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2003年 11月12月

2月1日(水)
北海道テレビ(HTB)と「北海道みちと未来とくらしの委員会」の仕事で早朝羽田から新千歳空港へ。そこからクルマで東へ。日勝峠を越えて足寄から阿寒へ。本当は冬の北海道の苛酷な道路事情を取材する予定だったが生来の晴れ男のためか道路管理(除雪)の見事さのためか快適なドライヴ。夜は行者大蒜とエゾ鹿肉に舌鼓。

2月2日(木)
朝阿寒湖の氷上でワカサギ釣り。氷の上というのはどうも落ち着かん。それに小生の性格では釣りは絶対に不可能やと再確認。気温はマイナス15度くらい。さすがに寒い。クルマで東オホーツクのシーニックバイウェイ(景観を楽しむ道)へ。オホーツク沖に流氷。右手は斜里岳から知床半島の羅臼岳に連なる連山。綺麗やなあ。雪原で膝のうえまでパウダースノウにまみれて遊ぶ。疲れた。網走からクルマで南へ。屈斜路湖をぐるりと回って美幌峠へ。吹雪に遭遇。午後4時半を過ぎて周囲は真っ暗。ロケバスを運転する若者の腕に頼るだけ。夜最終便で女満別空港から羽田へ。生まれて初めて流氷を見たのは嬉しかったけど強行スケジュールでクッタクタ。北海道の大自然は素晴らしい。けどオレは都会派やと再認識。外見に似合わず(笑)。

2月3日(金)
体の節々が痛い。痛みをこらえて明日のスポジャー塾の準備。

2月4日(土)
スポーツジャーナリスト実践塾に雑誌『ダカーポ』の記者(神舘さん)が取材に来る。塾生の前でインタヴューを受ける。これはなかなか悪くない試み。神舘さんの協力があって実現。ありがとうございました。実践塾のあと東京都の「オペラの森」の取材を受ける。今年の演目はヴェルディの『オテロ』ただし小澤征爾さんは体調不良で代役になる見たい。そのほうがよかったりして・・・(失礼)。あらかじめ地図まで送ってもらっていた取材場所が間違っていて飯田橋近辺を寒いなかぐるぐる歩き回る。くたびれた。頭に来たので家に帰らず鮨処『もり山』へ。そしたら女房は来るわ娘はBFを連れてくるわ餓鬼はGFを連れてくるわでエライ散財。疲れた。

2月5日(日)
ラグビー・マイクロソフト杯決勝を見に行く予定やったけどベッドから起きあがれず。完全に風邪かインフルエンザか・・・。体の節々がぎしぎし音を立ててる。申し訳ないけど塾生だけで取材させて小生は休み。北海道から尾を引いたかな・・・。トイレと水分補給以外一日中爆睡。マイッタナ。

2月6日(月)
体は少しマシになったけど頭が痛い。今日も一日寝る。原稿をお待ちの皆さんスイマセン。風邪なんて何十年ぶりや・・・コンチクショー!染したのんは誰や!

2月6日(月)つづき
「風邪をひくのんは気合いが入ってへんからや」「風邪くらい一日で直せ!」「メシ食って眠って必死のパッチですぐ直せ!」などと餓鬼どもが罵声を浴びせやがる。ま、昔、餓鬼どもが風邪をひいたらそんなふうに怒ってましたけどね。そんなふうには治せへん歳になったんかなあ・・・とほほ。

2月7日(火)
朝のうちに締め切りコラム1本仕上げて寝る。だいたい風邪というのは1年に1回年末の仕事納めのあとに必ずひくもんでこんなふうに仕事の真っ直中でひくことなんか絶対になかった。北海道から帰ったあとアマチュア相手の仕事が続いたせいか・・・。ほんまにアマチュアいうヤツはプロにとって(あらゆる意味で)コワイ相手やで。クソッ!あほらし屋の鐘が頭のなかでガンガン鳴っとるで。

2月8日(水)
おかしい。風邪がなおらへん。以前なら白飯腹一杯かっ食ろうて一晩寝たら治ったのに・・・。クッソー。仕事にならんやないか・・・。しゃあないし医者へ。帰宅後ふて寝。下痢は治まったけど熱が8度5分。今日一日で絶対に治すぞ!

