈さ。カルロス・クライバーの激しい演奏どころじゃない強烈さ(笑)。約30分で止んだけど眠れないので『硫黄島上陸』読み続ける。戦時中の硫黄島に陸軍航空隊"隼"の整備員として学徒動員された人物(99歳)へのインタヴューが素晴らしかった。米軍の上陸寸前に仕事がなくなったので(旧式隼戦闘機が全て飛べなくなったり撃ち落とされたりしたので)本土に帰還することになったとき見送りに来た硫黄島に残る仲間は《皆笑顔だったんです。彼等の中には「自分も本土に帰りたい」と言う人は誰一人いませんでした。神々しいまでに美しい笑顔でした。そして私たちが乗る(飛行場へ向かう)トラックが見えなくなるまで彼らはずっと手を振り続けていました》兵隊だけでなく司令長官の栗林中将も海軍トップの市丸少将も素晴らしい人物だったようです。小生の親父は3度の応招で中国武漢三鎮の最前線で戦った男でしたがよく言ってました。「日本軍は大将も一兵卒も素晴らしかった。アカンのは威張りくさってた真ん中の奴らや」ワン。ベッドを出て久々の雷雨のせいか少しは暑さの和らいだなか黒兵衛と散歩。しかし湿度は高く蒸し暑い。日本の夏は金鳥の夏ではなく熱帯の夏ですね。ワン。暑さのせいかこの日記に書き忘れてしまったことを思い出す。NHK『魔改造の夜』でパンダのおもちゃを「魔改造」して大玉転がし50mレースをやったのが最高に面白かった。その他明日のRKBで話す内容(ウクライナで冬季五輪の開催を目指すという春日良一氏の主張)を調べ直したり金曜の『ニューズ・オプエド』の特集『真夏の甲子園はいらない』出版記念第15回最終回のゲストや内容を考えたり(ゲストは成城大学の山本敦久教授が喜んで出演しますと言って下さいました)しかし若いときには夏バテなんか感じたことのなかった小生も今年の暑さはコタエますね。夕方になって一天俄に掻き曇りゴロゴオロピカッドッカーン…と夕立。お天道様と雷神には猛暑と豪雨の間の選択はないのかな。晩飯食べながら見たパリ・サンジェルマンとインテルの試合は羽那(花)試合マァマァ面白かったですね。

7月31日(月)
『硫黄島上陸』読み続ける。著者は硫黄島にいた「朝鮮人軍属」の存在にも触れる。ネットには《朝鮮人を好まない人たちが》硫黄島では《朝鮮人たちの軍属が真っ先に投降して守備隊の地下壕の位置を米軍側に伝えそのことによって大勢の守備隊兵士が犠牲になった。だから朝鮮人は怪しからん》などと書いていているらしいが著者は《その根拠となる一次資料をいまだに見たことがない》と書く。そして硫黄島発の電報では《朝鮮人を含む「工員」が硫黄島には約1600名いて〈続々ト切リ込ミ肉攻ニ参加〉していると報告。中でも〈大多数半島人ヲ以テ編成シ〉た部隊は〈最モ勇敢〉だったという〉と書く。そしてそれまで《硫黄島の朝鮮人について発信したことがない》自分(新聞記者)を《僕も批判されるべき側の一人》とも書く。こういう謙虚な人は信じられると小生は思います。ワン。ベッドを出て命に危険な暑さの炎天下黒兵衛と散歩。高校野球の会場だけは運動が許されるのは不思議ですね。それにしても南関東はモウ連続何日間も雨がない。なのに蒸し暑い。嗚呼。ワン。本HPの更新原稿を(株)bitさんのスタッフに送って夕方からはサッカー女子W杯なでしこvsスペイン戦。いやあマァなでしこジャパンの守備と攻撃は素晴らしかったですねえ。強豪スペイン相手に4-0は予想できませんでした。お見事!ノルウェー戦も頑張れ!晩飯は吉本新喜劇を見ながら。あいちゃんが頑張って面白かった。報道ステーションが異常気象の猛暑と暑さ指数などを報じていたので高校野球はどんなふうに報道するのかなと思って最後まで見たら高校野球には触れず。このままずっと高校野球に触れずにいたら最高に評価しますけどね…。

7月30日(日)
『硫黄島上陸』は素晴らしいドキュメンタリーです。戦後は米軍の核戦略の中心として扱われ核戦争を想定したキノコ雲も使った訓練が行われたという。日本に返還されてからは自衛隊が米軍と共に支配して旧島民の復帰や遺骨収集が妨げられているという。著者はその現実を現地調査に加えて膨大な資料分析と取材で明らかにしてゆく。そして2度目の硫黄島上陸へ…。ナルホド戦争は終わっても戦禍は終わらないのですね。完読まであと少し。多くの人にも読んでほしい一冊ですね。ワン。ベッドを出て長女と一緒に黒兵衛と散歩。終日本HPの原稿締め切りに向けて原稿の整理。ふううう。この作業って結構時間がかかるんですよね。晩飯はクリント・イーストウッド監督の『硫黄島二部作』を夕方から見ながら土用の鰻とビール。『父親たちの星条旗』はメイキングを見て『硫黄島からの手紙』はメイキング+本編を見てしまう。後者の作品は明らかに日本人映画マンが手がけなければならない作品と言えますね。しかしイーストウッドは本当に素晴らしい映画監督ですね。『ローハイド』のロディからは想像できません。

7月29日(土)
『硫黄島上陸』読み進む。令和元年度第2回硫黄島遺骨収集団にヴォランティアとして参加した北海道新聞記者は《連日炎天下のなか地熱でサウナ状態の地下壕に入り全身汗と泥にまみれながら》奮闘。しかし《総勢37人が2週間で発見した遺骨は4体》だけだった。帰国した記者は厚労省に残された過去の遺骨調査団や収集団の大量の記録を調べ上げて行方不明の遺骨のあまりに大量な原因の背景に米軍の存在と日米の核密約に辿り着く。まだ半分手前までしか読み進めていませんが多くの人に読んでほしい素晴らしい力作です。ワン。ベッドから出て殺人的猛暑のなか黒兵衛と散歩。小さな公園でも木陰に入るとヒンヤリする。エアコンより植物のほうがよほど優秀な機能を備えてますね。帰宅するとNHKがニュースで「身体に危険な猛暑。特別な場合を除いて外出は控えるように」と警告を出すなか高校野球の西東京大会決勝が行われていた。石川県の馳浩知事は石川県大会決勝の正午過ぎ(午後0時半)開始に異議を唱えたらしい。当然ですよね。しかし甲子園大会の決勝もいつも午後2時とか暑い盛りの開始ですからね。1974年9月上旬にテヘランで行われたアジア大会のマラソンを思い出しました。それは正午スタートで暑さのため中止になったのですが古代ギリシアにマラソンの戦いで敗れたペルシャの末裔を自認していた当時のパーレビ国王がマラソン競技をやりたくなかったからでした。ひょっとして高野連も本当は真夏の野球など高校生にやらせたくないから中止になることを期待して午後0時半や2時といった暑さ真っ盛りの時間帯に試合開始を設定しているのかもしれませんね(笑)。ちなみに馳浩知事は甲子園大会のあり方に高校生の教育(部活動)として疑問を抱かれていて文科大臣時代には開会式を欠席。副大臣を行かせたと本人から聞いたことがあります。またスポーツ議員連盟時代の馳氏はNHK時代のOK氏が講演に来られたときに小生が「何故NHKはたかが高校生の部活動を全国ネットで放送するのか?」と質問すると横の席から大拍手してくれました。その経緯は匿名ですが拙著『真夏の甲子園はいらない』に書いてます。夕方から長女が来宅。晩飯&酒は井上尚弥vsフルトンの試合や井上のドキュメンタリーを見ながら。ナルホド面白いボクサーであり面白い親(トレーナー)子ですね。

7月28日(金)
酒井俊平『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』読み進む。戦時中硫黄島はサイパンから飛び立った米軍B29爆撃機が日本軍の攻撃で帰還困難になったときの中継地や護衛の戦闘機の発着基地として利用するため大急ぎで滑走路が整備されたらしい。その結果多くの日本兵の遺骨が今も滑走路の下にあるかも…その滑走路を今も自衛隊や米軍が利用しているのですね。なるほど《戦禍に終わりなし》なのですね。ワン。殺人的暑さのなか黒兵衛と朝の散歩。そう言えば谷崎潤一郎の『少年』という題名の小説だったか少年が大人の様子を見て「暑い暑い」と騒ぐのが理解できないといった表現があったのを思い出した。確かに若いときは暑さも真夏の太陽も無視して草野球に興じていたのを思い出す。谷崎が生きていたら現在の地球規模の殺人的暑さでも同じ表現をしたかな?ワン。帰宅すると高校野球埼玉県大会決勝が「危険な暑さで特別な場合を除いて外出を控えるように」という警告が出るなかで行われていた。高校野球は「特別な場合」なんですね。メジャーのダブルヘッダーでの大谷の投打に渡る大活躍は素晴らしいけど高校野球が現在のまま改革なしに続行されて良いわけはないですよね。プロ野球もメジャーのように税金の十分な援助を得られるとように企業の支配を離れて公共の文化財になるべきですね…と40年以上言い続けてきた思考を頭に浮かべながら『ニューズ・オプエド』の準備。今日のゲストは小林信也さんと氏家英明さん。二人に中日新聞の高校野球連載(昨日の本欄に書いた桑田真澄さんの危機感や高校野球のリーグ戦化の話など)をPDF.にして資料として送る。あとで小林さんが言ってたけど我々が『真夏の甲子園はいらない』に書いたような「改革案」を口にする球界関係者が確実に増えてきたとか。我々の出版も無駄じゃないですね。『オプエド』本番では氏家さんが貴重な意見を提案。高校野球をやってる高校にはプロを目指す選手を多く抱えた高校から不登校の高校生たちを野球を通じて登校させるように努力している高校まで様々な高校があるのだから試合はカテゴリーに分けて行うべしと主張。さらに各都道府県の高野連が独自に様々な改革に手を付けることができる(実際神奈川県高野連はベンチ入りできる選手数や指導教師を増やしたりしている)ので各地方から改革を進めてほしいと主張。貴重で有効な意見ですね。番組終了のあと『チコちゃん』見ながら晩飯&酒&寝る。夜もエアコンをつけないと寝られない熱帯夜の連続。南関東は雨がまったく降りませんね…人間のやることを地球が怒ってるのかな?

