ナンヤラカンヤラ
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DVD
『ロミオとジュリエット』
『ロミオとジュリエット』
『カラヴァッジョ−天才画家の光と影』
『カラヴァッジョ−天才画家の光と影』

5月1日(日)
朝黒兵衛と散歩。昨日ドッグ・トレーナーさんにシャンプーしてもらったので黒兵衛の黒毛はピッカピカ。ナカナカの色艶です。今日は締切もテレビもなくメーデー(労働者の記念日)なので何もせず映画三昧。午前中はジョージ・キューカー監督『ロミオとジュリエット』。ロミオ役のレスリー・ハワードは名前を聞いたことがあるような気がするけどジュリエット役のノーマ・シアラーは聞いたことがない。1936年の映画にしては新鮮。キューカー監督の腕?シェイクスピアの凄さ?午後からは3時間近い大作『カラヴァッジョ』。映像が美しい。撮影監督は『地獄の黙示録』『ラスト・エンペラー』『レッズ』でアカデミー賞3度受賞のヴィットリオ・ストラーロ。イタリアはこういう天才を生むのですね。しかしカラヴァッジョの破天荒な生き方には…俺もココまではやってまへんでぇ。カラヴァッジョ展。行かねば。夜は隣家のPierreさんが明日パリへ帰るというので『鮨処もり山』へ。フランスから持参のシャンパンで乾杯。なんで本場モンはこーも美味いのでしょうねえ。もちろん寿司も。

Blu-ray
『スターウォーズ・フォースの覚醒』
『スターウォーズ・フォースの覚醒』

5月2日(月)
きちんとカレンダーに従って今日は仕事の日。朝黒兵衛と散歩のあとナンヤラカンヤラ仕事して東京赤坂BizTowerへ。毎日放送東京支局のスタジオから『ちちんぷいぷい』生出演。野球賭博で元巨人投手と週刊誌でB氏といわれていた人物が逮捕された一件について。警察による捜査が何処まで及ぶか。反社会的勢力の存在まで及ぶか…。プロ球界を良くしようと思う意志さえあればNPBによる調査ももっと有効にできるはずだが…と話したあと2020年東京オリパラの仮設施設建設費が当初予算の約4倍の3千億円にもなるという話。運営費も2兆を超えるとか…。組織委会長も新国立やエンブレムでの失敗の責任をとらず全体に無責任体制。1964年東京五輪の翌年から赤字国債発行が始まったことを思うと2020年後は何が始まるのか?日本のギリシャ化?マスコミと国民の監視機能を働かせねば…とか話したあと銀座山野楽器へ。目的にしていたDVDがなかったのでブラブラ棚を見ていたらウワッ『スターウォーズ・エピソード7フォースの覚醒』発見。えっ?発売は「フォースと共に(May the Force be with you)」の台詞にちなんだ5月4日(May fourth)だと思っていたのに並んでいたので購入。他にもアレコレ3枚ほど買って芝公園のAvatta Studioへ。『ニューズ・オプエド』生出演。ゲストは広瀬一郎さん。イングランド・プレミア・リーグでクラブ創設133年後の初優勝目前のレスターについて熱く語ってもらったり(『がんばれベアーズ』とは言わないけど『マネーボール』に似てるかな?)2020エンブレムの広告展開について教えてもらったり(デザイナーの藤本貴之さんにも電話出演してもらう)体育の日をスポーツの日に変更することについて馬鹿な体育は大学教授が存在することを批判してもらったり…で楽しく番組を終えて帰宅。晩飯映画劇場で『スターウォーズ7フォースの覚醒』を見る。1〜3よりは面白く特に6の好きな老人ファン向け演出も効果的ですね。老体に鞭打って頑張ったハリソン・フォードも老けたレイヤ姫も最後にちょいと出てくるルークも何やら最近宣伝をよく見る「懐かしのスター・コンサート」みたいだったけどマァいいか。考えてみれば俺が25歳の頃『GORO』で取材したのは最初のスターウォーズのプロデューサーのゲーリー・カーツだった。40年前の話か…。長く続いてるナア。

Blu-ray
『チーク・トゥ・チーク ライヴ!』
『チーク・トゥ・チーク ライヴ!』
『ワンチャンス』
『ワンチャンス』

5月3日(火)
憲法記念日。小生は憲法改正はいつかはやるべきだと思ってますが今の政権にだけはやってほしくないと思っています…といったことを考えながら黒兵衛と散歩。手紙や種類や請求書の処理をやってのける。雑用にはウンザリするけどBGMにかけたブルーノ・ワルター指揮コロムビア交響楽団のブルックナー交響曲9番に感激。平林直哉氏が進めているオープンリール・テープ録音からのCD化だが音の素晴らしさ以上にワルターの堂々たる指揮に感動。雑用も楽しくなる。午後から長女がBFを伴って来宅。赤ワイン2本持参のうえ1か月遅れの誕生祝いにレディ・ガガとトニー・ベネットのDVDをプレゼントしてくれる。早速夕方からワインを飲みながらニューヨークでのライヴに酔う。歌の中味はCDで聴き飽きるほど聴いていたがライヴ映像となるとまた別。80歳を超えたトニーの歌唱も見事だがガガの歌唱力に改めて舌を巻く。お色直しのドレスも見事。いい女ですね。付き合ったら怖いみたいな気もするけど(笑)。続けて長女持参の映画『ワンチャンス』を見る。イギリス階級社会下層階級出身の虐められオペラ好き男の成功譚。単純な物語だけどオペラ好きには喜ばしい映画。パヴァロッティのそっくりさんの登場には仰天。爆笑。長女とBFは孫と遊んで晩飯食って嵐のように去っていって酔いだけが残って風呂入って寝る。

5月4日(水)
みどりの日。たしかに周囲び溢れる新緑の緑を見ながら黒兵衛と散歩。今日は祝日なのでRKBの『インサイト・カルチャー』はお休み。仕事部屋の掃除。一向に捗らん。あきらめて手紙を何通か認める。疎遠にしている友人へ。パーティを欠席した詫び状も。政治的な話しも。手紙はやっぱり直筆でないと行けないと思って便箋に黒インクで書くが相手の読みやすさを考えればパソコン+プリンターのほうがイイのかなあ…と考えながらやっぱり便箋黒インクを選ぶ。書き上げれば夕方。投函にポストまで歩いていき酒屋でビールを買って夕方からオペラ見ながら一人宴会してると夜勤明けの次女と孫が帰ってきて猫の姿に大笑いのテレビ番組に変えられる。ま。それも面白かった。晩飯後はソファでウトウト。キイボードではなく万年筆やボールペンで沢山時を書くと疲れる。原稿をすべて鉛筆や万年筆で書いていた時代が信じられない。20年前まではそーしてのだけど…。深夜に目覚めて風呂入ってベッドに入って寝直す。

DVD
『ハンナ・アーレント』
『ハンナ・アーレント』
『リトルプリンス 星の王子さまと私』
『リトルプリンス 星の王子さまと私』

5月5日(木)
端午の節句。黒兵衛との散歩に孫も同伴。子供の日ですからね。途中の公園で次女(母親)も交えてバドミントン。あかん。足が縺れて動かん。これでもインターハイに出たんやぞー…という言葉は今は昔。とほほ…とは言え当たり前か。午前中なんやらかんやら仕事をして午後からは読書。GWですからね。ゆったりと。『ダークマターと恐竜絶滅』あと少しで読了。疲れると吉田健一の酒に関するエッセイ。飽きるとヴォルフの『カッサンドラ』拾い読み。跳ばし読み。飛ばし読み。重ね読み。再読。熟読。乱読。すべて読書の楽しみ。夕方映画を見ようとすると孫が駒と将棋盤を持ってきた。子供の日ですからね。『ハンナ・アーレント』のDVD流したり(この映画はやっぱり何度見てもスゴイですね。特にアイヒマンの実際の証言シーンは孫と将棋などしていられなくなります)。NHK杯の体操にチャンネルを合わせたりもして(内村航平もスゴイ!)晩飯なので別の映画に…と思ったら孫が『リトル・プリンス』が見たいというのでそれにする。子供の日ですからね。なかなか面白いアニメでした。お受験ママに連れられて引っ越してきた主人公の女の子の隣家のパイロット爺さんはサンテグジュペリ自身がモデルかな?冒険と夢の最後に現実の社会に戻る筋書も嫌味なく面白かった。孫もケッコウ楽しんだようだがココに描かれた大人の世界とはアーレントの指摘した「凡庸な悪」の世界に通じるかも…。お風呂のあとは大人の時間。『鍵』を突然読みたくなって谷崎潤一郎全集から引っ張り出す。子供の日の反動?(笑)うん。『リトルプリンス』の描くヒドイ大人だけでなくセクシュアルな大人の世界も面白いモンです。それは金融経済の世界でなく谷崎の世界ですけどね。

