ナンヤラカンヤラ
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8月1日(月)
朝文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。アメリカのデフォルトと福島の原発を「カネは天下のまわりの持ち物」という言葉でくくる。ちょっとゴーインだったでしょーかぁ。しかし数字遊びの世界経済と何万年単位の廃棄物が出る原発のどちらもヴァーチャルな現実でしかないとき肉体の痛みの伴うスポーツはますます重要になるはず…。昨日からYouTubeで見て驚きながらも大拍手を送ってた東大児玉龍彦教授の演説を高野孟さんがINSIDERでも紹介してた。
http://p.tl/OmA3

8月1日(月)つづき
文化放送から戻って明日(立教大学夏期集中講義)の準備。意外と時間がかかる。久しぶりにスポーツジャーナリズムについて講義するからか…サンデルに負けん授業にしたいと思うからか…(笑)。喋る準備・配付資料の点検と準備・見せるビデオの準備・見せる本の準備…うわっ。資料がいくつかなくなってるなぁ…あっ…あの学生に貸したままや…というのが2つ3つ…ナンデモカンデモ貸す癖は改めなければ…明日早いから早よ寝よ。

8月2日(火)
立教大学志木キャンパスの午前9時からの授業を担当してるため6時に起きて6時31分玉縄発のバスに乗って6時45分大船発の湘南電車に乗って…うわっ超満員!地震で一部の電車が止まってる影響らしい…池袋から東武電車で志木まで行ってバスで二駅…ふうーっ。着いたと思たら俺が授業するはずの部屋で若い外国人の先生が英語の授業をしようとしてる。"What happened?Double booking?"というわけで教務課に問い合わせると教務課の手配ミスで俺の勝ち(笑)。…で無事に授業開始。20人くらいの学生相手に朝9時から午後4時まで昼食を挟んで喋りまくる。ふううーっ。まあビデオを見る時間もあったんですけど結構疲れますなぁ。みんな熱心に聞いてくれたみたいやから嬉しかったけど…。

8月2日(火)つづき
2時間かけて埼玉の志木まで行って朝9時から夕方4時までスポーツジャーナリズムとはどーゆーもんか…を立教大学で喋り続けて2時間かけて帰宅して野球見ながらメシ食って風呂入ってさすがに疲れて爆睡。一般のサラリーマンの方はこーゆー生活を毎日送っておられるのかと思うと驚異でもある。しっかし志木は遠い。田舎の学問より都の昼寝…という諺もあるで。来年からはせめて池袋キャンパスにしてほしいな…。ZZZZZZZZZZ。

8月3日(水)
昨日学生たちの伝えたとおり今日は朝10時半(2限目)からの授業…ということで朝RKB毎日放送電話出演。なでしこジャパンの国民栄誉賞について。こーゆー屋上屋を重ねる賞は本来なくていいですね。なでしこの一人が口にした「国民栄養賞かと思ってた(栄養のあるモンを沢山もらえて食べられると思っていた)」というのが最高のコメントですね…てなことを話して埼玉志木へ。立教大学集中講義。今日は日本のスポーツジャーナリズムの歴史とインタヴューの仕方。昨日授業に出なかった学生が教務課に授業が行われてないがどーなってるのかと問い合わせて我が家へ教務課から電話があって俺が女房から怒られて教務課の方からもそーゆーときは事前に報告して下さいと注意され…マァ確かに俺の落ち度やろけどホナ昨日授業に出なかったヤツの落ち度はどないなるねん。マァええけど…。頑張って5時まで授業…のあと東京駅丸ビルの茶店で某漫画雑誌編集者と打合せ。もっと余裕のある仕事やったらエエねんけど…と思いながら帰宅。ヘトヘト。グウウーバタン。ZZZZZZZZZ…。あ、児玉教授のU-Tube画像再度アドレスを載せときますね。
http://p.tl/qr-J

BOOK
石田修大『日本経済新聞「私の履歴書」名語録』
石田修大『日本経済新聞「私の履歴書」名語録』

8月4日(木)
朝新幹線で大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演。控室(どうも「楽屋」という言葉は使い慣れない)に入ってTVを見ると心筋梗塞で倒れた松田直樹選手が亡くなったとか。若いのに…合掌。うわっ。夏休み特集でMBS1階フロアに子供がイッパイ。体操やらされる。そうか。去年もやったなぁ。元神鋼ラグビーの大畑さんが汗だく。マジメな人やで(笑)。元トランポリン選手のの廣田遥サンもゲスト出演。そう言えばトランポリンがオリンピックの正式種目に選ばれるようスイス・ローザンヌのオリンピック博物館前でデモンストレーションやったときに俺はそこにいてサマランチIOC会長(当時)に直撃インタヴューしてたなぁ。懐かしい話や。あ。そのときチューリヒで日韓共催W杯が決まったのやった。昔の話やなあ。番組ではMBSの河田アナウンサーが去年の西アナウンサーに続いて60日間世界一周の旅へ。うわっ。今日は南米アンデスのチチカカ湖か。これまた懐かしいなぁ。俺がこの高地(約4000m)にある湖へ行ったのはコロンブスのアメリカ発見500年記念の番組作りやったから1992年か。煙草に火がつかず(酸素がないから)びっくりしたもんな。慣れるまで酸欠で歩くのもシンドかったけど★の数ほど★がある★空の夜空が綺麗やったなあ(註:★=星です)。懐かしいなあ…で新幹線で帰宅。往復の車中で日経に連載されてた小田島雄志先生の『私の履歴書』をコピーで全回読了。そうか。80歳になられたか。懐かしいなぁ。『私の履歴書』は前回が山下洋輔サンでコレも日経を購読してる友人が秘書にコピーさせて全編送ってくれて読んだ。1回1回短い新聞連載に洋輔サンはかなり悪戦苦闘の御様子(自由にインプロヴィゼーションできませんからね・笑)やったけど面白かった。最近知ってる人の『履歴書』が続くなぁ。みなさんトシとらはったということかいなぁ(失礼)。あ。俺もか。

DVD
『白い恋人たち』
『白い恋人たち』
『札幌オリンピック』
『札幌オリンピック』
『東京オリンピック』
『東京オリンピック』
BOOK
渡辺京二『黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志』(洋泉社)
渡辺京二『黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志』(洋泉社)
渡辺京二『北一輝』(ちくま学芸文庫)
渡辺京二『北一輝』(ちくま学芸文庫)
渡辺京二『江戸という幻景』(弦書房)
渡辺京二『江戸という幻景』(弦書房)
渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)
渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)

8月5日(金)
立教大学での夏期集中講義最終日のため神奈中バスとJR湘南ラインと東武鉄道と西武バスを乗り継いで埼玉新座キャンパスへ。遠いなぁ…というのは悪いことではなく本が読める。渡辺京二『黒船前夜』(洋泉社)。この著者の大傑作『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)の続編とか。副題に『ロシア・アイヌ・日本の三国志』とあるようにユーラシア東端の外交事始め。まだ途中だが幕末直前の人間たちが活き活きと動いてる。このあとは洋泉社新書の『渡辺京二傑作選@日本近世の起源A神風連とその時代Bなぜいま人類史か』やちくま学芸文庫の『北一輝』などこの著者の作品は全部読もう!と決意。ところで授業最終日のテーマはスポーツを表現する。スポーツの何をどう書くか。原稿は「起承転結」ではなくマスメディアでは「転結承起」で書く。この書き方は卒論その他にも応用ができる…という話をするときにいつものことだけれどまず「起承転結」の話をしなければならない。孟浩然の春眠不覚暁と言っても誰も知らないのでそこから説明。どこで日本の教育史は断絶した?とはいえ楽しくフレッド・アステアとエレノア・パウエルのタップダンスやエスター・ウィリアムズの水泳映画はスポーツと言えるのか?クロード・ルルーシュ監督のグルノーブル冬季五輪映画『白い恋人たち』は「スポーツ映画」と言えるのか…などビデオを見て考えて授業はオシマイ。うむ。最近の大学生は「正解のない命題にこそ興味を抱いてその回答を考える」という作業が下手くそなんやな…と納得。授業の途中昼休みに講師控室で学生たちの提出したレポートを読みながらサンドイッチを頬張ってると「お〜い」と声がしたので顔を上げると朋友のHクン。大学院生相手の授業らしいがいろいろ問題が生じてるとか…。そうなんよなぁ…すべては大学や大学院(での勉強)は「何のため」に存在してるか…という問いかけに収斂するんやねえ…。俺も来年はドーショーかなー?