7月27日(木)
朝ベッドのなかでの読書で酒井聡平『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』(講談社)読み始める。なぜ小生に送られてきたかわからない一冊だが北海道新聞記者で土日は「旧聞記者」と自称して第二次大戦の取材を続けている記者の硫黄島での遺骨収集ドキュメンタリー。《「終戦」とは戦闘の終了に過ぎない。「戦禍」には終わりがないのだ》《大腿骨を持った際のずしりとした感覚はしばらく僕の手から消えなかった。兵士はまだ戦っているのだ。僕は強くそう思った》《ここでは毎日がお葬式なのだ》読み始めてすぐに気付いたのは読む価値アリの一冊だということ。良い本を送っていただき感謝です。ワン。殺人的猛暑のなか黒兵衛と散歩。昨日の高校野球神奈川県大会で「誤審」が騒がれているが猛暑で審判が倒れたことは騒がれない。不思議な高校野球。中日新聞の高校野球特集の連載で巨人二軍投手コーチの桑田真澄さんが「改革しないとマイナー競技になる」と憂いていた。高校野球はマイナー競技になったほうがイイとも思いますが主催社(朝日新聞射)は高校生の健康や野球の健全な発展よりもデッカい話題で騒ぎ立てたい(新聞を売りテレビの視聴率を上げたい)から桑田氏のような危機感は抱いてないでしょうね。嗚呼。ワン。終日デスクワーク。請求書を書いたり明後日のオプエドの手配をしたり(ゲストは小林信也さんと氏原英明さん)。思い切り高校野球の「前向きの話」をしましょう。NHKがテレビ中継を止めれば私学の宣伝効果もなくなり、高校野球も高校生の健全な部活動に戻るでしょう(と小林さんも言ってます)がテレビや高校野球ファンは反対するでしょうね。まるで古代ローマ時代にグラディエーターの戦いを見て楽しんだローマの貴族や市民のように殺人的猛暑のなかでの「戦い」を楽しむ人がいますからね。夜は阪神巨人戦や世界水泳を見ながら晩飯。スポーツの話題は尽きないけど小生の最大の注目は2030年のオリンピック冬季大会のウクライナ開催ですね。ロシアもベラルーシも参加してウクライナ五輪ができればオリンピックの平和の理念も復活ですよね。

7月26日(水)
弘中惇一郎『特捜部の正体』(講談社現代新書)読了。正義の味方と思われる地検特捜部が実は《捜査権・逮捕権・起訴権の"一体化"により暴走を止めることはますます難しくなった(略)。しかし強大な権力を持つ特捜部をチェックする機関はどこにもない》《概して検察官というのは「自分たちは日本のために仕事をしている」という意識を持っているようである。ことに特捜部の検察官は自分たちで事件を探し出し自分たちで立件するのでそのような意識が強い》こんなところから《「自分たちは日本のためにやっている。強引な捜査をして何が悪い」という歪んだ正義感が彼らを暴走させる要因の一つになっていると思う》と書く著者は「人権」よりも「治安維持」を優先させた終戦直後の「人質捜査=長期拘留」等のアナクロ反人権捜査を批判してリーズナブルな特捜部改革案を提示している。誰もが読むべき一冊だと思ったが特に検事やヤメ検の皆さんの「反論」を聞いてみたいですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはW杯なでしこジャパンの活躍が期待される女子サッカーについて。サッカー発祥の地であるイングランドではサッカーは男子のスポーツと考えられて女子サッカーはなかなか発展しなかったが男子の球技はアメリカン・フットボールでサッカーは女子のスポーツと考えたアメリカで女子サッカーが発展した…とかサッカーを主に男子のスポーツ考えたヨーロッパ(デンマークやドイツ)で女子の球技としてハンドボールが生まれた…なんて話をして朝のラジオを終えて黒兵衛と散歩。殺人的猛暑のなか夏は暑いのが当然!と頑張って散歩。しかし殺されはしなかったけど暑い。家に帰るとNHKーBSで高校野球神奈川大会決勝をやっていた。殺人的猛暑のなか審判の足が攣って試合が中断。試合再開後今度は球審が体調不良だか何だかで球審が交代して試合が再開。神奈川高野連の解説者が「横浜球場の人工芝の上は気温が60度にも70度にもなりますからね」と平気で言っていたのには唖然とした。そんななで野球をやるのはギネス新記録級か?異次元の野球か?夏目漱石が『趣味の遺伝』の冒頭に《暑さのせいで神も気違いになる》と書いた(日露戦争を批判した)ことを思い出す。とにかく尋常ではないですね。午後からは冬のニュージーランドでの女子サッカー日本vsコスタリカ。なでしこジャパンが見事に2-0で勝利。昨日の本欄に書かなかったけどパリ・サンジェルマンのクダラナイ試合よりよほど見る価値のあるイイ試合でした。北國新聞の原稿の校正をして晩飯は今日も『ドン・ジョヴァンニ』を見ながら。トーマス・ハンプソンのザルツブルク音楽祭の舞台。演奏は素晴らしいけど現代版の演出は?

7月25日(火)
『特捜部の正体』読み進む。非常に興味深い指摘の連続だが小生はどちらかと言うと捕まえて尋問する側ではなく捕まえられて取り調べられる側の人間と言えるので(笑)特捜の異常と言うほかない激しい取り調べを読んで「御上」の怖さを感じるほかなかった。もっとも庶民感覚としてカルロス・ゴーンに同情の念を抱く気にはなれないが…そういう庶民感情も特捜は利用して「目的」を達成するのですね。村木厚子・角川歴彦・小沢一郎・堀江貴文・鈴木宗男…らを窮地に追い込んだ特捜の「目的」って何?もうすぐ読了。その「何」がわかるのかな?ワン。ベッドを出て猛暑熱波のなか黒兵衛と散歩。犬を飼ってる多くの人はもっと早い時刻に散歩に出ているらしいが小生は猛暑も極寒も午前9時を動かさない。別に大きな意味はないがルーティンとはそんなものでしょう。黒兵衛も真っ黒な身体に真夏の陽射しを浴びてギラギラと黒光りしながら元気に歩いている。もう12歳。元気だな。ワン。デスクワークは北國新聞の連載『スポーツを考える』70回目の連載執筆。今年もまた「魔夏の甲子園」じゃなく「真夏の甲子園大会」に向けて狂気の…と言うほかない高校野球が始まっている。屋外で運動禁止の猛暑のなか大人たちが高校生を使って楽しんでいる大会…とも言える異常事態を批判。自著の宣伝は控えました(苦笑)。そう言えば一橋大の坂上先生は「理屈のないものは強い」という言い方をされてましたね。誰も高校生の「教育」などとは思っていない高校野球が高体連や教育委員会から独立して「何」のためにやってるかわからないまま100年以上続いてるのは「強い」のですね。朝日新聞の利益になっているとも思えないし…「売名」で利益を得るのは甲子園に出場した私学高校だけかな?明日のRKBラジオの準備(女子サッカー)をして晩飯は先週のオペラツアーに刺激されてチューリヒ歌劇場の『ドン・ジョヴァンニ』を見ながら。マッティ・サルミネンの騎士長は迫力ですね。

7月24日(月)
朝のベッドでの読書は弘中惇一郎『特捜検察の正体』(講談社現代新書)読み始める。ナルホド。ロッキード事件の田中角栄逮捕以来「正義の味方」のように思われていた東京地検や大阪地検の特捜部も結構エゲツナイ取調や拘留延長をやって自白調書のでっち上げまでやってるんですね。オーコワ。しかし《特捜事件はいったん動き出したら止まらない。少なくとも私は途中でブレーキを踏んで止まった特捜事件というものを聞いたことがない》と書かれているから東京五輪贈収賄汚職事件もまだ「上」のほうへと続いてるのでしょうね?ワン。ベッドを出て黒兵衛と熱波のなか散歩。木陰に入るとヒンヤリする。植物の力は大きいですね。ワン。デスクワークは連合通信の短いコラムをブラッシュアップして送稿&岩佐賞「スポーツ芸術部門」の一次書類の評価表を仕上げる。ふううう。2階の仕事部屋は風が入るとエアコンは不要。世界中のエアコンを一斉に消すと温暖化はかなり和らぐようにも思えるけど…人類は自分で自分の首を絞めてるのかな?金土のオペラ・ツアーで自宅を離れた間の郵便物の整理をしたら講談社から酒井聡平『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』というノンフィクションが届いていた。帯に《日本兵1万人がいまだ行方不明の謎》とある。著者は北海道新聞記者。《土曜日曜は戦争などの歴史を取材発信する自称「旧聞記者」》という紹介にも惹かれた。読まねば。さらに『東京大学×吉本興業[編]最強の漫才 東大と吉本が「お笑いの謎」に迫ってみた!!』というA4版のデッカい一冊も。「笑い」の分析はベルクソンの『笑い』(岩波文庫)を読んだことがあるが桂枝雀師匠の「笑いと呼吸論」で十分という気がした。息を吸ってるときは笑えず吐いてるとき笑うというわけ。ダニー・ケイがニューヨーク・フィルを指揮したときも確か同じようなことを言ってましたね。晩飯はTVKで吉本新喜劇を見ながら。平均点の面白さ。つっかけの客相手にはそれが大事なんですよね。

7月23日(日)
昨日のオペラ・ツアーで疲れたのか昨夜は大爆睡。まぁ晩飯が10時過ぎでベッドに入ったのが午前1時前だから当然でしょうね。読書を2日もパスしてベッドを出て黒兵衛と散歩。真夏の太陽も気持ちがいい。やっぱりその仕事は活力を補充出来ますね…と言うより佐渡裕指揮のモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』の迫力が体内にもエネルギーをくれたかも…ワン。デスクワークはゆっくりと通信社のコラムを書き直したり岩佐賞の審査表を完成させたり…そして池上彰&佐藤優『黎明日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向1867-1945』(講談社現代新書)を読了。日本の現実を知らないコミンテルンの指導に従い続けた戦前の日本共産党の失敗とはいえ最近も《新自由主義の導入の失敗を見ると悪弊は左翼に限らない》という池上氏の指摘は納得ですね。さらに現在は《日本の左翼運動が低迷している間に自民党を右から補完する政党や既成の政治を全否定するネット型の政治勢力が伸張して》いる状況。《戦後を「戦前」にしないために私たちに何ができるのか?》難しい状況ではありますね。面白かった名古屋場所の大相撲も豊昇龍の優勝で幕ですね。大相撲もここまでガチにやってくれると大満足ですね。夜はNHKスペシャルの深海調査と奇っ怪な深海魚たちとワインを楽しんで寝る。