DVD
『じゃじゃ馬ならし』
『じゃじゃ馬ならし』

5月6日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩。世の中はGW開け?幼稚園バスや訪問介護のクルマが走ってる。吾輩は日曜まで休みかな…とはいえ締切日がないだけで映画を見るのも本を読むのも仕事のうち…なんて書くとオキラクでイイですねえとイヤミの一つも言われそうだが昔「輜重輸卒が兵隊ならば蜻蛉蝶々も鳥のうち」などと馬鹿な歌をうたっていた軍隊は負けてしまいましたからね頭への栄養補給も大事なんですよ…と考えながら帰宅して読書。そうか。ダークマターはダークフォースでオールト雲を揺す振り彗星の軌道を変えて恐竜を滅ぼしたのですね…老人はポラロイドカメラで妻の裸の写真を取ったりしてけれど実は妻が取らせていたのかも…ハンナの最後の抗議はスゴイですね…女性監督と女性プロデューサーにして初めて可能になった映画ですね…リズ・テイラーとリチャード・バートンの『じゃじゃ馬ならし』は面白いですねえ…さすがゼッフィレッリですね…で夕方になったので大船の『FLAT』へふらっと酒飲みに。朋友S氏が会社の仲間を伴って呑んでいたところへ参加して歓談。アジアン・テイスト料理に舌鼓。場所を駅前のバー『Kuroccks』に移して吉田健一気分でスコッチを味わう。台湾で作られたコンクールに優勝したとかいうウィスキーもなかなか美味。香りが良かった。楽しい話と酒で初めてGWを満喫した夜でした。

BOOK
太田彩『伊藤若冲作品集』(東京美術)
太田彩『伊藤若冲作品集』(東京美術)
『若冲百図:生誕三百年記念 別冊太陽 日本のこころ 227』(平凡社)
『若冲百図:生誕三百年記念 別冊太陽 日本のこころ 227』(平凡社)
『若冲原寸美術館 100%Jakuchu! (100% ART MUSEUM)』(小学館)
『若冲原寸美術館 100%Jakuchu! (100% ART MUSEUM)』(小学館)

5月7日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩…と思ったら土曜日はトレーナーさんが来るとかで体操だけやって少しデスクワーク。すると女房が突然「若冲見に行こ」そう言えば一緒に展覧会は15年ぶりくらいか?20年ぶりか?土曜日やから混んでるぞ…平日はいろんな仕事があるから…でiPadで調べると行列70分待ち。まぁ何とかなるやろ。で出かけて直射日光で40度(はオーバーですね)の下行列に並んでいると昔吉祥寺の曼荼羅という店に入り浸っていた20代前半頃に店でよく逢った女性が「御無沙汰してます。カコです。お久しぶりです。若冲のおかげですね」と御主人と一緒に突然挨拶。店のアイドルも今や50代半ば。いい奥さんになっているみたい。しかし若冲には圧倒されました。1時間以上行列した会はありましたね。カラフルな色彩の細密描写が見事な鶏や白いレースのような羽根を持つ鳳凰やインコ…それに虫や野菜や梅や牡丹や薔薇や…全て見事でしたけど小生は筆に勢いのある水墨に打たれました。烏やら達磨やら。かなり疲れたけれど満腹感と共に大船へ戻る。上野東京ラインが便利と思えた初めての瞬間。YAMADA電器に寄ってから出勤帰りの次女と保育園帰りの孫と合流。『鮨処もり山』で美味しい寿司をいただいてGWはオシマイ。まぁコンナモンですね。

DVD
『A Midsummer Night's Dream』
『A Midsummer Night's Dream』
『A Midsummer Night's Dream』
『A Midsummer Night's Dream』
OPERA
『夏の夜の夢』
『夏の夜の夢』
DVD
『バチカンで逢いましょう』
『バチカンで逢いましょう』
Blu-ray
『バグダッド・カフェ』
『バグダッド・カフェ』

5月8日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。今年夏の兵庫県芸術文化センターの佐渡裕プロデュース・オペラはシェイクスピア原作ブリテン作曲『夏の夜の夢』。あまりよく知らない(聴いたことのない)オペラで最近買ったCDをBGMがわりにして徐々に聴き慣れて面白くなってきたがヤッパリDVDで舞台が見たいけどなかなか手に入りにくい…と言ってたところが佐渡さんの事務所のスタッフが輸入盤2枚を買って送ってくれた(もちろん代金は払いますよ・笑)しかしパナソニックのDVDプレイヤーでは輸入盤が見れない。俺の超古いパソコンも無理。そこで朝からファミリールームにあるVAIOと大格闘。英語の説明書を読んだりいろいろした末にRegion2の日本国内向けDVD再生をRegion1の米国使用に変換することに成功。これで俺は勉強できる…けど中日文化センターでも見ることができるようにしてもらわなければ。

5月8日(日)つづき
午後からホームページ更新の原稿の整理。これがけっこう手間暇かかる…と書いてコレは面白い言葉だなあ…よく使うけどきちんとした意味はよくわからないなあ…と思って三省堂の新明解国語辞典をひくと『てまひま【手間隙・手間暇】努力と時間』とあった。ふ〜ん。なるほど。晩飯のあと爆睡。そう言えば昼寝が少ししかできなかったからか。途中目が覚めてジャニーヌ・ヤンセンの弾くブラームスのVn協奏曲を聴く。凄いと思って風呂へ。出てから昨日半分まで見た映画『バチカンで逢いましょう』の続きを見る。夫が死んで老人ホームへ入れられようとした未亡人のお婆ちゃんがロック・シンガーと同棲してロック・カフェでバイトしている孫娘の住むローマへ行って法皇に面会しようとする。そこで傾きかけていたレストランでドイツ料理を作ってオオウケして…と最初は面白い喜劇と思っていたがラスト付近で結構シビアな恋愛劇に。お婆ちゃんが法皇に逢いたかった理由も明かされる。若いときの一夜の不倫だったのですね。それで生まれたのが娘でその孫娘が…と女三題噺ならぬ女性家族三代話。お婆ちゃん役は『バグダッド・カフェ』のマリアンネ・ゼーゲブレヒト。面白い映画でした。

BOOK
目取真俊『魂込め』(朝日新聞社)
目取真俊『魂込め』(朝日新聞社)
仙田満『人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究』(講談社現代新書)
仙田満『人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究』(講談社現代新書)
BOOK
『短篇コレクションI池澤夏樹=個人編集世界文学全集第3集』(河出書房新社)
『短篇コレクションI池澤夏樹=個人編集世界文学全集第3集』(河出書房新社)
『短篇コレクション池澤夏樹=個人編集世界文学全集第3集』(河出書房新社)
『短篇コレクション池澤夏樹=個人編集世界文学全集第3集』(河出書房新社)