8月5日(金)つづき
授業を終えて池袋で日刊ゲンダイの記者のインタヴューを受ける。書評欄の「著者に聞く」の欄で拙著『「大相撲八百長批判」を嗤う』を取りあげてくれるとか。結局は現代日本社会が近代合理主義とどう付き合うかという問題で…という話をわかってくれる記者だからこそ拙著を取りあげてくれたのだろうがワカラン奴も多いのが困るなあ…。amazonでコノ本や他の俺の本を「ボロクソに批判」してる連中と一回直に会うて話してみたいなあ。しっかし書いてもいない文章を「引用」して「批判」したりして「反日」などと書いてる連中とは話してもシャーナイか…あるいは話し合い不能か…。帰宅して晩飯野球劇場はタイガースvsスワローズ戦。久保の好投と関川の渋い一打で虎快勝。しかし藤川は頼りにならんようなってきたなぁ…サア…来季に向けてどう変身する?世界同時株安か…日本政府の円高介入もタイミング悪かったなあ…「贋札」(不換紙幣のことです)を刷りすぎのユーロとドルに対して印刷数が少ないYenが買われてるだけのことやから日本も「贋札」を仰山刷ってインフレにしたら…?というのではイカンのかなぁ?今度Sクンに訊いてみよう。

8月6日(土)
ゆっくり朝寝…できるのに歳とると眠る力が減退するのか朝早く目覚めてしまう。仕方ないので朝から部屋の整理。毎日外出が続くと部屋が荒れる。本やら辞書やらメモやらが二つある机の上に散乱。床の上にも本や雑誌のの山。うわっ。午前中で片付かへん。マイッタナァ。仕方なく部屋の整理は途中にして新幹線のこだまで小田原経由浜松へ。静岡文化芸術大学でラグビーの清宮克幸さん(ヤマハ・ジュビロ監督)や柔道の溝口紀子さん(バルセロナ五輪銀メダリスト)とシンポジウム。司会(コーディネーター)はSBSの澤木久雄アナウンサー。テーマは「地域スポーツ文化の創造」。正直言ってメチャメチャ面白かったし勉強になった。静岡のポテンシャルは高い!

8月6日(土)つづき
静岡文化芸術大学でのシンポジウムでラグビー・ヤマハ・ジュビロ監督の清宮さんがじつにさりげなく「企業スポーツは近いうちにいずれなくなります」と断言されたのは衝撃だった。「だから将来の子供や若者たちのために地域のクラブ・スポーツの整備を…」と続く。その結論は同じでも「企業スポーツからの脱皮が急務…」とばかり考えていた小生は企業の窮状に思考を及ぼすことが少なく最早スポーツクラブの企業所有が限界に来てることに考えが及ばなかった。そうなのだ。まったく喜ばしいことに(!)日本のスポーツは近い将来企業の所有から離れるのだ。企業は地域社会の一構成員として市民と同様に相応の社会的責任を果たすべきだが(本来許されるべきでない)「スポーツの所有」という状況がなくなる。その受け皿としての地域クラブの整備は急務だが…そのとき学校スポーツをどうすべきか…学校は地域スポーツの拠点たりえるのか…大学はどういう役割を果たすべきか…マスメディアの「スポーツへの熱狂」とは異なる土俵で「スポーツを考える作業」が大切といえる。そうか。静岡は土地がいっぱいあるのか…。地方のスポーツメディアもスポーツ施設も整ってるし気候は温暖だし…。静岡での活動は面白くなりそうですよ(県知事で先輩の)川勝さん!!うなぎパイを買って帰宅。うなぎパイはホンマに美味いなぁ(笑)。

8月7日(日)
朝5時に起きて東海道線で東京・山手線で上野・常磐線で福島県のいわきへ(平仮名でなく磐城ときちんと漢字表記にするべきですよね。でないと神の宿る大きな岩の城という意味もわからなくなるし…というのはともかく)佐渡裕さんとシエナ・ウィンド・オーケストラのメンバーによる東北ツアーの第一日目を見学させてもらう。福島県の中学や高校の吹奏楽部を佐渡さんが指導。なるほど。なかなか面白かった。しかし中高の吹奏楽部ちゅうのは難しい曲をやってるんやなぁ。変拍子も面白いけど行進曲とかはやらんのかいなぁ。昼休みのときにタクシーで漁港を見学。瓦礫は(運転所さんの話によると「ようやく」)撤去されていたが地震の爪痕(道路の凸凹)はそのまま。魚の水揚げ場は静まりかえった空間。近くの水族館は再開されてたが入場者は日曜なのにちらほら。公民館前のプールは無人立入禁止。午後佐渡さんの吹奏楽クリニックを再度見学。何度かシエナと東北ツアーで訪れていたところで震災のあとすぐにでも訪れようとされたのがやっと実現。明日と明後日は岩手のほうで海岸で鎮魂のタクトを振るとか。それが音楽の一番の役割のはず。小生は再度タクシーで沿岸部の漁港と工業港をまわってもらって帰宅。神戸の震災の時は一週間後に長田の親戚を訪ねまわったり友人宅を訪ねたり春の高校野球出場校を取材してまわった。事情は少々異なるが9・11のときも3週間後にNYで仕事がありまだ熱い煙の立ち上るグラウンド・ゼロを間近に見た。今回ようやく福島いわきまで足を伸ばすことができたがなかなか機会がない。わざわざ…でなく仕事や所用で必然的に…というのが大切なはず…と思ってる自分にとって東北はやっぱり遠いのか…。しかしいわき市で商店のおばちゃんや吹奏楽の女子高生やタクシーの運転手さんなどといろいろ話をできたのは嬉しかった。しかし地震や津波はともかく放射能さえなかったなら…という本音はあまりにも重いですよ。帰宅。寝る。

CD
マーラー『交響曲9番』(バーンスタイン指揮ベルリン・フィル)
マーラー『交響曲9番』(バーンスタイン指揮ベルリン・フィル)
マーラー『交響曲9番』(バーンスタイン指揮コンセルトヘボウ管)
マーラー『交響曲9番』(バーンスタイン指揮コンセルトヘボウ管)
マーラー『交響曲第9番』(ジュリーニ指揮シカゴ響)
マーラー『交響曲第9番』(ジュリーニ指揮シカゴ響)
マーラー『交響曲第9番』(ワルター指揮ウィーン・フィル)
マーラー『交響曲第9番』(ワルター指揮ウィーン・フィル)
マーラー『交響曲第9番』(クレンペラー指揮ウィーン・フィル)
マーラー『交響曲第9番』(クレンペラー指揮ウィーン・フィル)

8月8日(月)
今日も朝5時前起きで文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。イタリアのプッチーニ・フェスティバルで『蝶々夫人』が「正しく」上演された(着物の着方や日本人の所作の間違いが正された)というニュースを受けてそーゆー訂正はミラノ・スカラ座での浅利慶太さんの演出などで既に訂正されてることを指摘。プッチーニ・フェスティバルでは島田雅彦台本三枝成彰作曲の『ジュニア・バタフライ』が上演されたこともありそのストーリーが実に興味深い(ピンカートンと蝶々夫人の間の子供がハーフとして成長して恋人が長崎で被爆するオペラ)という話をする。また8月6日に広島で半世紀ぶりにプロ野球が行われたことを取りあげてスポーツは民主主義の産物であり(古代ギリシアと近代イギリスで生まれた!!)平和が大前提になっていること。オリンピックなどの古代の競技大会はもともと葬祭競技と呼ばれて戦争で死んだ人々の鎮魂が目的だった(だから原爆記念日に野球を行うのはおかしくない)ことを解説。夏の甲子園も二つの原爆記念日と終戦記念日のときの鎮魂の行事としてなら学校対抗の意義もある。ただし学校の試験期間中に平気で勉強を無視して予選をして朝日新聞の宣伝に協力するのは高等学校のクラブとしては考え物ですけどね。それに全国の高校の体育の授業ではスポーツで身体を動かすだけでなくスポーツの文化的意義も教えてほしいですよね。くわえて早晩企業スポーツがなくなってクラブスポーツになるなら学校スポーツも地域の総合クラブに吸収させるべきですね。でないと学校の勉強が全うできないでしょう。高校野球関係者にそーゆー考えの持ち主がいることをまだ聞いたことがないのは非常に残念(サッカーやラグビーにはいますよ)。