7月22日(土)
名古屋のホテルで朝6時半起床。シャワーを浴びて準備して7時20分のチェックアウト。迎えに来てくれたKくんと一緒に栄の久屋中日ビルへ。バスが停まっていて『佐渡裕オペラ観劇ツアー』の参加者が次々集まって合計20数名とスタッフ2人で午前8時にいざ出発。新名神高速道路や第二京阪高速を経由して名神西宮で一般道へ。途中2度のサービスステーション休憩タイムの前後3回にわたって今日見るオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の解説やオペラの歴史やモーツァルトについて喋ったあと兵庫県立文化芸術センターに到着。迎えに出てくれたスタッフの方に挨拶のあと楽屋へ。プロデューサーの小栗哲家さんに挨拶のあとツアー参加者と一緒にホール内のレストラン『テアトル・ボア』で昼食&歓談。デザートとコーヒーを楽しんでいるところへ予定通りのサプライズ企画で佐渡裕さんが登場してくれてツアーの皆さんに『ドン・ジョヴァンニ』の見所を解説。ポロシャツに短パン姿はゴルフをやってきたあとかな(笑)。お話のあとツアーの皆さん一人づつにサイン入りプログラムを配ってくださり最初のサプライズ企画は無事成功。全員でホール客席に入って『ドン・ジョヴァンニ』鑑賞。素晴らしい舞台に素晴らしい音楽の連続。最後にドン・ジョヴァンニが殺害した騎士長の石像が現れ稲妻と雷鳴と煙のなかジョヴァンニが地獄へ引きずり込まれるシーンは迫力満点!満員の観客総立ちのカーテンコールが何度も続いた。最後に巨大なドンペリが舞台に2本現れコルクが抜かれると金色のテープが何本も噴射。出演者も観客も全員手を振って別れを惜しむなか公演終了。サスガは佐渡さんですね。音楽でも舞台でも観客の心を鷲掴みでした。観客が佐渡さんのサイン会に並ぶか帰途につくなか我々オペラツアーの観客は客席最前列に集合。プロデューサーの小栗哲家さんから今回の上演の苦労話や面白話を聞いたあとバックステージツアーで楽屋から舞台裏を見学して舞台のうえへ。そこで再び小栗さんから話を伺ったり写真を撮ったり…舞台で使われ5個のシャンデリアは高さが2メートルもあったらしい。だから貴族ドン・ジョヴァンニ邸の迫力も出たのですね。これですべてのスケジュールを終えてツアーの皆さんは帰りのバスへ。小生も最後の挨拶をさせてもらうと全員が大満足と大喜びで来年の『蝶々夫人』も絶対にツアーを企画してほしいと言われた。小生はそこで別れてタクシーでJR西宮駅へ。新大阪から品川経由で心地よい疲れと共に大船の自宅へ帰宅。このオペラ・ツアーは2008年の『メリー・ウィドウ』以来『カルメン』『キャンディード』『こうもり』『トスカ』『セビリャの理髪師』『コジ・ファン・トゥッテ』『椿姫』『夏の夜の夢』『フィガロの結婚』『魔弾の射手』『オン・ザ・タウン』と12年に渡って続けてきたもの。その後コロナで3年連続中止となったが今年13回目のツアーが4年ぶりに成功。皆さんの喜ばれる顔を見て本当に嬉しかったです。佐渡さん・小栗さん・兵庫県立芸術文化センターの皆さん・それにレストラン『テアトル・ボア』の皆さん!本当にありがとうございました。来年も是非ともよろしくお願いします。

7月21日(金)
『黎明日本左翼史』読了寸前。日本共産党の歴史の説明のなかでプロレタリアート文学を《エンタメ性抜群》と評していたのには笑いながらナルホドと納得した。《小林多喜二の小説にはエンタテイメント性がものすごくあるんですよ(略)あの凄惨な拷問描写は一種のSM小説のようにも読めてしまう艶めかしさがあります(佐藤)》《当時リアルタイムで読んでいた読者にしても一部はそういった受容の仕方をしていた可能性は否定できませんね(池上)》こういう非政治的な(人間的な)視点は面白いですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と汗まみれになって散歩。南関東に梅雨明け宣言を出すのが遅すぎますね。ワン。帰宅してシャワーを浴びたあとイロイロ準備して大船駅から品川へ。新幹線で名古屋へ。明日の栄中日文化センターと中日ツアーズ主催の兵庫県立文化芸術センターでの『佐渡裕プロデュース・オペラシリーズ「モーツァルトのドンジョヴァンニ」鑑賞ツアー』に解説者として同行するため名古屋へ。前泊するホテルに入ってアシスタントとして協力してくれる名古屋在住のスポーツライターKクンと待ち合わせ。Kクンによるとこのホテルは早くもリニア新幹線名古屋駅付近にその客目当てで建てられたという。リニア…はホンマに出来るんかいな?いろいろ楽しく晩飯&酒で歓談。部屋に戻って『チコちゃん』見たあとシャワーを浴びてベッドへ。大相撲の優勝争いは帰宅してからゆっくり録画を見ましょう。チコちゃんは「海の水はなぜなくならな」」の答えでいろいろ反論が出ているらしい。スポーツの話題でも(オーバーに言えば)抗議したい話もいくつかあった。けどまぁバラエティ番組ですからね。名古屋泊。

7月20日(木)つづき
大相撲&晩飯に続いて酒&オールスター戦を楽しもうとしたけど昨日に続いてイマイチ面白くないのでチャンネルを変えるとなでしこジャパンがアメリカに勝った2011年の女子W杯の決勝をやっていたので見てしまう。12年前は文化放送の朝の番組に生出演した直後スタジオ横のロビーのテレビでみんなで見て大興奮したのを今も憶えています。その結果を知っていても興奮するコレは名勝負!本当に見事な試合でしたね。延長宮間のCKから澤の同点ゴールで2-2からPK戦。GKの海堀大活躍でなでしこの見事な初優勝!!再放送見ても興奮しました。今年のなでしこも頑張れ!

7月20日(木)
『黎明日本左翼史』オモシロイ。小生が幸徳秋水&管野スガ・大杉栄&伊藤野枝などの薄い知識を持ち合わせていたのは宮本研の戯曲『美しきものの伝説』を高校生の時に文学座の舞台で見たから。他にも宮本研の戯曲は『阿Q外伝』も素晴らしかった。1970年代までは「革命」が我々の近くに存在してましたね。アナルコサンディカリスムもボルシェビキも近くにあった単語。しかしその時代は日本のメディアがスポーツに狂奔していた戦前の時代でもあり最近そのスポーツの時代を年表に纏めたりもしましたが(『真夏の甲子園はいらない』に書きました)その時代が「革命」とも同居していたことを再認識しました。歴史とは一筋縄で理解できるものではないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。いつまで続くこの熱波。コロナ前は孫と二人で湘南海岸へ泳ぎにも行ったりもしたけどモウそこまでの元気はないですね。と思ったらいつの間にか孫は中学生になって水泳部に入っている。光陰如矢。學難成。ワン。終日仕事部屋に籠もって岩佐賞の芸術スポーツ部門の一次書類審査。入院患者に音楽を届けたり病院でアートの展覧会を開いたり子供にラグビーを教えたり障害者とサッカーを楽しんだり…みなさん有意義な活動をイロイロされていて頭が下がります。それに順位を付ける作業は少々辛いですね。一日中椅子に座る日が続いて少々疲れた。晩飯は大相撲の録画を見ながら。うわっ。湘南乃海が錦木に勝ったァ!今場所はホントにいろいろとオモシロイことが溢れてますね。


7月19日(水)
『黎明日本左翼史』読み進む。中江兆民・堺利彦・幸徳秋水・黒岩涙香・内村鑑三・片山潜・安部磯雄…歴史の教科書の紹介だけではわからない各々のキャラが立ってオモシロイ。それにしても明治の知識人たちの語学にかける情熱は大したものです。大杉栄でも《英語とフランス語に加えて「一犯一語」を標榜し監獄に入れられるたびにエスペラント語ロシア語イタリア語ドイツ語スペイン語と使いこなせる言語を増やし》たというから南方熊楠が語学の達人になったのも明治人として驚くことではなかったのかもしれない。そうして海外に雄飛した中江兆民はパリ・コンミューンに遭遇し幸徳秋水はサンフランシスコ大地震の秩序ある無政府状態に遭遇。革命やアナーキズムを体感もしたのですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは大谷の活躍でメジャーリーグ楽しむ基礎知識。ア・リーグ/ナ・リーグなんて言葉がアメリカでは通じないのは当然だがメジャーリーグと言ってもアメリカ人にはわからない。大リーグの野球はmeasure(メジャー=計量器)ではなくmajor(メイジャー=大きいetc)ですからね…といった話をいろいろして番組を終えて黒兵衛と灼熱の太陽の下の散歩を楽しむ。カリフォルニアのデスヴァレーよりはマシですからね。そして終日岩佐賞の一次書類審査に集中。小生を審査員に選んでくれたのは芸術もスポーツも審査できると評価してくれたから。それをまったく知らない男が小生をまるでスポーツのことしか知らないような書き方をしたので現在アタマにきて抗議してる最中です…がそれはさて措き審査は音楽絵画関係が上位に来てサッカーなどのスポーツ関係の点数が伸びないなあ…マァ仕方ないか。審査を続けなければ…その合間に『ZAITEN』の対談や連載の校正もこなして…ふうう。晩飯は大相撲の録画を見ながら。錦木強い!名古屋場所は休場力士が多いのにメッチャ面白いですね。

7月18日(火)
『黎明日本左翼史』読み進む。オモシロイと言うよりコレは学習ですね。ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』という概念は知らなかったけどスルドイですね。《様々な出来事を一つの紙面の中に提示する新聞が世の中に登場したことで人々はその紙面に書かれている内容がある「一つの社会」で起きているっことだと初めて意識できるようになった。そしてこの意識を共有できる範囲こそが「国民」という「想像の共同体」なのであり18世紀のヨーロッパで国民国家とナショナリズムが芽生えたのは資本主義経済と印刷技術の発展により出版・新聞産業が興隆した必然的結果なのだとアンダーソンは考えた》ナルホド。「想像の共同体」は新聞→ラジオ→テレビ→ネット→SNSと変化したなかでどのように変化したのかな?分断された共同体?ワン。ベッドから出て猛暑でギンギラギンの太陽の下黒兵衛と散歩。そう言えば一昨日の高校野球神奈川大会で球審が体調不良を起こして試合が中断したことはどこも報じませんでしたね。報じられないものは社会(共同体)に共有されず存在しなかったものとなるのですね。高校野球には「存在したのに存在しなかったものになったなってしまった存在」がけっこうありそうですね。ワン。今日から岩佐賞という表彰の一次審査を始める。芸術・スポーツ部門の審査で今年で3年目。面白そうな企画がいっぱい寄せられて結構シンドイ作業ですなあ…。晩飯は大相撲の録画を見ながら。横綱不在でも今場所の土俵は抜群にオモシロイ!翔猿・碧富士ほか魅力ある力士が次々と頑張ってますね。ブラーヴォ!

