ナンヤラカンヤラ
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タマキのナンヤラカンヤラ バックナンバー 2013年1月
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1月1日(火)
皆さん明けましておめでとうございます。大震災から2年目を迎える巳の年が皆様にも私の家族にもそして私にも幸多い年になることを心から祈ります。祈るという行為が他のどんな行為よりも正しいことを信じて…。

1月1日(火)つづき
ヨメサンと次女と孫でとりあえず「おめでとうございます」の挨拶を交わして仏壇と神棚と荒神さん(水回りの神様)と仕事場に鏡餅を供えて線香やお光りをあげて御参り。無病息災家内安全交通安全だけでなく面白発起気合充実も祈る。仏壇から爺婆の「まだそんなこと言うてるんかいな…」という声が響いたような気もする。昨晩から残った掃除を済ませて昼飯は家族で乾杯。近くの大船観音へ初詣に…と思うが孫が爆睡したのでコッチは初仕事。昨年のロンドン五輪バドミントンのワザと負ける不祥事についてのシンポジウムの速記チェック。今年初のBGMはやっぱりマーラーかワーグナーかと考えた末何故か自然にロッシーニに手が伸びる。やっぱり楽しい1年を望んでるからかな…と思いながらリッカルド・シャイー指揮ボローニャ歌劇場フィルやミラノ響の演奏で今年の初音楽は『弦楽のためのソナタ』と『ロッシーニ・ディスカヴァリーズ』と名付けられた珍しい音楽を集めた1枚。ロッシーニってなかなか美しい音楽も魅力的な音楽も建築的な音楽も爽やかな音楽も残しているのですよ。仕事が片付いて孫が目を覚ましたら夕方。ウィーン・フィルのNYコンサートをテレビで聴いてウェルザー=メストはサスガに引き締まった演奏やなあ…と思てるところへ長男が帰ってきて甥っ子が訪ねてきてワイワイガヤガヤ晩御飯。そのうち長女も年末年始の仕事から戻って乾杯のやり直し。飲んで食ってワイワイガヤガヤ日本の収縮傾向縮小社会が少し落ち着くまで若い者は海外無銭旅行&短期移住でもして勉強してきた方がイイのではないか…孫は俺が宇宙物理学者に育てる…とワイワイガヤガヤ我が家の年頭教書を発表(笑)。意外と反論がないまま孫がメリーポピンズがどうのカーズがどうの成田エクチュプレチュの電車がどうのと喋り出してテーブル囲んでワイワイガヤガヤ。平成25年の年の初め…は…こんなもんか。

1月2日(水)
朝起きたら食堂も居間もゴッチャゴチャ。昨晩のパーティの食い散らかし。まぁ新年はコンナモンです。それをヨメハンが片付けて(ありがとうございます)朝飯はみんなが勝手にパンとかバナナとか食ってTVをつけたら関西人にはまったく関係のない(関東のごく一部の「エリート」の人々にしか関係のない)箱根駅伝をやってるのでケッタクソ悪くてWOWOWの黒澤明特集にチャンネルをまわして息子と甥っ子に『椿三十郎』の最後の居合抜き血飛沫の場面を解説。名場面ですねえ。このシーンを撮りたくて黒澤監督は菊島隆三さんにこのシーンにつながるストーリーの台本を書かせたのでしょうねえ…というのは牽強付会が過ぎるかもしれませんが…次の『天国と地獄』の途中で家族全員で大船観音へ初詣。映画の続きはDVDを持ってますからね。正月ですなぁ…と思いながら家族全員で孫の機嫌を取りながら観音さんへ御参り。そうか。この観音さんは反原爆…つまり反核にも関係があるのかぁ…しっかり反原発も祈っておく。

1月2日(水)つづき
大船観音初参りから家に戻ると『鮨処もり山』さんの大将がお節料理を届けに来てくれて新年の挨拶を済ませて受け取ったあと家族で乾杯&遅い昼飯。絶品の鯛が美味い。その他イロイロ舌鼓を打ちながら酔っぱらってウトウト。目が覚めて各人適当に食事と酒の続き。そのうち餓鬼どもが(と言ってもモウ30歳近い連中ですけどね・笑)Wiiを始める。ホンマに餓鬼やがな(苦笑)。2歳半の孫餓鬼も一緒になってキャッキャッと身体を使ったゲームをやり始めて大騒ぎ。主役は常にオマエやな(笑)。マァこーゆー正月もエエやろ。明日から仕事とかで息子と甥っ子が夜遅く帰ったあと一人で酒を傾けながらフランチェスコ・トリスターノのピアノに耳を傾ける。マァこーゆー正月もエエやろ。

DVD
『ビッグ・ガン』
『ビッグ・ガン』
『ドン・ジョヴァンニ天才劇作家とモーツァルトの出会い』
『ドン・ジョヴァンニ天才劇作家とモーツァルトの出会い』
『ボーマルシェ フィガロの誕生』
『ボーマルシェ フィガロの誕生』
Blu-ray
『アマデウス』
『アマデウス』

1月3日(木)
三が日三日目。昨日で正月は終わり。今日から仕事…というわけにもいかんので朝から映画三昧。まずはアラン・ドロン主演のイタリア映画『ビッグ・ガン』。イタリア・マフィアの殺し屋が足を洗おうとして組織から殺されそうになって女房と子供が間違って殺されその復讐を…というお話。イタリアの社会事情&シチリアの家族の事情がよくわかった。街中カーチェイスが見事。殺し屋にとって一番大事なものは執念ですね。2本目はドイツ映画『ヴィンセントは海へ行きたい』。母の死をきっかけに精神障害&チック症を患った政治家の息子(30歳前)が施設に入れられて拒食症患者の女性と潔癖症患者の男性の3人で逃げだす。そして両親の新婚旅行の想い出の地であるイタリアの港町を目指す。素晴らしい映画。今年になってまだ3日しか経ってないけど今年最高の映画と断言できるほど素晴らしい映画。3人の神経症患者と彼らを捜す女医と政治家の父親の心が錯綜する。アルプスの自然の風景が素晴らしく美しい。その自然のパワーが人間の心に大きな影響を与えるがそれほど単純に終わらないのがドイツ映画(ハリウッド映画ではない)ならではの展開か。3本目は『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』。タイトルを見てWOWOWから録画しておいたけどタイトルのダサイ言葉同様に内容は????…。基本的にはモーツァルトにオペラ台本を与えたダ・ポンテの女性遍歴と愛へのめざめの物語。そこに実在のカサノヴァとドン・ジョヴァンニの物語とモーツァルトが絡む。う〜んむむむむ…物語がてんこ盛り過ぎるうえに史実と異なる作り話もてんこ盛り。まぁ映画を1日に3本も見たら1本くらい駄作が混じりますよね。しかし『ドン・ジョヴァンニ』の初演(本当はプラハ)がウィーンになってる作り話は明らかに作り話とワカルから良しとしてカサノヴァはこんなにモーツァルトとクロスしてたの?と考えてしまう。モーツァルト関連の映画ならミロス・フォアマン監督の『アマデウス』と『ボーマルシェ フィガロの誕生』で十分かな。映画三昧で今年の正月は幕。

1月4日(金)
朝から銀行へ。うわっ。ものすごい人。みんな仕事を始めた証拠か?1時間待ちでようやく順番が回ってきてイロイロ手続きして昼飯に蕎麦食って帰宅。確定申告のために去年1年の収入を整理。ロンドン五輪にもかかわらず収入がイマイチ伸びなかったのは世の中の不況のせい?それとも俺のサボり癖のせい?今年はもっとガンバッテ仕事をせねば…と毎年確定申告の準備のときだけ心に誓う(笑)。夕方までかかって書類を整理してもうすぐ3年目の命日になる歌手の浅川マキの原稿をNews-Logに送って晩飯。映画劇場…は今日は休館。昨日1日で満腹になったので今日はお休み。最近少しづつじっくり読んでる佐伯啓思『経済学の犯罪』講談社現代新書読みながら寝る。そうか…アダム・スミスもマックス・ウェーバーもケインズもグローバル経済否定論者なんですね…。グローバル資本vsものづくり労働…交換の経済vs生活の経済…金融グローバリズムvsナショナル・エコノミー…大航海時代以来の古くからのテーマなんですね…。ZZZZZZZZZZ。

DVD
『人生、ここにあり!』
『人生、ここにあり!』
BOOK
大熊一夫『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』(岩波書店)
大熊一夫『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』(岩波書店)
DVD
『カッコーの巣の上で』
『カッコーの巣の上で』
BOOK
デール・ワッサーマン『カッコーの巣の上を』(劇書房)
デール・ワッサーマン『カッコーの巣の上を』(劇書房)
DVD
『噂の二人』
『噂の二人』
BOOK
リリアン・ヘルマン『英米秀作戯曲シリーズ1子供の時間』(新水社)
リリアン・ヘルマン『英米秀作戯曲シリーズ1子供の時間』(新水社)
リリアン・ヘルマン『未完の女』(平凡社)
リリアン・ヘルマン『未完の女』(平凡社)
DVD
『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』
『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』
CD
『Le Sacre Du Printemps: 100th Anniversary』
『Le Sacre Du Printemps: 100th Anniversary』
『春の祭典/ペトルーシュカ』
『春の祭典/ペトルーシュカ』