8月8日(月)つづき
文化放送からいったん帰宅。何やら家の様子がざわざわしてるのは夕方から長女のBFが中心になってバーベキューパーティをやるとか。隣家のお嬢さんもフランスから帰国していて参加。売れないミュージシャンの長男も帰ってくるとか。俺は外出。新百合ヶ丘の昭和音大ホール(テアトロ・ジーリオ・ショウワ)へ。金聖響指揮神奈川フィルのマーラー交響曲第9番を聴きに行く。真夏に少々重い音楽とも思うけどなかなかの名演。いろんな音がいろんな色彩でいろんな場所から切なく響く見事な晩年のマーラー。とくに3楽章の完全に狂ったような怒濤のブルレスケから最終楽章のアダージョは見事。人生の最後の思い出が燃えあがったあと静かな死に至って音が掠れて途切れ途切れに…同時に照明も暗くなって…音は消えたはずなのに頭の中に響き続け…沈黙と測り合える無音の音が静かに鳴り響く…そして静寂…やがて正気に戻った観客から拍手…。よろしいんじゃないですか…聖響さんと神奈フィルのマーラー。来年はどんな企画やるんやろなぁ?。『千人の交響曲』とかやってほしいなぁ。スポンサー見つけなアカンのかぁ…「正之会」の皆さん如何ですか!?しっかし…充実したドタバタの1週間やったなぁ…。おやすみなさいZZZZZZZZZZZZ……。

8月9日(火)
立教大学夏期集中講義に参加した学生のレポートを採点。小生のレポートの課題は10年間変わらず。自分の最も興味あるスポーツマンorスポーツウーマンにインタヴューするとして20の質問を書け…というもの。もちろん授業でインタヴューの仕方の概略は話してる。毎年選ばれるスポーツマンには流行があって面白い。今年は澤穂希・内田篤人・長友佑都・石川遼…といったところが人気筋。キムヨナと安藤美姫・浅田真央は順当。高橋大輔は今年は無し。野球人気も根強く斎藤佑樹・ダルビッシュ有・中田翔・前田智徳らが入っていたが巨人の選手を選んだ学生は25人中はゼロ。俺が大学で講義し始めて以来20年近くで多分初めてのこと。日本人大リーガーもゼロ。外国のスポーツマンもゼロ。なんでかな。飛び抜けて面白いレポートというのはなかったけど秀逸なのが1本。そのタイトルは『僕が生まれ変わったら、たぶん野球はやらないだろう』というもの(少々手直ししてますけどね・笑)。どの野球選手へのインタヴューかはわかりますよね。このテーマを頭に入れてインタヴューすれば斎藤投手の(あ!!バラしてしもた・笑)回答がYESでもNOでもオモシロイ話が聞ける!!去年は内容的に低調だったが今年は比較的面白かった。しかし飛び抜けて面白いレポートは偏差値の低い大学のほうに多いのはナンデかな?それに外国人選手へのインタヴューを選ぶのも偏差値の低い大学の学生のほうが圧倒的に多い。偏差値のずば抜けて高い大学でも試してみたいものやな。あ。来年はかなり偏差値の高い大学で授業をやる予定。どんな結果が出るか?あんまり期待はせんとこ。ナ・ナ・ナ・ナニィ!?京都市が東北被災地の木を大文字の送り火に使うことを拒否やと?琵琶湖が汚染されるやと?放射能は計測済みで安全と言うてるやないけえ!ど阿呆!京都市出身者の一人として恥ずかしい。京都人のイケズはドシガタイ!!大文字は鎮魂の送り火のはずが所詮は鼻が高いだけで都人とは名ばかりの田舎者京都人の観光産業にすぎないのか?どどどどど阿呆やで。エ・エ・エ・エ〜。ロンドンで大暴動や。社会主義共産主義の崩壊の次は資本主義の限界が露呈?世の中狂ってる…。

8月10日(水)
朝5時に起きて立教大学夏期集中講座の採点完了。RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』で最近の小生の大学での活動を報告。アカデミズムとジャーナリズムの距離が最も離れているジャンルがスポーツですからね。それに政治(政策)と民間活動(営利事業)の距離も離れすぎかな。暑い一日。ホンマに暑い。夏やから仕方ないか。トホホ。朝のウチに大学の仕事終えといてホンマによかった。暑うて仕事にならんんぁ…と思いながらも終日マーラーの資料読んでマーラー聴きまくる。頭をマーラーに戻さねば。あっという間に夕飯。ヨメハンも子供も孫も京都に帰ったから一人で「たむらのカレー」(これは旨い!)を御飯にぶっかけてビール飲みながらサッカー日韓戦。マイッタ。日本強い。3−0。お見事!個人技のレベルも上がった。香川・本田らが称賛に値するのはもちろん。李も内田も駒野も今野も良かった。もちろん清武も。イレヴン全員のポジショニングが良かった。気分がエエ。一人で酒が進む。ういっ。気持ちエエ。そのあと井岡の防衛戦も見る。レヴェルの極めて高い一戦。両選手とも体重を前足に乗せて身体の回転でパンチを繰り出す。見応えある試合。結果的にKOでなくてもこーゆー試合ならボクシング人気は高まる…はずだが…ファンの見る目は…?スポーツはすべて技術の問題ですね。もちろん大前提としてその技術を発揮できる体力が必要なのは言うまでもないことですが「一に精神力二に体力」などと言ってるようじゃダメですね。精神力や体力は身につけるべき技術とそれを発揮する状況をイメージできれば誰でも自然に身につき必死に身につけようとするものですから。バントを失敗した選手に炎天下のランニングを罰則でさせても身につかないものですよねぇ某高校野球の監督さん!

8月11日(木)
暑い。クソッ。暑い。今日はゆっくりしたれと思たら昨晩深夜送られてきたメールに仰天。最終日の講義に出られなかった立大生からのレポート。うむむむ。昨日成績表は投函済み。ということはこの学生はレポート非提出で評価はD。昔風にいうなら不可。しかも教務課は夏休み…とわかりつつも一応採点して教務課にメールで評価変更を伝える。あとはどう処理されることやら…。俺も1年間くらいの短い学生時代は授業に出た経験もある。隣のクラスの小田嶋雄志助教授(当時)の「Taste of Honey」の購読とか早大河竹登志男先生のShakespeareの講義や演劇博物館での講義なんかは沢山「盗講」した(この言葉は今では死語ですね)。もちろんすべて単位とは無関係。だから中退。あ。きちんと中退届けだしてるから来年あたり復学届を出してみよかな。認めてくれるかな?そのとき学費は昔どおり月々千円でエエのかなぁ(笑)。夕方から東京へ。現代のニュースポーツについて某新聞社の取材を受けたあと新橋へ。蒸気機関車前の待ち合わせというベタなパターンで逢った人物は某TV局超有名大物アナウンサーと『「大相撲八百長批判」を嗤う』で世話になった相撲ライターの荒井太郎氏。3人でメッチャ旨い(そして安い!さすが新橋)鳥料理を突きながら大相撲&スポーツ談義。そもそも大物アナ氏が拙著を絶賛して下さったことから生まれた飲み会。いや食事会。いやあ楽しい一時でした。次回はちゃんこで。是非。

8月12日(金)
暑い。クソッ。暑い。言うまいと思えど今日の暑さかな…という漱石の俳句を英語で言うとYou might think but today's hot fish…となる…といったのは横山ホットブラザース。中学生の頃にTVで見たのを今も憶えてる。こーゆーネタの笑いはセントルイスまでかな。意味わかります?暑い。クソッ。暑い。夕方鎌倉の島森書店へ。大船の島森書店が閉店したので頼んでいた本を取りに行く。同じ鎌倉市でもJR二駅は邪魔くさい。俺もこれからはamazon派になるのあなぁ。帰りに「213」に寄って晩飯。今日は一日何をしたかな?何もしてないな。そーゆー日が一日くらいあってもエエやろ…と思いながら「213」のマスターに『太陽を盗んだ男』のDVDを貸して欲しいと言われたのを思いだして他に面白い映画があれば…というので川島雄三監督の『しとやかな獣』を見始めると見始めた瞬間から面白すぎて止まらなくなる。伊藤雄之介も山岡久乃も若尾文子も昔の役者は演技も台詞も上手い。いやコレも監督の手腕?