BOOK
『黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語』(早川書房)
『黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語』(早川書房)

2月9日(木)
フッカツ!やっとウイルス君が身体から出て行ってくれたようだ。しかしこれだけ長くかかったのは少々ショック。2度目の血液検査もすべて問題なしやったのに・・・なんか自分の身体に自信がなくなった。おまけにこれだけ仕事を停止して寝込んだのにオモロイ本に2冊しか出逢えんかった。マリオ・リヴィオ『黄金比はすべてを美しくするか? 最も謎めいた「比率」を巡る数学物語』(早川書房)木村元彦『オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』(集英社インターナショナル)本を読むのも体力やな。

2月10日(金)
毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演のため新幹線で大阪へ。藤田元司さん逝去の話題。ヘッドコーチの牧野さんとともに本当にお世話になった。野球を教えていただいた。巨人から「取材禁止」を言われたときもご両人は平気で取材を受けて下さった。合掌。番組終了直前にスタジオを抜け出させていただいて伊丹空港から仙台へ。そこから会津若松へ。

2月11日(土)
朝4時起床。トリノ五輪の開会式を見る。なかなか見事な演出。けど何でNHKはパヴァロッティの歌の途中でちょん切るのんや!寝直して10時起床。「エンジン・ゼロワンのオープンカレッジ会津」に参加。サッカー協会の川淵キャプテンを迎えて、乙武洋匡さん、日比野克彦さんと一緒に日本のサッカーを語る。メキシコ五輪での銅メダル時代から2050年のW杯再開催までメッチャ面白い話の連続。「その前に日本がW杯で優勝することもあるんじゃないかな・・・」と川淵キャプテン。それくらいの手は次々と打ってるということか・・・。夢物語やなくてリアリティがあったなぁ。

2月11日(土)つづき
サッカーのシンポジウムのあとは辰巳琢郎さんの司会で、林真理子さん、麹谷宏さんと一緒に「旨いもん食って死にたい」という話題で面白話。トリュフ、キャビア、フォアグラ、間人蟹、谷崎の小説『美食倶楽部』・・・などの話のあと「死ぬ前に何が食いたい?」と訊かれて「けつねうろん」と答える。

2月11日(土)つづき
オープンカレッジの夜は会津若松の20軒の飲み屋に分かれて会津市民と飲みながら語らう「夜楽塾」に参加。作曲家の猿谷紀郎さん、元大蔵省の岸本周平さん、作詞家の東海林良さんと一緒に歓談。塾長としていろいろ挨拶させられるが、読売新聞販売店の店主に「巨人が強くなきゃ日本のプロ野球はオシマイだよ」と絡まれて少々不愉快になる。論破するのは赤児の手をひねるよりも簡単やけど・・・。

2月11日(土)つづき
「夜楽」の終わったあと打ち上げ大宴会。乙武クンと一緒に渡辺美佐さんのクレイジー・キャッツやサンレモ音楽祭の話を拝聴。メッチャ面白かった!そこへ田崎真也さんが現れ日本酒を注いでいただきワイン談義を拝聴。贅沢!そこへ井上道義さんが現れイタリア・オペラ談義。そこへ筑紫哲也さんがゲルギエフの『ニーベルンクの指環』について意見を求めてきたので「ナベツネ・インタヴュー」でもっと野球の話を訊いてほしかったと文句をいって、そこへ竹山聖さん、島田雅彦さん、平野啓一郎さんが次々と現れてぐちゃぐちゃ雑談になり、井沢元彦さんがいたのでポスト連載の『忠臣蔵』が最高に面白かったといってたら植島啓司さんと女性論になり、河口洋一郎さんがいつものように彼のCGアート以上にワケのわからん話を始め、三枝成彰さんと大友直人さんと高野孟さんとオペラ『忠臣蔵』の話をしてると浅葉克巳さんが割り込んできて、奥田瑛二さんと川島なおみさんに何か話しかけられて・・・。そのうちお開きになってみんなで場所を移して三次会へ移動するためバスに乗り込んだけど小生はこれは絶対に明日以降の仕事に響くと思ったのでホテルへ。しっかし毎年モノスゴイ会やなぁコレハ・・・。来年は下関でやるらしい。会津の次は長州か・・・。