7月17日(月)
朝のベッドの読書で池上彰+佐藤優『黎明日本左翼史 左派の誕生と弾圧1867-1945』読み始める。オモシロイ。「秩父困民党」による武装蜂起事件や車夫(人力車引き)たちの組織した日本初の無産政党である「車界党」など日本史の常識のなかに組み込んでおくべき出来事ですね。ワン。ギラギラの太陽の下長女と一緒に黒兵衛と散歩。梅雨明け宣言はまだとは言え暑さは真夏ですね。仕事さえなければ真夏は大好きですが今週はチョット仕事が立て込んでいるのと少々厄介な腹立たしい出来事の抗議をしたり謝罪を要求したりしなければならないので月末の締め切り連合通信の連載原稿を先に仕上げておく。ふうううう。結構時間がかかって大相撲TV観戦は晩飯を食べながら録画で。一昨日豪ノ山に勝った湘南乃海が琴恵校も破って頑張ってますね。地元力士を応援しましょう。毎週月曜8時からは神奈川テレビで吉本新喜劇。スチコさんと千葉さんの強烈なナンセンスの連続に感激。パターン化した意味のないギャグをこれほど上手く演じる喜劇役者はなかなかいませんよね。笑いで暑さを吹き飛ばした…とはいえ夜寝室で今夏初めてエアコンの世話になる。嗚呼。

7月16日(日)
ベッドの読書で志村真幸『未完の天才南方熊楠』(講談社現代新書)読了。風景(環境)・妖怪・変形菌(粘菌)・キノコ・夢…熊楠が研究対象に選んだ分野はすべて完成があり得ないものばっかりだったのですね。そういう分野を選んでしまう熊楠の感性は素晴らしいですね。未完成を選ぶ感性を未感性と呼びたいですね。ワン。ベッドを出てギンギラギンの陽光の下長女と一緒に黒兵衛と散歩。昔桂枝雀さんはこーゆー天候のことを「お日ぃさんがクヮアアアアー!」と表現されてましたね。おまけに「これは外国語へは翻訳不可能で日本語にはそんな言葉が結構ぎょうさんあるのは嬉しいことでございますね」などと落語の枕に使っていたのを憶えている。ワン。それにしても凄い陽射しでテレビのスイッチを入れると神奈川テレビで高校野球の神奈川大会を放送していたが球審が体調不良を訴えて試合が中断。後に再開したがNHKのニュースが「特別な場合を除いて屋外での活動は止めましょう」と言っていたが高校野球は「特別な場合」なのですね。熊楠の本を読了したと思ったら講談社から現代新書の新刊が送られてきた。桑瀬章二郎『今を生きる思想ジャン=ジャック・ルソー「いま・ここ」を問い直す』これは面白そうで是非読みたいですね。弘中惇一郎『特捜検察の正体』。「まえがき 特捜検察20の手口」で五輪汚職を取りあげ(著者は逮捕された角川歴彦氏の弁護人)紳士服AOKIの前会長に有罪判決が出たことの《一方で大会組織委員会の中枢にいた森喜朗元首相をはじめとする自民党の有力政治家や副会長だった竹田恆一JOC元会長には任意で事情聴取したもののそれ以上のことは何もしていない》と痛烈に批判。絶対読まねば。池上彰+佐藤優『黎明日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向1867-1945』これは太平洋戦争後の『日本左翼史』を『新説』『激動』『漂流』の3冊に纏めたあとの明治に遡っての記述。読まねば。そう言えば一昨日の東京新聞に池内了氏が『「新たな敗戦」迎えるか』と題して『現代版富国強兵策』を書かれていた。明治以降の富国強兵策は結局無残な敗戦という結末に終わったが新たな富国強兵策として「武器輸出三原則」を「防衛装備移転三原則」と言い換え「強兵」とは言えないので「国家安全保障戦略」と言い換えた安倍政権以来の「軍拡路線」はどうなるのか?(新たな敗戦を迎えるのか?)という文章は納得しながらチョイと恐怖を感じた。焦臭い匂いの漂う昨今ですね。夕方涼しくなってから長女と長男の庭仕事=プランターの花を活ける)を手伝ってみんなで晩飯。久し振りにサイモンとガーファンクルのNYセントラル・パーク野外コンサートを楽しんだりレディ・ガガの♪サウンド・オヴ・ミュージックや♪ニューヨーク・ニューヨークを楽しんで極めつけはブライアン・アダムス&スティング&ロッド・スチュワートによる♪オール・フォー・ラヴ(映画「三銃士」のテーマ)でしたね。パヴァロッティとブライン・アダムスなどが歌ったのより凄かった。

7月15日(土)
読書が進まないのは夜の暑さに加えて小生に関するメッチャ阿呆な記事が書かれたこともあるみたいです。ネットに出ている阿呆な記事はまったく気にしないことにしてます(それに関わるとこっちも阿呆と同じレベルに堕すことになりますから)。しかし文庫本の解説に堂々と間違ったことを平気で書かれるとガッカリしますね。読まれる量はネットより少ないのかもしれませんが自分が信頼しているメディアの堕落はショックですね。もちろん抗議の文書は送り担当編集者は非を認め電話で誤ってくれましたが執筆者からの謝罪はまだです。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。猛暑はキツいけど夏は嫌いじゃないですね。ワン。帰宅してシャワーを浴びて仕事。『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」に大谷の活躍ばかりを報じてMLBとプロ野球の構造的彼我の違いを報じないマスメディア批判を書く。MLBの美しい球場のほとんどには大量の税金が投入されているけど日本のプロ野球の球場にはほとんどソレがないことが根本的問題ですよね。東京ドームを建て替えるからといって東京都が税金で支援することに賛成する都民も国民もいないということこそ日本のスポーツ界の最大の問題点と言えるかも…。夕方から久し振りに長女が来宅。大相撲見ながら晩飯(今場所の若手力士大活躍の大相撲はオモシロイですね)のあと酒飲みながら映画『ユナイテッド93』を見る。前半から中盤のドキュメンタリー・タッチの管制塔や軍や航空管理所の場面のスピーディな展開は映画として見事に作られていた。悲劇に終わる後半はチョット見るのが辛いですね。口直しにというわけでもないが『ゴッド・ファーザーPARTV』の終盤をコッポラのディレクターズ・カット版と劇場公開版を見較べて楽しむ。これは完全に劇場公開版のほうがイイですね。監督(ディレクター)が自分のやりたいようにやるのが素晴らしいとは言えないわけでエディター(編集者)の力の見事なことを再認識できました。映画だけでなく書籍も同じですよね。

7月14日(金)
『未完の天才南方熊楠』もうすぐ読了となるのが悲しくなるくらいオモシロイ。妖怪に対する知識も相当なもので水木しげるが熊楠の生涯を『猫楠』と題した漫画にしたのも当然ですね。ただ河童の話題については最近亡くなられた上岡龍太郎さんの「河童=来日バテレン説」が大好きで熊楠も柳田国男も水木しげるもそのアイデアに至らなかったのは残念だ。キリスト教に対する弾圧で山に逃れて隠れていたバテレン(宣教師)が時々川に水を飲みに来てソノ姿を時折見た村人たちが頭頂部を剃ったバテレンの姿から河童のイメージができあがったという。今もかつてのキリシタン大名大友宗麟(洗礼名ドン・フランシスコ)の治めた豊後(大分県)に残る河童祭りにはポルトガル語で歌われる歌が残っているということを上岡龍太郎さん出演(多分プロデュースも)のポルトガル取材も含むTVドキュメンタリーで見たことがある。上岡さんとは2度ばかりラジオでご一緒させてもらったことがあったが「打てば響く」とはこの人のことだと気持ちのよかったことを記憶している。合掌。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雲が多く涼しいかと思えば湿度は低くならず蒸し暑さは相変わらず。そう言えばカルロス・クライバー指揮ウィーン国立歌劇場公演R・シュトラウス『ばらの騎士』の来日公演を見聴きしたことがあったけど第1幕が終わった瞬間…あああ…こんなに素晴らしい演奏の3分の1が終わってしまった…この舞台は永遠に続いてほしいと思ったものだ…熊楠に関する本を読んでると熊楠という人間の大きさにもそんな凄さがありますね。他には夢野久作『ドグラマグラ』と谷崎潤一郎『乱菊物語』もそうかな?ワン。いろいろゴチャゴチャ雑用のあと夕方から『ニューズ・オプエド』今日のゲストはスポーツライターの小林信也さんと五輪アナリストの春日良一さん。春日さんの主張する2030年冬季オリンピックをウクライナで!!という主張に大賛成で春日さんには2週前に続いて出演してもらった。そしてオリンピックと甲子園大会という「人気イベント」の問題点を語り合う。今も視聴できるのでどうぞhttps://op-ed.jp/

