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11月1日(水)
送りバントと監督の采配ばかりが目立つ日本シリーズはアカンで(>_<)選手が奮起せい!送りバントばっかりコチョコチョやってナニやっとンじゃあ!大山も情けない三遊間サヨナラ安打で喜んでたらアカン!ホームラン打てとは言わんけど外野犠牲フライくらいはしっかり打てよ(>_<)関西の雄の2チームが巨人みたいなチマチマした野球やっててどないするねん!まぁ結果は俺の期待通りに3勝3敗3引き分けになりそうでエエけどな( ^o^)ノ

Back to 11月1日(水)
朝ベッドのなかで筒井康隆先生の『カーテンコール』から「本質」「羆」「お時さん」「楽屋控」「夢工房」「美食禍」の6編を読む。どれも面白く一人ベッドのなかでケケケケケと痙攣的哄笑を発してしまったがヤハリ元SF作家だけあって石器時代の人間に現代の美食を食わせる『美食禍』が面白かった。と同時に谷崎潤一郎の『美食倶楽部』を読み直したくなった。これは世界一美味い料理を目隠しして味わうという小説で目隠しされて横に並んだ男たちが涎をびちゃびちゃ垂らしいて旨い旨い旨いとわめくメッチャ面白い小説。その料理とは実は…種明かしはやめましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。黒兵衛の食事も涎垂らしてあっという間ですね。ドッグフードってそんなに美味いのかな?ワン。終日デスクワークは本HPの原稿作りや請求書書きなど雑務。そんなに頭を使う仕事ではないので久し振りにマーラーの交響曲を順々にBGMに。1番の『巨人』はムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団とテンシュテット指揮シカゴ響がイイですね。バーンスタインは若いときにNYフィルを振ったモノがイイですね。『大地の歌』はバーンスタイン指揮ウィーン・フィル綺麗な音とのディースカウとキングの歌が最高ですね。あ。海賊版だけどクライバー指揮ウィーン・フィルのルートヴィヒとクメントの歌も見事ですね…と思ってるうちに晩飯の時間。もちろん日本シリーズを見ながら。岡田はん!今季最多安打の中野に送りバントはさせんといてほしいなぁ。

11月2日(木)
森下のフォークボール狙い打ちはホンマに見事でしたが岡田の采配はサイテーですね。1回裏無死一塁でナンデ中野に送りバントやねん?チマチマした野球をするな!(>o<)選手を信用してガンガン攻めんかい!あ〜しんど。

Back to11月2日(木)
ベッドのなかの朝の読書は筒井康隆先生の『カーテンコール』から「夜は更けゆく」「お先の人生」「宵興行」「離婚熱」「武装市民」「手を振る娘」「夜来香」「コロナ追分」「塩昆布まだか」「横恋慕」「文士と夜警」を次々と読み進む。筒井先生ゼッコーチョーですね。面白すぎてタマリマセン。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。散歩中も「横恋慕」を思い出して小さな美人の人魚と鮑の水槽の中でのセックスシーンとそれを見て嫉妬する主人公を思い出してケケケケケと笑い出してしまう。「どないしやはったん?」といつも一緒に散歩しているヨメハンに訊かれてイヤマァアノソノケケケケケと狼狽えてしまう。筒井ワールドは毒素満タンですな。ワン。終日デスクワークは本ホームエージの原稿作りと来週火曜の名古屋中日文化センターでのオペラ講座のレジュメ作り。ふうううう。何とか日本シリーズ第5戦に間に合わせてテレビの前でビール&晩飯。いやぁ宇田川投手の超低目に落ちるフォークボールをすくい上げて打った森下の左中間三塁打はホンマに見事やったですナァ。これで小生の予想(期待)通りに3勝3敗3引き分け両チーム日本一になったら最高なんですけどね(笑)。

Back to 11月1日(水)again
この日も毎週水曜恒例のRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演してました。筒井先生の本の面白さとタイガースの選手の監督のアホ采配を凌ぐ頑張りに興奮して書き忘れました。話の内容は10月29日のスポーツ政策学生会議についてです。13年目を迎えてもまだ九州の大学は未参加。来年は是非とも参加してください。特に九州大学の図書館は拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書)を教授たちの推薦する100冊に入れてくれたくらいですからね。是非とも参加してください。

11月3日(金)
文化の日。日本国憲法が公布された日だが戦前の明治節(明治天皇誕生日)を継承したのかな?ベッドのなかの読書は筒井康隆大先生の『カーテンコール』。残された「プレイバック」「カーテンコール」「附・山号寺号」を読み切って読了。面白く楽しく読めました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「山号寺号」という遊びは小生が高校生の頃。まだ立川談志が司会をしていた『笑点』でやっていたのを今も憶えている。そのとき誰かが「カリフォルニア産(山)オレンジ(寺)」と答えて大受け。ちょうど日本がオレンジの輸入解禁でミカン農家が騒いでいた時代でした。時代は変わる(進む)モノですね。ワン。朝チョイと仕事(来週のオペラ講座の準備)をして昼飯時にヨメハンと一緒に大船駅へ。やって来た長女と孫と待ち合わせて「大船祭り」へ。それは3・11をキッカケに生まれた「大船と大船渡」というイベントを引き継いで生まれた祭りで駅前通は鬼の反吐(人だらけ)。楽しく押し合いへし合いのなかでズラリと並んだ屋台のなかから行きつけの店「フラット」の出店を発見。生ビールと唐揚げチキンに舌鼓。長い行列ができてる大船渡の店に長女が並んでくれて焼き牡蠣や秋刀魚のフライや烏賊のフライも手に入れて地ビールの鎌倉ビールも。さらに「アジト」というジビエの店があったので猪の串刺しステーキも喰って腹一杯。みんなで帰宅してチョイと休んで映画鑑賞は孫の教育を考えて『リトル・ダンサー』。イギリスの貧しい炭鉱町に育った小学生の男の子が「女みたいなことをするな!」と怒る父親や兄の反対を押し切ってダンスに目覚めてバレエのレッスンを受けるようになり最後は父を説得してロイヤルバレエ団の試験に受かって英国ロイヤルバレエ団の一員として『白鳥の湖』を踊るという話。孫が今年の夏の読書感想文に選んで映画も見た『ロケットボーイズ(大空の彼方へ)』とまったく同じシチュエーション。孫も俺たちもそれなりに感激。終わってから映画にも出てきたフレッド・アステアやジーン・ケリーのダンスを見ることのできる『ザッツ・エンターテインメント』を見ながら晩飯。酒飲みながら長女にビデオクリップでレディ・ガガや夜遊びなどの今様流行の音楽を次々と見せられ聴かされたがピンとこないので都はるみにしてもらう。時代は変わるもんですね。