5月9日(月)
朝黒兵衛と散歩。今朝ベッドのなかでパラパラ読んだ仙田満『人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究』(講談社現代新書)を反芻しながら歩く。この人が新広島市民球場を手がけたのですね。だからあんなに人の集まる球場になったのですね。この建築家は旧ナゴヤ球場が好きだったとか。それは新幹線の車窓から見えてたから。私もニューヨークでメッツの旧スタジアムへ行ったときに延長15回を超えて深夜になって帰らなければならなくなり外に出て地下鉄に乗ろうとしたら…郊外で高架になった地下鉄のホームに向かう階段途中の踊り場からから球場が見え…しかも観客席の切れ目からホームプレート付近が煌々と光る証明に照らし出され…サヨナラヒットのクロスプレーでホームンした選手とメッツのナインが大喜びしているところを見て…帰りを急いでいた周囲の何人かのファンと一緒に大喜びしたのを憶えてる。それは素晴らしいベースボールのシーンでした。ドーム球場というのは息苦しさもあるけれど覗き見できないのがダメですね。昨日まとめたホームページ用の原稿を送って河出の池澤夏樹個人編集世界文学全集の『短編コレクションT』のなかに収められていた目取真俊の短編『面影と連れて(うむかじとうちりてい)』を読み出したら止まらなくなって約30ページを一気に読了。長い不幸を超える短い幸福を得た女性の切なすぎる死後の一人語り。凄い沖縄小説です。夕方芝公園AVATTA STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』生出演。音声が上手くいかなくなった事故で生中継できずに録画収録に変更。放送がUSTREAMじゃらYouTubeに変わって2回目の放送とかでスタッフはてんやわんや。俺は機械のことはまるでワカラン。小学生で5球スーパーのラジオ(御存知?)や電子オルガンを夏休みの宿題に作ったりしていたけど電器屋の跡を継ぐ決意を放棄して以来機械オンチに。放送はゲストのプロ・ゴルフ・コーチの石井忍さんやヴォイス・オヴ・フクシマの久保田綾乃さんらと楽しく歓談。石井さんは震災後の福島で子供たちにゴルフを教えたり(遊ばせたり)したんですね。帰宅するとお隣さんと女房が別のお隣さんのオバサンの退院祝をしているとかで『FLAT』で合流して俺は晩飯。『Kurocks』にも寄ってスコッチも飲んで帰宅。

5月10日(火)
朝黒兵衛と散歩のあと『アサヒ芸能』連載原稿書き。う〜ん…書けん。調子が出ん。GW明けのせい?そんなに休みを取った覚えはない。まあこーゆーときはよくある。とりあえず昼飯&昼寝。午後からエンジンをかけ直して書き出すが上手くイカン。こんなことはヨクアルコト。テーマを変更して書き出す。やはりダメ。3度目にテーマを変更してよーやく完成。ふううう。ビールを飲みながら『週刊朝日』をパラパラ見てると国際NGOの国境なき記者団が「日本の報道の自由度」が世界180か国中72位だったという記事と遭遇。韓国(70位)以下。田原総一朗氏も放送局の「自己批判」を嘆いていたが少々残念だったのは英エコノミスト誌記者のデイビッド・マックニール氏の記事。NHKラジオで福島原発や皇室制度について喋ろうとしたら「やんわりと拒否され」オリンピックについて話すことになったとか。オリンピックについてもマスメディアでは自由に話せないのに…という記事を現在発売中の『ZATEN』(財界展望社)に書いてますのでマックニールさん!読んで下さい。しかし世知辛い世の中になってきましたねえ。長いものには巻かれない…というのがジャーナリズムのはずですが…。『週刊朝日』には朝毎読日経が東京オリパラの「オフィシャル・パートナー」となったことについても触れてほしかったですね。あ。今週号の『週刊朝日』は嵐山光三郎さんの「五輪エンブレムに意義あり!」というコラムが面白かったです。一般公募したことを大批判。「公募という安全策をとれば(岡本太郎の)太陽の塔は立つはずがな」い。そのとーりですねえ。「人材がいないのではない。人はいるのにそれを企画発想する人材がいないのである」そのとーり!と思わず叫んでしまった。開会式の総合演出家が決まらないのも「よさこいなんかも紹介したい」という程度のことしか口に出来ない人物が組織委の会長だったりAKB48をクールジャパンの代表だと思っている理事がいたりしているのですからね。原発反対を表明している音楽家を起用するくらいの度量の広さは期待できないのでしょうねえ。

BOOK
フリオ・コルタサル『悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集』(岩波文庫)
フリオ・コルタサル『悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集』(岩波文庫)
ファン・ルルフォ『燃える平原(叢書アンデスの風)』(書肆風の薔薇)
ファン・ルルフォ『燃える平原(叢書アンデスの風)』(書肆風の薔薇)
リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』(新潮文庫)
リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』(新潮文庫)

5月11日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。報道の自由度世界で72位の日本(昨日の本欄参照)のスポーツ報道事情について話す。地方局は自由度が高いですねえ。番組のあと黒兵衛と散歩。仕事の部屋の掃除&雑用の一日。あまり面白くない作業なので池澤夏樹個人編集の世界文学全集短編コレクションを作業の合間にパラパラ読む。フリオ・コルタサル『南部高速道路』はめっちゃ面白い。高速道路で超渋滞に巻き込まれて何日も動けなくなったクルマが近隣のクルマ同士で共同体を作る話。これは南仏が舞台だけどロスを舞台にした映画がありましたね。確か隣のゴルフ場からこぼれ落ちたゴルフボールで渋滞となって動かなくなりヘリコプターがワーグナーのワルキューレの音楽とともに簡易トイレを運んできたりステッペン・ウルフの音楽に乗ってイージーライダーの連中が病人を運ぶとか…タイトルを忘れたけどその映画のアイデアの素はコノ小説?メキシコの作家ファン・ルルフォ『タルパ』も面白かった。重病の夫をその弟と共に無理矢理巡礼に連れて行って「殺す」。その間義理の弟と不倫を続けてたクセに夫が死ぬとその関係も切れるという話。ナイジェリアの作家チヌア・アチュベの『呪(まじな)い卵』エジプトの作家ユースフ・イドリーヌ『肉の家』も面白かったしパレスチナの作家ガッサーン・カナファーニーの『ラムレの証言』は強烈な一編でわずか6ページ緒短編を読んだだけで大衝撃。リチャード・ブローディガンの『サンフランシスコYMCA讃歌』(水道管を詩人に置き換える)にはケタケタ笑わせられたしジョン・バース『夜の海の旅』(精子の卵子への旅)にはニヤニヤしながら読みながら深く考えさせられた。いやぁ世界には凄い小説がいっぱいありますなあ。夕方は大相撲。稀勢の里の顔が良くなったなぁ。白鵬の相撲は相変わらず横綱相撲じゃないですね。メシ・サケ・フロ・ネル。

5月12日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと部屋の整理に大格闘。午後に入っていろいろ電話。日本の五輪招致で不正な「賄賂」が使われたとか。フランスの検察当局が調査を開始したとかしないとか…。そもそもIOC委員は(あるいはFIFA職員も)公務員ではなく贈収賄罪は成り立たない。マネーロンダリングその他の罪か準公務員と見なす法律のある国なら贈収賄事件になるが贈賄側(日本?)まで捜査摘発するのは不可能だろう。それに2億円程度のカネ(イヤな言い方ですが)五輪招致のどの都市もコンサルタント料として使ってますよね。ある意味これは東京(日本)が本気で五輪招致に動いた証拠と言えるけど(名古屋・大阪にはそこまでの熱意がなかった?)招致に成功したあとの問題(組織委…新国立…エンブレム…神宮球場…etc)は最低ですね。夕方雑誌『テーミス』の取材を受ける。日本のマスメディアとスポーツ・ジャーナリズムについて。『テーミス』は講談社『フライデー』の初代編集長が創刊した雑誌らしいけど日本のスポーツ・ジャーナリズムについて書いてくれるメディアには全面協力です。『FLAT』でメシ食って帰宅後明日朝のテレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』の出演が決まり電話打合せのあとフロ&ネル。