7月13日(木)
『未完の天才 南方熊楠』読み続ける。熊楠がエコロジー(環境問題)の観点から明治政府の「神社合祀」に強く反対したのは素晴らしい。《無用のことのようで風景ほど実に人の世の中に有用なものないと知るべきである》と書いた熊楠の一文は深く噛み締める価値がある。本書の著者の志村真幸は《「風景」という言葉は現在では「環境」といいかえていいだろう》とわかりやすく解説を加えてくれていて確かにその通りなのだが「風景」という言葉の有する「環境」という言葉にはない美しい視覚的イメージも含めて風景という言葉の持つパワーを再認識した。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。梅雨は鬱陶しい季節とはいえさらに鬱陶しいのは誤解であり無知ですね。小生は30歳代後半に「同姓同名でクラシック音楽評論家がいるね」とか「同じ名前でオペラの本を出した男がいるぞ」とか言われて以来誤解には慣れていて「名声とは誤解の総体である」というリルケの言葉を見つけて自分を慰めたりもしましたが昨日送られてきた文庫本の解説に無知か読解力不足によるとしか思えない酷い誤解と曲解による小生に対する文章を見つけてコレは絶対に放置できないので抗議文を出版社に送りました。詳しいことはまだ書きませんがスポーツライターという存在を何処かで低く見る性癖を残しているライターはまだまだ存在するのですね。あ。小生はスポーツジャーナリストというような明らかにジャーナリストと矛盾する肩書きは一度も使ったことがないですからね(世の中のあらゆる事象を取材し考え表現するのがジャーナリストですからね)。人の肩書きを間違えて書いたうえに内容も間違えている文章にはつくづくウンザリさせられました。こんなことに時間を取られるのもさらにウンザリですね。嗚呼。ワン。終日デスクワークは小林信也さんとの『ZAITEN』の原稿をブラッシュアップさせて編集部へ送る。ヤケ酒もさもしい気がするのでヤケ寝でもするか。

7月12日(水)つづき
大相撲を録画で見たあとNHKで『解体キングダム』をやってました!巨大重機を使ったビルの解体に加えて巨大重機の操作コンテストに感激。これは『魔改造の夜』と並ぶ最近のNHKの最高の番組です。

7月12日(水)
ベッドで『南方熊楠 未完の天才』読み続ける。オモシロイ!熊楠は某氏への書簡で《小生は福沢諭吉氏の天爵説に心酔し今も学位とか学会員と申すは一切辞退いたしております》というのが彼の生き方の根幹と言える。《天爵とは官位などは持たないが自然に備わった立派な人格の人物・在野の貴人のことをいう》らしいが今この文章をATOKで打っていたら最初「在野の奇人」と出た。熊楠にはそれでもいいのかな?ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは先々週と先週に引き続き福岡で開催される世界水泳の第3弾。日本の水泳は何故強い?という疑問に対して1回目は戦前の猛練習。2回目は古式泳法の伝統を紹介。今回の3回目は子供のカナヅチ回避を多くの母親が望んでスイミングスクールが発展したことを紹介。さらに新種目のハイダイビングやRKBのある百道浜で行われるOWS(オープン・ウォーター・スイミング)を紹介。イロイロ水泳競技のおもしろ話をしたあと黒兵衛と猛暑のなか散歩。ホント。死ぬほどの暑さでした。帰宅してシャワー。シッカリ身体を洗って準備して大船から湘南新宿ラインで渋谷へ。渋谷駅を降りた途端ギョギョギョ。すっかり様変わりして道路がサッパリわからず。『真夏の甲子園はいらない』に関してJB PRESSの取材を受ける予定だったので担当者に迎えに来てもらう。共著者の小林信也さんは先に到着していて女性インタヴュアーの質問の答えるカタチで高校野球の様々な問題点について1時間半たっぷりと話させていただく。しかしコノ猛暑酷暑のなか地方大会が行われてるのは尋常じゃないですね。このビデオ・インタヴューがネットにアップされたら改めてお知らせします。帰宅してビデオ収録した大相撲を見ながら晩メシ。若い力士が元気なのはイイですね。

7月11日(火)
『南方熊楠未完の天才』読みつづける。明治時代というのは漱石のように官費で海外留学を果たした人物もいたけど熊楠のように恵まれた家計の私費で留学した若者も少なくなかったのですね。今は海外に「雄飛」したいと思ってる若者は多いのかな?少ないのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と猛暑のなか散歩。猛暑は小生にとっては気持ちのいい季節。ただしそれは仕事がなければ…の話。終日のデスクワークに今夏初めて仕事場のエアコンのスイッチを入れる。おかげで『ZAITEN』の小林信也さんとの対談原稿完成。締め切りはまだ先なので少し寝かせてブラッシュアップしましょう。小林さんの「野球が上手くなっても人生の役に立たない」というのは至言ですね。スポーツはすべてそうですね。その「意味」を深く考えるべきですね。明日はアメリカ・メジャー・リーグのオールスター戦。大谷翔平はベースボールの高い技術を身に付けてMLBのマーケットでビジネスを成功させた希有な存在と言えますね。

7月10日(月)
ベッドの読書『南方熊楠』はお休み。というのは『週刊現代』に面白い記事が山ほど並んでいたから。保阪正康『安倍家はなぜ天皇に嫌われたのか』鈴木エイト『山上達也がこれから口にすること』岩淵達也『中国の工場に丸投げされた日本人500万人のマイナンバーと年収情報の行方』(ナンデ日本人の情報を中国の会社に下請けさせて暴露させた会社が何億円も儲けるのか!))他に編集部の記事『インド人のIT長者がカースト制度と共存できる理由』『テレサ・テンはなぜ死んだのか-いまの台湾から』も興味深く読んだ。自分が雑誌記者出身だから言うのじゃないけど日本のジャーナリズムは週刊誌が頑張らないといけませんね…あと期待できるのはネットかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暑い(~Q~;)猛暑酷暑惨暑激暑劇薬的熱暑…これはマイッタですね。九州の豪雨も大変ですけど日本の熱帯化の蒸し暑さはタマランですね。散歩に出た黒兵衛も雲古を済ませてサッサと帰宅。我が仕事部屋は2階にあって風通しがいいけど終日の原稿書きに今年初めてエアコンのスイッチをオン。ふううう。晩飯はビデオに入れた大相撲を見ながら。湘南乃海ガンバってますね。続けて神奈川テレビで吉本新喜劇。スチコさん中心のハチャメチャギャグに爆笑して暑さを吹き飛ばす。原稿は明日完成かな?

7月9日(日)
『未完の天才南方熊楠』読み続ける。オモシロイ。ただチョイと異論もある。《かつて卓越した記憶力は偉人や天才につきものの要素であり「物知り」であることは記憶力がよいこととイコールであった》なるほど。《熊楠以外にもたとえば柳田国男や牧野富太郎が記憶力を誇ったことが知られている》しかし《パソコンやスマホで調べればすぐに何でもわかりこうした記憶自慢たちが活躍の場を失いつつある。記憶力が必ずしも天才や異能のあかしではなくなってしまったのは残念だ》と書かれているが「何を」「どのように」「大量に」「知ってるか(記憶しているか)」はやはり現在でも「天才」や「異能」の証だと小生は思う。最近のTVのクイズ番組のように「ただ知ってるかどうか」だけを競うのではお話にならないですけどね。熊楠や柳田や牧野の知識はそんな薄っぺらなものじゃないでしょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真夏の太陽がガンガン照りつけるのは嫌いじゃない。小学生の夏休みに建仁寺の境内で毎日草野球に興じていたときの暑さが思い出される。ワン。帰宅後は終日デスクワーク。小林信也氏との対談を纏め始める。ふうううう。晩飯は久し振りにお隣のフランス人ご夫妻と共に『鮨処もり山』さんへ。そうか。『もり山』サンも開店30周年か…開店以来のお付き合い…お互い歳をとるはずですね。美味しいお寿司と酒と記念品をいただいて大満足。明日から原稿に集中!

7月8日(土)
朝ベッドのなかで志村真幸『未完の天才南方熊楠』読み始める。本物の天才とは凡人にとって理解不可能の域に住んでいるのですね。その存在をどう理解するか?読まねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。梅雨の豪雨に苦しめられている人もいるというのに南関東はまるで梅雨明け状態。夜中は降ったらしいが日本は広いと言うべきか異常気象と言うべきか。真夏の陽射しに汗まみれで帰宅後シャワーを浴びてスッキリしてからデスクワーク。昨日『ZAITEN』編集部から届いた小林信也さんとの対談速記を読み原稿の構成を考える。真夏の甲子園大会へ向けての地方大会が始まったけどとにかく「犠牲者」が出ないことを祈りたいですね…と思いながら高校野球にはまだまだ不可解なことが多いですね。選手への暴行で活動を禁じられていた高校野球の監督は「復帰」したのですね。4か月謹慎という「刑期」を終えたらOKで良いのかな?保護者などの復帰嘆願があったと言うけど小林さんも言っていたようにやってはいけない「暴行をみんなの見ている前でやった監督」を指導者と現場復帰というのはどんな「指導」を評価したのかな?高校野球の監督はとにかく勝てば(野球部を甲子園に導けば)それだけで高評価されるのですね。夕方からTBS『報道特集』見ながらチョイと早いビール&酒&晩飯。自民党の「憲法改正の会」に旧統一教会の関係者が深く関係。自民党保守派がどうしてこんな明らかな「反日韓国宗教団体」と結びつくのか?コレはホントに不思議な現象ですね…と思っていたら同性愛者左部つん酷い発言をした首相補佐官も職務に復帰とか…日本の社会はこれでいいのかな…?一昨日バーンスタインの『キャンディード』に改めて感動したので今夜はワイン飲みながら『ワンダフルタウン』を見る。ラトル指揮ベルリン・フィルも歌手もノリまくっての大名演。バーンスタインの作曲した音楽というのはメロディも美しいし本当の素晴らしいですね。『ウェストサイド・ストーリー』以外にも素晴らしいミュージカルがあるのをもっと多くの人に知ってほしいですね。