2月12日(日)
朝バスで郡山へ移動して東北新幹線で帰京。酒も残らず体調良好。面白い話も山ほど聞けたし・・・。自宅へ戻って明日からの国士舘大学での集中講義のための準備。それに明日からTBSに毎朝出るのか・・・。

2月13日(月)
赤坂のホテルで朝6時起床。TBS『朝ズバッ!』生出演。みのもんたさんとは初めて。ジャンプ原田の「体重問題」「ルール問題」について日本のスポーツ役員に「国際外交交渉力があるのかどうか」という視点から語る。スポーツ界だけの問題ではないですけどね。番組終了後国士舘大学多摩キャンパスへ。夕方まで大学院スポーツシステム研究科でのスポーツジャーナリズム論集中講義。ちょっと疲れた。昼食の時に元ヴェルディ社長で日テレ時代にトヨタカップや世界陸上の開催で大活躍された坂田さん(現国士舘教授)が訪ねてきて下さる。一度ゆっくりお話ししたい方だったのでうれしかった。虫明亜呂無さんとの交流などについて話を伺う。またの機会に是非とももっとゆっくりと・・・。一日が長い。

2月14日(火)
深夜から早朝500mスピードスケートを見たので眠い。睡眠時間合計3時間くらいで昨日に続いて都内ホテル6時起床でTBSへ。『朝ズバッ!』みのもんたさんとパラリンピックを無視しないで!で意見が一致。トリノの橋本聖子さんと「トップ選手を引き上げるには裾野の拡大が必要」でも一致。オリンピックのメダルだけ期待しても無理なんですよね。きちんと日常のスポーツ活動がなければ・・・。テレビ出演のあと国士舘大学大学院で集中講義2日目。インタヴューの仕方について講義したあと市川崑の大傑作『東京オリンピック』を見ながらスポーツについて学生と一緒に考える。さすがに疲れたけど明日はTBSはお休みでちょっと一息。夜、自宅からTBSラジオ『火曜ブジオ』に電話生出演。井筒和幸さんと久しぶりに話す。今日は早よ寝よ。

2月15日(水)
朝RKB毎日の『中西一清のスタミナラジオ』に電話出演したあと国士舘大学へ。ミュージカル映画『ザッツ・エンターテインメイント』や山下洋輔&林英哲によるラヴェルの『ボレロ』やオッフェンバックのオペレッタ『美しきエレーヌ』のビデオを見ながら「スポーツとは何か?」「人間の身体の重要性」「未来の人間にとっての身体文化の重要性」といったテーマについて学生と考える。難しいテーマで回答はなかなか出せないけどテーマの重要性については理解してもらえたと思う。これで国士舘の大学院での小生の授業はオシマイ。4年間やったけど十分やろう・・・。町田から小田急で藤沢へ帰る車中で立ってると中学生と思しき男子生徒に「どうぞ」といわれて席を譲られた。生まれて初めての経験に苦笑。「ありがとう。おれはまだ若いからええよ」といって断る。そんなに疲れて見えたのかなあ・・・。歳かなあ・・・。

2月16日(木)
TBS『朝ズバッ!』生出演。トリノ五輪に出場している北朝鮮選手が取りあげられたので「スポーツ文化が発展するための大前提は平和と人権擁護。その意味でIOCなどのスポーツ国際組織は北朝鮮のスポーツマンの人権が保障されているか否か(正しくスポーツが行われているか否か)査察を行うべき」という意見を言わせていただく。オリンピックの話題での初出演の番組でこういう話ができたのは嬉しい。しかし早朝にTVに出ると帰宅してから原稿が書けへんで・・・。これはけっこうツライなぁ・・・。

