6月1日(日)
朝テレビ朝日へ。『サンデースクランブル』生出演。テーマは相撲界の失態。北の湖理事長アカンでという話をする。いろいろ資料を見たなかでサンケイスポーツのやくみつるさんのコメントに少々驚き。北の湖理事長が朝青龍の駄目押しをかばったことについて「理事長の判断はあんぽんたん」と発言。協会直属の再発防止委員からこうまで言われて平気というのも解せない。大阪府立体育館を残してもらうため橋本知事と面会したときの態度にも唖然。たった5分間の対面で一言ボソッとしか口を開かんかったらしい。こらアカンで。日本の伝統文化団体を率いる長として失格やで。テレビ局から墨田トリフォニーホールへ。金聖響指揮シエナウインドオーケストラのコンサート。どの曲もゴキゲン。聴衆全員大満足。大感激。『ローマの松』サイコー。最後にいつものように楽器を持ち込んだ聴衆がステージいっぱいに昇ってのスーザのマーチも含めてシエナはゼッコーチョーやね。再来年の創立20周年が待ち遠しい。どんな企画が出るんやろ。
6月1日(日)つづき
シエナのコンサートのあと池袋へ。東武デパートで開かれてる吉田照美サンの油絵個展へ。マリア・カラスの頭にカラスがいたり黒柳徹子さんの肩でパンダが遊んだり。ダリ風の色彩と意匠のなかに冷ややかで暖かい笑い。俺がいちばん好きなのは猫の絵シリーズやったな。http://www.yoshidaterumi.com/個展見たあと新橋の『リゴレット』で酒と食事。ジルダという料理メニューがあるのんやったらモンテローネやスパラフチーレも食べてみたいな。帰宅。風呂入って…あっ『家電漫才』見忘れた。クソッ。大ショック。
6月2日(月)
朝からベランダ工事の左官屋さんによるモルタル塗り。音と臭いを気にしながらもなんとかコラム1本仕上げる。昼からは工事を理由に仕事をやめて映画。稲垣浩監督黒澤明脚本の『戦国無頼』を見てたら雨で工事が中断。ほな仕事をと意気込んだけど空振り。映画見てたらよかったな。夜はサッカー。いろんな報道でちょいと岡田ジャパンを心配してたけど杞憂に終わる。やっぱり岡ちゃんは心技体ともちゃんと指揮してるで。しかしあと1点ほしかったな。トゥリオと中澤も松井もエエな。日テレは中田英寿にもっと喋らせんかいとも思うたけど所詮喋る内容は同じやな。よう走ってようチェックしてサボらんかったらエエんや。オマーン監督の言うた「日本サッカーは精密機械」というコメントはイタダキかも。けどこの試合で気を緩めんと気温の高い敵地での試合でも走りまくってほしいな。長沼健さんがお亡くなりになった。仏W杯の時パリでいろいろ話を聞かせてもらったな。度量の広い人やった。合掌。
6月2日(月)つづき
サッカーW杯予選のオマーンの国歌斉唱はテノールの中鉢さんやったな。これで彼が国歌歌うのんは何カ国目やろ?たぶん10か国超えたんとちゃうかな。ギネス級やで。楽譜は左から文字は右からのアラビア語の歌を覚えるのんは大変やと言うてはったな。テノールの佐野さんは日韓W杯のときイタリア国歌を歌う準備してはったのに歌ナシになって悔しがったはったな。君が代の決定版は誰のんがええやろ?Jリーグ開幕のときの前田亘輝もよかったし先日のキリンカップのゴスペラーズもナカナカよかった。浅田真央が世界選手権金メダルのときのカナダ人のアカペラコーラスも悪なかったな。坂本九さんがファイティング原田の試合で歌うて大批判されたこともあったな。卒業式でジャズヴァージョンで弾いた音楽の先生が批判されたこともあったな。古い話やな。いろんな君が代聴いてみたいな。
6月3日(火)
雨で工事は中断。梅雨入りが早過ぎるで。台風が多すぎるで。異常気象?平常気象ってあるんかな?工事中断のベランダからじんわりとシンナー臭が漂う。おれはアカンな。こんなん好む奴がおるんか?ほんまに頭ボケルで。昼飯映画劇場NHK-BSで『不滅の熱球』。池辺良と司葉子による沢村栄治物語。戦争映画として良かった。野球選手が出演してないのも良かった。机に向かってもシンナー臭で仕事がはかどらんまま晩飯映画劇場は何故か『スターウォーズ・エピソード2』。『エピソード1』を見た段階でモウ見んでもエエと思たけどその通りやったな。4〜6のメインテーマが父と息子で1〜3は母と息子か?ベースはエディプス王やな。