8月13日(土)
相変わらず暑い。クソ暑い。もう少し品のある暑さがないものかと思うけど暑さは下品なもののようでクソ暑いという言い方が似合う。クソ寒いとは言わない。ふるえる・こごえる・しびれる・しばれる…。寒さにはどこか気品が漂う。そもそも北が南に対して優越していることに端を発しているのか?北上に対して南下。北の方・北枕・北帰行…。南の酒場ではカーチャーシーを踊り出したくなるが北酒場では一人静かに髪の長い女を見つめながらグラスを傾ける…てなことをマーラーを聴きながら考える一日(ナニを考えとんじゃ!?)。マーラーの9番10番は明らかに北の音楽ですね。夜は「213」へメシを食いに。マスターに『太陽を盗んだ男』のDVDを持参。コレ原案と脚本は『蜘蛛女のキス』の脚本を書いた人(名前忘れた)が関わってるんやね。せやからジュリーと菅原文太の格闘シーンが肉食系シュワルツネッガーばりにしつこいんかな?あ。沢田研二のことをジュリーと呼ぶのはジュリー・アンドリュースが好きやったから自分で名づけた…と昔雑誌『GORO』の記者としてインタヴューしたときに聞かされた。そのときは何故かガックリしたなァ(笑)。長女がナカナカ帰って来んので待ってたら11時近くにやっと合流。大船駅で人身事故があったらしく大勢の警官がホームに大きなブルーシートを敷いた周辺で動きまわっていたとか。またまたTVにも新聞にもニュースにならない飛び込み自殺?一緒にメシ食って酒呑むと深夜1時近く。こーゆー飲み方はモウ卒業やな。帰宅は鎌倉市役所のど阿呆な設計のタクシー乗り場の横断歩道を無視してタクシーに乗る(ワケワカラン人は本欄「過去のナンヤラカンヤラ」から2011年7月23日を選んで読んで下さい) 。

8月14日(日)
昨日の酒が残っとる。夜更かし平気な馬鹿娘と付き合うと翌る日がしんどいな。おまけに今日もしみじみ暑い…そんな表現はないな(苦笑)。やっぱり暑さにノーブルな表現はないな。一日中マーラーの音楽と格闘。そうか。『キリスト教は世俗化に於いて一番影響を発揮する』という『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)での大澤真幸氏の見事にシンプルに核心を衝いた見方に従うならマーラーのユダヤ教からキリスト教への改宗と『復活』『千人の交響曲』でのキリスト教テキストの採用は自分の音楽の世俗化と一般化大衆化をもたらすもの…といえそうやな。ベートーヴェンの『第九』が宗教を超えた宗教音楽の地位を得たのと同じか?…なんて考えつつ大船まで女房と次女を出迎え。暑い。夕方でも涼しならん…。明日早いし早よ寝よ。

DVD
『クレイジー・ハート』
『クレイジー・ハート』

8月15日(月)
早朝迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。終戦記念日か…。半藤一利原作岡本喜八監督『日本の一番長い日』について少々語る。あと震災義援金が被災者の手元に届かないことと京都大文字送り火で本欄でも「ど阿呆」と書いた事件について「木曽義仲織田信長の入京や幕末の長州藩士と新撰組の騒動以来京都人は常に二つの旗を持っている」と解説。今回の事件は京都人の最もイケズな面が出てしまい京都人として恥ずかしい云々と話したあと帰宅。連日のマーラー勉強やり直しと取り組んでると某君から傑作なメール情報。ツイッターで東スポ(8/12)の民主党代表選ネタが評判とか。馬淵、鹿野、野田、小沢一郎で「馬鹿野郎」というらしい。他に『ザ・ニュースペーパー』のネタで「与謝野」というのは「与党と野党の間で謝る」とか。可笑しゅうてやがて悲しき政治かな…なんて笑えまへんな。

8月15日(月)つづき
某氏から元巨人軍オーナー正力亨氏逝去の報。小生が30歳をちょっと過ぎたくらいのとき雑誌『GORO』でインタヴューさせてもらったことがある。読売新聞社内の上のほうの階の分厚い絨毯を踏みしめて広報担当者が上半身を90度曲げてお辞儀したのを真似て挨拶すると「僕は人生の哲理について話そうと思う」と突然話し始められて驚いた。内容は水原・川上・長嶋・王などに関する話。「プロ野球選手は繊細だから話しかけるのに気を遣う」と言われたが大正力(正力松太郎)の息子の正力亨オーナーの神経のほうが繊細に思えた。その後このインタヴューをセッティングしてくれた巨人軍広報担当者が人事移動。はっきり言って最低の男が新広報担当になり月刊『現代』に書いた小生の記事にイチャモンをつけられて「全面戦争」勃発。小生は取材禁止処分。巨人に出入り禁止。ところがもぐりこんだ春のキャンプでこの最悪広報氏が正力オーナーの「物真似」をしているところを偶然発見。その様子を含めて巨人軍内部の実状(フロント幹部の惨状?)を『月刊現代』や『朝日ジャーナル』に書いて「戦線拡大」。そうするうちにこの広報氏も移動(飛ばされた?)。次の新広報氏と「和平協定」締結。ところが取材した原稿のゲラを「見せろ」「見せない」で「再戦勃発」…作家の赤瀬川隼さんと巨人軍宮崎キャンプに赴いたところが「ゲラを見せない記者は取材をさせない」「アンタそれでも新聞記者か」「問答無用。立入禁止」…とイロイロありました。近年(15年ちょっと前かなぁ)正力亨氏(その時は前オーナー)が三枝成彰氏のオペラ『忠臣蔵』のスタッフ関係者一同約20名を東京ドームの貴賓席に招待してくださった時(フランス料理フルコース付き!)そのメンバーに小生も加わって正力前オーナーと夫人から「息子さんとアメリカ野球を取材されたテレビ番組は面白かった」と言われて嬉しかった。その時かつて「戦争状態」にあった某広報氏が正力オーナーの秘書として登場。お互い「旧敵同士」の「旧交」を暖めて巨人横浜戦を見つめる前オーナー夫妻の後ろのスペシャルルームで二人で飲み放題(!)のナポレオンをがぶ飲み(笑)。スペシャルルームを出てネット裏の客席で野球も見たが隣のスペシャルルームが渡邊恒雄オーナー(当時)の部屋だと聞いて身を乗り出して覗き込んだが(もしもおられたらパイでも顔にぶつけようと思って・笑・もちろん思っただけですが・爆)空室。残念。一緒にいたノンフィクション作家で桑田真澄投手と仲の良かった石川好さんから「目立ったことはするなよ」と言われたり(彼自身は桑田を捜してノコノコと巨人選手のロッカーのなかまで入って行ったくせに!)。するとセンターのバックスクリーンから超望遠レンズを覗いていたカメラマンから連絡が入ったのか「なんでオマエらが東京ドームのVIPルームにいるんだ」と数人のスポーツ新聞記者が押し寄せてきたことを「旧戦友元広報」の秘書氏から教えられた。「しかし帰ってもらいましたよ。ここはマスコミ立入禁止。貴方は本当は断ろうと思ったけど今日だけ特別に認めたんだから穏便にやりましょうや」といわれて異存はないので再びナポレオンをがぶ飲み。二人で1本空けた(笑)。試合が済んで(どっちが勝ったか忘れた・笑)帰り際に正力夫妻から「頑張ってイイ記事書いてください」と言わる。隣にいた「旧戦友」は苦笑い。正力亨さんはいい人でした。野球をいつも見ていた正力亨さん。タマに派手に東京ドームへ足を運んだ渡邊恒雄氏が現れた頃から寂しげだったようだ。合掌。

8月15日(月)つづきのつづき
マーラーと大格闘したあと久しぶりの晩飯映画劇場は『クレイジー・ハート』。ラストシーンはいかにもハリウッド的・イロイロアッタケド・ハッピーエンドストーリー。ちょっとがっかり。けどそれほど悪くなかった。「アンプはフェンダー」という男のオールド・ファッションド・カントリー・ソングを聴けただけでも楽しめた。

DVD
『ゲド戦記』
『ゲド戦記』

8月16日(火)
朝チョイト仕事のあと昼前から音羽の講談社へ。1時〜5時でマーラー後期交響曲について金聖響さんに話を聞く。ふ〜ん。演奏を繰り返すことによって作品に対する考え方も相当変わったとか。なるほど『7番』はいっぱい挑戦してるんやな。『クック版交響曲第10番』はそんなに完成度高く評価できるんか。そうやなぁ。ラトル指揮ベルリン・フィルとかハーディング指揮ウィーン・フィルで聴いてもエエなぁと素直に聴けるもんなぁ。うわっ。『大地の歌』『9番』『クック版10番』をひとくくりの交響曲グループとして『9番』『10番』『11番』と考える…なんてメチャメチャ面白い見方やなぁ。その前の『5番』『6番』『7番』『8番千人の交響曲』は「アルマ交響曲」とも呼べる。その前の『1〜4番』を「角笛交響曲」として3グループに分ける聖響流マーラー分類法の完成!!『8番』を独立さしてもエエやろけど「アルマ(女)」でひとまとめにしたほうがオモロイなぁ…ってナンノコッチャワカラン人もいっぺんマーラーを聴いてみてください。現代という時代の混沌に対する個人的解脱ともいうべき心境がわかりますから…っていう「結論」でエエみたいやなぁ。かなり気持ちよく疲れるスリリングな対談をこなして池袋から湘南電車で帰宅…と思たら東スポの『眞鍋かをり事情聴取』というタイトルが目に飛び込んできてエエエーッ!昔T・Iさんと一緒の時に見せられたアノコトかぁ…と思たら違うことやったのでちょっとホッとしてチョット残念。今日の本欄は読んでる人にとってナンノコッチャと思うばかりで全然ワケがワカランことばっかりかもしれんけど御容赦。そうか。今夜は大文字か。東北の松の木は結局不参加。燃やすことに賛成の人も反対の人も結局は同じ京都人。京都人はいつも一人で右手と左手に相反する意見の旗を持っていて適当に右を上げたり左を上げたりする。都人というのは「昨日は平家明日は源氏」「昨日は足利明日は織田」「昨日は勤皇明日は佐幕」…なのだ。晩飯映画劇場は『ゲド戦記』。なんやワケがワカラン下手糞ストーリーに眠ってしまう。ワケのワカラン一日…。