1月5日(土)
来週からの仕事のための準備をそろそろ…新聞雑誌の整理にパソコンの中味の整理…メールの整理…。そういえば『経済学の犯罪』にIT産業の生み出した雇用は世界で5万6千人しかない…と書かれていたな…。金は儲けて世界経済は牽引しても雇用は生まず…。そういや雑誌作りも鉛筆で手書きの原稿をレイアウトの人にまわして活版印刷に入稿してた時代のほうが人間が沢山働いてた(それで食ってた)もんなぁ…。さあ…これからのネット出版がどうなるか…。10兆円産業ともいわれるスポーツ産業はどれくらいの雇用を生むのか…。昼飯映画劇場はイタリア映画『人生ここにあり』。ダサイ日本語タイトルですが精神病院をなくしたイタリアで精神病患者の組合組織からデザイン(寄せ木細工)の会社を起こす話。最高に素晴らしい映画でした。精神病がテーマの映画としては『カッコーの巣の上で』と双璧とも思える人間讃歌。それにしてもイタリアは精神病院を廃止してるのか…スゴイ。昼からボチボチ仕事を始めて夕飯前映画劇場は『ヤング・シャーロック ピラミッドの秘密』。スピルバーグ総指揮のシャーロック・ホームズに名を借りた青春アクション映画。どーでもエエわ…と思いながら最後まで見せるのはスピルバーグの映画製作技術力でしょうが…映画はやっぱり中味ですね。もちろん映画だけでなくすべてにおいて言えることでしょうけど…。晩飯食ったあとまた映画。オードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーン主演ウィリアム・ワイラー監督『噂の二人』。悪ガキ女子小学生(?)のウソから同性愛者にされて社会から抹殺された寄宿学校を運営してる二人の女性の物語。ナカナカの展開にコレは絶対に舞台演劇を映画化したもので作者は女性で昔呼んだことがある…と思たらそのとおり。リリリアン・ヘルマン原作の『子供の時間The Children's Hour』だった。『ローマの休日』のワイラー監督がヘップバーンの新しい魅力を引き出した以上にマクレーンの演技がスゴイ。本日の3本立て映画は2勝1敗。悪くない勝率ですね。寝る前にリリアン・ヘルマン戯曲集を本棚から探したけど見つからん。たしか小田島雄志先生の翻訳があったはずなのに…なんでないのか?!寝よ。

1月5日(土)つづき
書き忘れましたが週刊新潮の記者から電話がかかってきてストラヴィンスキー『春の祭典』について話を聞きたいとのこと。『春の祭典』がディアギレフ率いるロシア・バレエ団によってパリで初演されて今年で百年とか。そんなに古い話とは思えませんね…と喜んでいろいろ話をする。好きなCDはブーレーズ指揮クリーヴランド管/バーンスタイン指揮NYフィル/フェドセーエフ指揮モスクワ放送管/ゲルギエフ指揮キーロフ管/デュダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オケ…それにピアノのファジル・サイ…。そういえば今年はワーグナーとヴェルディの生誕二百年でもある。過去を振り返って新しいものを見つけるのがクラシックの楽しみかも…。

DVD
『八日目の蝉』
『八日目の蝉』
『八日目の蝉』
『八日目の蝉』
BOOK
角田光代『八日目の蝉』(中公文庫)
角田光代『八日目の蝉』(中公文庫)
佐伯啓思『経済学の犯罪 稀少性経済から過剰政経剤へ』(講談社現代新書)
佐伯啓思『経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ』(講談社現代新書)

1月6日(日)
午前中黒兵衛と散歩のあとは黙々と仕事。今年のテーマはコレで行こ。黙々…ひたすら黙々。軽佻浮薄は謹んで…黙々。午後からヨメハンは美容院。長女は仕事。次女は息子(孫)とエノスイ(江ノ島水族館)。小生は黙々と仕事。とにかくキイボードに向かう一年であることを誓う。夕方は仕事に飽きて晩飯前映画劇場は『八日目の蝉』。原作はミステリー小説として面白いのかもしれないけど(ミステリー嫌いの小生は読めないでしょうが)映画としては長すぎる。小豆島の風景などは綺麗で悪くなかったけど長すぎる。30分は短縮できるはず。とはいえオウム真理教事件から生まれた作品として見れば結構面白かった。小説も『1Q84 』より面白いかな?読んでみよかな…と思ってるところへ続々と家族が帰ってきて「な〜んや。黙々と仕事やのうてマタ映画かいな」「阿呆いえ。これも仕事…」…になるかな?RTのAさんヨロシク!なんのこっちゃ(笑)。ベッドで佐伯啓思『経済学の犯罪』読了。真っ当な人間ならソレはチョットおかしいでぇ…と思う最近のグローバル・ギャンブル・アメリカ式新自由主義経済がキチンと批判されてる。それでもアベノミクスはミキタニやヘイゾーとともにグローバルを目指すのか…?それよりピラミッドを…じゃなくて大阪梅田にウメキタ大仏をつくろう…ってナンノコッチャ?!

1月7日(月)
朝迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。アベノミクスに対する疑問や2020年東京五輪招致の外交について話す。経済の話は不況で悩み沈むよりウメキタ大仏を造ろう…なんて言っても関西人にしか通じないのでピラミッドのような素晴らしいものを残そう…と東京向けに変更(笑)。五輪外交はイスタンブールに勝つため2024年の五輪招致に立候補するカタール(ドーハ)と組むべし(イスラム圏初の栄誉はトルコ系よりもアラブ系で)といった動きができるかどうか…誰が(裏で!)動いてるのか…という話。1940年や1964年の招致ではムッソリーニにローマ開催を譲らせたり世界一の自動車王国デトロイトを負かした外交力があったけど…。帰宅後仮眠のあとNews-Logに「くたばれ!箱根駅伝!大学スポーツ否定論」という原稿を送ったり本ホームページの今週水曜の更新原稿を整えたり東京五輪招致について新聞社やテレビ局から電話がかかってきたり明日のTBS「昼おび」出演の打合せをしたり…ナンヤラカンヤラしたり…で晩飯映画劇場…と思たらNHKクローズアップ現代で原発問題を取りあげてたのでソッチを見る。中国韓国の原発が続々と建設されたあとの放射性廃棄物はどこに「捨てられる」のかなぁ?内蒙古かウイグルか西域か…で済む話ではないはず。オリンピックの復習を少々してから寝る。

1月8日(火)
朝黒兵衛と散歩したあと『ひるおび!』生出演のため東京赤坂TBSへ。控室で久しぶりに会った司会の恵俊彰サンと雑談。そうか。恵さんは東京五輪の年の生まれか…。ほかに久しぶりに会った(久しぶりばっかりやなぁ・笑)コメンテイターの大谷昭宏さんや八代英輝さんに挨拶して簡単な打合せのあとスタジオのセットのうしろで出番を待ってると自民党総務会長の野田聖子さんが出番を終えてスタジオから出てこられたので電動車椅子サッカーで少々お世話になったことの御礼を言って少々雑談のあとスタジオへ。オリンピック&パラリンピック東京招致問題についてブラジル(リオ)はフランスからミラージュ戦闘機を30機買った話やアラビアのロレンスはアラブ(カタール=ドーハ?)を率いてトルコ(イスタンブール?)に勝った話など(ナンノコッチャ・笑)思い切り話す。途中VTRで大阪五輪招致に関わった早大の原田先生が招致活動について語ってたけど招致に失敗した理由を(喋れる範囲で)喋ってほしいなぁ…でないと五輪招致の現実が一般の人に伝わりませんよ…最後に(だったかな?)国体と障害者大会を合体した今年の東京スポーツ祭のようにオリンピックとパラリンピックを合体した素晴らしい東京五輪の開催実現を呼びかけてスタジオを出たあと近所の音楽事務所へ年始の挨拶。何かお菓子でも持っていくか…と思いながらもお店が見つからん…と思てたらタクシーの運転手が「近所にとらやがありますよ」。なるほど。虎屋の本店にはいるのは初めて。生まれて初めて小生のエッセイが大学入試に使われたときは御礼にココの羊羹が3本送られてきたけどその後毎年のように入試に使われても何も送ってこないのはナンデかなあ?義理堅いのは関西大学だけか?などと思いながら某音楽事務所へ行ってS社長とチョイト歓談。互いに最近読んだオモロイ本を紹介しあったりしたあと帰宅。S社長にもらった河合幹雄『日本の殺人』(ちくま新書)を読み出したらオモシロクて(などと言ってはイケナイ本でしょうが)興味深くて止まらん。ナルホド。殺人事件も分類が難しい。その難しさを解決するのは想像力か…これは近松の心中芝居を考えるうえでも最高のテキストになりそうな…風呂&晩飯のあと映画を止めてサッサとベッドへ。『日本の殺人』を読みながらZZZZZZZZZ。