5月13日(金)
朝5時半起き。イロイロ準備して6時過ぎの迎えのクルマに乗って東京六本木テレビ朝日へ。途中高速で大渋滞。マイッタナアと思っていたら運転手さんが機転を利かせて生麦ジャンクションでいったん高速を降りてドコヤラまでスイスイ走ってどこやらから高速に乗り直して予定どおり6時半前にはテレ朝到着。打合せのあと『羽鳥慎一モーニングショー』生出演。東京五輪の招致委が当時のIAAF会長であるラミン・ディアクの息子パパマッサタ・ディアクが関係するシンガポールの会社に2億円以上送金していた(アフリカ大陸IOC委員12票のとりまとめを依頼?成功報酬?)について解説。開催立候補都市がカネを使って票を集めた歴史を述べる。それにしても"Tokyo 2020 Olympic Game Bid"(東京2020オリンピックゲーム入札)という名目で送金とはあまりにも堂々としすぎで首を傾げる。帰宅昼食後舛添東京都知事の記者会見。屁理屈弁明に失笑。しかし別れた女房がテレビに出てくるのもナァ。また選挙というわけにもイカンだろうし。候補者もいないし…と思いながら美容院へ。散髪。夕方電話様々。東京招致委の「送金」問題は拗れる?(この漢字コジレルと読むんですね)竹田恒和JOC会長が夕方記者に囲まれてシンガポールの会社への送金は「正式な業務契約」に基づく「対価(コンサル料)」と釈明。確かにそうでなければ"BID"なんて言葉を用いて送金なんてしませんよね。ただインターポールに国際指名手配されている人物の関わる会社への送金をパリ検察当局やイギリスのメディアが納得するかどうか?票の取り纏めもコンサルタントの仕事?

5月14日(土)
朝黒兵衛と散歩…と思ったらトレーナーさんが来るとかで孫と散歩。ところが孫は自分一人で郵便物をポストに入れに行くというので近くから見守って歩く。時々振り返る孫に見つからないように。気持ちよい五月晴れの土曜日。では近所の学校の文化祭に足を運ぶか…と思ったところが孫は母親と一緒にどっかへ消える。仕方ないので読書。昨日大船ルミネの書店アニールで見つけた河出の池澤夏樹個人編集日本文学全集25巻須賀敦子を読み出す。小生はこの書き手を知らなかった。帯に「海外で暮らすところから生まれる文学…」「イタリアでの記憶を円熟させ…」と書いてあったので迷いなく購入。読み出したら止まらない。まるでヴィスコンティの映画を見るようなイタリアの描写。貴族出身のお婆さん…インターナショナルを歌う神父…貧乏学生…。こんな作家がいたとは…河出の池澤個人編集全集は世界文学も日本文学も凄いですよ。

5月14日(土)つづき
午後から映画『鑑定士と顔のない依頼人』。映像が綺麗。モリコーネのミステリアスな音楽も面白い。ミステリー仕立ての物語も興味津々。ところが…結局は…大泥棒に…それだけ?…途中まではすごく面白いミステリーなので最後のくだらない(としか俺には思えない)タネは書かないでおきます。トルナトーレ監督の作品ってどこか(俺には)不満なんですよね。コノ映画も最後はアジャパアーで終わりなの?ってカンジですねえ。稀勢の里は強いですねえ。琴勇輝もホッ!はなくなっても前へ出る相撲は見ていて気持ちいいですねえ。明日のテレビの電話打合せなどやって…フロ&ネル。

5月15日(日)
朝黒兵衛と散歩のあと友人から興味深いメール。イギリス最古のタブロイド新聞The Daily Mailが東京五輪招致委の“送金問題”で2020年大会はロンドン開催になる?
http://www.dailymail.co.uk/sport/othersports/article-3587834/London-frame-host-2020-Olympics-Japan-bid-probed-secret-payments.html

5月14日(土)…に戻る(笑)
風呂からあがったあと夜寝ようとしても寝られなくてビールを飲みながらテレビをつけるとNHK-BS1で蜷川幸雄と埼玉の老人劇団のドキュメンタリーをやっていたので最後まで見てしまう。追悼番組?途中から見たので老人たちが何の芝居と取り組んでいるのかよくわからなかったが最後に裁判の場面で「鴉よ」「鴉よ」という台詞が出てきてコレは清水邦夫の『鴉よ俺たちは弾丸をこめる』だとわかる。なるほど爺や婆が沢山現れる芝居で60年代70年安保の時代を過ごした生身の団塊世代の老人たちが演じるに相応しい演し物といえるかもしれない。しかしこの芝居を最初に見たのがいつだったか思い出せない。清水邦夫で最初に見た作品は『逆光線ゲーム』だったか『狂人なおもて往生をとぐ』だったか『真情あふるる軽薄さ』だったか…。中高時代に労演の会員になって毎月1回いろんな芝居を見たなかにそれらがあった。俳優座や青俳で原田芳生や市原悦子が演じていた。そんななかに『あなた自身のためのレッスン』があってソレに触発されて高3のときに『高校生のためのレッスン'70』という芝居を書いて文化祭で上演した。男子校の文化祭に初めて女子高生を舞台にあげることで(男子高校生の女装はイヤだったので)教師と大揉めに揉めたなあ(笑)。蜷川幸雄の演出と初めて接したのは唐十郎の『盲導犬』だったと思う。新宿文化アートシアターでの映画が終わったあとの深夜上演。通路に座ってると真横を何匹ものシェパードが駆け抜けて度肝を抜かれた。そのあとはグローブ座で『NINAGAWAマクベス』やら『リヤ王』やら最近は歌舞伎座で『十二夜』を見たかな。亀治郎(現・猿之助)が女形で熱演した。小田島雄志先生が文学座を辞めなかったら俺の演劇の道を歩んでいたか…。蜷川幸雄死去でいろんなことを思い出した。合掌。

5月15日(日)つづき
『大船まつり』というのを駅前芸術館通りでやってるというので足を運んで多くの屋台が並んでるなか子供に自作の缶バッジを作る店を出していた幼稚園の園長先生に挨拶。好天に恵まれて大勢の人波のなか道路につくられた特設ステージで小学生のジャズ・ビッグバンドがビートルズの『ミシェル』やレイ・チャールズの『愛さずにはいられない』などを頑張って演奏していたのを横目に湘南新宿ラインで東京渋谷へ。Bunnkamuraオーチャード・ホールでの東京フィル定期演奏会へ。指揮がイタリアの新鋭アンドレア・バッティストーニだというの是非一度聴きたかったのだが足を運んだ甲斐は十分。いや十二分に満足。最初のヴェルディ『ナブッコ』序曲から大興奮。切れ味鋭いリズムにイタリア臭タップリのカンタービレはイタリア・オペラ大好き人間には最高の耳福(こんな言葉はないですけどね。眼福から連想した小生のオリジナル造語です)。続くニーノ・ロータの組曲『道』にも酔いましたねえ。イタリアの村々を回るちっぽけなサーカスの音楽で太陽ばかりが明るく輝く貧しい旅芸人を描いたフェリーニの白黒映像が浮かびあがり切ないジェルソミーナのメロディは哀しさイッパイでも健気に生きる女性を演じたジュリエッタ・マシーナの清らかな顔が思い出された(小生は俳優としてはアンソニー・クインが大好きなんですけどね。あの顔はあまり思い浮かべたくないですよね・苦笑)。そして最後はレスピーギの少々珍しい音楽。交響的印象『教会のステンドグラス』。小生もはじめて耳にする曲。ステージいっぱいに広がったフルオーケストラに加えてハープはもちろんピアノにオルガンも加わり銅鑼が2台!なかなかのサウンドでミラノやフィレンツェの大聖堂のなかからドゥオーモを見上げてるような音色と音の洪水に酔いしれました。そして最後にアンコールは『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲。いやあ…これほど粘り気のあるイタリア臭プンプンの音楽を聴いたのは初めてですね。タップリとゆっくりした流れのなかでテンポも音の強弱も色鮮やかに揺れてシチリアの田舎の情景が音で描き出された。ここまでイタリア臭…という以上にイタリア料理のアリオ(ニンニク)臭やワインの香りが漂う演奏は…かつてボローニャ・オペラが来日したときのロベルト・アバドの指揮で『カヴァレリア・ルスティカーナ』を見聴きしたとき以来(主役はホセ・クーラだった)のこと。思いっ切りブラーヴォ!を叫んでしまった。おまけにバッティストーニの若さ溢れる演奏は荒々しさも随所に備えてまるでイタリアンのジビエ料理のような味わいも(パルマで食った馬肉料理やモデナの猪料理は美味かったなあ)。いやあ満足大満足の演奏会で今度は秋10月に来日してマスカーニのオペラ『イリス』を演奏会形式でやるらしい。オオサカとかキョウトという人物が登場する日本が舞台のオペラ。幕開きのド派手な大合唱だけがチョイ有名な珍しいオペラ。イタリア大好き人間には素晴らしい指揮者が日本オケに加わってくれたものだ。ブラーヴォ!