8月17日(水)
朝RKB毎日放送電話生出演。元巨人オーナー正力亨氏とセ・リーグ審判平光清氏の逝去について。プロ野球と自分の持つ球団を愛した最後のオーナー(真の球団所有者=オーナー=過去の時代の人)と元野球選手でなく(慶応野球部主務)アマ野球上がり(六大学や高校野球の審判)でセの審判部長まで務め川上監督を退場させた唯一の審判として(巨人V10ならずの年で川上監督自作自演の退場といえますけどね)名を残した人(新しい審判像を拓いた人物)について話す。しっかし…ウーン…プロ野球の新時代像は見えてきませんなぁ。米大リーグのオーナーも株価ばっかり気にして離婚で球団を売却するようになってはオシマイですなぁ。名門ドジャースのオーナーがそれやからなぁ。あ。これもマルクスの言うてた資本主義が高度に成長した結果の「疎外」といえるかも…。漁業従事者が魚を捕る作業を愛せなくなって金銭のことしか考えなくなるのと同様に球団経営者も野球を愛せなくなるのかも…。終日原稿書き。まず小さな二つのコラムを仕上げる。明日からいよいよマーラーに専念するため。晩飯映画劇場は『ゲド戦記』の続き…と思たけどチョット見ただけでウンザリしたので(事大的台詞のオンパレードのくせに何を言いたいのかワカラン)バレンシア歌劇場のワーグナー『ニーベルンクの指環』から『神々の黄昏』の最後の場面。何度見ても何度聴いてもなかなか面白い。演出の面白さよりメータの指揮がエエからかな。

DVD
『ヒックとドラゴン』
『ヒックとドラゴン』
ヴェルディ『アイーダ』
ヴェルディ『アイーダ』
ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』
ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』
『アラビアのロレンス』
『アラビアのロレンス』

8月18日(木)
マーラー以外の当面の仕事を処理。今週締切の新聞と通信社のコラム合計2本に来週の中日栄文化センターでのオペラ講座のレジュメ『仮面舞踏会』と『ドン・カルロス』と『アイーダ』まで書いてしまう。む?改めてDVD見直したらチューリヒ歌劇場の『アイーダ』はなかなか秀逸。時代設定がヴェルディがエジプトから作曲依頼を受けたスエズ運河開通期のエジプト。む?エジプト総督を初めとする現地高官は当然トルコ帽姿。しかし合唱(民衆)がユニオンジャックを振ってるのは…?レセップスはフランス人で大英帝国は当初スエズ運河に反対したはず。とはいえその後エジプト支配に乗り出すから時代設定はアラビアのロレンスが登場する直前頃と言うことか。うん。こーゆー演出もありやなぁ。オペラは世界史の勉強にもなるなぁ。ロシアの歴史なんか『ボリス・ゴドゥノフ』抜きには語れんもんなぁ。まぁフットボールの歴史を抜きにイギリス史を語れずベースボールの歴史を抜きにアメリカ史を語れんようなもんか。晩飯アニメ劇場は『ゲド戦記』で失敗したので続けて失敗覚悟でスピルバーグのドリームワークス製作の『ヒックとドラゴン』。『ゲド戦記』はアタマデッカチ大失敗作でこっちはお子様ランチ…と思ってたらどーしてどーしてナカナカ面白い。ドラゴンのアイデアがいい。とはいえ構成も筋書も一つ一つの台詞もアメリカン・ヒーロー・アクション・ムービーの定番定石に全て則ったものでアメリカン・ヒーロー・ストーリーのあまりの臭さに笑い転げる。しかしコレはひょっとしてアメリカの反テロ戦争やイラク戦争を肯定美化した作品?考え過ぎかなぁ…。ともかく子供を喜ばせる作品ではあるな。中国は今後どんな政治的メッセージ・アニメを創るのか?

8月19日(金)
ふうううーっ。朝からマーラーの原稿の書き直しと取り組んでたら昼頃某TV局から電話。スポーツ基本法と東京五輪招致について。今朝の某新聞朝刊で某編集委員氏が東京五輪招致賛成論を展開していたけど「9年後に思いを馳せよう」と書くだけでその内容のあまりの幼稚さにガックリしていたところなのでいろいろ話す。と上司も連れて行くというので乗りかかった船に夕方乗ることにする。このTV番組には最近3度目の乗船かな。過去は2度とも目的地に着かなかったが(笑)。つまり打合せだけで企画はボツ。今度はどうか…と思いながらスポーツ基本法の資料をいろいろ持参して大船の喫茶店へ。あれこれスポーツについて話してるうちに「スポーツとは何か」ということを学ぶスポーツ番組の必要性を痛感。スポーツと体育の違い…を知ってる人も少ないですからね。高校野球はスポーツ?それとも体育?という原稿を明日の毎日朝刊に書いたけど高校野球の主催新聞社でもきちんと答えられるかどうか…というのが現状ですからね。帰宅して女子サッカーなでしこ対抗戦を見る。大きなイベントにしながらきちんと実験と調整をしてるのは流石。後半に出てきたなでしこリーグ選抜のアノ選手はジャパンに入らへんの?あ。やばい。今日はマーラーの仕事が全然進まんかったなぁ。

DVD
『コララインとボタンの魔女』
『コララインとボタンの魔女』
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
CD
ベートーヴェン『フィデリオ』
ベートーヴェン『フィデリオ』
ブラームス『ピアノ四重奏曲(管弦楽版)』
ブラームス『ピアノ四重奏曲(管弦楽版)』

8月20日(土)
今日も朝早くからマーラー原稿と取り組む。遅々として進まず。フウーッ。気分転換に高校野球。うわっ。日大三高のバッティングは半端やないな。かつての池田高校を彷彿…というてもどれだけ通じるか?しかし最近は高校野球に対する批判が皆無になった。投手の投球制限。監督の高校生化。女子野球の創設努力。学校スポーツの地域クラブ化と教育機関(学校)の興行制限…等発言し難くなったなぁ。青森を応援したけどしゃーないな。仕事に戻って…BGMを変える。ユニヴァーサルから送られてきたモーツァルトの『ホルン協奏曲集第1〜4番』指揮はアバド。ホルン独奏はアレグリーニ。よう知らんけど23歳でスカラ座管の主席ホルン奏者になった天才らしい。どうりで素晴らしい。マーラーの後にモーツァルト聴くと何やらホッとするな。アバドは最近絶好調やな。同時に送られてきたオペラ『フィデリオ』でも最高の演奏。このハッキリ言って音楽は素晴らしいけどドラマとしては面白味に欠けるベートーヴェン的オペラはこれくらい外連味なく純音楽的に演奏してくれるほうが聴きやすい。嗚呼。マーラーが書けん。続けてラトル指揮ベルリン・フィルでシェーンベルク編曲の弦楽合奏版ブラームス『ピアノ四重奏曲第1番』=パトリス・ルコント監督の映画『仕立て屋の恋』で主人公の孤独感に忍び寄るエロチシズムな感覚が印象的に表された音楽。う〜ん。面白いけど室内楽で聴くほうがエエかな。シェーンベルクの『映画伴奏音楽〜迫り来る危機〜不安〜破局』や『室内交響曲第1番』のほうが面白い。伴奏音楽というのが現代音楽の正しい用い方か?マーラーに戻らねば。