11月4日(土)
ベッドでの朝の読書は毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』(講談社)読み始める。面白い。確かに音楽(歌)に対する軍による検閲があったことは確かで《一般の声も「この非常時においてというお題目の下にうるさくなった》が《意外なことに検閲官が権威を笠に着て威張りちらしたとか「けしからん!」と怒鳴るなど強権を振りかざした類の回想はまず見当たらない》らしい。作曲家の服部良一は亡くなったときに《戦時下でも当局の神経を逆なでするような哀愁を帯びたブルースものを書き続ける。このため「服部ブルース」ならぬ「発禁ブルース」とか「ハッキン良一」と皮肉られた(読売新聞1993年1月31日付)》と報じられたが実は1937年の『別れのブルース』以下『雨のブルース』『東京ブルース』等の日中戦争下で書かれた服部ブルースに発禁作品はひとつもない。この訃報記事は伝聞に基づいて書かれたものであろう》ナルホド。そして本書は明治時代の「壮士演歌」に対する弾圧から発禁の歴史を解説する。読まねば。ワン。ベッドを出て長女と孫と3人で黒兵衛と散歩。犬のリードを持たないと何故か疲れる。引っ張ってくれる存在がないからか?ワン。散歩のあとみんなで庭の整理。子供たちが小さい頃に卓球をして遊んだりバーベキューの食卓にした木製の机がボロボロになったので鋸と金槌で解体。雑草の整理などで疲れる。子供や孫がいないとできない作業を昼過ぎまで。トホホ。腰が痛い。遅い昼飯のざる蕎麦をみんなでつついて昼寝…と思ったがJリーグのルヴァンカップ決勝が面白くて寝られず。強豪浦和レッズ相手に接戦を制したアビスパ福岡が初タイトル。めでたいですね。チョイと仕事をしたあと家族4人で大船のジビエの店『アジト』へ。昨日の「大船祭り」で食った猪の串刺しステーキがメッチャ美味かったので店を訪ねて薄切り猪のサラダや鹿のステーキや羆(ヒグマ)のステーキや鹿のハンバーグや鹿のピザなどを堪能。ヨメハンも長女も孫もオレも美味い美味いを連発。本当に美味しくリーズナブルな価格のジビエ(野獣料理)でした。横浜ビールも日本酒の荒波も馬勝った。牛負けた(古いギャグですね)。この店では他にアライグマやハクビシンなども出すらしい。次の機会に挑戦するか。途中から長女のスマホで日本シリーズも観戦。今日は山本投手に花を持たせて仲良く3勝3敗。引き分けは1度だけで2度目となると決着がつくまでやるらしいから「俺の予想(期待)どおり3勝3敗3引き分け2チーム日本一」とはならないらしいけどオモシロい関西シリーズになりましたね。

11月5日(日)
阪神タイガース優勝おめでとうございます。こんなにタイガースの優勝を客観的に冷静にお祝いの言葉を書き贈ることができるのは初めてです。1985年は多数派に与しても嬉しかったけど今回は多数派に与して申し訳ない気持ちです。バファローズも応援したいけど親会社に(イチローの関する小生の記事で)虐められたことがあったので複雑です(このことについてはいずれ本HPで詳しく書きましょう)。まぁ今後何年か強い両チームで関西シリーズを繰り返して優勝を分け合い続けて読売新聞社が阿呆臭くなって日本のプロ球界から手を引いてプロ野球界がJリーグのような組織になることを望みましょう。読売が去ったあとのJリーグは見事に成長してますからね。ま。とりあえずタイガースの日本一おめでとう!来年はバファローズの巻き返し。そしてタイガースの虎のマークと競うに値する岡本太郎画伯の「猛牛デザイン」の復活を期待しましょう!

Back to 11月5日(日)
朝のベッドの読書は『幻のレコード』の大正期の話。大正末から昭和にかけてレコードが爆発的の売れ出して(実に1か月70万枚)《俗曲・里謡(民謡)・落語・万歳といった通俗な芸能に卑猥な言葉やくすぐり(下ネタ)が入ることは多々あった》とか。《色気づいたか五月の蝉は松を抱えて腰つかふ…》といったものらしいがコレは珍丸愛吉という芸人が吹き込んだ「串本節」だが砂川捨丸も登場。捨丸師匠は小生が餓鬼の頃のテレビの演芸番組にも「捨丸・春代」の漫才コンビでよく登場してましたね。ワン。長女と孫とヨメハンと一緒に黒兵衛の散歩のあと机の解体が終わって広くなった庭の整理。俺が少々仕事をしている間にみんなはホームセンターに出かけて野菜の種などを買ってきてプランターに植え付けたり。俺がゴミの整理で疲れて昼寝しているうちに長女や孫は帰っていったらしい。チョイと仕事のあと関西シリーズ。3-0になった時点でほぼ勝負の行方は決まって6-0で確信。シーズン最多安打の中野に無死一塁で送りバントをさせ…あと1打者で勝利投手の青柳を交代させる…まぁ勝てばいいという野球をタイガースまでがするようになったわけですね。そして山本由伸投手はアメリカへ。時代は変わりましたね。しかし…この先どう変わるか…日本はどうなるのか…誰にもわからないけど…とりあえず関西万博は返上中止にしたほうが良さそうだし神宮外苑の再開発もやめたほうがいいですね。そしてマスメディアが日本の野球界を支配するのもやめにしましょう。野球界は野球人の手に返しましょう。

11月6日(月)
朝の読書『幻のレコード』メッチャ面白い。「発禁」の対象が大正から昭和へと移るにつれて「アカ(共産主義)」と「エロ」から「軍隊」や「靖国神社」に対する「取り扱い」へと広がっていく。漫才で靖国神社を取りあげて《小野小町を祀ってある》などと《ボケ》をかますのも発禁。《靖国神社という「国体の尊厳」に触れることはそれが世間一般で周知の事実をわざと外すボケでもけっして許されなかった》しかし「ツッコミ&ボケ漫才」に靖国神社や軍隊をテーマに取りあげたこと自体で戦前のお笑い芸人たちに賞賛を送りたいですね。次々と「発禁レコード」を連発した柳家三亀松や砂川捨丸やエンタツ&アチャコはエラかったですね。それに較べて今の芸人たちは…あ。沖縄を拠点にしている「お笑い米軍基地」がいますね。マスメディアには(TBS『報道特集』以外)取りあげられないけど…といことは戦前の「検閲」とは現在の「マスメディア」のことですかね?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。秋の暑さは空気が乾燥しているから心地よいですね。終日デスクワークは明日のオペラ講座の準備etc。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。池乃めだかさんの80歳記念の舞台だとか。ヨシモトの定番パターンの笑いに大笑いしながら飯食って酒飲んで明日が早いので早く寝る。