2月17日(金)
TBS『朝ズバッ!』生出演。高橋大輔残念ながらメダルならず。ま、こんなもんでんな。ジュニアで世界一になった選手が精神的に弱いとわかった時点でJOC(または文科省)はカウンセラーを付けてやらんと・・・。そこまでして(カネを使って)メダルを取る価値があるのかどうか(本当はその価値があるんですけどね)というコンセンサスもつくらないと・・・。長野でメダル10個。ソルトレイクで2個。今回は・・・。1964年の東京五輪のメダル数も40年後のアテネまで抜けなかった。それと同じ。「エリート教育」=「国威のためのスポーツ」なんて北朝鮮と同じ。スポーツ政策を根本的に考え直さないと・・・。みのもんたさんが「今回はメダル・ゼロでいい。その結果を踏まえて問題点をすべて洗い出してほしい」と(CMのときに)言うてはってたけどその通りや。裾野を広げる=スポーツ環境を整える=豊かな社会をつくる=メダルが取れる・・・という方針=戦略がないと・・・。けど早朝TVは疲れる。原稿の締め切りがないとええのんやけど・・・。

2月18日(土)
朝寝ができるうううう!うれしいいい!佐吉(犬)の散歩にも行けた。問題は原稿が書けないことや。それが大問題やで。生活と仕事の時間帯が狂うとどこか身体がおかしなるなぁ。それにしてもフィンランドは弱かったなぁ。W杯の前哨戦にならへんで。

2月19日(日)
スポーツジャーナリスト実践塾。半日かかって片っ端から原稿の添削。原稿を書くという作業はホンマに難しい。なんとかメディアに使ってもらえる原稿を書くには量をこなして何度も書き直す以外にない。そして「生意気になること」という話を塾生にする。「あんな原稿はオモロない。おれの原稿のほうが上や」という態度でぶつかっていけば鼻っ柱をへし折られるがそういう経験を繰り返さんと成長できひんのやから・・・。それにしても疲れた。ひさしぶりに鮨処『もり山』で一息。

2月20日(月)
トリノが盛りあがらない(メダルが獲れない)のでテレビの企画も縮小。出番がなくなった。寂しいけど溜まりに溜まった原稿を書くチャンス。せやのに何で書けへんのや・・・。スランプかな。本HPの更新も遅れてしまって読者の皆さんスイマセン。週末までには更新できるように努力します。

2月21日(火)
3月4日放送(教育TV)のパラリンピック特番(70分番組)『再び栄光を まもなく開幕トリノ・パラリンピック』のVTR収録のためNHKへ。選手のゲストはチェア・スキー回転で金メダル期待の高校生・鈴木猛史さんと視覚障害バイアスロン長野金メダリストでソルトレイクで敗れたリベンジを目指す小林深雪さん。俳優の加藤晴彦さんがチェアスキーに座ってみたり漫才師のますだおかださんが音を聴いて引き金を引くバイアスロンの射撃に挑戦してみたり・・・。パラリンピックは本当に面白い!アイススレッジ・ホッケーの日本代表は昨年世界ランク1位のノルウェーに3勝2敗!これってアイスホッケーの日本代表がNHLのチームに勝つようなもの。メダル期待!みなさん注目しましょう!ヤフー(http://torino.yahoo.co.jp/para/)でもパラリンピック特集のページが開設され小生も応援原稿を書きました(http://wintergames.yahoo.co.jp/know/column/02_01.html)。

2月22日(水)
荒川静香のコンジョーはたいしたもんやな。まるでトゥーランドット(氷のようなお姫様)。安藤美姫はあんなもんやろ。中野が出てたら・・・。原稿2本仕上げて電話の打ち合わせ(トリノ「惨敗」のための企画変更)がジャンジャン。夜は大船で少々秘密の打ち合わせ(笑)。