1月9日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。大阪桜宮高校バスケ部顧問の体育教師による体罰自殺事件を取りあげる。コレは体罰があったかどうか…体罰はある程度許されるかどうか…などという問題ではない。「罰」の存在によってスポーツが強くなるのはレベルが極めて低いスポーツの世界だけの話。オリンピックレベルや世界レベルでは「罰が怖いからスポーツに励む」「罰せられるのがイヤだから頑張る」といった動機では勝てない。桜宮高校での事件も熱血指導だか5年で3度の全国大会出場だか知らないが世界のバスケットボール界から見ればかなり低い日本のバスケットボール界のレベルのそのまた低い高校バスケのレベルの話。しかも学校教育で教える体育と試合に勝つことはつながらないはず。19世紀末に体育館内でフットボールをやりたいと思ったマサチューセッツYMCAの体育教師のジョン・ネイスミスが発明したバスケットボールの歴史や何故ボールを手にした選手が3歩未満しか歩めないのか(フットボールのオフサイドに替わるもの)という理屈を教えることこそスポーツ教育で高校の試合に勝つことなんてどうでもいい(勝利を目指すのは当然だが勝たなければならないということは断じてない!)。桜宮では試合に負けたあと体罰があったらしいが敗因分析もせずに体罰を行う暇などないはず。しかし日本の体育教育では敗因分析を言い訳と考えて「理屈を言うな!」「体で覚えろ!」とさらに「愛の鞭」を揮う体育教師がいるんですよね。おまけにメディアは低レベルの高校生のスポーツ大会を(高校野球を筆頭に)世界大会以上に持ちあげたりもする(大学生のスポーツ大会も!)。しかも勝てば「アッパレ!」負ければ「カツッ!」などと学校の体育教育であるはずの学生スポーツにまで単純無理屈無知スポーツ音痴の上から目線の野次馬的評価を下す。嗚呼!スポーツとは何か?と訊ねられて答えられる体育教師やジャーナリストはどれほどいるのか…。そういえば10年ほど前に全国体育教師の研修会に招かれて講演をさせていただきスポーツの歴史教育その他学科教育の重要性を話したところが300人くらいのジャージー姿の中秋の携帯電話の呼び出し音が3度も鳴り響いて3度目には堪忍袋の緒を切らせた私は「それが教師のやることか!」と檀上から怒鳴ったことがあった。嗚呼!そもそも学校はスポーツをやるところではなく体育教育をするところ。トーナメントの全国大会など必要ないはずだ。大学もスポーツ研究をするのが本分で試合に勝った負けたと騒ぐのは愚の骨頂である!。そもそもスポーツは本質的にスポーツよりも重要で大切なもの(母校の栄誉や企業の利益)の存在する場所で行うものではない。スポーツが一番大切なものと考えるスポーツクラブで行うべきものでしょう。ラジオの電話出演では全ては話せなかったけど大阪読売新聞の記者から電話。同じテーマでじっくり喋る。それから海がキラキラ美しい七里ヶ浜の病院へ行って血液検査してもらって(OKでした。ヤッホー!)薬をもらって大船の王将でラーメン餃子食べてお土産買って帰宅。次女と孫が魚の『ニモ』のアニメを見てたので一緒に見てしまう。うむ。ディズニー&ピクサーのアニメはやっぱりオモロイ。夕方大阪朝日新聞から電話。また桜宮高校か…と思たら今度は卓球のラケット・ドーピングで日本五輪代表の水谷選手がストライキで告発してる話。日本卓球協会がもっと世界に向けて発信しなければ…それには英語を流暢に話せる人物が必要なんですけどね…などと話して電話を切るとNHKから電話。今夜の『NewsWeb24』への出演依頼。そんな突然言われても…と思いながらもテーマは桜宮高校の体罰問題ですから出ないわけにはいきません。今回の体罰事件は本当にヒドイと思うけど体罰は是か非かなんて低次元の話をメディアで蔓延させるわけにはいきませんからね。夜迎えのクルマに乗ってNHKへ。打合せ段階ではNHKが高校野球中継なんかをするのも高校生の体育を歪めている一因といった話もしたけどナンセ時間が短い。十分には話せずソレでも何とか真夜中生出演で体罰のあるスポーツは低レベルの次元の話と喋ってビールのみながらクルマで2時半帰宅。長い一日やったなぁ。

1月10日(木)
朝から明日の講演の準備も含めてイロイロ東京五輪招致問題をチェック。それにしても朝日新聞はナンデ1月8日付の朝刊一面ぶち抜きで「五輪狙う好況トルコ イスタンブール2020年に自信」なんて記事を書いたのか?「決定なら5度目の正直 初イスラム圏」と小見出しもある。だから東京は気をつけてガンバロウなんてことは何処にも書かれていない。「トルコだけでなくアラブ・イスラム世界が見つめている」というのはホント?非朝日の某新聞記者によると「ナンでも批判の朝日らしい記事」だが「五輪招致オフィシャルパートナーを読売に取られた恨み?」との見方もあるらしい。それはともかく東京新聞の報じたイギリスの賭け屋情報によると東京は五輪招致の本命で1.64倍らしい。イスタンブールは3.5倍。マドリッドは4倍。さあ…どうなるか…。Yさんイロイロ情報ありがとうございます。午後ジャパン・タイムズから東京五輪招致について電話取材を受ける。切った途端毎日放送からも。切った途端日経記者から電話。こちらは桜宮高校バスケ部体罰事件。電話を切った途端産経社会部からも電話で同じ事件について。あっという間に夕方で大船の某ホテルでTBS『ひるおび!』のVTR取材。やはり桜宮高校…電話でも逢ったときもスポーツと体育の違いについて…体育教育のあり方について…バスケットボールのルーがどのようにしてできたか…とか関係ないと思われることでも延々と話す。この機会にマスコミ関係者にも「スポーツとは何か」ということを理解してほしいですからね。小生の拙著『スポーツとは何か』講談社現代新書や『スポーツ解体新書』朝日文庫を買って読んでいただければ一番いいのですが…。宣伝でした。大船駅前のバー『213』に寄って生ビールを一杯。レストラン・バーの『213』からバー『213』に「人事異動」したクロちゃんに挨拶。本職バーテンダーだからこっちのほうが似合ってるかな。出たところで『213』のマスターにバッタリ。新年の挨拶して帰って風呂入ってメシ食って寝る。

1月11日(金)
朝黒兵衛と散歩に行ったあと東京へ。ANAインターコンチネンタルホテルで行われた日本のゴルフ関連17団体による「日本ゴルフサミット2013年ゴルフ新年会」で新春特別企画講演。オリンピックの正式種目になったゴルフについて1時間話す。これをきっかけにオリンピックとは何か?(それは人間の肉体表現と精神表現の場としての人類の祭典である)スポーツとは何か?(日本人の多くが体育と混同している身体を使った娯楽のこと)日本のゴルフ団体の「国際化」の必要(スポーツにおける国際化とは端的に言って国際ルールの決定に参画することである)との3点を2020年東京五輪招致や身障者ゴルフの話を交えて話す。ふうう。概ね満足していただいたのでは?講演前に元体協会長の安西孝之氏が挨拶に来られてチョット驚く。以前体協関係の講演に呼ばれたが今は公益財団法人日本ゴルフ協会の会長だとか。他の幹部の方々と講演前に楽しく雑談できたことで舌が滑らかになったのかも(笑)。公演後はブラインド・ゴルフ(盲人ゴルフ)を推進してるH氏が講演に感激したと挨拶に来てくれる。この方なんと『ナブッコ』や『ドン・パスクァーレ』のタイトルロールを歌うオペラ歌手でもありオーストラリアでシドニー野外オペラをプロデュースしてる人でもあり盲人ゴルフ等の障害者スポーツも支援してる人だとか。世の中にはいろんな人がいるなぁ…と思いながらゴルフ・サミット懇親会にチョイト出席したあと夜のコンサート『山下洋輔プロデュース挟間美帆のジャズ作曲家宣言!』まで時間があるので有楽町に出て昼飯に久しぶりに吉野家で牛丼食って映画『レ・ミゼラブル』でも見て時間を潰そと思たら長い映画の時間が合わず断念。喫茶店で『日本の殺人』読んで時間潰して桜宮高校バスケ部体罰問題について新聞社の取材2件携帯で受けて新宿へ移動して喫茶店で本の続き読んで時間潰してオペラシティ・タケミツホールへ。

1月11日(金)つづき
タケミツホールへ。『山下洋輔プロデュース挟間美帆のジャズ作曲家宣言!』(蔵出しコラム音楽編参照)いやぁ面白かった。楽しかった。既に『題名のない音楽会』などでも編曲者&ピアニストとして大活躍でマンハッタン音楽院への留学から帰国した挟間美帆さんがまず第1部は東京フィルの弦楽合奏相手に洋輔サンの楽曲を編曲&指揮&ピアノ。ルネサンス音楽のようなクラシカル然とした楽曲があるかと思えば不協和音と12音階とバルトーク・ピチカートがバシンバシンの現代音楽もありスタンダード・ジャズ調もモダン・ジャズ調も綺麗な恋愛映画音楽調も…猫の目のようにキラキラクルクル変幻自在の音色を「ジャズっていったい何なのか?」と考えさせられながら堪能。第2部はブラスも加わったフルオケに洋輔サンの肘打ちピアノも加わりリズムがより複雑に楽しくなり音色もよりカラフルになり…あっ!…昨年野田秀樹さんに聞いた言葉が甦る。彼が中村勘三郎さんに「歌舞伎って何?」と訊いたところが返ってきた答えは「歌舞伎役者がやりゃあ何でも歌舞伎になるんだよ」…そうなんですよ。だからジャズ・マンやジャズ・ウーマンがやりゃあ何でもジャズになるのですなぁ…そのことに気付くと美帆さんの音楽も洋輔サンと東フィルの演奏もヨリ一層メッチャ楽しく響いて聴こえてきた。要するに日常から江戸時代の空気が濃厚な花柳界で生活してる歌舞伎役者は何を演じても江戸歌舞伎やせいぜい明治新派にしかならない(現代劇にはならない)のですね。勘三郎さんがハンカチを振っても手拭いにしか見えなかったと言いますから。ならばジャズマンも日常から「ジャズで考えジャズで生活」してますからどんな音楽を創っても演奏してもクラシックのオケと共演してもジャズにしかならないわけですね。クラシックの作曲家や演奏家は過去から押し出されて現代を表現したり未来を開く音楽を創るけどジャズ作曲家やジャズ・ミュージシャンは未来へぶっ飛んで…または未来から帰ってきて…音楽を創るんですね。ハッハッハッハッハ…この歳になってやっとジャズが自分なりに理解できたら耳に響いてくるジャズが一段とメッチャ面白くなってきて…いやぁ…素晴らしい「ジャズ作曲家宣言!」の演奏会でした。コンサートのあとヨメハンと一緒に楽屋へ。洋輔サンや美帆さんにご挨拶。バッタリ出逢ったピアニストの三舩優子サンにもご挨拶。NHKの『週刊ブックレビュー』がなくなったのは残念ですねえ。ロビーでの毎年恒例の新年パーティにも参加。和太鼓の林英哲さんや『題名のない音楽会』の挟間さんと同名のOプロでユーサーやジャズ評論家の相倉久人&中安亜都子さん御夫妻らと楽しく歓談。相倉さんが動物学者の日高敏隆さんの奥様を紹介して下さって「NHK見ました。高校での体罰事件。正しいことおっしゃってたる人がいるなぁ…と思ってたら貴方でしたか…」と言われたのは嬉しかった。ナンヤラカンヤラで新年の区切りがついて帰りの湘南新宿ラインでヨメハンと缶ビールで乾杯して今年もスタート。しかし…コンサートのパンフレットは挟間美帆さんを『秘密のアッコちゃん』になぞらえて『秘密のミッホちゃん』にしたけど未来から来た猫型ジャズ・ロボット『ミホエモン』にしたほうが良かったかなぁ…(笑)。