11月7日(火)
いつもより1時間早くベッドを出て土砂降り暴風雨大嵐のなかサッサと黒兵衛の散歩を済ませてタクシー呼んで大船駅へ。品川経由新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでの『One Dayオペラ講座』で講義。テーマは『カルメン』。フランチェスコ・ロージー監督ジュリア・ミゲネス主演の映画が如何に素晴らしいか…カルロス・クライバー指揮ゼッフィレッリ演出のウィーン国立歌劇場の舞台が如何に見事だったか…を解説。また我がオペラの師匠永竹由幸さんの「カルメンはスペイン音楽ではない」という「正論」を紹介。いろいろ楽しく話したりDVDを楽しんだり…映画も舞台も半世紀近く経つのに古さはまったく感じられませんね。オペラは歌手も指揮者も演出家も1970〜2000年あたりがピークだったかな?今もコロナの後遺症が響いてるのかな?講義を終えてビールを飲みながらツマミに柿の種を食いながら『幻のレコード』を読みながら新幹線で品川経由帰宅。この見事なドキュメンタリー本には皇紀2600年(昭和15年)にドイツのリヒャルト・シュトラウスやフランスのイベールなどに委嘱して寄せられた奉祝楽曲がレコード化された話題も書かれていたがイギリスのベンジャミン・ブリテンが『鎮魂交響曲』という死者を鎮魂する楽曲を送ってきて日本政府が激怒した話がカットされていたのは残念。これも「検閲」の一種と言えたのでは?

11月8日(水)
『幻のレコード』読み進む。メッチャ面白い。エロやアカや軍隊批判や政府批判や世相批判の歌詞だけが問題にされていた「検閲」が「歌い方」や「声」までが問題にされるようになってくる。満州事変上海事変と進む世知辛い世相中で色っぽい声や艶っぽい声までが問題にされるようになるのだ。そのような一連の艶っぽい歌が「ねェ小唄」と呼ばれて大流行。♪アァそれ〜なのに〜それなのに…ネェ〜怒るの〜は〜怒るの〜は〜あったり前でしょう……てな感じで当時の作詞家もイロイロ頑張ったんですね。『あ丶それなのに』という歌は戦後も歌われて小生もテレビで見聴きしたことがありますね。渡辺はま子や美ち奴や『ウチの女房にゃ髭ある』も知ってます。俺も歳ですね。チョイと用事ができたので執筆中断します。失礼。

11月8日(水)つづき
『幻のレコード』のなかに強烈な発禁レコードが紹介されていた。それは1932年9月新譜のレコードドラマ『東京空襲葬送曲』。同年海野十三(うみのじゅうぞう)が雑誌『朝日』5〜9月号に連載した「SF戦記」のドラマ版で上海事変をキッカケに日本とアメリカが交戦状態に入り東京が米軍の空襲にさらされるという内容。これが《外交問題となりかねない内容》であり《作戦行動や潜水艦の航続距離が写実的に描》かれており《不必要に不安を煽る》として「発禁」となった。《ストーリーの後段で「日本帝国ノ壊滅ヲ思ハシムル」点も問題となった。最終的には光線兵器「怪力線」が米爆撃隊を漏れなく撃墜して日本は救われるのだが架空のドラマでも自国が爆撃にさらされる描写は検閲当局にとって不穏当きわまりない》というわけで「発禁」になったとか。しかし太平洋戦争開戦9年前にこんなSFを書いた当時の作家も凄いですね。いま台湾有事や日中戦争を小説に書く作家はいないのかな?ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。阪神タイガースが日本シリーズに勝って「日本一獲得回数最下位」から脱出した話をする。コレまでたった1回しか日本一になってないチームは2リーグ制以後楽天イーグルスと阪神タイガースだけでしたからね。しかし今年の日本シリーズもヌケヌケ(相撲用語で白星と黒星が交互に続くこと)が成立しなかったのは残念でしたね。これはアメリカのワールドシリーズでも1回しかなく野球という競技には連勝連敗がつきものと言えますね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは『スポーツゴジラ』の連載『走』第8回執筆。F1パイロットだった中島悟氏は自分の職業(肩書き)を「運転手」と言っていたという話。そう言えば多くの人は自動車の運転に集中せずに音楽を聴いたり同乗者と会話したり。中島さんは自動車の運転が大好きだったんですね。「好きこそものの上手なれ」この諺は係助詞の係り結びになってますね…とは中学時代の知識ですね(゚o゚;)

11月9日(木)
『幻のレコード』読み進む。満州事変・上海事変が日支事変へと進むなかでレコード検閲は厳しくなりホンの男女の心の機微に触れるものでも発禁になる世の中で『皇軍万歳』といった軍歌が横行するようになる。ところが…♪何を小癪な支那の兵〜喩え百万寄せたとて〜抜けば玉散る日本刀〜目に物見せてくれようぞ〜…《と歌詞こそ勇ましいがその実はハワイアンの「タフ・ワフ・ワイ」をホットにジャズアップしたジャズソングであった。新聞の新譜評は「これが何とネタを割るとハワイ名物尻振りエロ踊りのフラ・ダンスの音楽に軍隊の文句を付けたものなのだから物凄い」(読売新聞1937年)と身も蓋もない書きぶりだ》ホント。笑ってしまうというか…戦後はクレージーキャッツの谷啓がギャグにしていた「タフ・ワフ・ワイ」を軍歌に使ったギャグ精神には感服するが《「タフ・ワフ・ワイ」は英語圏では「ハワイアン・ウォー・チャント」(ハワイの戦いの歌)のタイトルでも流布したからこれを時局の歌にしようという発想はごく自然のものだったかもしれない(略)トミー・ドーシー楽団が同じ曲をスウィング化してレコーディングしたのは1938年のことだから日本コロムビアの「皇軍万歳」は本場アメリカよりも1年早い。ギターが刻むエッジの効いたリズムに乗せたラップ調の歌唱はこれが1937年の「時局歌」だとわかってはいても時代感覚を惑わせる》戦時下の発禁下でも日本のジャズメンたちは頑張っていたのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと東海道線で藤沢へ。以前年金事務所へ行った帰りに見付けた素晴らしそうな古書店「太虚堂」を訪れて本を売却する相談をする。若い40代の店長は父親の始めた古書店を継いで若いときは神田の古書店でも修行を積んだ人物だったが最近の古書マーケットの不振部売りをいろいろ教えてもらう。文学全集なんかは全然売れないそうです。漱石も芥川もダメ。古典文学大系も100巻揃って数万円にもならないとか。マルクス全集とかレーニン全集は?と訊くと共産党系は本よりビラなどのほうが値が高いとか。面白いものですね。お店のなかは素敵な画集とかイロイロ面白そうな本がイッパイ。売るより買いたくなる。ジャズの本が多かったけど亡くなった相倉久人さんの家が近いので整理されたものだとか。ウワー。相倉さんも奥さんもよく知ってます…で話が弾んで一緒に来ていたヨメハンが相倉久人さんの『ジャズは死んだか』(音楽之友社)という1970年代に出た本を購入。裏表紙の写真入り推薦文は山下洋輔さん。表紙裏の推薦はタモリさん。みんな若いですねぇ。帰宅すると共同通信から書評の執筆依頼のあった本が届いていた。森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)。面白そうですね。さらにカメラマンの岡村啓嗣さんが神戸新聞社から出した『平尾誠二』さんの写真集も送られてきた。これは見るのがちょっと辛いですね。多くがデジタルになったと太虚堂の店主もいってたけどマダマダ紙の本の文化は廃れないはずだけど…。