8月20日(土)つづき
マーラー原稿進まんなぁ…でパラパラとページをめくった『新潮45』の記事を読みふける。濱野智史『2ちゃんねる化する世界』が面白かった。そうか。日本社会の後進性幼児性の表れだったはずの『2ちゃんねる』的な匿名性が実は今世界的に追随されるという歴史的転倒が起きてるのか…。ポストモダン情報化社会の近代的人間の終焉は消費社会にコントロールされる動物を大量に産み出す。情報連鎖群体としての匿名性(アノニマス)とはまさにネットワーク上を漂う「動物」にほかならない。《動物化(アニマライゼーション)は匿名化(アノニマサイゼーション)を必然的に招き寄せる》なるほど。蛇や鼬には名前はないですからね。あ。それらを飼ってる人は名前を付けて近代人的擬人化して手懐けてるのか…。動物化匿名化したミーム(文化的遺伝子模倣子)はアーキテクチャ(人工環境)のなかで「自然」淘汰されるのか…?《いま私たちはネットワーク上を無数に漂う匿名者たちをとらえるための理論的視座を性急に整備する必要に迫られている》と筆者は書く。そのために近代人としての未熟性の象徴だった《『2ちゃんねる』を有する日本ネット社会のこの10年間の歴史と経験が役に立つに違いない》と筆者は書くがホント?この筆者の他の著作『アーキテクチャの生態系』『日本的ソーシャルメディアの未来』も読まねば。あ。中野翠さんも面白いこと書いてる。そうか。「エキセントリック」の反対語は「コンセントリック」か。そして「セント」はcenterのこと。なるほど。いつも大学の授業で反対語を考えると物事は理解できる場合が多い…と言って例題として「スポーツ文化」の反対語は?などと言ってる自分としては中心から離れる(ec(ex)centric)のと向かう(consentric)のと…というだけで「日本社会の空気」がよくわかった。なんてことを考えてばっかしでマーラー進まず晩飯映画劇場は一昨日『ヒックとドラゴン』のある意味斜めから見た面白さに味をしめて今夜も晩飯アニメ劇場『コララインとボタンの魔女』。コレ。大正解!ナカナカ面白くも怖ろしい大人向けアニメ。子供の目から見た両親と大人たちという身近なテーマから大きくぶっ飛ぶ異次元のストーリーも登場人物のキャラも細部の作画も面白く見入ってしまう。あ。この監督は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も創った人か。やっぱりティム・バートン系でしたね。日本のアニメは『ナウシカ』『トトロ』を除けば負けてまっせ。あ。「スポーツ文化」の反対語は「労働(日常)武化」といったところです。

DVD
『キャッツ&ドッグス地球最大の肉球大戦争』
『キャッツ&ドッグス地球最大の肉球大戦争』
BOOK
春木豊『動きが心をつくる』(講談社現代新書)
春木豊『動きが心をつくる』(講談社現代新書)

8月21日(日)
朝スポーツ新聞に興味深い記事。ベルギー・サッカー1部リーグのリールスのGK川島がゲルミナルとの試合で相手サポーターの「カワシマ!フクシマ!」のヤジに激怒したとか。これは当然の怒り!!最近の日本の外交も適確に反応した川島を見習え!とはいえ最近の政治家は外交の舞台に立つことすらできないか。とほほ。

8月21日(日)つづき
終日机の虫。合間に春木豊『動きが心をつくる〜身体心理学への招待』講談社現代新書をチョイト読む。オモロイ。身体の動きがあればこそ心(知情意)が生まれるという話。なるほど。原始的生物ムカシホヤの構造を調べると顔面は内蔵の一種で内蔵系の筋肉でできてることがわかる。ということは感情の表れる顔面の筋肉は随意筋と不随意筋が混在していることになる。まだ読み始めたばかりやけどコノ考えに則ると漱石の『こころ』に対抗する『からだ』という小説も書ける?…かな(笑)。嗚呼。仕事が進まん。日曜やしシャーナイかな…というヒドイ言い訳を心のなかで繰り返しながら晩飯アニメ劇場は『キャッツ&ドッグス地球最大の肉球大戦争』。誰や。こんなドーデモエエクダラン餓鬼漫画を録画したのは。見てしもたやないけえ。ハリウッドの映画作りの勉強にはなるな(汗)。

DVD
『エディ・マーフィの劇的1週間』
『エディ・マーフィの劇的1週間』
『シェーンブルン宮殿 夏の夜のコンサート2011』
『シェーンブルン宮殿 夏の夜のコンサート2011』
CD
藍川由美『栄冠は君に輝く〜古関裕而作品集』
藍川由美『栄冠は君に輝く〜古関裕而作品集』
藍川由美『古関裕而歌曲集/長崎の鐘〜新しき朝の』
藍川由美『古関裕而歌曲集/長崎の鐘〜新しき朝の』
藍川由美『レクイエム「ああ此の涙いかにせむ」古関裕而歌曲集2』
藍川由美『レクイエム「ああ此の涙いかにせむ」古関裕而歌曲集2』
SHOP
『村上重本店』
『村上重本店』
『賀茂とうふ近喜』
『賀茂とうふ近喜』
『チリメン山椒はれま』
『チリメン山椒はれま』

8月22日(月)
朝4時半に起きて迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。今週はコメンテイターターの選んだプレゼントを提供するとかで小生は京都『村上重』の柴漬けを選ぶ。そのお店のすぐ近所にある『近喜』さんのお揚げか『はれま』さんのちりめん山椒か…迷たけどオーソドックスなところで決定。番組のなかで藍川由美さんの歌う古関裕而さん作曲の歌『ああ栄冠は君に輝く』が流れてたので感激。藍川さんの歌い方は迫力ですねえ。他に経世済民の話をして帰宅。なかなか月曜朝の仕事が他の仕事につながらんなあ…上手いこといかんもんやなあ…。ラジオを終えて帰宅して午前8時。早いなぁ…と思いながらリビングのソファで一眠り。起きてマーラーの原稿。ふううっ。あっという間に晩飯音楽劇場はゲルギエフ指揮ウィーン・フィルの『シェーンブルン宮殿夏のコンサート』。いつの間にか正月のニューイヤー・コンサートと並ぶ名物になってきたのか今回はウィーン国立歌劇場バレエ団による野外バレエ付?しかし『展覧会の絵』にバレエは合わん。あ。庭園を散歩してる人へのサービスか。とはいえ最後のアンコールのワルツ『ウィーン気質』とポルカになると溌溂としてるなぁ。ウィーン・フィルも土着の…いや地域密着型のオケやな。続けて晩飯映画劇場は『エディ・マーフィの劇的1週間』。エディの個人芸とアメリカの実態のない金融ビジネスに対する嘲笑的批判として見ると面白い。しかし最後に父親(エディ)が子供の音楽会へ行くシーンが『ゲロッパ』のラストシーンに似てるのは何故?

8月22日(月)つづき
映画を見終わってニュース。ふ〜ん…カダフィ大佐も独裁者の末路は皆同じか…と思て寝ようとすると某マスメディアからTEL。甲子園で好成績を残した某高校野球部員が飲酒で処分とか。ドーデモエエ。学校の教育的処分は当然。高野連は口出しするな。それだけ。そういえば俺の小説にも高校生がビールで乾杯するシーンがあってNHKがTVドラマ化したときはチョットだけ問題にされたけどそのまま脚本化。テレビでも放送されたけど何も問題なかった。今回高野連が当該高校の甲子園での成績を抹消しないのなら「高校生の飲酒行為等は大会終了まで表面化しなければ問題にしない」ということになる。「大会までに表面化したものだけ問題にする(出場停止や対外活動禁止などの処分を科す)」というのもオカシイ(非教育的不平等感不公平感を高校生に与える)うえに学校ぐるみの隠蔽や暴露合戦に発展する(既にしている?)虞(おそれ)もある。だから今後生徒の教育的処分は学校に任せて高野連は高校生の課外活動(野球)の管理指導のみに徹するべきでしょうね。どうですか?朝日新聞さん。

CD
『CON AMORE愛をこめて』
『CON AMORE愛をこめて』
DVD
『ネバーエンディングストーリー』
『ネバーエンディングストーリー』
BOOK
ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(岩波書店)
ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(岩波書店)
下田淳『居酒屋の世界史』(講談社現代新書)
下田淳『居酒屋の世界史』(講談社現代新書)