1月12日(土)
昨日は長〜い一日。今日は短い一日。そんな阿呆な(笑)。昨日新宿のタワレコで買うてきたCDを聴きながら読書&仕事。ストラヴィンスキーが自作を指揮した輸入盤7枚組CDは値段も3千円弱とお手頃で演奏も素晴らしい。クラシック作曲家の自作指揮に名演ナシとはよく言われることらしいけどストラヴィンスキーとバーンスタインは例外ですね。特にビデオ映像でも知ってるストラヴィンスキーはバーンスタインのように情熱的な指揮ぶりというわけではないのに音楽は素晴らしく情熱的な気合いがこもって響く。それは音楽の技術が素晴らしいからだろう。「ハートで歌うという歌手がいる。それは技術がないからだ」と言った藤山一郎の言葉が思い出される。大阪桜宮高校の体罰教師もイイ教師との噂も聞こえてくるが具体的に素晴らしい指導法が伝わってこない。きっとハートを感じる生徒はいても教育技術はなかったのではないだろうか。マーラー『大地の歌』のヴンダーリヒとフィッシャー=ディースカウが歌ったライヴCDも素晴らしかった。ヨゼフ・クリップス指揮ウィーン・フィル。これも素晴らしい技術が心を揺すぶる演奏。さらにグレン・グールドの弾くリヒャルト・シュトラウスのピアノ・ソナタも魅力的だった。世の中にはまだまだ自分の知らない素晴らしいものがイッパイあるのですねえ。世の中とは素晴らしいものですねえ。グールドのCDなど輸入盤で800円弱でしたからね。こんな安値でコレだけ感激していいものか?しかし日本はデフレのはずなのにナンデCDだけはバカ高い?

DVD
『La Boheme』
『La Boheme』
『トスカ』
『トスカ』
『アドリアーナ・ルクヴルール』
『アドリアーナ・ルクヴルール』
『アドリアーナ・ルクヴルール』
『アドリアーナ・ルクヴルール』
CD
『Stravinsky Conducts Stravinsky - The Ballets』
『Stravinsky Conducts Stravinsky - The Ballets』
『Le Sacre Du Printemps: 100th Anniversary』
『Le Sacre Du Printemps: 100th Anniversary』
『大地の歌』
『大地の歌』
『Richard Strauss: Sonata, Op. 5; 5 Piano』
『Richard Strauss: Sonata, Op. 5; 5 Piano』

1月13日(日)
朝黒兵衛との散歩から帰ってくると隣家のグランマとバッタリ。「題名のない音楽界見てましたけどヴェルディが創ったというミラノの音楽家のための養老院が素晴らしかったですよぉ」…それは一昨日の挟間美帆さんのコンサートで出逢ったOプロデューサーに是非とも見てほしいといわれたもの。ビデオに入れておいたので早速拝見。養老院=カーサ・ヴェルディ=ヴェルディが建設して自分の最高傑作と称した「音楽家憩いの家」での80歳のソプラノ歌手のお婆ちゃんのミニ・コンサートは素晴らしかったですねえ。ここは中庭を通ってヴェルディのお墓(2人の奥さんと奥にはお妾さんのお墓もある)までは誰でも入ることができる。Oプロデューサーに『トスカの接吻』というこの養老院のドキュメンタリー映画があることを教えてあげたけど見たかな?DVDがあるから隣家のグランマにも魅せてあげよかな。今日は一日ゆっくり仕事ナシ。最後の最後のお正月。一昨日新宿のタワレコだ買うたDVD三昧。『トスカ』はゲオルギュー&カウフマン&ターフェルのナカナカの見応え聴き応えのあるコヴェントガーデンの見事な舞台。特にたっぷりと泣きの入ったパッパーノの指揮が素晴らしかったけどトスカ役の美人歌手ゲオルギューの着ていた胸の大きく開いたドレスの右肩がずれてさらに乳首が見えるかと思えるほど広がって…コレもオペラの魅力ですよね(汗)。さらにザルツブルク音楽祭の『ラ・ボエーム』も見る。主演のネトレプコ他の歌手陣もチャーミングな舞台装置も悪くないけど(それにしてもこのパリの屋根裏が中心の若者たちのオペラには広すぎる舞台だが)ガッティの指揮はテンポが遅すぎますよね?それに録画作りにオーストリアの放送局ORFのほかにNHKも協力してるのに字幕が英・仏・独・伊・西のほかに中と韓なのはなんで?ナンデ日はないの?NHKは何を協力したのかな?夜は『鮨処もり山』へ正月お節料理の入れ物を返しに行ったついでに家族で食事。孫が納豆巻きだけでなく穴子デビュー。こんな美味いもンをそんなに早よ味わわんでもエエでえ…トホホ(汗)。寿司を満喫後東京へ。都内のホテル泊。

BOOK
水上勉『近松物語の女たち』(中公文庫)
水上勉『近松物語の女たち』(中公文庫)

1月14日(月)
朝5時起床。イロイロ準備して都内のホテルから歩いて文化放送へ。『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。大阪桜宮高校バスケ部の「体罰事件」について前半と後半に分けてたっぷり話す。30〜40発もビンタをするのはもはや体罰というより暴行。教育委員会には進学就職等での顧問教師の関わり(パワハラ)も調べてほしい…等イロイロ話す。メディアも学校体育の部活動の試合を大きく取りあげないほうがいい。アメリカの高校野球は教育的配慮から(高校生をスター扱いしないように)全国大会などない(州大会まで)のだから。番組後いったんホテルに帰って仮眠。ふと窓を見ると外はいつのまにか大雪。タクシーが拾えなくなるのはイヤなので早めにホテルをチェックアウトしてTBSへ。1階のレストランで昼カレーを食って読書のあとスタジオへ。『ひるおび!』生出演。バレーの河合さん野球の金村さんハンドボール・インター杯出場の東国原さん教育評論家の尾木さんらと桜宮高校事件について話し合う。全員当然のことながら体罰には反対。しかし…多くのことを喋りたいと思いすぎてテーマが散漫になったかな…と個人的に反省。番組が終わってからも金村さんや河合さんと体罰についていろいろ話し合う。お互いに本番では喋れないほどヒドイ体罰の現場を知ってることが判明。やっぱりコレは喋るべきなんでしょうが…喋れば誰のことかもわかってイロイロ問題も…。難しいなあ…。タクシーで自宅まで送ってもらう…と思ったところが車外はヒドイ大雪。しかも風も強く完全に吹雪。首都高が次々と閉鎖で第三京浜も羽横戦も閉鎖とか。仕方ないので東京駅へ回ってもらって電車に…と思ったところが東海道線も横須賀線も京浜東北線も雪のため普通。マイッタ。仕方ないのでホテルへとって返して2泊目を決意。シャーナイですね。見る見るうちにたっぷりと積もる大雪の中を歩いて近くのコンビニへ。アルコールと弁当を買い込んでチェックイン。ビール飲みながら大相撲。高安&豊の島OK。把瑠都はアカンなぁ。ニュース見てフィギュアスケート見て水上勉『近松物語の女たち』中公文庫読みながらZZZZZZZZZZZZZZZZ。

DVD
『ショーツ 魔法の石大作戦』
『ショーツ 魔法の石大作戦』

1月15日(火)
夜ホテルで目が覚めて眠れないのでテレビをつけるとクッダラナイ映画をやってたので見てしまう。クッダラナイけどオモシロイ。タイトルからして『ショーツ魔法の石大作戦』と完全にB級。超ミニサイズの宇宙人が超ミニサイズのUFOに乗って虐められっ子を助けて大活躍…と思ったら虹色の石が登場してソレを手に持って願いを口にするとソレが叶うというので石の奪い合いと願いごとを次々と…で大騒動。鰐が二本足で走り回ったり両親の体がドレスとタキシード姿のまま合体したり潔癖性の少年の鼻糞から巨大鼻糞の怪獣が現れたり…時間がビデオの早送りや巻き戻しのように前へ行ったり戻ったり…最後は大きなバケモノに変身した会社の社長と巨大スズメバチに変身したイジワル少女が決闘して…もうエエワ。とはいえ結構意味なく面白かった。再び熟睡のあと大阪朝日放送ABCラジオの『道上洋三おはようパーソナリティ』電話出演。桜宮高校事件をきっかけにスポーツを利用した体育教育についてたっぷり20分近く喋らせていただく。体育教育には(1)理科系体育(身体の構造や機能をスポーツを通して学ぶ)と(2)文化系体育(スポーツの歴史やルールの変遷等を学ぶ)と(3)スポーツ系体育(自らスポーツを行いながらスポーツを学ぶ)の3種類があるが日本の体育教育は誰もそのことに気付かず(3)しかやらないのが問題。だからスポーツの国際組織でルール改正などに携わるようなスポーツマンが生まれない…などの話をしたあと帰宅。なんやしらん長期旅行したような気分。オーバーかな(笑)。