11月10日(金)
朝のベッドの読書が楽しい。『幻のレコード』メッチャ面白い。服部良一作曲で高峰三枝子が歌った『湖畔の宿』は時局にそぐわないとして「発禁」になったことが常識的に語られてきたが実は「発禁にはなってない」のですね。それと同様戦時中に「ジャズは禁止された」と誰もが(私も)思っていたけどジャズがすべて禁止されたわけではなく《騒擾的なるリズム音楽》《あまりに扇情的淫蕩的感情を抱かしめる音楽》《怠惰感を抱かしめる様な退廃的或いは亡国的なる音楽》以外はOKでグレン・ミラーやベニー・グッドマンのスローバラードなどは発売されていたのですね。しかし「規則」は曖昧で日本のジャズメンたちは「敵性音楽」を奏でると白い眼で見られたようでも日本の民謡をブギウギやルンバやブルースでスイングして頑張っていたようで思わず「お見事!」と言いたくなる記述が沢山ありました。あ。『湖畔の宿』の作詞は佐藤惣之助で古関裕二作曲の『阪神タイガースの歌・六甲おろし』の作詞者ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨が今にも落ちてきそうな曇天。小生は昔から「晴れ男」で通っていたけど最近はよく雨に降られる。歳のせいかな?ワン。校正やナンヤラカンヤラ仕事をこなしたあと午後から東京へ。今日の『ニューズ・オプエド』は休ませてもらうことを告げて品川からタクシーで三井倶楽部へ。来週木曜に開幕する「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」の「ドライバー歓迎イベント」に参加。先日『ZAITEN別冊メセナ特集号』(12月発売)でインタヴューさせてもらった(株)フォーラムエイトの伊藤社長や武井副社長にご挨拶。同社の宣伝に起用されているパックンや広告で支援してもらってる『スポーツゴジラ』編集長の長田渚左さんにもご挨拶。しかし「WRC世界ラリー」のカーボンニュートラルの取り組みやハイブリッド燃料の説明などがメッチャ勉強になった。なるほど自動車レースというのは単に速さを競うだけではなく「自動車の進化」を競って挑戦してるわけか…と納得してパーティは遠慮して帰宅。大船駅でタクシーを待っているとご近所さんの男性に声をかけられて一緒に帰宅。この男性が小生に著作の大ファンとかでメチャボメされて恐縮。ご近所さんにそんな方がおられるとは恐縮至極歓喜雀躍嬉しい限りです。

11月11日(土)
これまで本欄の日付を12月と誤記していました。失礼しました。訂正したのでよろしく。そんなに早くアレヨアレヨと月日が進んでもシャーナイですね(>_<)

11月11日(土)Once more
毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』(講談社)読了。メッチャ面白かったです。勉強になりました。小川近五郎という検閲官の存在にも非常に考えさせられました。音楽が好きでジャズも認めて…しかし小官僚で音楽界を「是正適正化」しようと考え検閲で発禁命令を下す。「正しいことを行っていると自覚している人」ほど難しい存在はないですね。そのような人物が現在ではSNSを根城にしているワケですね。戦前も戦後も現在も日本社会はあまり変わらないですね。この本は今年のベストワンかな?いや『硫黄島上陸』も素晴らしかったしコレから読む本もあるしマダマダわからないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。帰ってくると講談社から今月の現代新書が4冊届く。読みたい本は一時に固まって目の前に現れるのでチョイと困りますが嬉しいですね。池上彰『昭和の青春 日本を動かした原動力』は帯に《あの熱い時代は何だったのか 学生運動・高度経済成長・新たな文化・そして繁栄の「陰」…》とある。小生の2歳年上の団塊の世代(?)の回想録?現在日本のマスメディアの問題点を語ってほしいとも思うけど…。古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』は漫画と宗教の専門家との対談でゾロアスター教やインド神話から聖書コーラン論語万葉集…等を解説。オモシロソウ。横尾忠則『老いと創造 朦朧(モーロー)人生相談』は横尾画伯の作品がカラーで満載。それを見ているだけで時間の経つのを忘れる。千葉聡『ダーウィンの呪い』これはジックリ読みたいですね。《ダーウィンが独創した「進化論」は科学に革命を起こした一方で3つの「呪い」を生み出した。@進化の呪い。「進歩せよ」を意味する"進化せよ"A闘争の呪い。生き残りたければ戦いに勝て。Bダーウィンの呪い。コレは「自然の事実から導かれた人間社会も支配する規範…》ナルホド。この《呪い》に最も縛られているのは現代日本社会かもしれないですね。まだ「万博」なんて騒いでますからね。片っ端から新書の新刊を次々と拾い読みしていたらあっという間に夕方。TBS『報道特集』を見ながら晩飯&酒。現代社会は詐欺と宗教と戦争の世の中のようですね。嗚呼。