8月23日(火)
なかなかマーラーの原稿の仕事が軌道に乗らん…というか元の軌道に戻れん。こういうときは本がよく読める…というか本の世界に逃げてしまう。まるでミヒャエル・エンデの『果てしない物語』の主人公バスティアンみたいのもの…ってそんな可愛いモンか!?(笑)。とはいえ『Never Ending Story』は映画もオモロカッタなぁ。原作とはチョイト雰囲気が違うけど子供向けファンタジーとして最高。子供には映画館で見せたなぁ。昔はそんな暇もあったんやなぁ…なんて思いながら下田淳『居酒屋の世界史』講談社現代新書読み進める。酒好きには興味深い本。そうか。修道院から派生したヨーロッパの居酒屋は売春宿でもあると同時に銀行でもあり裁判所でも病院でもあったのか。バロック・ヴァイオリニストのエンリコ・オノフリとソプラノ森摩季の共演したCD『CON AMORE愛を込めて』を聴きながら読むと中世バロック期の欧州に頭がトリップする。オモロイ…けど仕事は進まん。夕方から某男が訪ねてきてますます進まん。近頃の若いモンは……と胆の底で罵りながら晩飯野球劇場。チクショー。阪神逆転されたやないけえ。とほほ。

DVD
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』

8月24日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』生電話。ユニバーシアードで日本サッカー男子金メダル女子銀メダルの話題を中心に世界の大学(学校)スポーツがどのように生まれてどのように必然的に衰退したかを話す。世界の七つの海を支配していたときの大英帝国では大学(学校)スポーツ=体育がエリート教育として発展したがスポーツの本質は誰もが平等に参加できること(学歴に左右されないこと)ですからね。ちなみに中国シンセンで開かれた今年のユニバのメダル獲得数は中国ロシア韓国日本米国の順。大学は研究や教育の成果を競うべき場所でスポーツの勝敗を競う場所ではないですからまったく意味のない順位ですが…。終日マーラー原稿と取り込む。うむむむ…進捗状況ははかばかしくないなあ…難しいなあ…で晩飯映画劇場は『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』。ギリシア神話ファンとしてはタイトルに目が止まって録画したけどマァどうってことない映画。普通のアメリカ人的な青年男女が実はギリシア神話の神々の末裔でアメリカで活躍する冒険活劇。パーシーはペルセウスでポセイドンの息子…ん?ゼウスとダナエの間の子では?まぁエエ。ハリウッド映画にイチャモンつけるはやめまひょ。監督はハリー・ポッターも撮ったらしい。アメリカの若者用ギリシア神話教材映画?そういやポッターやダレン・シャンも含めて最近のハリウッドはキリスト教文化から離れつつあるのかな?考え過ぎやろね。『パルプ・フィクション』や『プロデューサーズ』に出てたユマ・サーマンがメドゥーサ役で出てた。醜悪な顔の魔女は美女の当たり役というのが常識ですからね。ああ。仕事が進まん。

DVD
『人生万歳!』
『人生万歳!』

8月25日(木)
終日マーラー原稿…とはいえ集中力を欠くなあ…というより難しいなあ…。そもそも誰にも楽しめるマーラーという考え方が間違っていたのではないかと時々思ってしまう。ふうーっ。もしもグスタフ・マーラーにアルマが付いていなければ…なんて考えられんことやけどそーいえば小林秀雄は「女は俺の成長する場所だった」という名言を吐いたとか。また映画監督の大島渚さんはゴダールを評して「女房に逃げられるという一種の才能もこの世にはある」と感嘆したとか。いずれも小林剛毅…じゃなかった四方田犬彦の『ゴダールと女たち』(講談社現代新書)の冒頭に書かれていたこと。ならばマーラーはアルマには浮気されても逃げられず中途半端だった…ということ?いや。アルマはゴダールの女たち=到底自己変革が不可能な女たちにもかかわらずゴダールからソレを求められたため結局ゴダールから逃げ出した美女たち(「ゴダールはそういう不可能へ寄せる情熱のようなものがある」と大島監督は指摘してる)=とは根本的に違うのだ。才色兼備絶世の美女アルマは夫マーラーの言うこと(ゴダール同様の自己変革の強要)も彼の作品の超高レベルの価値も理解したうえでマーラーの前を去らなかった。ピンチヒッターの不在も自覚してたから…などと考えるうちに晩飯。WOWOWドキュメンタリー『Why not Wagner?』イスラエル室内管弦楽団がナチスと蜜月関係もあったワーグナーの聖地バイロイト公演で『ジークフリート牧歌』を演奏するドキュメンタリー。何年か前にバレンボイムとイスラエル響が『トリスタンとイゾルデ』前奏曲をテルアビブで演奏したとき野次と怒号のなか演奏中にオケメンバーと観客の間で大討論が起こったのを見たことがあったけど今回は「敵地」へ乗り込んでの演奏。自由参加でメンバーの一人は参加拒否。興味深いドキュメンタリーでしたがイスラエル国歌とワーグナーの他には何を演奏したのかな?時間があったのでウッディ・アレンの『人生万歳!』も見る。最近ハリウッドのお子様ランチを沢山食べたので久しぶりのニューヨークが舞台の大人のドラマを楽しむ。アレン流の小難しい屁理屈がギャグに昇華したコメディを理屈抜きに満喫。喜劇はこーでなきゃ!

8月26日(金)
終日マーラー原稿。久しぶりにブワアアーッと原稿と取り組む。他に何をやったか忘れた。この日記(ブログ)を書く時間を惜しんで仕事したので2日後に書こうと思ても何をやった1日か思い出せへん。こーゆー状態のほうがナチュラルに充実してるといえるのか…?

BOOK
鹿島茂『悪女入門〜ファムファタル恋愛論』(講談社現代新書)
鹿島茂『悪女入門〜ファムファタル恋愛論』(講談社現代新書)

8月27日(土)
朝4時半起き…というより昨日仕事に疲れて早よ寝ると必然的に早よ目覚める。物の理。モノノコトワリ。ベッドでしばらく本を読んだあと(鹿島茂『悪女入門ファムファタル恋愛論』講談社現代新書=オモロイ)早速昨日の続きの仕事。ふううーっ。『マーラーの交響曲』の以前書いていた原稿をすべてチェック完了。頭のなかが大相撲八百長騒動以前&大震災以前の状態に戻る。来週から『6番悲劇的』の原稿から再開か…。テレビで世界陸上女子マラソン。あああああ。ケニアの選手が団体戦のつもりで走ってる…ヤバイッ!と思たらそのとおりの結果。おまけに最近の女子長距離界はトラック(5千や1万)でも惨敗。要は瞬発力的スピードがない。ロードだけでなく800や1500の格闘技的中距離トラックで人材を育てたうえ長距離トラックでも世界レベルの選手を出すようなプログラムを考えないとそのうち日本の女子マラソンは低迷するに違いない。それでも箱根駅伝などという選手を潰す大学宣伝正月特番に力を入れてる男子よりはマシか…。女子マラソンを見届けて新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座は「ヴェルディ合唱特集」。『仮面舞踏会』『ドン・カルロ』『アイーダ』の大合唱場面ばかりを存分に楽しんで合唱を巧みに取り入れたヴェルディの「作歌劇法」を考える。名古屋は「ドマツリ」(日本のど真ん中祭)とかでヨサコイソーラン系の踊り子たちが山ほど道に繰り出している…でいろいろあって新幹線乗るのがちょい遅くなってそのまま『213』へ。フランス帰りのお隣さんといろいろ喋りながら酒と飯。気が付けば深夜。長い1日やった。ま。仕事も遊びも楽しい1日やった。

BOOK
上岡伸雄『釜石ラグビー栄光の日々 松尾雄治とくろがねのラガーたち』(中央公論社)
上岡伸雄『釜石ラグビー栄光の日々 松尾雄治とくろがねのラガーたち』(中央公論社)

8月28日(日)
朝から全身がダルイ。アカン。もう夜遅うまで酒飲んでられへん歳になったんやなぁ。自覚せなアカン。こういうときは読書に限る。書評を依頼された上岡伸雄『釜石ラグビー栄光の日々:松尾雄治とくろがねのラガーたち』中央公論社。う〜ん。スポーツノンフィクションですね。あの時代を知ってる小生にとっては懐かしくもあり面白くもあるけどもっと重要なことがあるのでは?と思いつつもあの時代を楽しむ。詳しくは後日産経書評で。そうか。柔道男子重量級は全滅団体戦も男子3位女子2位か…。今年の世界選手権は出足はよかったのに尻すぼみやな。結局メダルは17個(金5銀7銅5)去年のメダル23個(10・4・9)はホームの利やったのか。しかし今年の金メダル最多6個のフランス(金6銀0銅1・去年は2・1・3)なんかと較べてマァこんなもんかなぁとも思う。フランスの方が日本より競技人口が多い(単純人口で2倍総人口比で4倍)世界的競技ですからね。とはいえ男子重量級の負け方が悪いなぁ。それに団体戦も男女ともフランスに負けた…。柔道か剣道を体育の必須種目にする日本伝統教育主義(?)でどうなるかなぁ?世界陸上で10種競技を楽しみながらメシ食ってウサイン・ボルトの100メートルは…ウワッ。フライング!1発失格。うむむむむ予選準決と調子が上がってきたから今季不調のボルトに世界新への色気が出たか…しかし考えようによっては世界新より興味深い出来事やなぁ。民主党はどないなっとるねん。ヘンな情報がいろいろ入ってきて小沢はそーとー嫌われてるとか。電話代鰻登りの一晩らしいけど…寝よ。