1月15日(火)つづき
大船駅前ルミネで滑りにくい靴を買って履き替えてから自宅へ。でないと革のビジネス・シューズでは残雪とアイスバーンの坂道を歩けませんからね。久しぶりに自宅に帰った気がして仕事。『AERA』と産経新聞社会部大阪市担当記者から電話取材。もちろん桜宮高校の体罰…というより暴行障害自殺追い込み事件について。前の項目で書いたようなことを話す。加えてかつて高校野球の取材で見た「体罰」がいかにヒドイものだったかということとそれを見ていた主催新聞社の記者がまったく記事にしなかったことなどを話す。スポーツ記者なら誰もが知ってることですけどね。晩飯後に孫と一緒に『モンスターズ・インク』を見ていると(ディズニー&ピクサーのアニメはナンデモカンデモなかなかオモシロイ)産経記者から再び電話。橋下大阪市長が桜宮体育系の来年度入試を止めて体育教育のあり方を体育コースの廃止も視野に入れて考え直すとか…う〜ん…。難しい問題。前の項目で書いたようなことに誰も気付かないならそれも仕方ないがスポーツ教育の素晴らしさはIOCがユース五輪を始めたことでもわかるように世界的に認められ始めたことなのに…。先に書いたことを少々詳しくもう一度書いておく。体育教育には3つある。(1)理科系体育(身体の構造や機能をスポーツを通して学び理学療法やスポーツ医学に通じる分野を学ぶ)。(2)文化系体育(スポーツの歴史やルールの変遷等歴史的事象を中心にスポーツを学んだりスポーツクラブの経営論やスポーツ教育のあり方など史学・経済学・経営学・教育学をスポーツを通して学ぶ)。(3)スポーツ系体育(自らスポーツを行いながらスポーツを学ぶ)。日本の体育教育は(1)(2)に気付かず(3)しかやってこなかった。だからスポーツの国際組織に加わったりルール国際的な改正に携わるようなスポーツマン(スポーツ関係者)が生まれてこなかった。桜宮高校の不幸な事件をきっかけにして今こそ「真のスポーツ教育」の存在に気付き「真のスポーツ教育」を始めなければ!!あ。いま気付きましたがパラリンピック系のスポーツには体罰などあり得ませんからね。体罰は必要…とほんの少しでも思っている人(体育の先生方)はその理由やその意味を考えるべきでしょう。

1月16日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。桜宮高校事件に関して「3つの体育教育」について話す(昨日の本欄参照)。放送は<a href="http://rkbr.jp/stamina/" target='_blank'>http://rkbr.jp/stamina/</a>に録音がアップされています。興味のある方はお聞きください。大島渚さん死去でお供えの花を御自宅に送る。一番最初にお逢いしたのは小生が『プロ野球大事典』を出版した直後に『3時のあなた』というTV番組で御一緒したときだった。息子さんが拙著を手にして一緒に来られてサインしたのを憶えてる。その後拙著『定本長嶋茂雄』で小田島雄志先生と小生と鼎談していただいたりいろいろお付き合いさせていただいたがJリーグの優秀放送賞の審査員を何年か御一緒にさせていただいた折に「バカヤロー!玉木の意見はいつからそんなにヤワになったんだぁ!」と怒鳴られてことがあった。まったく有り難い御指摘で「ありがとうございます」と御礼を言うと「わかればいいんだ」とおっしゃってくださった。車椅子になられてからは小山明子さんと御一緒にお逢いしたこともあったけど…ともかくいろいろありがとうございました。心から感謝です。合掌。

1月16日(水)つづき
ラジオのあと『サンデー毎日』に東京五輪招致の原稿を書いて送って夕方から東京都心へ。久しぶりに今はなきスポーツ雑誌『スポーツ・ヤァ』の編集長だったH氏と都内の某ホテルで待ち合わせて上杉隆サン村上隆保サン藤本純一サン後藤崇サンらNews-LogのスタッフとSprts-News-Logの新規開設について打合せ。ネット新聞のやり方についていろいろ教えていただく。いろんな意見の執筆者を揃えていずれはSprts-News-Logとして独立する予定だが形を整えることより今のNews-Logのなかで順々にスポーツ部門を拡大していってやがて(数か月後に)独立するほうが良いということで納得。同時に独立に備えてテスト版作りも…というわけでまったく新しい「ネット・スポーツ新聞」の創刊に向けて動き出しました。ナルホド一番大切なことは小生自身が「旧紙媒体」の発想から完全に離れることかもしれません。ヨシ!頑張りましょう!御期待ください!「新しいスポーツ・ライティングの世界」を創造&確立したいですね。News-LogのURLは次の通り。<a href="http://news-log.jp/" target='_blank'>http://news-log.jp/</a>現在執筆者別の週間アクセスランキング1位は小生であります!(笑)。桜宮高校事件に関する原稿も早く送らねば…。

BOOK
中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇』(文藝春秋)
中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇』(文藝春秋)
中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋)
中野京子『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋)
百田尚樹『「黄金のバンタム」を破った男』(PHP文庫)
百田尚樹『「黄金のバンタム」を破った男』(PHP文庫)

1月17日(木)
朝から新聞社や通信社の記者からいろいろ電話。「桜宮高校事件」で大阪市の橋下市長がいろいろ動いてるらしい。まかには衆議院選挙がイマイチ上手く行かなかったのでこれをきっかけに挽回を…ではないか…という記者もいるけどここは素直に改善策と取り組んでると考えたい。しかし体育教育に「3つの体育教育」があるということは御存知ないやろなぁ(昨日の本欄参照)…と思いながら新幹線で大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演…の前に隣の「ジュンク堂&丸善」に寄って本を眺めて2冊購入。『中野京子と読み解く名画の謎旧約・新約聖書編』(文春)と百田尚樹『「黄金のバンタム」を破った男』(PHP文芸文庫)を購入。レジで支払いをしていると隣のレジに並んでた人から突然挨拶されてソレがMBSお天気キャスターの今出さん。以前は桂南光さんと同じ場所でバッタリ。本屋さんで逢うのは年長者ばかり?(笑)『ぷいぷい』の生放送ではもちろん「桜宮高校事件」が取りあげられる。石田ディレクターが「調査&原因究明をすっ飛ばして解決策に走りすぎ」と見事な指摘。そう言えば橋下市長は謝罪も少し遅かった。石田さんに教わったことだがこういう問題の処理は「シャ・チョーさんゲン・カイです」の順序に進めるのが鉄則だという。つまり「謝罪・調査・原因究明・解決策」の順だという。憶えておきましょう。『ぷいぷい』では小生のホームページの本欄を見ていたディレクター氏が「3つ体育教育」をパネルの文字にしてくれていてについて喋ってほしいとのことで思い切り喋らせてもらう。地方のTV番組は喋りやすい。それはともかく番組冒頭では今年の初出演ということで今年挑戦してみたい新しい世界…を訊かれて「育爺」と答える。孫に数学と英語を教えて宇宙物理学者&宇宙飛行士にしてJAXAに入れてNASAとの共同で火星に行って「火星は赤かった」と言わせたい…って言い過ぎかなぁ(笑)。キッチンぷいぷいでめちゃめちゃ美味しい酢豚を食べさせていただいて帰宅。途中共同通信から携帯に電話があったのでまた桜宮かと思たら高野連のプロ野球経験者の指導者条件緩和について。歓迎できることではあるけどアマ野球監督(指導者)のライセンス制度を確立してほしい…と答える。小生がスポーツライターとして高校野球をいろいろ取材していたときは練習中の「激しい暴力」は日常茶飯…とまではいかなくても強豪校の名監督はかなりやってましたからね。主催新聞社の記者はもちろん見て見ぬふり。今はどうかは詳しくは知りませんけどそんな過去の実態が桜宮高校事件につながったはずですから……。

1月18日(金)
相変わらず…などという書き方をするのは不謹慎かもしれないが「桜宮高校事件」でメディアからの電話が相次ぐ。これを機会にメディアの方々にも「体罰の無意味さ」「スポーツ教育の奥の深さ=面白さ」を知ってほしいのでどんな問い合わせにも丁寧に答える。他に某友人からの電話で指揮者の井上道義さんが北朝鮮の平壌で指揮をすることを知る。午後になって梶本音楽事務所のMサンからメールが入り井上さんは朝鮮国立交響楽団と万寿台芸術団合唱団を指揮して平壌人民劇場でベートーヴェンの『第九』を演奏するという。井上さんは2度目の招待で『第九』は北朝鮮初演とか。独唱は男声が日本人2人。女性は朝鮮人ソリストらしい。ロリン・マゼールがNYフィルを率いて平壌公演をしたDVDが出ていたように記憶しているけど…。聴きに行く価値は大いにありそうですが…。関係ないでしょうがアルジェリアでの事件もあることで…。終日雑務に追われて原稿書けず。近頃は晩飯映画劇場が滞ってるなぁ…と思いながらTVもDVDもないダイニングで食事。消化にはいいようですね(笑)。中野京子サンの『名画の謎 聖書篇』読みながら早よ寝る。めっちゃオモシロイと思ううちにZZZZZZZZZZZZ。

BOOK
J・ネイスミス『バスケットボールその起源と発展』(YMCA日本キリスト教書販売)
J・ネイスミス『バスケットボールその起源と発展』(YMCA日本キリスト教書販売)
村田諒太『101%のプライド』(幻冬舎)
村田諒太『101%のプライド』(幻冬舎)