7月7日(金)
この日を七夕と呼ぶのはさすがに首を捻る。琴座のベガ(織り姫星)と鷲座のアルタイル(彦星)はまだ天頂に上ってないのですからね。守りたい旧暦(太陰暦)は決して少なくないですね。小泉悠『ウクライナ戦争』(ちくま新書)読了。いろんなことを教わりました。ハイテク技術を多用した「新しい戦争」が結局は武力(暴力)のぶつかり合い(殺し合い)という「古い戦争」に修練してしまう理屈がよくわかりました。だから平和を求めて停戦交渉が始まっても《大国の侵略が成功したという事例を残さないようにする》ところが困難とはいえなキモになりますね。《仮想敵国全てが核保有国であるわが国にとってこれは他人事ではない》し「台湾有事」のとき日本はウクライナ戦争のポーランドと同じ立ち位置に立たされるわけですね。それを頭に入れておくことにしましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して打ち合わせして『ニューズ・オプエド』はゲストがスポーツライターの小林信也さんと大リーグ評論家の福島良一さん。特集は「大谷の活躍とメジャーから考える甲子園大会」と出して福島さんにアメリカの高校野球やアマ野球事情をイロイロ聞けたのが素晴らしかった。メジャーのオールスター戦の祭典(1週間くらいある)のなかで全米の優秀な高校生野球選手を集めて東西対抗戦をしたり野球の指導をしたり…。アメリカの学校は9月新学期で集まる高校生は全てメジャーのドラフト指名を受ける選手。高校野球はリーグ戦中心の州大会だけで全国大会は存在せず高校野球部の監督は勝利を目指すのではなく高校生の健康管理が仕事だとか…。当然高校野球の試合はアメリカでは誰も注目していないわけで…サテ日本の高校野球改革はどこから手を付けるべきか…私学の宣伝のためとなっている勝利至上主義を改め…野球(スポーツ)が公共の財産であるという認識を広め…そのためには高校生の野球に大騒ぎしているマスメディアが手を引き…マスメディアの関係者や高野連関係者は話し合いには応じても記事にするのはNGのオフレコ会談を希望とかで…サテ今年の真夏の甲子園大会はどーなる!?「オプエド」のあと「チコちゃん」見ながら晩飯。日本の社会は「悪い」とわかっていることでも改めようとはしない社会かもしれませんね。マイナカードも…。

7月6日(木)
『ウクライナ戦争』あと少しで読了。ロシアはこの戦争(特別軍事作戦)で多くの失敗を繰り返したがなかでも最悪なのが《プーチンが作戦レベルとか場合によっては戦術レベルの運用にまで口を出しているのではないか》ということだったようだ。《これは多くの戦争を失敗に導いてきたマイクロ・マネージメントそのものである。つまり最高司令官が現場の細かいことまで介入してかえって混乱を招いたのではないかということだ》なるほど。ヒトラーを初めとする独裁者が失敗したやり方ですね。そのプーチンが《どう見ても戦争が起きているにもかかわらず》特別軍事作戦という言葉に固執し戦争が起きていることを《認めようとしないという態度はアントン・チェーホフの戯曲『桜の園』を思い起こさせる》との指摘はオモシロかった。没落貴族の女地主は贅沢な暮らしを続けカネが必要で「桜の園」を売るほかないのだがその買い手が小作農出身の男であることが気に入らず決断できずにいる…つまり《かつての超大国にしてスラヴ世界の盟主であった過去を忘れられない現在のロシアをここに重ねることも出来ようが戦場の現実(=ウクライナに主導権を奪われたこと)を直視しようとせずに「特別軍事作戦」の名称にこだわるプーチンの姿もまたラネフスカヤ(桜の園の主人公)めいたものを感じざるを得ない》なるほど。チェーホフだけでなくトルストイ&ドストエフスキー&プーシキン&ゴーリキー&ゴーゴリ&ショーロホフ&パステルナーク&ソルジェニーツィン…山ほどいるロシアの凄い作家はロシア人の行動をプーチンも含めて全て既に描いてるようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨は夜間のみで昼間は空梅雨状態の南関東。暑い暑い暑い。言うまいと思えど今日の暑さかな…という漱石の一句を昔ドンキーカルテットという漫才バンドがギャグのネタにしてYou might thnk but today's hot fish.なんて英語(?)をテレビの『笑点』で披露していた。昔の漫才グループはレベルが高かった(?)終日デスクワーク。暑い日は読書に限る。そしてビール。久し振りにバーンスタインの『キャンディード』を見ながら晩飯。このヴォルテール原作のミュージカル(コミック・オペラ)は本当に素晴らしいですね。


7月5日(水)
朝ベッドで『ウクライナ戦争』読み続ける。ロシアがキーウに向かっての最初の侵攻に失敗したのは結局プーチン(ロシア人)がウクライナ人は「弱い」という「民族主義的優越感のようなもの」もあったのではないか…という指摘はオモシロイ。《ジェイン・オースティンの小説『高慢と偏見』ではそのタイトルにある二つの要素が男女の衝突を引き起こし最後にはロマンスへと結実する。だがロシアの「高慢と偏見」がもたらしたのは手痛い軍事的失敗であった》ナルホド。さらにプーチンが《ゼレンスキーという政治家の力量を見誤った》のも大ミス。ゼレンスキーはロシアの侵攻直後にアメリカから亡命を求められても「必要なのは弾薬であって(亡命のための)移動手段ではない」と断ったほか様々な決断でロシアのキーウ占領と政権転覆を押し返したのですからね。クラウセヴィッツの《戦争の三位一体論》も興味深かった。《フランス革命前の軍隊は貴族の財産》で傭兵のようなものだったがナポレオン戦争以後の戦争は《国家が政治的目標を達成するための手段》であり国の《軍隊による暴力闘争》でありソコには《国家と自己を同一視して大量の犠牲を払う覚悟を持った「国民」という存在が絶対に必要》となる。この《三位一体》を実現していたのはもちろんワグネルなどに頼ったロシアではなくウクライナ。その結果プーチンが《48時間で消滅するはず》と「高慢&偏見」で考えていたウクライナは《クラウセヴィッツのいう「国民」の要素》も大きく働いて長期戦に至ったというわけか…サテこのあとはどーなる?ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは福岡で開催される世界水泳第2弾として日本のアーティスティックスイミングと古式泳法(日本泳法)の関係について昨日の本欄に書いたようなことを話す。ラジオのあと黒兵衛と散歩。ヨメハンが少々ギックリ腰気味。年齢的には黒兵衛のほうがかなり年上のはずなのに黒兵衛はメッチャ元気。ヤハリ四足歩行から進化した人類の二足歩行はそもそも身体に無理があるのかな?終日読書や雑務の一日。昼間NHK-BSで『フォレスト・ガンプ』をやっていたけど以前キチンと見て何故この映画がアカデミー作品賞に選ばれたのか理解できなかった。昼飯食べながらちらちら見ても同じ印象。アメリカの歴史を好み懐かしむアメリカ人がこの映画を好んだとしても…ワカラン。晩飯はTBS-BSで統一教会問題を見ながら。自民保守派がこの宗教と仲良くなる理由がサッパリわかりませんね。ただただ票のため?そんな阿呆な…嗚呼。

7月4日(火)
ベッド内の読書を最近の趣向をガラリと変えて小泉悠『ウクライナ戦争』(ちくま新書)読み始める。この馬鹿馬鹿しい阿呆みたいな戦争が何故始まったのか?テレビがスポーツの攻防や勝敗のように取りあげている戦況解説ではよーワカラン根本問題を知りたいと読み始める。《大衆が自分の考えで政治的意見を持ったりましてや街頭での抗議活動に繰り出してくることなどあり得ずそのような事態が起きた時には必ず首謀者と金で動く組織が背後に存在するというのがプーチンの世界観なのである》ナルホド。KGB出身のプーチンは可哀想は人ですねえ。いやロシアの歴代皇帝も皆それを恐れていたのですね。ボリスゴドゥノフもリトアニアやポーランドが偽皇帝を押し立てて攻めてくるのを恐れていましたからね。ロシアの専制主義では民衆の声はどの皇帝を支持するかという声しかなく民主主義の入り込む余地などないのですね。プーチンはプリコジンとワグネルの反乱の裏にも「何か」があったと思ってるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。空梅雨かと思える夏の日射し。昨晩深夜にはチョイと豪雨もあったのかもしれないけど昨日は東京に出て疲れたのか寝込んでしまって気付かなかった。南関東は線状降水帯ともゲリラ豪雨とも今のところ無縁かな。九州地方の皆さんお見舞い申し上げます。ワン。デスクワークは明日のRKB毎日放送での世界水泳の話題で古式泳法のことを喋りたいので少々勉強。かつてシンクロと言っていた競技で五輪メダリストの奥野史子さんも立花美哉サンも武田美保さんも皆さん京都踏水会の出身で踏水とは古式泳法で水を踏むこと。立ち泳ぎのことですからね。さらに金曜の『ニューズ・オプエド』のゲストが大リーグ評論家の福島良一さんに決まったので彼の新著『もっと知りたい!大谷翔平』を読み直したり『ウクライナ戦争』を読み続けたり…やっぱり自分は活字中毒なのかなと再確認。

7月3日(月)
斎藤美奈子『出世と恋愛 近代文学で読む男と女』(講談社現代新書)読了。男性作家の身勝手な「女はワカラン感覚」で書いた戦前の恋愛小説はすべて現実の女性に「向き合わない男」が女性にふられて終わるか「女性の死」で終わる。そんな脳天気な「男の平和」は現実社会が戦争に突き進むなかで崩壊する。男の書いた「女性が死ぬ」パターンの日本の恋愛小説の最後の作品堀辰雄の『風立ちぬ』は学徒動員された学徒兵たちが死に直面した《戦場で最もよく読まれた作品》らしいが結核で死に直面している恋人節子に向かって主人公の男(作者)は《おれはお前のことを小説に書こうと思うのだよ》と語る。そこで著者(斎藤美奈子)は激怒する。《節子の側に立てば「私はあなたの何なの?あなたの小説の道具なの?」くらいはいってやってもよかった枕のひとつでも投げてやればよかったのだ》入院中でベッドに寝ていますからね。しかしこういう言われてみれば当たり前の女性の意見に(書生のような70歳を超えた古い男は)なかなか気付かないものだ。全編そんな指摘に溢れていた本書は本当に勉強になりました。ワン。ベッドを出て真夏の太陽ギラギラの下黒兵衛と散歩。汗だくになった身体をシャワーで流してチョイと仕事のあと出かける準備をして東京へ。あまりに暑いからタクシーに乗ろうとすればタクシーがなく行列が目立っていたので地下道を大手町駅まで歩いて東西線で竹橋へ。徒歩で出来るだけ真夏の日射しを避けて『ZAITEN』編集部へ。スポーツライターの小林信也さんと対談。テーマはもちろん二人の今日チュで出版した『真夏の甲子園はいらない 問(岩波ブックレット)(岩波ブックレット)についての「その後」と今年も地方大会が始まった甲子園大会のついて。喋ることは山ほど。ここに書き切れませんが甲子園大会関係者が「会って話し合いたい」と言いながら「記事にしないこと」と条件を出すのは卑怯という以上に意味不明ですね。オフレコで喋ることと公然と喋ることが違う…というのは基本的に許せないですね。少なくともジャーナリストのすることじゃないですね。そういうことまで対談に書くことにしますがコノ暑さのなかでどーなるのかな?帰りの電車で携帯に届いたSNSで小学生の同級生が癌で亡くなったことを知る。最近はコロナもあって逢えてなかったけど残念としか言いようがないです。合掌。