5月16日(月)
朝黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事して昼から東京赤坂へ。TBSでなく(なんで『ひるおび!』は五輪問題をやらんのかなあ)毎日放送東京支局へ。『ちちんぷいぷい』生出演。小生の前にスタジオに日大の岩井奉信先生がおられたので御挨拶。舛添都知事の政治資金問題はまだまだ広がりそう?そして2020東京五輪の裏金問題は?五輪開催地招致コンサルタントの存在や過去のカネの問題などをいろいろ喋って芝公園へ。ネットTV『ニューズ・オプエド』に出演のため『Avatta Studio』へ。地下鉄利用。いつもは赤坂見附まで歩いて新橋に行き山手線で浜松町。そこから歩いていたが時間があったので新コース開拓に挑戦。赤坂駅から千代田線で青山一丁目へ。都営地下鉄ナントカ線に乗り換えて大門へ。また都営ナントカ線に乗り換えて何処やらに行ってソコでまた都営を乗り換えてようやく芝公園駅…と頭に入れたものの…都営線の地下の深さの上り下りと乗り換えの歩く距離の長さにウンザリ。さらにテレビ局やら新聞社からの電話で途中の地下通路からコメント。イライラして大門で降りて歩き出すと反対方向へ。慌てて浜松町の駅を探してそこから歩き直し。ようやく汗だくでスタジオに着いてテレ朝『スーパーJチャンネル』の電話取材を受けたあと『ニューズ・オプエド』出演。ゲストは木村元彦さん。五輪ウラガネ問題など喋ったあと上杉隆さんも加わって日本の報道の自由度が韓国以下の世界72位になった話。なるほどコレは安倍政権の問題とか秘密保護法の問題という以上に日本のマスメディアの問題なんですね。記者が新聞社の会社員であることや記者クラブの存在やクロス・オーナー・シップ等々…2020年東京五輪も朝毎読日経がオフィシャル・サプライヤーで機関紙化してますからね。木村氏はJリーガー我那覇選手のドーピング事件が冤罪でソノ冤罪の拡散にマスメディアがどう関係したか等を話してもらう。番組終わってスタジオ向かいにある蕎麦屋へ。〆張鶴や十四代など日本酒を置いてるなかなかイイ店。木村氏や番組アナの川島ノリ子さんらとワイワイ。木村氏は近々CONIFA(FIFAに加盟してないサッカー団体)のW杯取材でアブハジア共和国に行くらしいがジョージア(グルジア)からの独立を日本は未承認。W杯には在日コリアン・チームも出場するらしいが…木村さん気をつけて行ってらっしゃい。マスメディアに絶対に出ないレポート期待してます。

5月17日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩…と思ったら土砂降りの雨。2002年W杯の時のサッカー応援用の合羽を着て雨のなか黒兵衛と散歩。近くの桜並木でびしょ濡れになりながら健気にオシッコをする黒兵衛を見て我が身世にふるながめせしまに…なんて言葉が思い出される。昨日木村元彦さんに「戯曲を書きませんか…」と突然言われて胸の奥が沸き立つ自分に驚いた。なぁ…ながめせしまに…どうなることやら。三島賞に選ばれた(というより押しつけられた)草野進の…いや蓮見重彦氏の…俺が1度だけ授業に出たフランス語の先生の小説でも読んでみるか。土砂降りの雨から逃れるように家に帰って『アサ芸』連載の原稿書き。テーマは2020東京五輪の「不透明なカネ」について。早い話が「賄賂(みたいなもん)」だがそれを使わないと五輪開催都市に選ばれないかも…というなかで東京は使った。ソルトレイクシティの賄賂は有名でIOC委員が6人も追放されたがそのモデルは長野。当時のサマランチIOC会長に1千万円相当の日本刀を渡してますからね。堤義明JOC会長も全プリンス・ホテルのワインをサマランチのワイナリーから買うことにしましたからね。そして金銭関係の書類はすべて消却。そうして開催した長野冬季五輪は開催して良かったのかどうか…2020年東京大会は開催していいものかどうか…。昨日のTBS『ニュース23』に森喜朗組織委会長が出演してたけど(途中から見ただけですが)質問がやわかったなあ…。原稿かなり苦労して夕方ようやく完成。稀勢の里がんばってるなあ。疲れたので夕食の後風呂入って早く寝たら夜中に目覚めたのでベッドの傍のサイドテーブルにあった赤坂真理『愛と暴力の戦後とその後』を読み直す。なんでこの本が傍にあったのかワカラン。一昨年に読んだはずだが改めてヴィヴィッドに感じられる。都市は大きくなりすぎてマネーも情報も人を追い越して…要するに身体感覚で感じ取れて人間が許容できる範囲の大きさを日本(東京)は上回ってまだ走り続ける。人間が感じ取れない東京オリンピック…。パラリンピックが救いになるのか…。でなければ開催は返上したほうがイイですね。

BOOK
愛玲張『色、戒』(集英社文庫)
愛玲張『色、戒』(集英社文庫)
DVD
『ラスト・コーション』
『ラスト・コーション』

5月18日(水)
朝起きてRKB毎日放送ラジオ『インサイト・カルチャー』電話出演。2020東京五輪の招致で裏金疑惑…について話す。手段はどうーあれ目的が素晴らしければ…と思う気持ちが小生にもありました。3・11で落ち込んでいる日本を元気づけたいとも思いましたからね。けどヤッパリ手段がダメならイイはずの目的もダメになるものかもしれませんね。新国立競技場問題エンブレム問題運営費高騰問題都知事2者連続最悪問題…何もかもがサイテーですね。これが今の日本の姿でしょうか?1964年の招致の時にもモチロンIOC委員へのプレゼント(賄賂)は使われました。でもそのなかには必死になって招致活動に動いた人達の私財も使われたのですよね。それが今は政治資金(税金)を家族旅行に使ったり五輪で設けようとする輩ばかりで…。ラジオのあと黒兵衛と散歩。そのあと何の仕事をやったかは忘れました。これを書いてるのは日曜日なので。でも池澤夏樹個人編集世界文学全集の『短編コレクションT』で素晴らしい短編を読んだことだけは憶えてます。オクタビオ・パス『波との生活』バーナード・マラマッド『白痴が先』ファン・ルルフォ『タルパ』張愛玲『色、戒』…嘘の世界は面白い。フィクション(小説)を書けば本当だと言われノンフィクションを書けば嘘だと言われる…と書いたのはフィリップ・ロスだったがこの世界短編集は嘘の面白さを描いた小説が多い。それが池澤夏樹氏の好みなのかな?