11月12日(日)
朝の読書は漫画と対談で構成された古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』(講談社現代新書)。一気に聖書・ロシア正教・コーラン・ゾロアスター教・インド神話・ジャイナ教・論語まで読み進む。気軽にオモシロいですね。野球用語の敬遠が論語の「鬼神を敬して之を遠ざく」から生まれた言葉だとは知らなんだ。70年も生きてて知らないことはマダマダあるんですね。興味深かったのはゾロアスター教とジャイナ教とインド神話ですね。しかしゾロアスター教のザラスシュトラで『ツァラトゥストラはかく語りき』に触れられてなかったのはちょっと残念。いやまぁニーチェは名前を借りただけだからイイのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。小雨がパラパラで雲古を見届けてソソクサに退散。昨日の『報道特集』で京都伏見区で発達障害の子供相手の散髪をしている若い床屋さんは素晴らしかったですね。散髪を嫌がる子供に笑顔で接してスマイルカット。素晴らしい!発達障害の子供は「困った子供」ではなく「困ってる子供」と言うのは見事な解説だったですね。そのあとの平尾誠二のドラマはいろんな理由で見ていられなかった。生前の平尾の顔そっくりのメイクと髪型での再現ドキュメンタリーなのか?ドラマ作りとは何か?を考えずに創られてもナァ…。ワン。終日デスクワークは金銭出納や請求書や雑務ばっかり。ふうう。夕方から大相撲。若元春が負けたのは残念だったけど高安の豪快な投げがよかったですね。晩飯と風呂のあとは酒飲みながらジョン・ウィリアムス指揮サイトウ・キネン・オケを楽しむ。ヤッパリ『スーパーマン』や『スター・ウォーズ』や『E.T,』や『インディ・ジョーンズ』は大名曲ですね。小生はその4作品のテーマを歌い分けられることが自慢です(^0^;)

11月13日(月)
『謎とき世界の宗教・神話』西遊記・北欧神話・万葉集と読み進む。なんで仏教の説明が西遊記やねん?なんで日本神話が記紀やなくて万葉集やねん?と突っ込みたくなったが読んで納得。三蔵法師は印度へ沢山の経典(お経)を貰いに行ったのですね。万葉集には中国文化圏の営みの内部から生まれたのですね。そっから中国独自の文化を経て日本独自の文化が生まれたのですね。しかしヤッパリ天照大神・素戔嗚尊・海彦山彦・日本武尊…の話も聞きたかったですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。北欧神話はワーグナーの『ニーベルンクの指環』で半世紀以上のお付き合いしてるので親近感があるけどドイツ人(ゲルマン)の神話が残されてないからワーグナーは北欧神話を使ったという指摘には納得しながら少々驚いた。だからヒトラーは古い神話を維持しているユダヤ人に嫉妬した?ということはないでしょうけど…ワン。終日デスクワーク。ナンヤラカンヤラ雑務がイッパイあって少々ウンザリ。メールの処理やらイロイロ。大相撲は高安があっさり負けたことに驚き。昨日はあんなに強かったのにワケのわからん力士ですなぁ。地元力士の湘南乃海は2連勝ですね。晩飯はテレビ神奈川で吉本新喜劇を見ながら。スチコさんは脇役でいつもよりオトナシかったですね。

11月14日(火)
古市憲寿『謎とき世界の宗教・神話』(講談社現代新書)読了。最後は「禅と日本文化」「聖と俗」をテーマに鈴木大拙とエリアーデの解説でした。しかし気楽にベッドのなかの読書としては眠りについたり眠りから覚めたりするのに便利でしたけど物足りなさ満点でしたね(笑)。著者もあとがきに《本書は2022年に出版した『10分で名著』の続編》と書いていたけどそのタイトルだったら読まなかったでしょうね。まぁ入門者の入門編の入り口としてはよかったかも…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近所で水道管とガス管の入れ替え工事が始まって大きなトラックが住宅街を疾走する。まぁシャーナイけど結構恐ろしいものですね。ワン。終日デスクワーク。合間に横尾忠則『老いと創造 朦朧(モーロー)人生相談』(講談社現代新書)パラパラめくる。3〜5頁ごとに現れる著者の描いた作品のカラー図版が現れるのがオモシロい。この人はイラストレイターではなく画家ですね。そう言えば一昨日のNHK-Eテレの『日曜美術館』で紹介されていたけど毎日100号くらいの絵を1枚描かれているんだから素晴らしい「絵の体力」の持ち主ですね。本には『禅について』という章があって横尾氏の禅志向と体験が開かれていた。《禅は語るものではなくまず肉体による体験です》小生もそう思います。体験はしていませんが。ニューヨークで出会ったヒッピーや作曲家のジョン・ケージなどが鈴木大拙を学んだりアートに禅を利用したりしようとしていたのを横尾氏はやんわりと批判。その通りですね…と思う小生も批判の対象ですね。喝!!

11月15日(水)
朝ベッドでの読書は千葉聡『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書)読み始める。チョイと理解しづらいとこもあるけど(遺伝の説明等)オモシロい。ダーウィンは「適者生存」という言葉を使ったことがなく現代の進化学者もコノ言葉は使わなくなった(封印された)けどユヴァル・ノア・ハラリのような有名な学者までが今でも世界的ベストセラー『ホモ・デウス』のなかで「進化論は適者生存(survival of fittest)の原理に基づいている」なんて(間違ったことを)書いている…という指摘には驚きですね。ダーウィンの「進化論」に対する「理解」は「あらゆる名声は誤解の総体である」というリルケの言葉(『マルテの手記』)を思い出させますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。道路工事で通行者や通行車の交通整理をしている人に挨拶。皆さん挨拶を返してくれる。黒兵衛を撫でてくれる人も。気取らない人たちとの挨拶や会話はイイですね。ワン。終日デスクワークは月刊誌『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」の執筆。サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏の文化勲章受賞の「意味」は先月北國新聞にも書いたけどさらに詳しく記述。スポーツを親会社等の宣伝に利用するのでなくスポーツをやることそのものを目的にしたJリーグやBリーグを創設した人物に文化勲章(国の御墨付き)が与えられた「意味」は小さくないですね。これを機会にスポーツを「所有」したり「利用」したりしている企業はスポーツを「支援」するカタチに「進化」するべきですね。夕方から大相撲。玉鷲は素晴らしいですね。良い相撲を取りながら白星に繋がらなかった明生は貴景勝相手に勝てて良かったですね。ニューズを見ながら晩飯のあとはBS11で『三波春夫あなたに逢いたい〜初めて語られる昭和スターの素顔』を見る。小生は自分の出たTV番組はほとんど見ないのが常(恥ずかしいですからね)だけど三波春夫先生からいただいた長さ4mの墨痕鮮やかな手紙をTVで初公開したこともあったのでジックリ見せてもらう。イイ番組でした。娘さんの三波美夕紀さんの話も面白かったし三山ひろしさんの『俵星玄蕃』も美事で素晴らしかった。三波先生と共演したパーカッショニストの話も三波先生が定宿にしていた山形上山温泉「古窯」の女将さんの話も素晴らしかった。すべては三波春夫という素晴らしい人物の賜物と言えるのでしょうがこんな素晴らしい番組に出させてもらえて光栄でした。番組はYuTubeにあります。https://www.youtube.com/watch?v=VKA9ynDyOK0