6月3日(火)つづき
土曜日に見たカラヤンのドキュメンタリーのなかでカラヤンが口にした唯一の面白ギャグ。ドイツのブラント元首相をネタに嗤ったのを日本版に変えて紹介。福田首相が都内を散策していると年老いた婦人が気を失って道ばたに倒れていたので助け起こした。気を取り戻した老婦人が「ありがとうございます。何か御礼を差し上げなければ」と言ったので福田首相はすかさず「では次の選挙で自民党に一票を」と言うと婦人は答えた。「それはできません。頭は打たなかったので…」
6月4日(水)
朝ラジオ2本。陸上男子100m世界新記録100分の2秒(約20p!)の「意味」について話したあとコチャコチャッと仕事をして渋谷へ。NHKの入り口で大騒動。内玄関の前がオバハンだらけ。中へ入っても何やら鬼の反吐(人だらけ)で大混乱。何かいなと思たらヨン様が来てるとか。何様やねん。関係ないわ。スタジオで『NHK短歌』のVTR撮り。スポーツライターの肩書きの人間は初出演とちゃうかな。ウィーンフィルやベルリンフィルやメトの来日公演パンフレットにスポーツライターの肩書きで初めて原稿を書いたときのような光栄を感じる。正岡子規が詠んだ野球に関する三十一文字について話す。以前福岡で西鉄ライオンズ大下弘のシンポジウムをやった御縁で辺見じゅんさんのお招き。その時のシンポの出席者は中西豊田稲尾浜崎大下夫人という凄さ!そのときは豊田さんが「今日はシンポジウムやなくてチンポジウムな話ばかりで」などと発言されて司会の俺も辺見さんも大爆笑したけどサスガに今日は格調高く無事収録。
6月4日(木)つづき
NHK短歌スタジオ収録のあと渋谷のタワーレコードでカラヤン2枚買って帰宅。生誕百年祭で何かと騒がれてるカラヤンの音楽聴き直し。グールドはカラヤンなんか無視してマイペースやな。最後のコンサートとかのモーツァルトの『29番』もチャイコの『悲愴』も…演奏は抜群に美しいけど相変わらずおもろないなぁ。わかった!カラヤンちゅう指揮者は破綻と失敗が怖かったんや。せやから目一杯までやらへんのや。否やれへんのや。怖がってるうちに自分のやりたいことを見失うてしもたんや。否そもそもそんなんなかったのかな?せやからツマラン演奏が多いんや!失敗も破綻もないからマスコミは高い評価をしやすかったんや。ほんで大衆は買うたんや。そういうわけやな。
6月6日(金)
新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。東京が2016年五輪開催候補地としてトップ選出。まぁ大阪も満票で一時通過したんやしな。石原都知事が言うた通り「これから汚い闘いが」始まるんなや。よっぽどの秘策がない限りシカゴで決まりやろな。マドリードと接戦になったときにシカゴに票をまわしたら東京は2020年に開催できるかな。番組のあと兵庫県立芸術文化センター(PAC)へ。佐渡裕指揮PACオケによるバーンスタインの『セレナーデ』とマーラー『巨人』。『セレナーデ』はナマで聴くのん始めたやったけど物凄い名作やな。プラトンの『饗宴シンポジオン』を読み直しとなったな。『巨人』は熱のこもった快演。こういう熱のある演奏に接してる関西の音楽ファンがうらやましいな。シエナもそうやけどオケのメンバーが登場するときに最初の一人が現れてから最後の一人が出てきて勢揃いして挨拶するまで拍手が続くのはオケが愛されてる証拠でエエなぁ。終演後佐渡さんやスタッフの人となんやかんや話してホテルへ。大阪泊。
6月7日(土)