CD
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン&ブラームス:ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン&ブラームス:ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』
『ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲』

5月19日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと東京へ。国会議事堂前の憲政記念館へ。『上杉隆君の名誉回復を祝う会』に発起人の一人として出席。いやあ大勢の有名人たちがワンサカと集まったことには誰もが仰天。ただしそれを綺羅星の如く…とか多くのセレブが…といえないところがオモシロイ。何しろ小沢一郎・鳩山由紀夫・菅直人・猪瀬直樹…ですからね胡散臭くて…いやもとい豪華キャストで…猪瀬さんなど小生の元へわざわざ来てくれてあんなことオレは知らなかったんだよ…と言ってくださいました。他にもロンブーの敦さんとか中尾ミエさんとか高野孟さんとか大宅映子さんとか面白い人はイッパイ来られていたのですが1964年の東京五輪組織委で国旗製作に携わっておられた吹浦忠正さんを見つけたので長田渚左さんに紹介。また長田さんが編集長を務める冊子『スポーツゴジラ』で「スポーツマンシップ」を取りあげたいというので広瀬一郎さんを紹介。うんうん。上杉さんの名誉回復の会(福島原発をメルトダウンと書いてウソツキと言われたことがホントウだとわかったこと)で集まった人はいろいろ新たなつながりができるなあ。小生は古賀茂明さんに御挨拶したあと地下鉄で東京駅へ。新幹線で名古屋へ。佐渡裕指揮ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団のコンサートへ。

5月19日(木)つづき
佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団の演奏会の前に栄中日文化センターに寄ってオペラ講座で使う『夏の夜の夢』の輸入DVDがきちんと映るかどうかをチェック。2本のうち1本は映るが他方は映らないことが判明。まあ1本映れば…しかもロバート・カーセン演出の舞台が映れば良しとすると判断して愛知県芸術劇場コンサートホールへ。楽曲はベートーヴェンVn協奏曲とリヒャルト・シュトラウス『英雄の生涯』。いやあ!素晴らしい演奏会でした。ベートーヴェンはバックのオケの響きが無骨で少々鈍重なのが気になったけどこんな田舎風のベートーヴェンもアリだなあ…と思えたうえにレイ・チェンの独奏ヴァイオリンが溌溂として素晴らしい音色。おまけにカデンツァが通常使われるクライスラーでなくヨアヒム(?)で新鮮。それに英雄の生涯の迫力が素晴らしかった。ウィーン・フィルやベルリン・フィルの超一流サウンドに較べればヤッパリ無骨さ鈍重さ田舎臭さは抜けないけど一生懸命に自分達の誇る音楽を奏でる真剣さから大迫力を引っ張り出した佐渡の演奏は見事だった。アンコールのピチカート・ポルカも楽しく薔薇の騎士の第三幕大騒動ワルツもウィーンの香りがぷんぷん。小生が名古屋栄中日文化センターで行ってるオペラ講座の受講生の方も何人か見かけて皆さん満足そうな笑顔で「素晴らしい!」と喜んでおられました。小生はスタッフの方とちょいと美味しい手羽先を食ってホテルへ。名古屋泊。

5月20日(金)
朝名古屋のホテルで目覚めて朝飯に美味しいサンドイッチ食ってカフェオレ飲んで名古屋駅へ。新幹線のホームで元中日のホームラン王山崎武司さんとバッタリ。最近テレビで御一緒したばかり。プロ野球のこと(特にセ・リーグ各チームの弱さのこと・笑・それだけにペナントレースは面白いんですけどね)に着いてアレコレ話したあとのぞみ号で品川へ。東海道線で大船へ。帰宅後午前中に連合通信の短いコラムを書き上げる。午後からはメールや電話の処理。原稿依頼を引き受けたりテレビの出演依頼を断ったり(苦笑)。合間に池澤夏樹個人編集世界文学全集の短編コレクションUを読む。アレクサンドル・グリーン『おしゃべりな家の精』ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ『リゲーア』。どっちも面白かった。どっちも人間の根本的寂しさに満ちたほろ苦いファンタジー。ファンタジーとは夢なんかでなくそういうものかもしれない。白鵬強いなあ。夜次女と孫がドコヤラへ出かけてしまったのでヨメハンと『鮨処もり山』でゆっくり食事。女子バレー頑張ってますなあ。しかしタイはちょっと可哀想だったですね。

5月21日(土)
朝7時起きでイロイロ準備したあと大船駅へ。東海道線で川崎駅へ。タクシーで羽田空港第2ターミナルへ。快晴の五月晴れのなか全日空で福岡空港へ。途中富士山のほとんど真上を飛んだので写真を…と思ったけど鞄に入れて手荷物ボックスにしまってるので断念。寝る。福岡空港無事到着。九州市民大学の関係者の方が迎えに来てくださっていて天神のアクロス福岡へ。毎月1回行われている市民大学講座で『スポーツとは何か?スポーツの真の面白さとは?』というテーマで昼と夜2回講演。各1時間半。昼の部が1200人夜の部が800人くらいの聴衆でまったく同じ話を2度やるのも芸がないように思われて夜は控室で見ていた大相撲で稀勢の里が負けて白鵬の優勝が決まったことから(場内は一斉に溜息)相撲とはどういう文化か…という話から始める。行き着く先は同じでスポーツは民主主義の産物で2020年東京五輪をきっかけに体育からスポーツへの意識の変化と共にその意味が浸透すれば…てな話。さすがに2回講演は疲れたが喜んでもらえたのでは…。講演を終えてタクシーでホテルに帰る途中警固の交差点を通ってもらうと屋台の『馬ッ面』が出ていたのでホテルに荷物を置いて顔を出す。何年ぶりかで大将も喜んでくれて2人のお客さんともワイワイ喋りながらビール&日本酒におでん・ニラ玉・餃子・ラーメンで晩飯。しかしヤッパリ疲れていたのかホテルへ帰るとグーバタン。ZZZZZZZZ福岡泊。

MOVIE
『疑惑のチャンピオン』
『疑惑のチャンピオン』

5月22日(日)
朝福岡のホテルで起床。タクシーで福岡空港へ。都心に近い空港は本当に便利ですね。全日空で羽田へ。空港バスで横浜へ。東海道線で大船へ。タクシーで我が家へ。お土産は講演を聞きに来てくれた女房の親戚の方にいただいた明太子&福岡空港で買った博多ラーメン。一休みしてから映画配給会社から送られてきた新作映画(7月日本公開予定)のDVD『疑惑のチャンピオン』を見る。ツール・ド・フランスで7連覇という前人未踏空前絶後の偉業を打ち立てながらドーピングが発覚して全記録を抹殺されたアメリカ人サイクリストのランス・アームストロングの物語。しかも彼は癌を克服してチャンピオンになったヒーローとして一度は世界的セレブリティになった男…いやあ…これは素晴らしい映画でした。現代スポーツの問題点&それに挑むスポーツマンの悲哀がすべて描き出された秀逸な映画です。監督はスティーヴン・フリアーズ。アルプスなどの風景も美しいがその美しい風景を背景に行われるドロドロの人間模様。映像監督は『英国王のスピーチ』や『レ・ミゼラブル』のダニー・コーエン。主役のアームストロングを演じたベン・フォスターも見事。まさに本物の自転車選手。映画の原案となるドーピング告発の記事を書いたスポーツライター・デイヴィッド・ウォルシュを演じたのはクリス・オダウド他すべての役者が実在人物の本物と思える凄さ(これは監督の力?)ダスティン・ホフマンもアームストロングの不正を怪しむ保険会社の代表として出演。いやあ…これは何度も見たい素晴らしい映画です!

DVD
『スポーツゴジラ第31号』(スポーツネットワークジャパン)
『スポーツゴジラ第31号』(スポーツネットワークジャパン)