11月16日(木)
『ダーウィンの呪い』メッチャ面白い。ダーウィンの唱えた「進化論」は《目的も方向性もない盲目的な変化の過程》であったにも関わらず一般大衆や多くの学者は《進化を進歩と捉えて》進化とは《下等な生物から人類を進歩させたプロセスでありより高度な進歩した未来へと人類を導くもの》と考えたのですね。まぁそういう「明るい未来(進歩)」を考えたくなる気持ちはわからないでもないけどそれを「社会の進歩」にまで広げて考えたベンジャミン・キッドの『社会進化論Social Evolution)』(1894年)が世界的ベストセラーとなりイギリス首相のチェンバレンやアメリカ大統領マッキンリーや毛沢東の師匠である梁啓超も影響を受け内村鑑三も新渡戸稲造に宛てた手紙に《我々自身の国家の将来の姿にとってなんと示唆的であることだろう》と書いたというのはイキスギと言うほかないでしょうね。マァみんなが「進歩」を夢見て生物(人間)も社会も「進化=進歩」と考えたかったのでしょうね。しかし夏目漱石は『社会進化論』を《「愚論」だと一刀両断にしている》という。流石は漱石ですね。またダーウィンの(進歩ではない)進化論(単なる変化)を正しく理解したSF作家のH.G.ウェルズは『タイムマシン』で「退化」したとしか思えない80万年後の未来人を登場させた(そういう「進化」もあるのですよね)。小生もこの本の記述でウェルズの小説の本当の意味がやっと理解できました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。道路工事の人たちと挨拶しながらの散歩は楽しい。こんな挨拶に小生が初めて目覚めたのは初めての海外旅行でスペインのホテルに泊まったときでしたね。朝起き出歩いてるとすれ違う人がブエノス・ディアスと挨拶する。その後行ったアメリカでもホテルで見知らぬ人が必ずグッモーニンと声をかける。挨拶をしない日本人はシャイなのか…挨拶する外国人に初めて感激したのは27歳の時でしたね。挨拶する道路工事の人たちも素晴らしいですね。ワン。終日デスクワークの途中で『週刊エコノミスト』の編集者とZOOMで打ち合わせ。ウクライナとパレスチナの現状でオリンピックはどーなる?という話。今こそオリンピックは平和運動であることを強く主張すべきで日本のメディアもスポーツパースンもスポーツに注目するだけでなく平和運動としてのオリンピックを主張すべきですね。五輪停戦を主張する声をあげるだけでも意味があるはずですよね。

11月16日(木)つづき
昨日の本欄に書き忘れたけどサッカーのW杯予選ミャンマーとの試合はどーでもイイ試合でしたね。あれほど実力差のある両チームの試合を視聴率目当てに何とか盛りあげようとしたテレビ局も苦しかったことでしょうね。怪我人(ケガを口実に出場を避けた?)選手が多く出たのは良い選択でしたね。しかし…ミャンマー・シリア・北朝鮮と続く試合相手はサッカーとは別に尋常ではないですね。ミャンマーとの試合の外では民主化を叫ぶデモもあったらしいですが…軍人が選手としてスポーツ(国際大会)に参加するのはイイのかな?ジックリ考えてみます。

11月17日(金)
『ダーウィンの呪い』メチャンコ面白い。ロシアのアナキストとして有名なクロポトキンは生物学者でもありダーウィンの進化論を我流に解釈して無政府主義に導く理論を構築したのですね。日本の《人事院は行政官としての素養を高めるため「若手行政官への推薦図書のリストを作成し》そのなかにダーウィンの『種の起源』も掲載されているらしいが《ダーウィンの言葉は生物進化の道筋を説明するだけでなく現代社会を生きる人々への示唆に富んだものにもなっています》という解説文の《出所は国家廃絶に命を賭けたアナキストにして革命家クロポトキンの言葉だとすれば何とも皮肉な話である》思わす吹き出したが笑って良いのかいけないのか…ダーウィンの「進化論」は「進化」を「進歩」と曲解したマルクスの唯物史観にも「影響」を与えて《共産主義社会という最終形態のゴールに向かう進歩を想定》するようになったのですね。なるほど「理解とは誤解の総体」のようですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と雨の中を散歩のあと終日デスクワーク。校正やらナンヤラカンヤラを秋の長雨をナガメシマに。

11月17日(金)つづき
夕方から『ニューズ・オプエド』MCはプロゴルファーのタケ小山さんに譲って今日はゲスト出演。メインテーマはタケさんやゴルフ・ジャーナリスト協会の小川朗会長やジャーナリストの上杉隆さんが中心になってゴルフの話題。小生はサッカーのミャンマーとの試合についてや(2項目前を参照)大谷のMVPについてなどを語らせてもらう。そりゃ大谷の活躍は見事で素晴らしいですけど日本の野球界は今のままで良いのでしょうかねえ?読売や朝日のマスメディアが野球界の支配から手を引くべきときに来てますよね。アメリカのメジャーはメディアがチームを持つことは禁止というのが不文律ですし読売ヴェルディが川崎から去ったあとの川崎のスポーツ界(フロンターレやレッドロケッツなど)が健全に発展していることを見ればマスメディアは日本のスポーツ界から手を引くべきですね。マスメディアでは喋れないことをいろいろ喋らせてもらって番組終了したあとは野球の日韓戦と『チコちゃん』をイロイロ見ながら晩飯。韓国の投手も良くてイイ投手戦でしたね。うわっニュースで高安が豊昇龍に勝ったのを知る。小股すくいとはお見事!