1月19日(土)
「桜宮高校体罰自殺誘発事件から学ぶこと」と題して自分なりにまとめておこうと思ってコレまでのナンヤラカンヤラのブログを整理。News-Logに原稿を送る。物事を考えるときは反対語を考えてみろ…というのは大学の授業で小生がよく口にすること。「文化」の反対語は「武化」ですね。「ジャーナリズム」の反対語は「アカデミズム」で「スポーツ」の反対語は「体育」か?「体罰」の反対語は「言葉の力」ですね。午後はRKB毎日放送の『あべちゃんトシ坊こりない二人』という番組電話出演して桜宮高校バスケ部の事件に対する感想を話したあとサッカー高校選手権決勝TV観戦。京都橘高校が最近はスポーツ校として活躍目覚ましいらしい。昔は女子高でカルダンのデザインした制服が光ってた。そういえば大阪市立桜宮高校も最初は女子高だったはず。新たに男子を迎え入れる場合はスポーツが中心(ウリ?)になるものなのか?しかし大学入試センター試験と同じ日に高校生のスポーツの試合をするというのはいかがなものか?そう言えば夏の高校野球の予選も多くの高校が期末テストの時期に行われる。スポーツ系高校生は学業などどうでもいい…とメスメディアが宣言しているようなものではないか?…などと思いながらバスケットボールの考案創作者であるジェイムズ・ネイスミスが書いた『バスケットボールその起源と発展』(YMCA出版)を本棚から引っ張り出してパラパラと読み始める。この本は人工的に新しいボールゲームを作った男の記録として必読。おおーっと。ネイスミスさんは1937年に76歳のときに67歳の奥さんを亡くしてるのか。そして2年後の77歳で56歳の2番目の奥さんと再婚。その数か月後に78歳の誕生日を迎えたあと自らも亡くなっている。牧師にして体育教師にして医学者にして第一次大戦参加者にしてベルリン・ナチ五輪にも参画していたらしい。バスケットボール以外の人生もチョイト知りたくなった。今日は物書きとして東京で自立した甥っ子が出勤用にクルマの免許を取得してクルマを買った次女にクルマの運転を教えに来ていた。何しろ我が家で初の普通免許取得者ですからね。よろしく。小生は中学時代に自宅電器屋の番頭さんから軽トラックの運転方法を教えてもらって運転の下手な親父に代わってマツダM360のハンドルを握って洗濯機や冷蔵庫を配達した経験はある。お巡りさんには無免許運転が2度見つかったことがあるけど軽トラの荷台に積んだ荷物と赤白青の派手なナショナル・カラーと助手席に座った親父の自分の免許見せながらの「ワシが運転下手なモンでやらしてまんねん」という説明で2度とも「早よ免許取れよ」で見逃された。そんな時代だったうえに免許を取ると電器屋のあとを嗣がされる…と思った高校生のとき以来自動車とは縁がない。最近のクルマなどサッパリワカラン。なんでドアが勝手に開くねん?なんでサイドブレーキが足元にあるねん?こんなんで坂スタートどないすんねん?けどF1のことは勉強して何度も取材しましたけどね(笑)。まあ事故のないように…たのんまっせ。夕方指揮者の井上道義さんから電話。北朝鮮へのツアーに参加しませんか…で彼が一度行った北朝鮮の話を聞く。メチャメチャ興味あるけどスケジュールが…。一昨昨日H氏からいただいた五輪金メダリスト・ボクサー村田諒太サンの著書『101%のプライド』を読みながら寝る。やっぱりイイ先生との出逢いが大事なんやなぁ。イイ先生と思うのは個人によって違うものか…?ZZZZZZZZZZZZZ。

DVD
『長ぐつをはいたネコ』
『長ぐつをはいたネコ 』
BOOK
シャルル・ペロー・著/澁澤龍彦・訳『長靴をはいた猫』(河出文庫)
シャルル・ペロー・著/澁澤龍彦・訳『長靴をはいた猫』(河出文庫)

1月20日(日)
朝『題名のない音楽会』で久しぶりにマーラーを聴く。佐渡裕サン指揮6番。今年はワーグナーとヴェルディの生誕200年+ストラヴィンスキー春の祭典初演100年とはいえやっぱりマーラーはエエなあ…と再確認。黒兵衛と散歩のあと御近所で親しくさせておらってた方に不幸があったので女房と花を届けに行く。大島渚監督&大鵬横綱に続いてこういう事態は集中するものなのか?家に帰ってくると隣家からガリガリと氷になった残雪を取り除くスコップの音。覗くとオバアサンが細い通路に溜まった雪氷を壊して裏口のドアの前を歩けるように…ソレはオバアサン!無理でっせぇ…とスコップを手にやってあげる。時給500円で結構ですから…腰痛めたら治療費は請求しますから…と無駄口叩きながら少し汗ばむいい運動。たっぷり昼寝して仕事して晩飯後アニメ劇場は『長靴をはいた猫』。スピルバーグ&ドリームワークスの作品でシャルル・ペローの原作からは大きく逸脱してハンプティダンプティが出てきたりジャックと豆の木につながったり…。結構面白かった。『キャンディード』のアニメ版もこんな感じがイイかも…。

1月21日(月)
朝早く迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。「シャチョーさんゲンカイです」について話したり(17日の本欄参照)大鵬さんや大島渚さんの逝去について。昭和が去って行くわけでコノ時期に東京が2度目の五輪招致に挑んでるのは新しい日本にとっても新しい五輪にとっても意義深いことのはずだが…ただ日本を元気に…なんてことではないはずですよね。帰宅。仮眠。仕事…のあと夕方から築地本願寺へ。大島渚さんのお通夜出席。香典を受け取られないのは京都人らしい行為か。広い僧院内の中央の祭壇の両端にスクリーンがあり開始を待つ間に大島監督の映画。葬儀の席にセックスシーンや絞首刑は大島監督らしい。篠田正浩さんや山田洋次さんや多くの関係者が席についてお通夜の「儀式」開始。私の一番好きな大島映画は『儀式』と『マックス、モン・アムール』でした。読経は建長寺の住職。ふ〜ん。本願寺でこういうこともできるのや。大島監督の写真に睨まれながら焼香。葬儀委員長の崔洋一さんや明子夫人や息子さんにご挨拶。配られた「渚」と銘打たれた手帖大の紙に『深海に生きる魚族のように自ら燃えなければ何処にも光はない』という大島監督が大好きだという歌人・明石海人の詩が大島監督の直筆で印刷されていた。合掌。急いで帰宅してJ-Wave『Jam The World』の『The Cutting Edge』というコーナーに生電話出演。桜宮高校体育系クラスの入試中止を受けて体育教育の時論を喋る。ラジオや地方のTVでは有名スポーツ高校(とりわけ野球「名門」校)で「体罰」を散々目撃したことやTVで高校スポーツを称賛しすぎる…ことを喋れるのに東京キイ局では喋れない…ものかなぁ…?

DVD
『宇宙人ポール』
『宇宙人ポール』
CD
『ヴィヴァ・ヴェルディ〜序曲・前奏曲集』
『ヴィヴァ・ヴェルディ〜序曲・前奏曲集』
『チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》他』
『チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》他』
『ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/クララ・シューマン:3つのロマンス』
『ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/クララ・シューマン:3つのロマンス』
『エルガー&カーター:チェロ協奏曲』
『エルガー&カーター:チェロ協奏曲』

1月22日(火)
朝女房と東京世田谷上野毛へ。善宗寺というお寺で行われたテノール歌手佐野成宏さんの岳父にあたる御近所さん(元藤原歌劇団歌手)の葬儀に出席。佐野さんが御挨拶で歌われるかと思ったが『忘れな草』の歌詞を朗読されただけ。ちょいと残念。出棺はオペラの幕と同じ大拍手で。いい葬儀でした。帰宅して仕事。BGMはユニヴァーサルから送られてきた新譜CD。シャイー指揮ミラノ・スカラ座管の『ヴェルディ序曲前奏曲集』。これは緊張感に溢れた素晴らしい演奏でした。ヴェルディ生誕200周年で続けてどんなCDやDVDが発売されるのか楽しみ。続けてチャイコフスキー『悲愴』。ネゼ=セガン指揮ロッテルダム・フィル。コレも立派な演奏。逆に最近のクラシック界はナンジャコレは!?と言いたくなる演奏が少ないのが不満。『悲愴』よりむしろ女流ヴァイオリニストのバティアシュヴィリとネゼ=セガンがピアノを弾いた小品『ロマンス』が面白かった。バティアシュヴィリはティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンとのブラームスVn協も面白かった。さらにピアノのアリス沙良・オットとのクララ・シューマンの作品『3つのロマンス』も面白かった。さらに女流チェリストのアリサ・ワイラースタインとバレンボイム指揮ドレスデンによるエルガーのチェロ協も面白かった。初めて聴いたエリオット・カーターなんて作曲家のチェロ協も。最近のクラシック界演奏家は女流の天下かな。夕方電話をかけてきた某新聞記者と日本の体育会の体罰について話し合う。座禅の警策とも関係があるのかな?罰策となると背中が蚯蚓腫れになるくらい打擲されるらしいがスポーツで試合に負けたことが「罰」の対象になるはずがない。練習をサボったり真面目にやらなかったことも「罰」する必要はない。スポーツはやるのもやらないのも自由だから。スポーツではなく体育だとしても「罰」は言葉で説得するのが教育だろう。晩飯後映画劇場は『宇宙人ポール』。はははは。これはなかなかオモロイSF映画でした。『E.T.』や『未知との遭遇』のパロディ満載。ナチュラルな普通人として汚い米語を話す宇宙人が綺麗な英語を話すオタク英国人に感動を与える。ははは。こーゆー愉快な映画の一方で世の中には不愉快な出来事も。寝よ。