5月23日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩のあといろいろ仕事して東海道線で東京へ。中央線でお茶の水乗り換え飯田橋へ。地下鉄南北線の飯田橋駅構内にある遺失物「お忘れ物総合取扱所」へ。実は19日の「上杉隆さんの名誉回復を祝う会」に出席したあと地下鉄で名刺入れを落としてしまった。先月の誕生祝いに自分への御褒美でちょいと張り込んで買ったBallyの新製品で柔らかい皮が使いやすかったお気に入りお名刺入れだったがあまりの暑さに上着を脱いで歩くうちに内ポケットに入れていたのを落としたらしい。名刺入れも残念だったが少なくない個人情報や名刺交換をした人の名刺も入っていたので少々心配になっていたところが「お忘れ物総合取扱所」から「同じ名刺が数多く入ってるので貴殿のではないか」と葉書が届き電話で「はい」と返答。それを取りに行ったのだが拾ってくれた方は名乗り出ずただ届けてくれただけとか。日本はまだまだ素晴らしい。都知事は醜態を晒しても都民は素晴らしい。2020東京五輪も醜態を晒してるが日本国民は素晴らしい。以前12月にニューヨークへ仕事で行ったとき同行したカメラマンがカメラを地下鉄のベンチに置き忘れたので一緒に警察へ行ったところが“Nice X'mass present"と言われて取り合ってもくれなかった。東京では小さな名刺入れでも出てくるのだ…と温かい気持ちになって芝公園のAVATTA STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』生出演。ゲストは長田渚左さん。彼女が編集長を務めるスポーツ冊子『スポーツ ゴジラ』の第31号が発行されたので。『スポーツ ゴジラ』は都営地下鉄の構内や一部の書店に無料で置かれている年4回刊のスポーツ誌。スポーツの既成概念を踏みつぶして破壊する意味で「ゴジラ」と名づけたとか。そういえば過去に「スポーツと原発」「戦争とスポーツ」などの特集もあり「障害者スポーツ」の特集も早かったし表紙に南伸坊さんのイラストで座頭市が描かれたこともあった。最新号は「特集スポーツ新聞ワンダーランド」といろいろ紹介してもらって番組終了後小生は急いでサントリー・ホールへ。佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団の東京公演。演目は先週木曜(19日)に名古屋で聴いたのと同じベートーヴェンVn協とR・シュトラウス『英雄の生涯』。大熱演。相変わらず素晴らしかった。アンコールの『ピチカート・ポルカ』も『薔薇の騎士』のワルツも。会場に山下洋輔さんがおられたので今度ビッグバンド公演行きますからねと御挨拶。小倉智昭さんにも番組復活頑張ってくださいと御挨拶。兵庫芸術文化劇場のオペラ公演で毎年お世話になってる小栗哲家さんにも今年もよろしくと御挨拶。久しぶりにお会いした盟友のS社長とハグ。名古屋に続いて東京もいいコンサートでした。

5月24日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと北國新聞原稿書き。問題噴出の東京五輪に返上論も…。午前中に仕上げて午後から『アサヒ芸能』連載原稿書き。大相撲に「応援団のような統制の取れた応援」が登場したのは日本人が変わった証拠…?夕方までに仕上げて週末のオペラ講座のレジュメも…。たくさん書きまくって夜8時に大船駅前の『ホテル・メッツ』へ。そこからテレビ朝日系列のネットテレビAbemaTVの『AbemaPrime』生出演。大学の先生やら若きIT企業経営者やら漫画家の江川達也さんらと2020東京大会は「やったほうがいい」のか「返上したほうがいい」のかを「大激論?」。一人スタジオの外にいるというのは喋り難いものだけどマトメて3度くらい自論を展開。しかし誰もスポーツのことを喋らないのですねえ。大イベントの経済効果や精神的効果ばかり…。オリンピックもパラリンピックもスポーツ大会なのに…。それにエライセンセイ方のどーでもいい暴論もちょっと????ちちんぷいぷいで何度か御一緒した小藪千豊さんのお笑いネタがらみ意見のほうがまだ有意義に思えたのは俺が関西人だからでしょうか?

5月25日(水)
朝RKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。7月2日に福岡でも公開される映画『疑惑のチャンピオン』について話す(癌を克服してツール・ド・フランス7連覇の偉業を達成しながらドーピングが発覚してすべての記録を取り消されたランス・アームストロング選手を描いた映画・5/22本欄参照)素晴らしい映画をチョイト興奮気味に淀川長治さんのように喋ったので最後に「サヨナラサヨナラ」と言おうかと思ったけど自粛(笑)するとMCの櫻井アナが「サヨナラサヨナラって言わないんですか?」…マイッタ。

5月25日(水)つづき
これを書いてるのは翌週の月曜。あかん。この日何をやったのかサッパリ忘れてる。ラジオのあと黒兵衛と散歩して原稿の校正紙はしたけどその後なんの本を読んだのか。なんの映画を見たのか。あ。晩飯の時の孫が『リトルプリンス』をもう1回見たいと言いだしたのやったかな。それで岩波の児童文学全集第1巻の『星の王子様』を渡したら読みにくいとか難しいとか言うので簡単な絵本を買ってやることにしたのでした。まあ幼稚園児にはそんなもんでしょう。俺は何の仕事したのか忘れた。いろいろ電話がかかってきて慌ただしかったことだけを憶えてる。五輪「裏金」疑惑で…。しかしJOCの人が泣くことはないやろに。次の日曜日に郷ひろみさんに会ってインタヴューすることになったので今年2月に彼が行ったサントリーホールでのコンサートのビデオを見る。バックは東京フィルハーモニー交響楽団。バラード系の歌いあげる歌ばかり20曲近く。歌のみ。踊りなし。バックコーラスもゲストの歌手も無し。なかなか面白かった。

5月26日(木)
朝黒兵衛と散歩のあと終日原稿書き。書けなかったことを憶えてる。この歳になっても原稿が書けないとか書けるとか…原稿とはそんなもんなんかいなあ。土曜日のオペラ講座のレジュメを書いて準備をして夕方大船へ。日経書評欄の担当者と1か月間の新連載『半歩遅れの読書術』打合せ。ちょうどリオ五輪の直前になるため5回連載のうち1回は五輪関連の本を選んでほしいというのが担当者の希望。喜んで承知して他の4回を何にするか…映画・音楽・美術・演劇・文学…まあゆっくり考えることにして焼き鳥の『との山』へ。牛タンやら焼き鳥やら焼酎「はなたれ」なんかに舌鼓をウチながら本の話&スポーツの話。楽しい酒席でした。

BOOK
サン=テグジュペリ・奥本大三郎・訳『星の王子さま』(白泉社)
サン=テグジュペリ・奥本大三郎・訳『星の王子さま』(白泉社)
『リトル・プリンス星の王子さまとわたし』(宝島社)
『リトル・プリンス星の王子さまとわたし』(宝島社)
ヨシタケシンスケ『ぼくのニセモノをつくるには』(ブロンズ新社)
ヨシタケシンスケ『ぼくのニセモノをつくるには』(ブロンズ新社)
ヨシタケシンスケ『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社)
ヨシタケシンスケ『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社)
川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』(講談社)
川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』(講談社)

5月27日(金)
朝黒兵衛と散歩のあと東海道線で品川へ。新幹線で大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演…の前に隣の『丸善ジュンク堂』へ。孫のためにサン=テグジュペリ『星の王子さま』(白泉社)奥本大三郎・訳の絵本と映画の絵本『リトル★プリンス星の王子さまと私』(宝島社)を購入。近くにヨシタケシンスケの絵本が並んでいたので『ぼくのニセモノをつくるには』と『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社)も購入。孫が『りんごかもしれない』を結構喜んでいましたからね。この人の絵本は大人が読んでも大爆笑モノです。他に自分のために町田康『ギケイキ千年の流転』(河出書房新社)川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』(講談社)他数冊購入。前者はマチダコーのファンとしては絶対に買うでしょう。ナルホド義経記のパロディか…と思いながら1ページ目を開けるとハルク判官(ホーガン)なんて文字が飛び込む。ははははは。買わねば。後者は帯に筒井康隆大先生が「うちのめされました」などと最大級の賛辞を書いておられる。これは買わないわけにはゆかぬ。本はすべて宅急便で送ってもらうことにして『ちちんぷいぷい』生出演。伊勢志摩サミット生中継で安倍総理の演説。ナニィ?こんなことサミットG7の後で喋ることかいな…と仰天。消費税アップ延期のためのサミット?たしかに経済も大切かもしれんがレベル低すぎまっせ。他にいろいろサミットこぼれ話やら楽しい話題やらを話して番組を終えて楽屋へ。京都新聞の記者が待ちかまえていてリオ五輪や東京五輪の話。約1時間取材を受けたあとディレクターのHサンと久しぶりに『どんどん亭』へ。ここのお好み焼きは美味しい。途中から佐渡サンと一緒に北海道で酒飲んだ(小生以外の人はゴルフもした)クラシック関係ディレクター氏も参加。今週もシンフォニーホールで関西フィルとやることが決定した『昔の音は偉かった』の打合せ。生ビールとお好み焼きに舌鼓を打ちながら「スポーツと音楽」についていろいろ話したあと小生は新幹線で名古屋へ。名古屋泊。寝る前に見たオバマ演説@広島にそれなりに感動。塩野七生さんが朝日のインタヴューに答えていたように謝罪は求めなくても十分ですね。むしろ求めないほうが大人ですね。日米ともに大人の対応。日中&日韓もそうすべきですね。