11月18日(土)
『ダーウィンの呪い』読み続ける。進化論を巡っていろんな学者が次々と山ほど登場してくるのが面白い。ダーウィンの従弟フランシス・ゴルトンは世界で最初に天気図を考案した天才学者らしいが指紋の分類法を確立して犯罪捜査への利用を提案したり最も美味しく紅茶を淹れる方法や最適なケーキのカットの方法を理論と事件か導いたりもしたらしい。また教会での《祈祷の効果を定量的に分析し(略)最も頻繁に健康を祈られている王や女王ら王族は最も長命なはずだと仮説を立てて寿命のデータを調べたところ実際には富裕層のなかでも王族は最も短命だとわかり「祈り」は身体の動きと時間の無駄であると結論して教会を中心に社会から強い批判を浴びた。もっともこの批判は人々の祈りに真剣さが足りなかったからという解釈が否定できなかったおかげで沈静化した》という。今日ならイグノーベル賞連続受賞間違いなしの俗界に寵児だが19世紀はマジな時代だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。爽やかな秋空に秋刀魚や秋茄子を思い浮かべる。松茸が思い浮かばないのはリアリズムですね。ワン。午前中少し仕事をしたあと午後からは野球のアジアなんとか大会オーストラリアとの試合。観客の多さに驚く。しかしチアガールは野球に不要のはずですね。続けてサッカーU-22アルゼンチン相手に日本代表大活躍。試合内容もスピーディで面白かったけど5-2の勝利は素晴らしいですね。日本のサッカーは強くなったし底上げもできてますね。素晴らしい!晩飯は久し振りに『ブラタモリ!』を見ながら。学習院のキャンパスって素晴らしいですね。悠仁様は何故行かないのかな?

11月19日(日)
『ダーウィンの呪い』は「進化」を「進歩」と誤解した上にそれを社会にも人間にも当てはめようとして必然的にヒトラー・ナチスの優生思想にまで行き着く。そして「劣生な人間」を排除しようとする。こうなるともう笑っては済まされない。優生思想は元々アメリカの進化論者たちが唱えナチスの優生思想研究をロックフェラー財団やヘンリー・フォードたちが支援していたのですね。そして政権を取ったナチスは「劣性人物」に対する「国家不妊手術法」を成立させ《わずか1か月のうちに5000以上の手術が行われ(略)この驚くべき効率と実行力に賞賛と羨望の念を抱いた米国の優生学者たちは「ドイツ人は私たちが創ったゲームで私たちを負かしている」と残念がった》という。そして《ヒトラーの優生政策は米国中の優生学者たちに歓迎された》というのだ。そして1939年《ついに一線を越えたナチスは先天的障碍を持つ子供たちの安楽死プログラムを実行し》さらに《優生政策をエスカレートさせたナチスは1940年(略)身体的障碍者・精神的障碍者・ユダヤ人・能力低下と判断された犯罪者など推定20万人が医師団の手でガス室や薬剤注射により殺害され(略)安楽死による優生政策の開始はその後のホロコーストへの道を開いた》このような優性思想は古代ギリシアにもありプラトンが『国家論』のなかで「優性思想」を開陳しているのですね。さらにクーベルタンが古代ギリシアのオリンピアの祭典に範をとって開始した近代オリンピックも「優性思想」を含有しているところがあるのですね。気合いを入れて読み続けなければ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。『ダーウィンの呪い』は春日良一さんにも読むことを進めなければいけないですね。ワン。午前中に少し仕事したあと故・三波春夫先生からいただいた手紙をテレビで公開したところが是非とも現物を見てみたいとおっしゃった近所のご夫妻が我が家に来宅。4mの和紙の巻紙に墨痕鮮やかに書かれた手紙を見ていただく。せっかく我が家に来ていただいたのだからマリア・カラスのオペラ『清教徒』のアリアやペギー・リーの『テネシー・ワルツ』のSPレコードを蓄音機で聴いていただく。CDでは味わえない生の声に非常に感激してくださったのは嬉しいけど静岡の名酒『初亀』をいただいたのにはまだまだバランスが取れませんね。楽しいひとときのあと少々休んでからデスクワーク。

11月20日(月)
千葉聡『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書)読了。非常に面白かったうえに勉強になりましたね。とりわけ『無限の姿』と題された最終章は何度も読み返す価値がありますね。『人類は望めば自らを超越することができる』と断言する人物はそれを『トランスヒューマニズム』と命名し1998年に『トランスヒューマニスト宣言』なるものを発表したらしい。『私たちは個人が自分の人生をどう実現するかについて幅広い個人的な選択を認めることに賛成する。これには記憶力・集中力・精神力を補うために開発される可能性のある技術や延命治療・生殖選択技術・人体冷凍保存技術その他多くの人体改造・強化技術の利用が含まれる》うわあ!こりゃマッドサイエンティストの出現じゃないのかなぁ…と思ったら著者も生命倫理の専門家の言葉を引用して《現状のまま生殖細胞系列の遺伝的改変技術の安全性と効力が確立した場合社会は「ディストピアのどん底への転落」を免れないだろう》と書いている。それは結局《実質的に優生学》なわけで《過去の優生学の歴史−倫理と技術の防護壁が次々と消失し気付いたときにはナチスの惨劇に向かって「滑りやすい斜面」を転げ落ちていった歴史と重なるという。悪魔が再び蘇るのである》ナルホド。そして…《社会から偏見や差別や能力主義が消える見込みは乏しくむしろ蔓延している状況では多くの個人の選択の総体として自滅的な優生学化が進む恐れがある。人々の未来への可能性が遺伝的に閉ざされたカースト社会が実現するかもしれない。これは自由・平等・人権という現在の価値観・道徳観に反する世界である》《己の無謬を信じる者が改良を進めた社会は悪くなる−これが優生学の歴史が語る教訓である》引用したい箇所はまだまだある。多様性を認めるなら「悪」も認めなければ…「悪」とはその都度闘わなければならないが「悪」のなくなった社会は「善」のヒーローが活躍するドラマも楽しめなくなる…ナルホド。きりがないからこのくらいにしておこう。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。午後NHKで小生の大好きな映画『スペース・カウボーイ』をやっていたので半分見たあとさらに仕事のあと大相撲は面白いですねえ。豊昇龍に勝った琴乃若はいつ横綱になるのかな?まだ早いかな(^0^;)吉本新喜劇見ながら晩飯食べたあと『スペース・カウボーイの続きをDVDで見る。最後に月に行った仲間のバックに流れるシナトラの『フライ・ミィ・トゥ・ザ・ムーン』のバックはカウント・べーシーなんですね。クリント・イーストウッドの『映画』は優しさに満ちてますね。優生学と対称的です。。