7月2日(日)
五輪アナリストの春日良一さんが『2030年の冬期オリンピック開催をウクライナで!』という緊急提言をYuTubeで行ったので彼の意見を支持する一人としてURLを記しておきます。https://www.youtube.com/watch?v=kcQ945lsPmw 『出世と恋愛』は有島武郎の『或る女』に続いて菊池寛の『真珠夫人』の解説『荘田瑠璃子の戦略』に感激。「男性が女性を弄ぶことを当然な普通なことにしながら社会的にも妾だとか芸妓だとか女優だとか娼婦だとか弄ぶための特殊な女性を作りながら反対にたまたま一人か二人の女性が男性を弄ぶと妖婦だとか毒婦だとかあらゆる汚名を負わせようとする」「男性は女性を弄んでよいもの。女性はそんな間違った男性本位の道徳に妾(わたし)は一身を賭しても反抗したいと思ってますの」荘田瑠璃子の口を通して言わしめた《男性の不貞は許し女性には貞淑を強いる根源的な性差別のひとつ》《性のダブルスタンダード》への批判は《国家公認の公娼制度に向けられたもの》であり《片務的な姦通罪を含むかもしれない》ナルホド。『真珠夫人』はLGBTQに関する法律を中途半端なカタチでしか作れない今の日本社会でこそこそ読っみ直されねばと思いますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。豪雨被害の地域とは無関係の夏空。被害に遭った方を思うと暑いなんて言ってられないですね。明日の対談準備などほどほどにして夜はテニスを語る会にZOOMで参加。スポーツ団体で一番大切なことは未来の青写真=5年後/10年後/20年後…100年後の青写真を描くことと喋らせてもらう。日本のサッカー界にはそれが存在し野球最大の問題なんですよね。最大の問題なんですよね。

7月1日(土)
朝ベッドで斎藤美奈子『出世と恋愛 近代文学で読む男と女』読み続ける。あと少しで読了。終わってほしくないと思うほどメッチャ面白い。特に有島武郎の『或る女』の解説。このタイトルしか知らなかった小説がコレほど凄い情動的で破滅的で男殺しの物語だとは知らなかった。これは大正8年の作品。『風と共に去りぬ』より《17年も早く書かれたことは特筆に値する。それも男尊女卑で有名な極東の島国で。姦通罪や検閲の網をかいくぐって》確かに。『或る女』がモーレツに読みたくなった。読まねば。ワン。ベッドから出てチョット激しい雨風のなか黒兵衛と散歩。小生愛用の安物雨合羽が風でボロボロになる。懸命に手で押さえて歩いていると白い大型犬を連れた若夫婦がレインコートも着ずに傘も差さずGパンTシャツ姿で笑顔で雨に打たれながら歩いてきた。若いですねえ。こっちまで気分が新鮮になったものの年寄りは黒兵衛の雲古とともにソソクサと退散。ワン。月曜の雑誌『ZAITEN』での小林信也氏との対談のレジュメ作りなど少々仕事のあと昼飯はNHK『探検ファクトリー』でレコード製作工場の職人サンの技術に感心しながら。晩飯はヴィッセル神戸のサッカーとイニエスタの退団セレモニーを見ながら。奥さんと5人の子供つれて出てきたイニエスタの涙を浮かべながらの挨拶も良かったけど最後にサポーターのいるスタンドのなかに入っていって別れの交流を行ったのは美しかったですね。プロ野球の「助っ人外人選手」では絶対に見られない光景でしょうね。