朝ホテルをチェックアウトするときに松村邦洋さんとバッタリ。久しぶりと笑顔を見せるが松村さんの顔は沈んだまま。ウガンダさんのこともあったしな。元気出してよと野球の話題で立ち話のあと新幹線。車中で山口昌男『挫折の昭和史』(岩波)読む。甘粕正彦から小泉信三まで。岡部平太から石原莞爾まで。あらゆる人脈で映画スポーツから満鉄官僚までの「挫折史」を描くオモロイ本。戦前の日本のスポーツを考察した名著『権力装置としてのスポーツ帝国日本の国家戦略』(坂上康博・著/講談社選書メチエ)では少々手薄だった満州における昭和スポーツ史が興味深かった。同じ著者による『敗者の精神史』も読み直さねば。スポーツライター必読…とはいえ多くのスポーツライターたちはこの種のスポーツ論の本とは無縁のままなんやろな。せめて『中村敏雄著作集』(創文企画)くらいは読破してほしいけどスポーツジャーナリズムとスポーツ文芸とスポーツアカデミズムの三者の距離は互いに遠いな。なんとか近寄せたいな。帰宅前に大船で島森書店に寄ったら『興亡の世界史』シリーズが久しぶりに出てたので購入。網野徹哉『興亡の世界史12 インカとスペイン帝国の交錯』読まねば。
6月7日(土)つづき
晩飯バレーボール劇場日本vsアルゼンチン。お見事。よう勝った。ミュンヘン五輪のブルガリア戦大逆転劇を思い出した。TVの乗せられての感情表現過多もマァええか。ネット・スポーツの1点ちゅうのはホンマにシンドいもんな。続いて岡田ジャパンvsオマーン。苛々が募ったけどマァしゃーないな。遠藤のPKは粋やったな。オマーンの選手は真似したらアカンで。ここで勝つ力があれば…。けどマァみんなガンバッタ。高地ボリビアの試合が禁止されるなら砂漠のなかの日中の試合も禁止されるべきやな。あの試合開始時間はまさか日本のTV局の要望と違うやろな。続いてユーロ2008の開会式と開幕戦前半だけ見る。こんなもんか…。この程度のサッカーより睡眠が大事や。寝よ。
6月8日(日)
朝佐吉と散歩。昼仕事。マーラーの『巨人』聴き較べながらコラム1本。好きなのは若きムーティとフィラデルフィア管の若々しさ。凄いと思うのはテンシュテットとシカゴ響。バーンスタインは別格。ワルターはサスガに古さを感じるな。夕方ユーロ。ポルトガルvsトルコ。ポルトガル流石やな。夜大阪へ。なんか新幹線に乗りっぱなしの感じ。くそっ。また『家電漫才』見られへん。ビデオ味善う入ってるかな。「味善う」は「あんじょう」と読みます。谷崎が使てたので昔から真似てます。
6月9日(月)
朝関テレ『痛快!エブリデイ男がしゃべりでどこが悪いねん』生出演。本番前にざこば師匠と『メリーウィドウ』の話。「がんばってまっせえ。けど難しおまんな。こっちゃは一人やのに相手がダブルキャストでっさかいな。けど勉強になりますわ」スペシャルゲストに西川きよし師匠。俺のことを無条件に先生と呼んでくれはるのはこの人と長嶋茂雄さんくらいやな。今月で終了する番組の最終出演を滅茶滅茶楽しく過ごさしていただく。帰宅して仰天。FAXで訃報。三枝成彰さんの事務所の社長が突然死。すぐに事務所に電話確認。脳梗塞とか。まだ50歳前。ショック。身体が俺より大きいて身体の大きい人間の悩みを共有できた優しい人で俺の『忠臣蔵』をいちばん応援してくれてたのに。仕事頑張りすぎたのかな。まいったな。とにかく心から合掌するしかない。残念無念。
6月10日(火)
昨日の訃報のショックが尾を引くなぁ。生きてる者は逝った者のためにもがんばらんとあかんのやろけど…。そうか。イタリア負けよったか。W杯優勝のあとはこんなもんかな。イタリアらしいな。何?0-3!いくら相手がオランダとはいえ負けすぎやで。午後TBSのクルーが水着問題について取材に来る。それを終えて大船で小島克典立命館大学客員教授と明後日の講義について打合せ。オリンピックについてよう勉強してるな。教授やから当たり前か。そのあと本とDVDを衝動大量買い。ショックのせいかな。そのあと別のショックを伴って編集者3人が来大船。ガッカリすることない。新連載が3回で終わるのは残念やけど編集長なんて雑誌を何冊も潰して一人前やで。イタリア戦見たかったけど飲む。飲んで飲んで飲まれて飲んで…心のなかで冥福を祈る。アカン。こないに飲んだら次は俺やで。体型も似てるし気ぃつけよ。
6月11日(水)
外壁工事のシンナー臭に包まれて仕事…にならんな。頭がぼーっとする。しゃーないな。午後MBS『ちちんぷいぷい』に電話出演。水着問題。「これで選手に言い訳はさせない」なんて水連理事の上から目線の体育会系的発言はいったいナンヤネン。水連は選手をサポートするのが仕事と違うんか。自分らの情報収集能力の欠如・対応能力の欠如・国際外交力の欠如を棚に上げて何をイバッてんねん…といった内容のことを柔らかく話す。こんな連中が上にいて選手やコーチはホンマに可哀想やで。夕方から東京へ。目黒の葬儀場でメイコーポレーション社長吉永さんの通夜に出る。スタッフの女性も「まだ信じられない」。そうやろな。若いもんな。49か。帰宅して遅めの晩飯映画劇場は『Always続三丁目の夕日』。映画としてはドーデモエエけど昭和30年代ツール満載で気分転換だけはでけた。
