コラム「スポーツ編」
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掲載日2010-07-28 NEW!!
この原稿は、今年の7月3日付毎日新聞朝刊スポーツ面の『時評・点描』欄に書いたものです。白鵬が仲間内で行った花札賭博まで「問題」にした相撲界ですが(そのくせ「巨悪」は放ったらかし……らしいですが)、現在の大相撲の「問題」は暴力団との関係が「問題」なのであって、賭博が「問題」なのではない。暴力団を本気で壊滅に追い込みたいのなら、「賭博解禁法」の施行を是非とも考えるべき……というメッセージを込めて“蔵出し”します。

賭博は「悪」か? 「必要悪」か?

 岡田監督率いるサッカー日本代表チームが、W杯でデンマーク相手に必死に闘っている真っ最中のことだった。

 前半を終えて2対0とリードした時点で、私のパソコンに沢山のメールが届いた。どれもが「素晴らしい!」「ガンバレ!」といった内容だったが、スウェーデンのストックホルムで暮らす友人からのメールは少々違っていた。

「試合前2対0で日本勝利のtoto購入!売り子の女性に鼻で笑われた。50倍の大穴! それが今、現実に! このまま終われば百クローネ(約1千2百円)が5千クローネ(約6万円)になる!日本もデンマークも、後半絶対に得点するな!」

 残念ながら試合結果は3対1。日本代表の大勝利に国中が大騒ぎ、大喜びしたが、彼の夢はただの紙切れとなった。

 しかし、スウェーデンに限らず多くのヨーロッパ諸国では繁華街で、こんな「賭博」が簡単にできる。

 イギリスではスポーツだけでなく、選挙の結果予想からGDPの成長率まで賭博の対象にならないものはないとまでいわれ、アメリカやアジアでも限られた場所(カジノ)なら賭博が可能だ。

 日本では賭博は刑法で禁止され、公営で認可されたもの以外は「悪」とされる。が、欧米では酒と同様、一種の「必要悪」と考えられている。アメリカで禁酒法が施行されたとき、ギャングが闇ルートの酒で大儲けしたように、賭博も禁止するより解禁して、税金をきちんと取り、ギャンブル中毒者の厚生施設を作るほうが、健全な社会を維持できる、と考えられているのだ。

 Jリーグのtoto法案が国会で審議されたとき、私も衆議院の文教委員会で賛成の意見を述べた。本当は1960年にイギリスで施行されたような「ギャンブル解禁法」の成立を望んでいたのだが、toto法案に賛成しただけでも主婦連やPTAや女性議員の方々から「青少年の教育に悪い」と激しく反対された。

しかし、「道徳家とギャングの利害は一致する場合もある」との指摘もある。

 いま「野球賭博」の問題で相撲界が窮地に立っている。違法行為も暴力団との関係も言語道断。相撲界には猛省と徹底した改善策の提示を期待したいが、暴力団の資金源を壊滅しようとするなら、ギャンブル解禁も一考してみるべきだろう。

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