5月28日(土)
名古屋の常宿ホテルで目覚める。ここもサミット関係者が数多く泊まっているようでどことなく緊張感のようなモノが漂う。けど小生は久しぶりにゆっくりと過ごして命の洗濯。名古屋はなかなか美術館が充実していて(おまけに東京のようには混まないことが多いから)藤田嗣治やルノアールにも行きたかったけど中日新聞から招待券をもらった『黄金伝説展』に足を運ぶ。愛知県美術館が近いこともあったから。ところがコレがなかなか面白い展覧会で紀元前15世紀の金の耳飾りとか首飾りとかが並んでいてソノ古さとデザインのモダンさに驚いたりギュタヴ・モローの絵があったり…なかなか満足したあと栄中日文化センターへ。『シェイクスピアとオペラ』第2回のテーマは『ロミオとジュリエット』。ベッリーニの『カプレッティ家とモンテッキ家』(キャプレットとモンタギューですね)をちょっと解説したあとグノーの『ロミオとジュリエット』の映画。3時間のオペラを1時間10分程度に短縮したのを楽しんだあとメトロポリタン・オペラで2007年に若きネトレプコが14歳のジュリエットを見事に演じた舞台から「ジュリエットのワルツ」を愉しむ。オペラ歌手とはヴィンテージで(クラシックの演奏家とくに指揮者もそうかな)何年の誰某の何処何処での何の演奏…として語られるべきですね。07年のネトレプコのメトでのジュリエットは最高です。ビール飲みながら新幹線で帰鎌。

Blu-ray
『SPECIAL CONCERT 2016 HIROMI GO & THE ORCHESTRA at SUNTORY HALL』
『SPECIAL CONCERT 2016 HIROMI GO & THE ORCHESTRA at SUNTORY HALL』

5月29日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと郷ひろみさんの資料調べ。サントリーホールでの東京フィルハーモニーとのコンサートを見直したり経歴をチェックし直したり…。いろいろ頭にしっかり詰め込んで(インタヴューのときにメモを見たりするのは失礼ですからね)東京西新宿の文化服装学院へ。ミセス編集部の人と合流するとちょうど写真撮影が開始されるとき。以前五郎丸選手にインタヴューしたときのカメラマンさんに御挨拶。ビルの地下駐車場で行われた撮影を見学。郷さんは流石にスターですね。輝いてます。撮影のあとインタヴュー。これがなかなか素晴らしかった。郷ひろみが郷ひろみであるためのストイックなまでの人生論。詳しくは何ヶ月か先の『ミセス』を読んでいただきたいので今は内緒。ニューヨークの話や飲まないワインの話や歌手にとっての病気の話など…面白かったです。気負いもなくナチュラルにスターとしての人生を同世代のインタヴュアーに語ってくれました。DVDにサインをもらって仕事終了(ミセス編集部のオバサンは小学4年の時に買った郷さんのファーストアルバム『男の子女の子』にサインをもらって喜んでました(笑)。

5月29日(日)つづき
郷ひろみさんへのインタヴューのあと新宿のタワレコでDVDを漁っているとななななななんと桂枝雀主演/夢野久作・原作の『ドグラマグラ』があったので即購入。これは昔VHSを借りて愉しんだ(というか身体を震わせながら見た)映画。枝雀さんも原作の面白さに感激して出演されたのでしょうけど人生の結末の付け方を知ってる今となっては少々不気味ですねえ。他に3枚3000円のDVDを6枚買ってビール飲みながら帰宅。これでまた見る映画のストックが出来た…と喜んだモノの晩飯食ったあとソファで爆睡。目覚めて風呂でまた爆睡。映画見るにも体力が必要ですね。あ。昨日大阪の『丸善ジュンク堂』から本が届き孫は『星の王子さま』よりもヨシタケシンスケに興味を抱いたみたい。これってガキとして正常な反応なのかどうか…?

5月30日(月)
朝5時頃目が覚めて町田康『ギケイキ』を読みながら今日の仕事の予定に頭を巡らせたらドー考えても仕事を処理しきれないことがわかりベッドから起き出して午前中のゴルフ改革会議を休ませてもらうメールを書く。黒兵衛との散歩だけはきちんとこなして雑用処理。メールと手紙の処理だけでテイッパイ。午後から東京芝公園『AVATTA STUDIO』へ。『ニューズ・オプエド』生出演。ゲストは筑波大学体育系教授の菊幸一さん。ジャーナリズムとアカデミズムについて中村敏雄先生の著作を例に取りあげて思い切り語ってもらう。これは小生が以前からやりたかったテーマでこれからもスポーツ関係の大学教授に次々と出ていただく予定。政治や経済や社会問題や医療問題のテーマではアカデミズムの関係者がマスメディアに頻繁に登場するがスポーツの世界ではほぼ皆無(最近早大の友寄教授が時々NHKのニュースコメントなどに顔を出される程度)。スポーツ・アカデミズムの側にも責任はあるのでしょうがスポーツ・ジャーナリズムのスポーツ・アカデミズムに対する無知は甚だしく今後もこの「隙間」を埋めることに尽力したいと思います。番組の途中から菊教授のゼミとコラボして多くのイベントを実施している長田渚左さんが「遊び」に来られたので番組に引っ張り出して参加してもらう。番組終了後スタジオ前にある蕎麦屋さんで菊教授と長田さんと一緒に食事&酒&歓談。楽しいヒトトキ。ただし途中フジテレビから電話がかかってきたので酒宴の終了後小生はフジテレビへ。明日の清原判決についてVTR出演。酒が顔に出ない体質ですからね。おかげでフジテレビのクルマで帰宅。

DVD
『飛べ、バージル』
『飛べ、バージル』

5月某日(某)
書き忘れてたのですが何日か前に久しぶりに晩飯映画劇場を催して『飛べ!バージル』という映画を見ました。娘どもがまだ高校か中学の頃テレビで見てオモシロイ!スゴイ!と騒いでいたチンパンジーが主演する映画。そのDVDをようやく何週間か前に山野楽器で見つけたので買っておいたモノを見たら確かに面白い。頭の良いチンパンジーに手話で教育していた女性教授が研究費の停止でチンパンジーを米空軍に奪われる。そこでは多くのアタマの良いチンパンジーに飛行シュミレーターでジェット戦闘機の模擬飛行を教えてる。ところがソレが核戦争で核爆弾の放射線を浴びたときにパイロットはどのくらいどーゆー飛行を続けられるかを調べる実験だった。それに気づいた若い担当兵や女性教授が多くのチンパンジーと脱出逃走。ところがプロペラ機で逃げようとしたところで捕まって2人は飛行機から出てくるとバージルという名のチンパンジーが操縦桿を握って……。歳を取ると涙もろくなるというけどこんな単純な映画に泣いてしまった。しかしなかなか立派で見事に米空軍を敵にまわした素晴らしい反核映画でした。

5月31日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと『アサヒ芸能』連載原稿書き。北海道日本ハム球団が札幌に新球場を建設するというホンマかウソかわからんけど出回った計画についてソレはちょっと無理なんちゃうか?という原稿を書きました。サッカーと共用でデザイン優先の借り球場ではやりにくいのはわかるけどメジャーの球場はすべてどんな立派な球場にも税金の援助がありますからね。球団だけで建設すると建設費の返済と現在の借用料がほとんど変わらないはず…とかイロイロ書きました。日本のプロ野球は親会社との関係をスポンサー化して公的援助と公的還元を考えなければ…しかしプロ野球を牽引する読売新聞にはそーゆー考えがないでしょうなあ。スポーツ・ジャーナリズムを実践すべきメディアのはずが情けないこってす。原稿書きあげてサケ&メシ&フロ&サケ&ネル。

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