6月12日(木)
朝早よ起きて新幹線で京都へ。びわこ線に乗り換えて南草津へ。衣笠キャンパスでは過去に一度授業をしたことがあったけど草津キャンパスは初めて。すごいなぁ。アメリカ映画に出てくる大学みたいやな。同志社の田辺キャンパスに行ったときもその広さと綺麗さに驚いたけど俺は教授と学生の意識が染みついたような汚い大学のほうが好きやな。まぁ古い人間の言うことやろけど「田舎の学問より京の昼寝」やで。授業の相手は何と約600人。アカン。多すぎる。疲れる。小島教授の授業のゲストやから何もいわなんだけど俺の授業やったら私語を口にした学生は叩き出してたな。講義が終わって拍手するくらいなら必死になって勉強せんかい!けどマァ楽しかった。終わって小島さんと京都へ。小生が小学生のときのField of dreams(建仁寺)に案内。野球好きの小島さんはこのスペースの素晴らしさを直ちに理解してくれる。ここでは国民栄誉賞の衣笠さんも草野球に興じてたんやもんな。花見小路の裏通りを歩いて『ぐりる金星』へ。相変わらず美味しいで。http://gourmet.yahoo.co.jp/0006713576/P006509/食後酒は『酒肆G』で。小島さんがもっと酒飲めたらエエのに…(笑)。往復の新幹線で『挫折の昭和史』読み続ける。オモロイけど長いなぁ。
6月13日(金)
屋根と外壁改装工事のためシンナー臭が漂うなかで家全体がクリスト&ジャンヌ=クロードの『何でも包んでしまうアート』みたいになってて落ち着かん。そういえばモンティ=パイソンの作品のなかにロンドンにある改装工事中の古いぼろぼろのオフィスビルの外壁を囲んだ布地が帆船の帆に変わって海賊船となったオンボロビルが大西洋を渡ってニューヨークのウォール街の高層ビルを攻撃するというオモロイ映画があったな…てなこと考えるばっかりで仕事にならず。午後から銀座へ。金子達仁さんとの『論スポ』連載対談第2弾。水着問題から交流戦まで喋りまくってユーロや岡田ジャパンについていろいろ教わる。有意義な一時。銀座を歩いての写真撮影のときに「昨日立命館大学でセルティックってどういう意味?と訊いて答えられる学生はゼロやったよ」というと「そういう意味を知るとサッカーがもっと面白く楽しめるんですけどね」と金子さん。その通りやで。対談を終えて『論スポ』スタッフと新橋の『Rigoletto』で食事&酒。スポーツジャーナリスト塾をどうするかについて打合せ。毎日旨いモンばっかり食い過ぎやな。
6月14日(土)
工事を理由に仕事ができないという言い訳は許さない!と自分に言い聞かせて仕事。来週の締め切りはコラム6本。いつもなら1本ずつ仕上げるけど新方式を開拓。1本書いて行き詰まったら次の原稿へ。また行き詰まったらまた次の原稿へ。とにかく勢いを重視。6本とも中途半端と考えるのでなく土台ができたと考える。晩飯サッカー劇場は岡田ジャパンvsタイ。まぁ勝ったしええやろ。問題は山積みやろけど弱い相手の叩き方がわかってきたみたい。それにしてもこの程度の相手を地元では強いとかメディアが煽ったらアカンで。日本のサッカーは強いんやから。勝たなアホや…くらいの論評にせなアカンで。
6月15日(日)
昨日書きだしたコラム6本のうち3本完成。まだ締め切り前やで。この並行執筆方式はイケルな。いや気合い入れただけかな。ガンバッタ自分に御褒美。自分で祝う父の日も兼ねて『鮨処もり山』へ。京都へ遊びに行った長女から「父の日おめでとう。いつもありがとう」の電話。「ボケ。そんな言葉口にするくらいなら毎日の生活と家の手伝いをきちんとやれ。アホ」シモタ!『もり山』で少々話し込んで『家電漫才』を見落とす。先週の「二枚目ヤケル」のトースター漫談はビデオで見たけど今夜は録画も忘れる。クソッ。しゃーないし他のチャンネルをまわすとWOWOWで『サンキュー・スモーキング』という映画をやってた。煙草研究所広報官の口先三寸煙草擁護ディベート映画。ロングピース愛煙家としてはなかなか痛快にオモロイ場面が多かった。煙草がテーマの映画やのに煙草を吸うシーンがないのも見事。