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ナンデモカンデモ
BOOK
筒井康隆『カーテンコール』新潮社
筒井康隆『カーテンコール』新潮社
ははははは。ケケケケケ。1934年生まれの大作家のエネルギーには脱帽です。
【10/31〜】
CD
『モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第4巻(第11番「トルコ行進曲付き」第15・16番)』
『モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第4巻(第11番「トルコ行進曲付き」第15・16番)』
グレン・グールドのピアノは大好きでしたが、少々五月蠅く感じるようになったのは何故?
『ニューイヤー・コンサート1989&1992 byカルロス・クライバー』
『ニューイヤー・コンサート1989&1992 byカルロス・クライバー』
このワルツも大好きだったのに…ヤカマシイと感じるようになったのは歳のせい?
BOOK
毛利眞人『幻のレコード検閲と発禁の「昭和」』
毛利眞人『幻のレコード検閲と発禁の「昭和」』
読みたいのに読めてない本はいっぱいあるけどこの本は近いうちに絶対に読むぞー!読まなきゃ!
【以上10/30】
初沢亜利『東京二〇二〇、二〇二一。』徳間書店
初沢亜利『東京二〇二〇、二〇二一。』徳間書店
初沢亜利『東京二〇二〇、二〇二一。』徳間書店
【10/26、27】
Kindle
『ちくま2023年11月号』筑摩書房
『ちくま2023年11月号』筑摩書房
小生の大愛読書です
BOOK
『世界思想2023年春』世界思想社
『世界思想2023年春』世界思想社
このシリーズの来年発売号に小生のスポーツ論を書かせてもらいます。乞御期待!
【以上10/26】
CD
『ベートーヴェン:交響曲3番英雄』
『ベートーヴェン:交響曲3番英雄』
若きバーンスタイン指揮NYフィルの演奏はどれも素晴らしいのに何故か日本のクラシック音楽会の評価は低かったですね。何故かな?
『モーツァルト:歌劇バスティアンとバスティエンヌ』
『モーツァルト:歌劇バスティアンとバスティエンヌ』
ベートーヴェンの『英雄』はこの辱奥のメロディのパクリですね(笑)。
DVD
『ウェストサイド物語』
『ウェストサイド物語』
この素晴らしい音楽はパクリだらけですね。ワーグナーの『指環』の『愛の復活』のモチーフからもパクってますね。お見事!
【以上10/25】
モーツァルト:オペラ『魔笛』
モーツァルト:オペラ『魔笛』
この物語はフリーメイソンの儀式&エジプト神話のパクリ?
【10/24】
BOOK
多湖輝『頭の体操』光文社知恵の森文庫
多湖輝『頭の体操』光文社知恵の森文庫
小生が小学生の頃に叔父さんの家の本棚で見付けて読んだ本です。今も改訂新版で出ているとは驚きです
【10/23】
DVD
『アラビアのロレンス』
『アラビアのロレンス』
凄い映画ですね。歴史的事実との相違点など瑕瑾ですね…とスピルバーグも言ってます
【10/21.22】
WEB
『映像の世紀バタフライエフェクト/砂漠の英雄と百年の悲劇』
『映像の世紀バタフライエフェクト/砂漠の英雄と百年の悲劇』
イスラエルの初代大統領になることをアインシュタインは拒否。理由はアラブ人と共存しないからでした
【10/22】
Blu-ray
『ふしぎの国のアリス』
『ふしぎの国のアリス』
小生はこのアニメこそウォルト・ディズニーの最高傑作だと思っています。
BOOK
内田樹×白井聡『新しい戦前』朝日新書
内田樹×白井聡『新しい戦前』朝日新書
日本がアメリカの属国であることはよくわかりましたが、どーすれば良いのでしょうねえ?
ザビエル/タピエス『バンクシー・ビジュアル・アーカイヴ』グラフィック社
ザビエル/タピエス『バンクシー・ビジュアル・アーカイヴ』グラフィック社
バンクシーって絵の技術も見事ですね。だからメッセージも伝わるのですね
【以上10/21】
ミルチア・エリアーデ『世界宗教史T石器時代からエレウシスの密儀まで』ちくま文庫
ミルチア・エリアーデ『世界宗教史T石器時代からエレウシスの密儀まで』ちくま文庫
何とかイスラム教の誕生まで読むつもりですが…
【10/20〜】
鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』講談社現代新書
鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』講談社現代新書
そうか。信長・秀吉・家康よりも大友宗麟のほうが世界史的には有名なんですね。
阿部恭子『高学歴難民』講談社現代新書
阿部恭子『高学歴難民』講談社現代新書
小生は高学歴ではないので無関係。無問題。難民にならずに済みました(笑)。
久坂部羊『人はどう老いるのか』講談社現代新書
久坂部羊『人はどう老いるのか』講談社現代新書
勝手に老います
【以上10/19】
塩野七生『ギリシア人の物語V(4)新しき力』新潮文庫
塩野七生『ギリシア人の物語V(4)新しき力』新潮文庫
アレクサンダーの物語は本当に面白かったです
【10/5〜18】
松岡信宏『アラブ・イスラム中東用語辞典』成甲書房
松岡信宏『アラブ・イスラム中東用語辞典』成甲書房
これは素晴らしい一冊です。最近は不幸にも活用する機会が増えました
【10/15】
Blu-ray
『アレキサンダー』
『アレキサンダー』
オリバー・ストーン監督のオモシロイ映画ではありますが、この凄い英雄を3時間で描くことなど到底無理ですね
【10/12,14】
DVD
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロス』
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロス』
フランス語オリジナル版。ウィーン国立歌劇場のロビーや通路まで使ったコンヴィチュニーの演出が面白い
【10/10】
『ぼくらはみんな生きてている』
『ぼくらはみんな生きてている』
滝田洋二郎監督の一時代前の日本のモーレツ・サラリーマンを描いた名作。大好きな映画です
【10/8】
『マーズ・アタック!』
『マーズ・アタック!』
ティム・バートン監督のケッサク・ドタバタ喜劇。ジャック・ニコルソンが米大統領です
【10/7】
BOOK
塩野七生『ギリシア人の物語U民主政の成熟と崩壊』新潮文庫
塩野七生『ギリシア人の物語U民主政の成熟と崩壊』新潮文庫
現代史を読むような気持ちにも慣れる面白さ。昔も今も人間と争い事は変わってないのですね
【9/23〜10/4】
WEB
『スポーツゴジラ第60号』
『スポーツゴジラ第60号』
特集は「今こそスポーツ国際交流」小生の連載『走』第7回は「速く走るには速く走ろうと思ってもダメ!?」です。
Blu-ray
『沈黙サイレンス』
『沈黙サイレンス』
遠藤周作の傑作小説の映画化。スコセッシ監督の力作で,もちろんイイ映画なのですが、名作文学の映画化は難しいなぁ、というのが小生の感想です
【9/30】
BOOK
川島浩平『人種とスポーツ−黒人は本当に「速く」「強い」のか』中公新書
川島浩平『人種とスポーツ−黒人は本当に「速く」「強い」のか』中公新書
スポーツ関係者必読。アフリカの黒人の民族の種類はユーラシアの民族の種類より多いのだぞ
【9/27】
DVD
『松竹大歌舞伎 松本幸四郎「勧進帳」999回静岡公演1000回東大寺記念公演』
『松竹大歌舞伎 松本幸四郎「勧進帳」999回静岡公演1000回東大寺記念公演』
2008年の舞台。勧進帳は成田屋より高麗屋ですね。先代松禄のもDVD化してほしい
【9/23-26】
『目撃』
『目撃』
クリント・イーストウッド監督主演。脇にジーン・ハックマン&エド・ハリスを揃えた大統領の犯罪サスペンス・ミステリー。楽しめます。
『東京五輪音頭』
『東京五輪音頭』
建設ラッシュに築地の魚河岸の賑わい。出来たての高速道路やブラジル移民の実情など1960年代の東京がよくわかります。若き三波春夫の俵星玄蕃も。
CD
『三波春夫長篇歌謡浪曲スーパーベスト』
『三波春夫長篇歌謡浪曲スーパーベスト』
これは最高の日本のオペラ。三波春夫は日本の最高のオペラ歌手ですね
【以上9/12,22】
BOOK
塩野七生『ギリシア人の物語T民主政のはじまり』新潮文庫
塩野七生『ギリシア人の物語T民主政のはじまり』新潮文庫
民主政というのはイデオロギーではなくギリシア人の生活から必然的に生まれたものなんですね
【9/6-15,19-22】
中江兆民『三酔人経綸問答』岩波文庫
中江兆民『三酔人経綸問答』岩波文庫
桑原武夫が解説。昔オモシロく読んだ記憶が…読み直さねば。
中江兆民/鶴ヶ谷真一・訳『三酔人経綸問答』光文社古典新訳文庫
中江兆民/鶴ヶ谷真一・訳『三酔人経綸問答』光文社古典新訳文庫
再読は現代語や苦にするか
【以上9/18】
養老孟司×茂木健一郎×東浩紀『日本の歪み』講談社現代新書
養老孟司×茂木健一郎×東浩紀『日本の歪み』講談社現代新書
三酔人イロイロ問答。達観した高等遊民の酔談?面白く目鱗のうちに政治の季節は去りましたね
【9/16-18】
DVD
『カール・オルフ:カルミナ・ブラーナ/ファビオ・ルイージ』
『カール・オルフ:カルミナ・ブラーナ/ファビオ・ルイージ』
ヴェネツィアのサンマルコ広場でのライヴ。結構個性的な演奏で歌手のレベルが高く楽しめます。
CD
『ウィーン・フィル・サマーナイト・コンサート2023』
『ウィーン・フィル・サマーナイト・コンサート2023』
ネゼ=サガン指揮のシェーンブルン宮殿野外ライヴ。ガランチャのカルメンやデリラが見事。DVDはないのかな?
BOOK
倉本一宏『紫式部と藤原道長』講談社現代新書
倉本一宏『紫式部と藤原道長』講談社現代新書
そうか。紙は高価なもので権力者の加護と援助がなければ長編小説は書けなかったのですね
【以上9/16】
拙著『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)〜あの問い虎は美しかった』朝日新聞社
拙著『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)〜あの問い虎は美しかった』朝日新聞社
小生の大ケッサクと今も自負する一冊。今年の"アレ"に満足できない人はお読みください(笑)
『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)〜あのとき虎は美しかった』河出文庫
『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)〜あのとき虎は美しかった』河出文庫
文庫版もあります。中味はほぼ同じです
【以上9/13,14,16】
DVD
ヘンデル:オペラ『セルセ』
ヘンデル:オペラ『セルセ』
ミヒャエル・ハンペの演出が美しいドレスデン音楽祭の舞台。セルセとはクセルクセスのことです。アリア「オンブラ・マイ・フ」が有名
【9/13】
BOOK
上田泰平『ラグビー観戦が120%おもしろくなる!ラグビーの教科書』
上田泰平『ラグビー観戦が120%おもしろくなる!ラグビーの教科書』
執筆はスポーツライターの小崎仁久さん。ラグビー・ファンになりたい人にお勧めです
【9/7】
WEB
『映像の世紀バタフライエフェクト/関東大震災/復興から太平洋戦争への18年』
『映像の世紀バタフライエフェクト/関東大震災/復興から太平洋戦争への18年』
『映像の世紀バタフライエフェクト/関東大震災/復興から太平洋戦争への18年』
【9/4】
BOOK
奥野克巳『はじめての人類学』講談社現代新書
奥野克巳『はじめての人類学』講談社現代新書
「乱読」大好きの小生は喜んで読み始めています。面白い
【8/22,30-9/4】
Blu-ray
『ジョジョ・ラビット』
『ジョジョ・ラビット』
ナチスを真面目に茶化した映画であることはわかるが,ヒトラーの描き方はイマイチかな?
『ライフ・イズ・ビューティフル』
『ライフ・イズ・ビューティフル』
ナチス映画の「悲喜劇」としてはこれが最高だと思ってます
【以上9/3】
DVD
ドビュッシー:オペラ『ペレアスとメリザンド』
ドビュッシー:オペラ『ペレアスとメリザンド』
このオペラの素晴らしさは頭では理解できてもまだ酔い痴れるまでは…。ラプンツェルはこれのパクリですね
【8/27,30】
Blu-ray
『地獄の黙示録』
『地獄の黙示録』
カーツ大佐の部屋に「金枝篇」が置いてあるとは知らなんだ。見直さねば。
BOOK
ジョセフ・コンラッド『闇の奥』新潮文庫
ジョセフ・コンラッド『闇の奥』新潮文庫
「地獄の黙示録」の原作と言える作品。現代の王の交代劇。面白い物語です。
J.G.フレイザー『金枝篇 呪術と宗教の研究〈1〉呪術と王の起源〈上〉』国書刊行会
J.G.フレイザー『金枝篇 呪術と宗教の研究〈1〉呪術と王の起源〈上〉』国書刊行会
大学時代から、読まねば、読みたい!と思いながら読んでない本です。(>_<)
メーテルランク『ペレアスとメリザント』湯川書房
メーテルランク『ペレアスとメリザント』湯川書房
この本、昔買って何処かにあるはず(>_<)探さねば
【以上8/30】
BOOK
『真夏の甲子園はいらない問題だらけの高校野球』
『真夏の甲子園はいらない問題だらけの高校野球』
絶賛発売中!メディア主導の甲子園大会を根本的に考え直してみましょう!すると日本のスポーツが素晴らしくなるはずです!
拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』(春陽堂書店)
拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』(春陽堂書店)
クリックするとRakutenブックスへ跳びます。amazonよりもこっちの評価のほうが正しいですね(笑)。どうぞ、お買い求めを!
拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』(春陽堂書店)
拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』(春陽堂書店)
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『プロ野球大事典』(新潮文庫)3
『プロ野球大事典』(新潮文庫)
小生の実質的デビュー作。パロディ満載だけどよく売れました。我ながら良く書きましたね。
ロバート・ホワイティング著/玉木正之・訳『ふたつのオリンピック東京1964/2020』(KADOKAWA)
ロバート・ホワイティング著/玉木正之・訳『ふたつのオリンピック東京1964/2020』(KADOKAWA)
2400円と少々値段が高いですが全編約600頁。面白さは保証します(訳者)
拙著『京都祇園遁走曲』(文藝春秋)
拙著『京都祇園遁走曲』(文藝春秋)
まだ読んでない人はアマゾンで1円で買えるそうですから読んでね
『大相撲「八百長批判」を嗤う』(飛鳥新社)
『大相撲「八百長批判」を嗤う』(飛鳥新社)
八百長が騒がれた時期(2011年6月)に緊急出版した本です。宮崎学(作家)根岸敦生(朝日新聞記者/元相撲担当)鵜飼克郎(週刊ポスト記者)荒井太郎(相撲ジャーナリスト)らと相撲の本質論を語ってます。
『野球アンソロジー9回裏2死満塁 素晴らしき日本野球』(新潮文庫)
『野球アンソロジー9回裏2死満塁素晴らしき日本野球』(新潮文庫)
大好評発売中。正岡子規、夏目漱石、埴谷雄高、大下弘、桑田真澄、伊集院静…などが並んでます。買ってください!読んでください!
『彼らの奇蹟:傑作スポーツアンソロジー』(新潮文庫)
『彼らの奇蹟:傑作スポーツアンソロジー』(新潮文庫)
三島由紀夫、澁澤龍彦、小林秀雄、石原慎太郎、大江健三郎、沢木耕太郎、村上春樹…などが並んでます。こちらもよろしく。
『スポーツとは何か』(講談社現代新書)
『スポーツとは何か』(講談社現代新書)
「運動会」の文章は中学3年国語の教科書に採用され、他の文章も、今も大学や高校の入試や予備校の模試によく使われています。
『スポーツ解体新書』(朝日文庫)
『スポーツ解体新書』(朝日文庫)
これも大学入試の論文問題によく使われます。文庫版解説の文章は乙武洋匡さんです。
『続スポーツ解体新書』(Zaiten books)
『続スポーツ解体新書』(Zaitenbooks)
もっと著書の宣伝をしなさいよ…と友人に言われたので…
(以上、スポーツ本の拙著の宣伝でした)
『図説・指揮者列伝 世界の指揮者100人』(河出書房新社ふくろうの本)
『図説・指揮者列伝世界の指揮者100人』(河出書房新社ふくろうの本)
平林直哉さんとの共著です。
『クラシック道場入門』(小学館)
『クラシック道場入門』(小学館)
中古ならあるようです。20年前に上梓した音楽本です。
『オペラ道場入門』(小学館)
『オペラ道場入門』(小学館)
クラシック…の本は5刷増刷。さらに面白くと出したオペラの本は増刷ナシ。やはり日本ではオペラはマダマダ…なのかな。以上、音楽関係拙著の宣伝でした。
タマキのナンデモカンデモごちゃまぜ総集編
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