1月23日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。今回も桜宮高校体罰事件について。顔面を30発も40発も殴られて自殺者が出たのにまだ体罰は必要とか愛のある体罰は有効などと口にする人がいるのには驚かざるを得ない。私自身言うことを聞かなかった子供には何度も手をあげたことがある。今後孫の頭をポカリとやることもあるかもしれない。だから思わず手を出してしまった親や先生を責める気はない。しかし体罰を認める気は微塵もない。どんな理由があろうとそれを指導や教育とは認められない。この件については多くの人からメールをいただいた。が申し訳ないことに返事は書ききれません。本欄にも書ききれない。まったく不幸なことに武力と暴力の絶対否定である民主主義社会から生まれたはずのスポーツが我が国では指導と教育の名のもとに暴力の温床になっている面すらある。民主主義もスポーツもさらに教育制度も明治の文明開化時に輸入して以来まだ消化し切れてないのかもしれない。学校体育や部活動だけでなく町のスポーツクラブにも体罰や暴力を堂々と行使しているスポーツ指導者がいることも知っている。だから現状のまま学校体育からクラブスポーツに移行しても問題の解決にはならないだろう。しかし体育教育やスポーツによって命を落としたり心の傷を負う子供たちを少しでもなくすために「スポーツとは何か」という知識を広める必要がある。ここには書ききれないが今後今週末発売の毎日新聞スポーツ面『時評点描』爛や来月早々発売の地方新聞『現論』欄(共同通信配信)や来月20日発売の『新潮45』やネット新聞News-Logで徹底的にこの問題を取りあげる(体罰容認論を粉砕する)つもりですので興味ある方はそちらをお読みください。

CD
『クルト・ワイル:七つの大罪/ソング劇マハゴニー』
『クルト・ワイル:七つの大罪/ソング劇マハゴニー』
『スピーク・ロウ/オッター・シングズ・クルト・ヴァイル』
『スピーク・ロウ/オッター・シングズ・クルト・ヴァイル』

1月24日(木)
早朝5時から原稿書き。俺は基本的に夜型ではなく朝型。それは受験勉強時代から同じ。夜は基本的に酒と読書の時間だった。大阪桜宮高校体罰自殺誘発事件に関する共同通信原稿を書きあげて毎日新聞も書きあげて昼飯食って気分を変えてヤナセPR誌にストラヴィンスキー春の祭典初演100周年の記事を書き出したところで共同通信の担当者から電話。原稿の長さが35行も足りないという。ぎょえっ!!なんでやねん?!一度書いた下書きを泣く泣く50行くらい切って縮めたから元に戻すのは苦ではないけど元通りに戻らんところがオモシロイ。そー言えば武満徹の『音、沈黙と測りあえるほどに』という本にある日本語の文章を英訳してそれを和訳した3つの文章が並んでいた。最初の日本語と最後の日本語はもちろん異なる。話題がチョット違うかな…と思いながら書き直し完成。毎日新聞の原稿は締切が明日なので明日もう一度読み直して完成することにしてストラヴィンスキーもほっぽり出して本を読み出す。机の横に積みあげられていた田中久美子・監修『ヴィジュアル新書地獄八景』(ベスト新書)をパラパラ読み出す。そうか。世界にはいろんな地獄があるのですね。それを怖れて人間は善行に励むのか…いやコノ素晴らしい加虐被虐愛と見紛うばかりの数々の地獄絵を見ていると地獄はそれ自体が人類の思い描いた一つに理想像にも思えてくる。そういえば仏教の定める八悪行のうち殺生・偸盗・妄語(嘘言)・犯持戒人・五逆(父母や聖人の殺人)は理解できるが邪淫・飲酒・邪見はチョイト?。騎上位でセックスした女性は衆合地獄の割刳処という小地獄へ落とされるらしいが(なんで女性だけやねん?)ならば現代女性は全員…?それはともかく「体罰」などという「罪なき罰」も地獄観が背景にあるのか?そういえば先日読了した中野京子『名画の謎』にはキリスト教の七つの大罪(傲慢・貪欲・淫乱・憤怒・大食・嫉妬・怠惰)のほかにガンジーが考えた「新七つの大罪」が紹介されていた。それは「原則なき政治」「道徳なき商業」「労働なき富」「人格なき教育」「人間性なき科学」「良心なき快楽」「犠牲なき宗教」…お見事!と思わず失礼ながら言いたくなる。ちょっと反論したくなる項目が一つしかありませんからね。2008年にヴァチカンが発表した21世紀の「七つの大罪」も紹介。「遺伝子組み換え」「人体実験」「環境汚染」「社会的不公正」「貧困を起こすこと」「淫らなまでに金持ちになること」「麻薬」…ふ〜ん。金持ちが天国に行くのは駱駝が針の穴を通るより難しいと言ったイエスの言葉は撤回?淫らでなければ金持ちもOK?しかしセックスの項目が消えたのは現代的かも。とはいえアメリカ大統領が聖書に手を置いて宣誓してるのに遺伝子組み換えやら貧困やら…あ。プロテスタント系はヴァチカンとは無縁か。クルト・ワイルのミュージカル『七つの大罪』のCDでも聴きながら寝よ。

DVD
『あしたのパスタはアルデンテ』
『あしたのパスタはアルデンテ』

1月25日(金)
朝毎日新聞の原稿を書き直しながら少し長かった原稿を短く整理してメール送稿。これで体罰関連の原稿はちょいと休んで金土日は音楽と歌舞伎の原稿を…と思って明日のオペラ講座で取りあげるジョルダーノの『アンドレア・シェニエ』について調べてレジュメを仕上げてたら毎日新聞の担当者から電話。原稿がいつもより20行ほど足りないとか。ぎょえええええええ!!??昨日も共同通信の原稿で同じ間違いをやらかした。なんでやねん?!?原因不明。疲れてるわけでもない。歳か?阿呆な。マイッタナ。しかし書き足すのは下書きから泣く泣くカットした部分を復活させればいいだけのことだから難しくない。しかし元通りにならないところがオモシロイ。そーいえば武満徹の『音、沈黙と…というのは昨日も書いた。進歩がないなぁ…と思いながら毎日新聞に修正原稿を送って遅い昼飯のあと明日のオペラ講座のレジュメを送って雑務の一方で明後日書くか吹き原稿の資料を整えて…久しぶりの晩飯後映画劇場はイタリア映画『あしたのパスタはアルデンテ』。ぎゃはははは…と笑いながら真剣になれる真面目なコメディ。大パスタ工場を経営する名士の後継者の長男が自分がゲイであるとカミングアウト。しかもそれは次男が自分がゲイであるとカミングアウトして家を出て行き作家になると長男に相談した翌日のこと。ショックで倒れる父親。カミングアウトに出遅れて工場の後継に指名された次男。共同経営者の少々レズ気味かと思える美女と工場で働くうちにヘテロになりかけたところへローマのゲイ仲間が大量に押しかけて…糖尿病の祖母はお菓子をイッパイ…いやあテンヤワンヤの素晴らしい映画でした。しかし女房や次女に「アルデンテってどーゆーいみや?」と訊いてもパスタの茹で加減が同の…噛んだ感じ同のがどうの…というばかりでワカラン。辞書で調べてalはa+ilの前置詞。英語で言えばon the,at the,in the…てな感じ。デンテdenteは歯。要は歯ごたえがあるってこと。ナルホド。原題はイタリア語でMine vaganti…詳しく直訳すれば…場所の定まらないフラフラした多くの地雷…てなことになるか。英語のタイトルはLoose Cannons…意味はまったく違うけどパスタ工場経営者家族の家庭劇に「明日のパスタは噛み応え十分」という邦題も悪い訳ではないですね。武満徹さんならどう言うかな…。

CD
『アンドレア・シェニエ』
『アンドレア・シェニエ』
DVD
『アンドレア・シェニエ』
『アンドレア・シェニエ』

1月26日(土)
本HPの大阪の読者の方から数多くメールをいただいてありがとうございます。体育指導スポーツ指導において「体罰」はほんの少しもあってはらないし不要なもの…という小生の主張に対して賛成する声が多い一方少しくらいの「体罰」は認めるべし…という声がまだあるのには正直言って驚き情けなく思わざるを得ない。そんななかに去年のプロ野球の日本シリーズで巨人のキャッチャー阿部がピッチャー沢村の頭をポカリと叩いたくらいはいいのではないか?という意見がありました。そんなものは良し悪しで語る問題ではなく情けないの一言です。マウンドの上で緊張しきってミスだらけで叩かれなければ目覚めなかった沢村も情けない。ポカリとやられても腹も立てなかった沢村は二重に情けない。阿部もきっと情けないという気持ちで思わずポカリとやってしまったと信じたいですね。これを「認める」とか「認めない」とか言うから話がおかしくなる。衆目のなかで大の大人のしかもプロが恥ずかしいと思え!と言うだけのことです。新幹線が雪で止まってないことを祈りつつ名古屋へ。中日栄文化センター『オペラ講座』の今回はジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』。同じ台本作家のイリッカが台本を書いたプッチーニ『トスカ』との類似点に注目しながらデル・モナコとテバルディによる1961年の来日公演を楽しむ。マッダレーナのアリアはマリア・カラスにトドメを刺すと思ってたけどこのテバルディもスゴイものです。最後のモナコとの二重唱も圧巻。受講生の人も楽しんでもらったようで7月の西宮芸術文化センター佐渡裕プロデュースのオペラ『セビリャの理髪師』のツアーの話もして外に出ると名古屋は吹雪。うわあ新幹線が止まらんように…と再び祈りながら孫に土産のウナギパイを買って帰宅。