6月16日(月)
エライ早よから工事の音で目ぇ覚めてホナ全米オープンでも見よかいと思てTVのスイッチをひねる。今田が落ちとるのはシャーナイにしてもなんでタイガーが落ちとるねん…と思て見とったら18番のパット。凄いなぁ。呆れるなぁ。見事なもんやなぁ。しかしゴルフは好きになれんなぁ。なんでやろ?またの機会にじっくり考えることにしょ。昨日までの並行執筆方式で土台を書いたコラム3本がどれもオモロない。すべてボツ。ああでもないこうでもないとひねくりまわして今日は1本も完成できず。まぁコンナもんやな。いつもオートマチックに仕上がる原稿の書き方なんてないわな。晩飯映画劇場は黒澤明『隠し砦の三悪人』。中学生のとき見た感想は痛快アクション時代劇。「知命」を超えて見た感想は映像の見事さ。土と岩と太陽と汗。凄いな。R2D2とC3POも大活躍。ルークがヨーダの前でフォースを鍛えた池(沼)もあればヤムヤムたちの火祭りの踊りもあってコレ全部ジョージ・ルーカスは上手いことパクッとるなぁ。
6月17日(火)
なんとかコラム1本仕上げて佐吉と散歩して晩飯映画劇場はロッサノ・ポデスタ主演『トロイのヘレン』。ベタベタのハリウッド風ギリシア神話。それでも『イリアス』と『オデュセイア』をきちんと読み直しとなった。モンテヴェルディの『ウリッセの帰還』にしろオッフェンバックの『美しきエレーヌ』にしろR・シュトラウスの『エジプトのヘレナ』にしろオペラを楽しむには知っとかなアカン知識やもんな。いやスポーツライターとしても古代ギリシアの葬祭競技(元祖古代オリンピック)を知っとかなアカンしな。いやいやそもそもオモロイんやから読み直したいな。京都へ遊びに行ってた長女が夜遅く甥っ子を連れて帰宅。「平等院見てきた」「誰が造ったか知っとるンか」「藤原頼通」「その程度の知識はあるんやな」
6月18日(水)
早朝ラジオ2本。佐吉の散歩は甥っ子にまかせてコラム1本。結局並行執筆方式は何の意味もなかったな。まぁ試行錯誤の人生や。甥っ子は川島雄三の映画を見まくる。晩飯はハリソン・フォードを誘って…やなくR・ホワイティングさんを誘って『213』へ。甥っ子が持ってきた「青春歌謡全集61〜80年」のCDをプレゼント。「ナツカシイデスネエ。はしだのりひこの『風』ハ名曲デスネエ。とわ・え・もあモ懐カシイ」「『あの素晴らしい愛をもう一度』のほうがええで」「ソレハ別格。ぱーふぇくとノ名曲。新宿三丁目デ飲ンデタ青春時代ヲ思い出シマス」訛がなかったらほとんど日本人やで。しかしナルホド60〜70年代は名曲が多かった。そういや中学生のとき学校の先輩にフォークルの解散記念コンサートの25pLPを買わされたり売らされたりしたことがあったな。そのなかに入ってた『帰ってきたヨッパライ』があんなに大ヒットするとは思わなんだな。あのレコード何処へやったんかな。持ってたら財産やのにな。誰にも未来はワカランもんや。
6月19日(木)
久しぶりに佐吉と散歩。身体がなまってるなぁ。汗びっしょりになるなぁ。じつはサーバーのメンテで4日後の月曜にこの日記を書いてます。何があったか何をやったかコラム1本書いたこと以外に思い出せへん。まぁ思い出せへん程度の一日やったんやろな。
6月20日(金)
朝チョコチョコっと仕事して午後から秩父宮ラグビー場へ。『復活スポーツジャーナリスト夏期集中講座』をそこでやらせてもらうことになりそうなので会議室を下見。日時は8月16日(土)17日(日)のいずれも午前10時〜午後5時。小生が身につけたスポーツライターとしてのノウハウを徹底的に披露します。申し込み方法その他は近々このホームページと『論スポ』のホームページで公開します。乞御期待。
6月20日(金)つづき