BOOK
ラサール石井・巽尚之『人生で大切なことは手塚治虫が教えてくれた』(PHP研究所)
ラサール石井・巽尚之『人生で大切なことは手塚治虫が教えてくれた』(PHP研究所)
菅原正子『占いと中世人〜政治・学問・合戦』(講談社現代新書)
菅原正子『占いと中世人〜政治・学問・合戦』(講談社現代新書)

8月29日(月)
朝4時起き。ボルト失格の外電をネットで少々調べる。そうか。フライング2発目で失格のままでは1発目が駆け引きに使われる傾向が激増か。しかも欧州アラブ圏の高額賞金陸上レースではフライングをして本命を潰すと賞金を山分けせず独り占めできるようになった選手から分け前まではいる可能性が出るようになったとか。ホンマカイナ…と思うけどナルホド…。ダイヤモンドリーグとか陸上サーキットの盛んな欧米ではサモアリナン。迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。民主党代表選の話題が中心とはいえ財務相の代弁者と経産省と黒幕の傀儡と外務省守旧派の代弁者と古臭漂う演説口調とその他1名の争いにはウンザリ。この期に及んで「挙国一致」「挙党態勢」「全員野球」「勇気が必要…」なんて聞かされてもねぇ。さて戦前の政友会憲政党の二大政党とまったく同じで軍事クーデターも起こせない日本の未来は…?新幹線の運転手が眼鏡を忘れて列車が止まった話から両脚義足のピストリウス選手の話へ。将来の人間は改造人間(サイボーグ)?それとも人造人間(アンドロイド)?世界陸上ボルトのフライングは人間的でホッとしましたねえ(笑)。話のなかで「心は体で結構わかる」という話になったとき「目は大脳の露出した部分」と口にした言葉が意外と受ける。そう。大脳の動きは目に現れているんですよ…てな話をして番組を終えてあらゆる新聞を片っ端から見ていると。ボルトのフライングをとらえたAPの写真がドコカオカシイコトに気付く。ボルトが一人飛び出しているのだが(釣られて2コースの選手も少し飛び出しているが)ボルトの左足(前方のスターティングブロックに当てた足)が既に大きくブロックを離れてるのだ。ということはコレってボルトの3歩目?ウワッ。他の選手より物凄く歩幅が狭い!コレは凄い!この技術は凄い!と叫んでると番組に出て喋れといわれて再度スタジオへ。しかしボルトはすごいなあ…と思いながら東京駅へ。新幹線で大阪へ。

8月29日(月)つづき
サスガに朝が早かったので新幹線の車中は名古屋までぐっすり。名古屋から新大阪まで東京駅で買い込んだ新聞5紙で民主党代表選チェック。政治や政策よりレベルの低い政局よりもさらにサイテーの集票合戦をあたかも重大事のように報道するのはマスコミもイカンでぇ。『ちちんぷいぷい』生出演。世陸の放送のために通常より1時間早く…のつもりが代表選中継で1時間遅れの通常に戻る。控室で選挙の模様をテレビで見てたけど昨晩の某民主党員情報通り小沢は嫌われたな。しかしこんな「糞阿呆政治屋ごっこ」に力を入れてるようでは…。しかも演説は上手くても中味のない人が…しっかしテレビに出てたときに銀座のバーのオネエチャンからもらったネクタイを締めてそれを撫でてサインを送ってた某氏よりはマシ?まず日本がやらなアカンことは代議士の半減かな。うわっ。世界一周中の河田アナはブルガリアか…。エエトコ歩いとるなぁ。世陸でオシリも切れて1時間半ほどの中味。西アナウンサーが「短いなぁ」と言うたけどコレくらいがフツーやで(笑)。元大阪大学陸上部棒高跳びの西アナにボルトのスタートの歩幅の狭さの話をしたら同じ毎日放送の女子アナで元国体200m優勝選手の西村アナもボルトはスタートから10歩くらいを能役者か歌舞伎役者のような摺り足で走ってる(太腿を引き上げない)と言ってたとか。陸上競技は人間の身体運動がモロに発見できるからオモロイなぁ…で新幹線で帰宅後ハンマー投げ。うわっ。室伏金メダル!素晴らしい!一緒にシンポジウムで話したのは何年前か忘れたけど落ち着きと貫禄が出てきたな。あと4年は現役を続けてIOCの選手委員になってほしいなぁ。棒高跳びは…ブブカがおらんようなって美しく跳ぶ奴がおらんようなったなぁ。110ハードルは…うわっ。いろんなコトが起こるなぁ…。陸上競技はオモロイなぁ。たしか世陸の第1回大会がヘルシンキで行われたときは誰も騒がず深夜にテレ朝が放送してソレを見てあまりの面白さに興奮してたらちょうど取材でインタヴューした競輪の中野浩一さんと意見が合って(元陸上部ですからね)二人で話し合ったことを憶えている。そのあと東京で行われた第3回大会は3度ほど取材で見に行ってテレビ(代理店?)関係者がわざと客席でウェイヴを起こしてるのにウンザリしたもののイタリア選手団が客席で応援しながらナポリ民謡の「恋する兵士」を歌ったりしてたことに感激。やっぱり陸上競技大会は大きな運動会の魅力満載。世陸と五輪だけでなく日本は何でマラソン以外の人気がイマイチか真剣に考えるべきかな。過去の長い学校体育のせい?アマチュアリズムのせい?それとも……。

8月30日(火)
さぁマーラーの原稿を…と思たら某公共放送からスポーツ基本法と地域密着総合型スポーツクラブに関する問い合わせ。日本のスポーツ界を図で示したいとか。難しいなぁ。サッカーだけとかなら簡単やけどスポーツ界となるとプロ野球と企業野球の区別も付かんし高校大学スポーツと総合型クラブスポーツの関係も複雑やし…。うんうんうなりながらそれでも過去の歪んだ形と未来の理想像の頭をなんとか書きあげる。うん。これはよい。と自画自賛。しかし台風来てるで。今週末の番組はあるのかな…なんて思てたらあっという間に世陸と晩飯。イシンバエワは精神的な問題だけではなさそうですね。それより男子800m優勝のマサイ族選手の走り方のほうが面白い。陸上競技でアフリカ系黒人高地族の他にマサイ族出身者が活躍席捲するようになるとコーカサス系人種はドーピングを認めるようになる…なんて未来図を予想する外国人ジャーナリストもいるけど果たして…。

8月31日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』生電話出演。ボルトのフライングと「能役者スタート」について話したあと久しぶりに七里ヶ浜近くの病院へ。ココに1か月近く入院して退院してからもう2年経ったのか…と何故かちょいと感傷に耽る。主治医の先生と雑談(笑)して薬もらって江ノ電の駅へ行くと海は台風の影響でナカナカの荒波高波。サーファーが大勢繰り出している。ま。気をつけて…と言うほかない。そうか。津波は高さ以上に波長がメチャメチャ長いのか。荒海の高波が砂浜で消えるのを見ながら実感。昔は長谷寺や大仏のあたりまで津波が押し寄せたらしい。はたしてnextは…なんて思いながら江ノ電で鎌倉へ。JRで大船へ。銀行や郵便局で雑務処理&昼飯。帰宅後ブワーッとマーラーの原稿…しかし進まんなぁ…。晩飯ボクシング劇場は清水智信が3度目の正直でスーパーフライ級のチャンピオンに。よく我慢した試合。ウン。見応え合った。亀田興毅の試合も面白かった。挑戦者のデラモラもけっして弱い選手ではなく両選手とも体重を前足に載せての鋭いジャブとストレートパンチの応酬はラッキーパンチのKO試合より玄人受けする見応えアリ。特に亀田の最短距離の内側から出る左ストレートは見事。亀田も大人になった。3か月前くらいに大阪でやしきたかじんさんの番組に一緒に出たとき「人生の目標なんて成功目指すか安定目指すかの2種類しかなくボクサーは成功目指す人生を選択したんやから成功しても安定などするわけがない…」という俺の話をじいーっと聞いてたときの亀田の真剣な目が素晴らしかった。次は大人のKO劇を期待するか…。亀田は身体の回転で打つ鋭い左右のフックに磨きをかけるべし…やな 。

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