1月27日(日)
朝『題名のない音楽会』でトランペッターのオモシロイ話を存分に楽しんだあと(やっぱりガレスビーとマイルスはスゴイですね)黒兵衛と散歩して机の虫。音楽&歌舞伎の原稿を仕上げて…とはいうもののやっぱり体罰問題の資料整理が尾を引いて電話もいろいろかかってきたりかけたり…でNews-Logに原稿送ったり本HPの更新原稿を整理したりも加わって歌舞伎は何とか仕上げたけど音楽のほうは編集者に締切伸ばして…と泣きついた。こーゆーのはプロの物書きのやることではないですけどシャーナイですね。そーいえば本欄のある読者から最近は関西弁が減りましたねえと言われる。確かに。やっぱりオチャラケに思われる面があるのかなあ…とも思ったりしたもんで…あっという間に夜。明日早いから早よ寝なければ…。

1月27日(日)つづき
昨日書き忘れたことをチョイト書いておきたい気になった。大阪国際女子マラソンを昼飯食べながら後半20キロくらいからテレビで見た。福士選手が2位になったのは残念。世界レベルに較べるとタイムも良くなかった。それに彼女の明るく走る姿は気持ちいいけどインタヴューに答える姿は行儀が悪い…と私は思う。やはりこういう態度は注意する人がいないとイケナイだろう…と私は思う。千秋楽。横綱対決。いい勝負でした。日本の大相撲は今やモンゴル人に担われてますね。

1月28日(月)
朝早く迎えのクルマで文化放送へ。『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。東大野球部を元巨人桑田真澄投手が教えたことについて…そんなもんマスメディアが取りあげるべきニュースでも何でもないという話をする。当該大学生とOBだけが騒ぐべきもの。特に日本の野球は特権意識と派閥意識で成立している反スポーツ的組織。ジャーナリズムがそれを助長してはいけない。いや野球界だけでなく体育界全部がそうか。現在の「体罰問題」でもメディアが高校や大学の勝利至上主義を煽ってるモンなぁ。他に二所関部屋閉鎖の話題。大相撲は日本社会の鏡。大家族が崩壊して核家族になって本家が潰れたわけ。今更部屋付き親方制度の復活推進もならん…サテ日本(大相撲)の未来はどんな家族制度の社会になるのか…と番組を終えて新幹線で新大阪へ。やはり桜宮高校をコノ目で見ておきたかったので新大阪から大阪へ。環状線で桜宮へ。桜宮から高校まで歩くと30分以上かかる相当の距離とはわかっていてが大川沿い淀川沿いを歩いてみたかった。雪空が通り過ぎて晴れあがった真っ青の青空の下大川沿いの河岸公園の桜並木が淀川とぶつかると広々と広がった美しい眺望が開ける。行き交う人はジョガーかサイクリスト。空に伊丹空港に着陸するジェット機が静かなエンジン音を響かせ大きな期待を見せる。遠くに微かに響く電車の音と町の喧噪を聴きながら広い堤防を歩くとデザイナーズ・ビルディングと見紛うばかりの斬新なデザインの高校校舎と体育館が目に入る。周囲は静かなアパート群。大都会の真ん中とは思えないイイ環境。ただし近づくと高さ2メートルチョットの塀で周りが囲まれているのはちょっと異様。後者の窓にはすべてカーテン。この日はゼロだったが取材陣が大勢詰めかけたせいか?運動場では臙脂のジャージ姿の男子生徒と女子生徒がそれぞれ30人ずつくらいに分かれて体育の授業を受けている。明るい歓声が響く。淀川の堤防沿いを散歩していた何人かの地元の人に「アンタぷいぷいに出てる人やろ?」と言われながら興味深い地元高校の話を聞くことができました。それは別のメディアで。新幹線でグッスリ眠って新横浜から町田経由で桐蔭横浜大学へ。スポーツ健康政策学部の先生と「大学の体育教育と体罰」についていろいろ意見を交わす。やっぱり高校の体罰問題は指導者の大学での過ごし方に端を発してると言わざるを得ませんね…といろいろ話して小田急藤沢経由で帰宅。今月から次女が自分の自家用車で駅まで迎えに来てくれるようになった。ベンリベンリ。大船自動車さん。タクシー使わなくなってスンマセン。メシ。フロ。ネル。長い1日でした。

1月29日(火)
動きまわって長い1日を過ごした昨日とは一転して机の虫の1日。桜宮事件の資料整理+短いコラム書いて明日に備える。マハトマ・ガンジーが「新七つの大罪」で唱えた「人格なき教育」なんて言葉も原稿に入れることができるかなあ…などと思いながらいくつかの編集部に電話していくつかの締切を調整してもらって(早い話が今週の原稿締切が書ききれないので送らせてもらって…すいません)孫を風呂に入れてベッドにもぐりこんだら深夜某新聞社から電話。ロンドン五輪女子柔道チームの監督やコーチの暴力行為とセクハラもどきのパワハラ事件が発覚したとか。明朝のスポーツ新聞一面はすべてソレになるだろう…ってコレを書いてるのは木曜の朝ですけど一日ゆっくり過ごしたりすると大変なことになるモンですね…マイッタ。

1月30日(水)
朝早く5時頃起きてせっせせっせと桜宮高校事件についての少々長い原稿書き。8時過ぎからRKB毎日『中西一清スタミナラジオ』電話出演。テーマはもちろん女子柔道五輪代表選手に対する監督コーチの暴力事件。こういう暴力事件が起こるのはスポーツのレベルの低い(世界的に強くない)競技団体…と常々主張してきた小生にとっては五輪代表監督コーチでも桜宮高校その他の高校スポーツや大学スポーツのレベルと同じことが起きてしまったコトには衝撃もあった。しかいソレは日本の柔道のレベルが低く国際標準になかったということ。五輪や世界選手権での長期凋落傾向が示してる。「お家芸」のアドバンテージがなくなり日本の狭い世界に閉じこもっていても勝てた時代は終わったのに過去に暴力で育った人が暴力を使ってしまったということ。スポーツとは何か?ソレは暴力的な営みをルール化して非暴力化したゲームであるということ…つまりスポーツとは反暴力で暴力から最も遠く離れた世界にあること…ということを日本の柔道(スポーツ)指導者が全然勉強してこなかった証拠。RKBの電話を切ったところから電話がジャンジャンTVの出演依頼。とはいえ今日は『新潮45』の少々長い原稿の締切日。TBS・テレ朝・フジの昼夕番組スタジオ生出演依頼をお断りしてVTR出演と電話出演なら…ということで大船のホテルでのNHK・TBSのニュースVTR出演&YTV『ミヤネ屋』RKB『今日感テレビ』の電話出演を引き受ける。そこへよーやく今日の長い原稿締切の編集担当者と電話が通じて締切を明日に延ばすことを了承してもらう。大船のホテルでVTR撮りと電話出演をこなして帰宅するとNHKから深夜0時からの『ニュースWEB』の出演依頼。こーなったらやったれ…と引き受ける。少々仮眠。長い原稿の続きも少々書いたあと風呂晩飯。迎えのクルマに乗ってNHKへ。共演はなんとバルセロナ女子柔道銀メダリストの溝口紀子さん。フランス柔道のコーチも経験し静岡文化芸術大学准教授で客員教授の小生とは何度か一緒に学生たちに講義をした人物。こういうスポーツ界の良識派リベラル派が存在するのは救い。女子柔道五輪代表監督とは懇意でその性格と実力を認めながらも「暴力」で育てられた「経験」が出てしまったことに対して選手たちが立ち上がったことを支持するためにテレビ出演…という彼女の意見は見事!柔道の話は溝口先生に任せて小生は日本のスポーツ指導者たちのスポーツに対する勉強不足&認識不足の持論を展開。短時間だったけど無理して出てよかった。出演前にNHKのスタッフと雑談。昼間取材を受けたTVスタッフのなかに高校時代「暴力指導」を受けた元バレーボール選手がいたけどバレーボールの「バレー」ってどういう意味?と訊いたら答えられなかった…という話をするとNHKのスタッフの一人が自分もバレーボールやってたけど答えられない…というのでサッカーのボレーシュートやテニスのボレーと同じVolleyが日本語的に変化したものと教えてあげる。地面にボールをつけずにVolleyでボールを打ち合うからVolley Ball。だからヘディングで返してもイイ…という説明に元バレー選手はナ〜ルホド〜と納得。日本の体育&スポーツ教育ってスポーツのことを何も教えてくれませんからね。もちろんスポーツが暴力の対極にあるということも…。長い1日が終わってビール飲みながらタクシーで帰宅。寝る。溝口先生!明朝の『朝ズバッ!』頑張って下さい。立ち上がった女子柔道選手のために…。あ。柔術から柔道を作りあげた嘉納治五郎が柔道の稽古で大切なのは「型・乱取り・講義・問答」と言ってたのに現在は「講義・問答」が忘れられてるということを喋ろうと溝口先生と打ち合わせたのに喋るの忘れたかな…いや喋ったかなあ…いろいろあると記憶がなくなるなあ…まぁ小生なりにガンバッタ一日でした…ZZZZZZZZZZ。

1月31日(木)
終日原稿書き…のつもりが電話ジャンジャンで神経集中できず。まいったなあ。けどマァ日本のスポーツ界の恥部とも言うべき「暴力行為」を訴えた選手たちをとにかく支援しなければ…とイロイロ電話取材に対処しつつ原稿書き。こういうときは上手く書けんもんです。とはいえプロなら何とか…と思いながら原稿を書き続ける。依頼は桜宮高校の一件だけだったけど女子柔道に触れないわかにはいきませんらね。せっせせっせ。電話がかかってきて明日の『朝ズバッ!』の出演を引き受ける。背水の陣を敷けば原稿に気合いが入るはず。せっせせっせ。今日だったはずの短いコラムの締切は全て明後日にまわして…ふううー…とにかく仕上げました。明日早いし早よ寝よ。

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