秩父宮ラグビー場から関東甲信越番組審議委員会出席のためNHKへ。タクシー拾って「NHK」と言うと「まだ慣れてないので道を教えてください」「エエーッ」と驚いてるうちにクルマは渋谷の渋滞のなかへ。「なんでやねん。表参道から原宿抜けたらすぐやん」「すいません。メーター停めますので」マイッタナ。番審の会議のあとある委員に「厳しい辛口の意見を口にされますね」と言われる。そうかな。当たり前のこと言うてるだけですねんけど…。
6月20日(金)つづき
NHK番審のあと後楽園飯店へ。野球文化學會総会に出席。久しぶりに元東中の名文記者の高田実彦さんや帝京大の大坪正則教授や慶応大の池井優教授と歓談。學會の高齢化が進んでるので若いメンバーを連れてこいとの上田龍事務局長の仰せに従って甥っ子とHさんKさんを誘う。今回は高野連の脇村会長は欠席やったな。去年お会いして厳しいこと言うたし敬遠しやはったんかな。今回から野球文化學會で「野球出版報道文化賞」の授与が決まり、第1回受賞者に永田陽一さんの『東京ジャイアンツ北米大陸遠征記』が選ばれる。コレは(まだ途中までしか読んでへんけど)丹念な現地取材で職業野球揺籃期のジャイアンツのアメリカ遠征を再現した野球ファン必読書です。マイクの前に立たされたので「MLB日本リーグが水面下で進行してる」ことを話す。一瞬座に緊張が走る。そらそやわな。総会のあとH氏と東京ドームのバーで歓談。そうか。サッカー界にもオモロイ事業が振興してるんやな…。痛飲の後帰宅。
6月21日(土)
よし今日はボケーッとした一日にしたろと思いながらも校正や手紙の整理で四苦八苦。クソッ。開封してへんかった大事な手紙が3通も。慌てて返事を書いてるうちに時間は流れて甥っ子が川島雄三の『貸間あり』を見てるのについつい付き合ってしまう。なるほどこの映画は最高ですね。『幕末太陽伝』よりようでけてる。崩れインテリの自己韜晦を暖かく描くシナリオって難しいコッチャで。新しい発見。
6月22日(日)
朝新幹線で兵庫県立芸術文化センターへ。次週日曜の『メリーウィドウ・グルメ・ツアー』の下見。舞台裏でプリマの塩田美奈子さんと久しぶりにばったり。桂ざこば師匠に挨拶してバックステージツアーのコースやレストラン『イグレク』のマネージャーに挨拶したりしてMBSのプロデューサーと一緒に座席へ。まいった!いやはやマイッタ!最高に楽しい舞台。ざこば師匠大活躍!フランス料理のフルコースのディナーをおなかいっぱい味わったあとにまだまだイタリア料理の最高のパスタやピザが出てくるような舞台を満喫。お腹いっぱい。関西のノリは凄いなぁ。サービス精神に脱帽やで。オペラは難しいもんやと思てる人に見せたいで。こんなオモロイモン他にないで。舞台の終わったあと芸文センターのGMさんに「東京でもやりましょうよ」というと「浅草公会堂ならできるかな」そのとおりやな。ざこば師匠の楽屋へ行くと師匠も満面の笑み。「いやぁ。こないに拍手もらうことって落語では考えられまへんしな。うれしいこってす」通路でバリトンの黒田博さんや天羽明恵さんとばったり。「どうでした?」「お客さん大満足ですよ」みんな笑顔やで。塩田美奈子さんは「正直に言って。辛口で。どうだった?」「そんな気にせんかって最高の舞台ですよ」最後に指揮の佐渡さんと少々話したけど舞台に関しては言うことないで。こんな気取らへん舞台に近くから通える関西の人がうらやましい!そういや舞台終わった直後に後ろの座席から吉田義男元阪神監督に話しかけられた。久しぶりです。よっさんも満面の笑顔やったな。
6月22日(日)つづき
あの『メリーウィドウ』は関西的サービス精神だけやのうて音楽の再構成なんかも絶妙やったな…などと思いながら帰宅したら長男がGF連れて帰ってて長女と甥っ子も交えて大パーティ。岡田ジャパンのバーレーン戦をチョイト確認したあと(弱い相手に何を焦っとるんや!)ビデオクリップを見まくりガキどもが「かっこいい」とか「凄い」としかいわんので「作品の見方」について講義してしまう。具象を確認してから抽象的な印象を言えということ。疲れた。
6月23日(月)