2月23日(木)
衛星放送の『週刊ブックレビュー』(26日放送)VTR収録のためNHKへ。小生の推薦本は川合光『はじめての〈超ひも理論〉』杉本厚夫『映画に学ぶスポーツ社会学』長谷邦夫『赤塚不二夫天才ニャロメ伝』の3冊。漫画家の吉野朔実さん推薦の『奇妙な情熱にかられて』(春日武彦)も東大教授の沼野充義さん推薦の『魔王』(伊坂幸太郎)も面白かったので話が弾む。司会のピアニストの三舩優子さんから『ラプソディ・イン・ブルー』や『スワニー』を演奏されてるCDをいただく。バーンスタインの『キャンディード序曲』のピアノソロ・ヴァージョンも入っていて素敵な演奏です。帰宅して原稿書き。仕事の区切りがつかへん。この泥濘はいつまで続く・・・。

CD
三舩優子『ラプソディ・イン・ブルー』
三舩優子『ラプソディ・イン・ブルー』
BOOK
伊坂幸太郎『魔王』(講談社)
伊坂幸太郎『魔王』(講談社)
 

2月24日(金)早朝
あのスルツカヤが尻餅!フィギュア・スケート競技が厳しいスポーツであることを堪能。荒川トゥーランドット姫が金メダル!スルツカヤも以前のように『トスカ』か『椿姫』にしとけばよかったのでは・・・?日本のメダル・ゼロは免れたけど情況(長野後遺症・外交力の欠如・競技練習施設の貧困・裾野の狭さ)が変わったわけではない・・・。荒川は見事に素晴らしかったけどスルツカヤがちょっと可哀想。

2月24日(金)
大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演。もう一人のゲストが荒俣宏さん。昔小生が文化放送でDJやってたときにゲストで出てもらったり拙著『定本長嶋茂雄』に小説を寄稿していただいたりテレビで御一緒させてもらったりしたけど久しぶり。183p110sの荒俣さんと180p96sの小生の間に南海キャンディーズのシズちゃん(180p?s)が入って豪快スリーショット。そこへ司会の15?p角淳一さんが加わってバカウケ。何事も「質より量」なのだ(笑)!『ぷいぷい』でトリノへ行ってる西靖アナウンサーがイタリア人4人家族と一緒に荒川トゥーランドット姫の金メダル演技を見たレポートは面白かった。「堀江メール問題」も話題になったけど民主党の「オウンゴール」と「へたれ党首討論」にただただ呆れるだけ。「お子ちゃま議員」と「チルドレン」はいつになったら大人になるのか。国会が「チャイルドシート」になったらオシマイやで。けどその前に「民主党」は名前を変えんとアカン。アメリカは「民主党」と「共和党」でええけど日本には「自由民主党」があるんやから半分の名前で勝てるはずがない。番組終了後ABC朝日放送へ移動して月曜放送の『ニュースゆう』のVTR撮り。テーマはもちろん「トリノでの惨敗」。堺市へ移動して宿泊。

2月25日(土)
朝7時に高石市(堺市の隣)にある大阪府立臨海スポーツセンターのアイスリンクへ行って世界選手権に向けての調整をしている織田信成クンの練習を見る。「世界」を目指す小学生から高校生40人くらいに混じって織田信長の子孫のスピンとジャンプはさすがに素晴らしかった。けどフィギュアスケートというのはやっぱりテレビやなくてナマでみるものですな。迫力とスピード感が全然違う。ま、スポーツはなんでもそうやけど。