ホームページの更新原稿を整えるだけで疲れてしまう。ここんとこ佐吉の散歩に行かず運動不足のまま関西往復が続いて酒ばっかり飲んだうえに仕事中は家の工事で雨戸閉めっぱなしでシンナー臭が漂って肉体的にも精神的にもアウト。ちょっと限界がきたかな。週末多忙に備えて体調を戻さんとあかんからこういうときはノンアルコールデイにして玉子ぶっかけ御飯掻き込んで午後6時に寝る。こんな日があってもエエやろ。
6月24日(火)
昨晩6時にベッド入りして今朝9時まで途中2度トイレに行ったものの爆睡。よっしゃ…と言いたいところがまだ体調イマイチ。ユーロはドイツ・スペイン・ロシア・トルコか。トルコはモノスゴイ試合ばっかりのようやけど国内リーグ活性化の結果やろな。ロシアはヒディング・マジックかな。とにかく勝つ試合をする(させる)もんな。そのあとのチームはボロボロになっても…。岡ちゃんもちょっと似てるかな。誉め言葉やけど。浅田真央ちゃん…イヤ「ちゃん」はやめとこ。浅田真央が次期シーズンのプログラムの音楽にハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』を選んだとか。俺の大好きな曲やで。コンドラシン指揮RCAビクター交響楽団の演奏みたいな凄い演奏を使うてほしいな。てなこと考えながら今週土曜のオペラ講座の準備をしたら夕方になったので佐吉の散歩に行ったら疲れたので飯掻き込んで午後7時に寝る。2日続きのノンアルコール。何年ぶりやろ?
6月25日(水)
体調は完全回復。ただし朝5時に目覚めたので網野徹哉『インカとスペイン帝国の交錯』読了。インカとユダヤ人問題と宗教裁判の関係など知らんことだらけやった。ラジオ2本電話出演のあと少々ウトウト。WOWOWでトルコ対クロアチア再放送見て119分目と120分目のゴールに大興奮。サッカーはやっぱりドコまで走れるかの勝負やで。夕方から立教大学新座キャンパスへ。やっぱり遠いなぁ。兼任講師懇談会に出席。知らん人ばっかしやで。困ったなぁ…と思てたら先週野球文化學會で会ったH氏がヒョイと登場。お互い今年から同じ職場に所属したことを知らず大笑い。ところで東武東上線の「東上」というのは東京と上毛を結ぶという意味でええんかな?東武の駅員に訊いてもクビ傾げてたけど。帰宅したら11時。寝ようと思たら長女の帰宅時間とぶつかって一緒に世界文化社のオペラ鑑賞シリーズ第2巻の『椿姫』のDVD見ながらワイン飲み出す。やっぱり永竹由幸さんの監修だけあってオモロイ2本(パルマ歌劇場とグラインドボーン)を選んだはるなぁ。
6月26日(木)
夜から数日間出張なんであれもこれも仕事片付けてなんやらかんやら整理してドイツvsトルコのなかなか凄い試合の再放送見て新幹線へ。ホテルで『論スポ』の編集長と明日の甲子園取材打合せのあと大阪泊。
6月27日(金)
朝から甲子園へ。グラウンドで日本代表コーチ山本浩二さんにまずチームの作り方の基本方針を取材。同じく田淵さんに打撃コーチとしての仕事について取材。基本的なことを頭に入れて星野監督を直撃。久しぶりやな。「五輪が近づいた今の気分は?」「目の前に山がある。大きな山や。震度10でもビクともせんデッカイ山や。それを越えなあかんのや」「やりがいがありますね」「まぁそうやな」三宅スコアラーとも話す。外国チームのスカウティングについて。エエ仕事してはる。球団社長の南さんもおられたのでついでに甲子園の改装工事の進捗状況と最近の球団事情について訊く。「工事中の覆いに蔦の写真があるのはいいですね」「あれ普通のより値段高いんでっせ」日本代表スタッフがベンチに入った阪神vs広島二軍戦を見る。野球はやっぱり面白い。バルディリス!ええなぁ。改装甲子園で復活発売されたヘルマンドッグも食べる。新発売のピンバッジも買う。取材前に一つだけ不愉快なことがあったけど充実した一日。気分よく新幹線で名古屋へ。車中ベンジャミン・フルフォード『騙されるニッポン』(青春出版社)読了。100年後に現代世界史はどう書かれるのかな。名古屋泊。TVで全日本陸上観戦。女子1万M凄かったなぁ。東京五輪のミルズとガムーディとクラークの死闘を思い出したで。
6月28日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。世界遺産に落書きねぇ。ガキのとき重文をバックネットにして草野球した人間としてはあんまり大きなこと言えへんけどやっぱり阿呆やで。フィレンツェのあのドームを間近に見て圧倒されへんのかな。知識の欠如やな。いや感性も鈍すぎるで。感性は知識を求め知識によって磨かれるもんやけどな。ホテルで一休みしたあと中日文化センターでオペラ講座。ヴェルディのイタリア愛国心沸騰オペラ『アッティラ』を楽しむ。ついでにちょいと複雑な『スティッフェーリオ』も。夜名古屋でいつも連れて行ってもらう『貴寿司』へ。看板に『立喰』と書いてある意味を訊くと名古屋では桶に入れて出す鮨屋と違ってお好みで次々と食べる店のことを昔から総じて『立喰』というそうな。ナルホド。明日の朝早いのでサッサと寝る。名古屋連泊。
6月29日(日)
『メリーウィドウ観劇ツアー』のため観光バスでオバサマオジサマ方30数名と朝8時に名古屋を出発。初めて第二名神(新名神が正式名称らしい)を走る。和歌山から奈良三重にかけての南近畿の山は深いなぁ。緑も濃いなぁ。壬申の乱に思いを馳せながら近江山城を抜けて須磨…やなかった西宮へ。11時に兵庫県立文化芸術劇場(PAC)へ。すぐにバックステージツアー。綺麗な衣裳や小道具の並ぶ廊下や準備中の出演者のいるメイク室を抜けてステージの裏や表に。皆さん舞台の傾斜が急なことに驚嘆。舞台監督の小栗さん自らいろいろ説明してくださる。ありがとうございました。次回は是非とも御子息も!(笑)見学のあと『シアターレストラン・イグレク』で山口浩シェフの手による『メリーウィドウ特別ランチ』に舌鼓。カボチャのスープから焙じ茶味のアイスのデザートまで魚も肉も満喫。その間に芸術監督で指揮者の佐渡裕さんが(予定通り)顔を出してくださり御挨拶。手ずから自署サイン入りのプログラムをツアー参加者全員に渡してくださる。サドラーのオバサマ大感激。これまたお忙しい中ありがとうございました。そして舞台の幕が開く!
6月29日(日)つづき
『メリーウィドウ』の舞台の中味は先週見て知ってるけど再び大爆笑。前回はBプロ。今回はAプロ。佐藤しのぶさん貫禄いやゴージャス。健ヌッツォさんの美声にも満足。桂ざこば師匠大暴れ。タップもだんだん上手になってはる(笑)。元宝塚の平みちさんも魅力発散。『こてこて関西ヴァージョン陽気な未亡人』とはいえ今回は繊細に丁寧な音楽作りの佐渡さんのタクトに改めて感激。ツアーのオジサマオバサマ方も全員溢れんばかりの笑顔。帰りのバスの前で見送ってると大声で俺の名前を呼ぶ声。ざこば師匠が楽屋の窓から顔を出して鎌倉名物鳩サブレーを送った御礼を言われる。こちらこそオモロイ舞台をありがとうございます。芸術文化センターの皆さんお世話になりました。ツアーと別れて京都へ。東京からツアーに参加した澁澤龍子さんらと『ぐりる金星』へ。最後にいつもの旨いもん10数皿(鱧のおとしもあった!)で締めて『酒肆G』に顔出してお母はんに挨拶して最終近くの新幹線で帰宅。車中は疲れてグッスリやったけど凄い3日間やったなぁ。そういえば『金星』さんがホームページを開設したとか。紹介します。http://www.grillkinsei.com/
6月30日(月)
頭のなかにまだ『メリーウィドウ』のワルツが…いやカンカン踊りが鳴り響いてる。それにしてもアンコールでシルクハットかぶって歌手と並んで脚あげてラインダンス踊る指揮者って世界でも佐渡さんくらいやろな。おまけにその時指揮台に立ったのが桂ざこば師匠やもんな。凄い舞台やったで。家の工事は幕が畳まれて新しい壁面が現れたけどナンヤこの色は…。抹茶フロートやで。ブエノスアイレスの港町の家みたいやで。マイッタナ。もうちょっとおとなしいほうがエエで。日本の住居なんやから。見本通りにはイカンのかな。なんやらかんやら雑務をこなしてWOWOWでユーロの決勝再放送見る。面白い試合やなぁ。サッカーはやっぱり攻撃的でないと。結果はやっぱりスペインやな。しかし「ゲルマン魂」という言い方がドイツ語にあるのかな?「無敵艦隊」はイングランドに負けるのかな?どっちもあんまり意味ない言葉やで。そして「213」へ。旅から帰った気になった。
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