2月25日(土)つづき
織田クンの早朝練習を見たあと毎日放送USJスタジオへ移動して『せやねん』生出演。トミーズの雅さん健ちゃんチュートリアル安江さん松井愛さんとWBCやトリノについて歓談。雅さんは煙草をやめたのに次いで酒量も大幅に減らして「絶好調」とか。「それって生きてる意味ないやん」と茶々を入れる。『せやねん』のあと名古屋へ。中日栄文化センターでオペラ講座。今回のテーマは『ばらの騎士』。耽美主義(エステティシズム)の反対がアスレティシズム(身体競技主義)。どっちも本質的には「非政治的」「民主主義」「平和主義」「反権力」なのだけれど政治に支配されやすい・・・という話を軸にホフマンシュタールとリヒャルト・シュトラウスのエロチシズムを語る。夜帰宅。ちょいと疲れた。

2月26日(日)
羽田から関空へ。世界選手権へ向けてカナダへ旅立つ織田信成クンとコーチで母親の憲子さんにインタヴュー。「自分のコーチとしての力量を試してみようと思ったら育ったのが自分の子供だっただけ」と語る憲子さん。「鳴かぬならそれでいいじゃんホトトギス」と語る信長の子孫。エエ親子やで。苦労も多かったみたいやけど。話を聞き終えて羽田へ蜻蛉返り。飛行機がジェットコースター料金を払いたくなるほど揺れる。揺れるのはカマヘンけど閉所恐怖症気味の小生は読書に集中。無事着陸してくれたので鮨処「もり山」で祝杯。生きてること(酒を飲めて鮨を食えること)に感謝(笑)。

2月26日(日)つづき
それにしても織田信成クンの母上の憲子さんは五嶋みどりさんと龍クンの母上の五嶋節さんと雰囲気がそっくりやったなぁ。年齢も同じくらい。そういうもんやろか・・・。

2月27日(月)
『トゥーランドット』(誰も寝てはならぬ)で幕を明け『ナブッコ』(行け我が思いよ金色の翼に乗って)で幕を閉じたトリノ冬季五輪。我がスポーツジャーナリスト塾でオペラを見せたのは間違いやなかった(笑)。

2月27日(月)つづき
山ほどの原稿の合間に(財)鎌倉市芸術文化振興財団の理事会に出席。鎌倉芸術館の指定管理者からはずされた財団の敗戦処理。市役所職員の天下り先としての財団もひどいモンやけど文化政策無策の市長と文化政策無知の市議会議員と無責任自分勝手音楽ファンの行政担当者のオカゲで鎌倉市の文化行政は無茶苦茶。なかにし礼さんが鎌倉から逃げ出して逗子に引っ越したのも理解できる。おれも京都へ引っ越すか・・・。どこに引っ越しても住みにくいとわかったとき詩が生まれて絵ができる・・・はずやけど・・・。

2月28日(火)
一日中原稿書きと国士舘大学院生の提出したレポートの採点。小生のスポーツジャーナリズム特論のレポートの課題は(龍谷大学で教えていたときも同じで)いつも「自分の興味あるスポーツマンにインタヴューをすると仮定してその質問項目を20つくれ」というもの。「あなたにとって野球とは何ですか?」といった小生の講義をまるで聞いていないヒドイのも毎回あるけど今回の平均点は上々。メッチャ面白い豊かな発想に富んでいるのも一つあった。紹介はできないけれどそういうのがあるとうれしい。

2月28日(火)つづき
アメリカNYタイムズ紙に「荒川は卑怯なメダリスト」という記事が掲載されたとか。この記事についてどう思うかと訊かれたので「トゥーランドットも知らんアメリカ人の単なるイチャモン」と答える。NYタイムズはかつてベーブ・ルースが大活躍したときに『ホームランなどという野手の手が届かない打球を打つのは卑怯』と書いた新聞。日本人はアメリカ(や中国)が何を言おうと気にする必要はない。美しいものは美しい。素晴らしいものは素晴らしい。勝ったものは勝った。何がNYタイムズや!詳しくは来週月曜発売の『週刊ポスト』をお読み下さい。

2月28日(火)つづき
夜になってなぜか餓鬼どもが6人集まってきて正月以来の大パーティ。次女の卒業祝いだとか。そうか。我が家で(我が家系で?)初の大卒誕生か・・・。別に感慨はないけど(笑)。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦は後日VTRで。

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