11月21日(火)
以前チョイと飛ばし読みしていた内田樹&白井聡両氏の対談本『新しい戦前この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)を読み直すと《2023年2月に米ジャーナリストのシーモア・ハーシュが報じたウクライナ戦争に関するスクープ記事》という白井氏の発言があった。《彼は85歳。かつてベトナム戦争のソンミ村虐殺やイラク戦争のアブグレイブ刑務所の拷問など数々のスクープを打った》人物で《22年9月ロシアからドイツに天然ガスを送るバルト海の海底ガス・パイプライン「ノルドストリーム」が何者かによって破壊される事件が起きた》けど《それが米海軍の特殊部隊の仕業でありノルウェーがアシストした》というのだ。《情報源はこの工作に反対していた米政府関係者の内部告発》らしいが《これが事実と認識されたらバイデン政権は飛ぶという話なのでCIAか軍のなかの反バイデン派関係者のリークなんでしょう》ということらしいが知らなんだ。マスメディアも(大きくは?)報じなかったし「バイデン政権」もまだ「飛んでいない」から真偽は確定していないのかもしれないがロシア&中国の動向も理解不能のところがあるけどアメリカのやることもワカランですね。台湾有事でアメリカに頼ってイイのかどうかもわからないけど宮台真司氏の言うように「重武装中立」なんて政策も今の政治家には無理だろう(覚悟がない)し難しいですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは北國新聞の連載「スポーツを考える」を書きあげる。大谷翔平選手のMVPは嬉しいけど日本のプロ野球がアメリカ・メジャーに選手を供出するだけの二軍(ファーム)組織に甘んじていて良いのですかね?という内容。まるで日本がアメリカの属国になってるのと同じ…とまでは書かなかったけどまるで経済停滞の円安で海外へ出て稼ぐ日本人の姿…ですよね。そんな組織をマスメディアが引っ張っていてイイのかな?大相撲は一山本が2敗になってサァ大混戦。面白いですね。

11月22日(水)
『新しい戦前』読み続ける。《アメリカの没落は見方を変えれば属国日本にとっては国家主権を回復して主権国家になる絶好の機会でもあります。日本がアメリカの属国でいるよりもアメリカとは違う世界戦略に基づいて独自に世界秩序を構想する独立国であるほうがアメリカにとって利益が大きいというふうに今こそ説得すべきだと思います》と内田氏は言う。が言うに易し行うに二世議員の世辞かでは難しでは?《間違いなく森(喜朗)さんは面倒見の良さ人情味において群を抜いているのでしょう。もう現役ではないのにスポーツ利権の帝王として君臨できるのは業界からある意味で非常に信頼されている証明です。汚職で逮捕された電通出身の高橋治之もよ東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会理事が東京地検特捜部にどれだけ責められても口を割らずついに森さんの名前は出しませんでした。その動機が恩なのか恐怖なのかよくわからないのですが(白井)。それだけたっぷりと「恩」をこうむっていたということなんでしょうしここで口をつぐんでいれば必ずその分の見返りはあると確信しているからでしょうね(内田)》ナルホド。こういう「大物」は批判なんかせずに擦り寄るべきなんでしょうね(笑)。ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日北國新聞に書いた「大谷のMVPを喜ぶよりも日本プロ野球の改革を!」という話をする。そんな話をし続けてモウ半世紀近くになるのですナァ。嗚呼。黒兵衛と散歩のあと原稿書きは連合通信の連載コラム。大相撲は誰が勝っても誰が負けても面白いですね。こういう文化を伝統文化と呼ぶのでしょうね。

11月23日(木)
勤労感謝の日。これがハッピーマンデーとして月曜日に移動しないのは宮中行事の新嘗祭に由来しているからでしょうね。だったら名称も「新嘗祭」にすれば良いのに…と思うけどソレは宗教行事と繋がるからダメなんでしょうね。ベッドで『新しい戦前』読み続ける。《アメリカの思想家フレデリック・ジェイムソンの有名な言葉に「世界の終わりを想像するほうが資本主義の終わりを想像するよりも容易である」というのがあります。それをもじって言えば「日米安保の終わりを想像するよりも日本の終わりを想像するほうが容易」なんです。今の日本の政治はそういう状況じゃないでしょうか(白井)》《公文書の改竄が行われ自分の支持者のために税金を湯水のように使い国会で繰り返し虚偽の答弁をしても安倍政権は安泰だった。あれで政権交代が起きるようであれば日本の民主制は健全に機能している。復元力が働いてることがわかった。でも何も起こらなかった。それを見て日本の有権者も政治家自身までもが「日本の民主制はもう終わった」と実感した(内田)》ここまで堕落した日本の政治と日本社会の未来に光は射すのでしょうか?読み続けなきゃ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨晩のNHKの『解体キングダム』は面白かったですねぇ。巨大火力発電所の羽根車の解体。見事でした。日本は第二次大戦時と同じで最前線の兵卒は素晴らしいですね。指揮官・指導者がダメなんですね。ワン。世の中は休日でも小生は終日仕事…と思っていたら徳間書店の編集者からカメラマンの初沢亜利さんの北朝鮮写真集『隣人、それから。38度線の北』が送られてくる。素晴らしい写真集。マスメディアの報道では伝えられていない北朝鮮の日常が見事に捉えられている。佐藤優さんが帯に書いている。《北朝鮮国家の理屈と民衆の思っていることが異なることが伝わってくる写真集だ。朝鮮半島での戦争は絶対に起こしてはならないと平和に暮らす北朝鮮の人々の写真を見ながら思った》その通りですね。初沢さんの結構長い拉致問題等に関する巻末の文章も勉強になりました。おかげで原稿書けず(苦笑)大相撲見物&ビールに雪崩れ込む。熱海富士の強さは本物ですね。琴乃若ガンバレ。いや。みんなガンバレ。

11月24日(金)
『新しい戦前』読み進む。《よく政治家が失言をした後に「発言の一部を切り取られた」「真意はそこにはない」「誤解を招いたとすれば遺憾である」というような言い訳をしますけれども「失言」というのはまさに「誤解の余地なき剥き出しのメタメッセージ」の部分を聴き取られたということなわけですよね。その失敗を糊塗するために「いくらでも解釈の余地のあるメッセージレベル」に問題を移すことで話をごちゃごちゃにして責任を逃れることが常套化している。これは日本語のために本当によくないことだと思います(内田)》わかりやすく言えば失言は本音の吐露とことになるのでしょうが馳浩石川県知事の「失言」はあまりにも素直な「本音」と「事実」だったために「言い訳」の余地もなければ日本語のためによくないということもなく「撤回」する以外なかったのでしょうね。しかしリオの五輪招致でブラジルが多くのIOC委員に対して永久力を持つフランスからミラージュ戦闘機を大量購入したとか2億円をアフリカの票集めに使ったことなどに較べるとIOC委員に一人一人に活動の記念のアルバムを製作費20万円で作って配った(合計約2千万円)なんて誤解を恐れず言えば可愛いもんですね。そのアルバムのページの間に何が挟まれていたのか勘ぐりたくなります(笑)。そう言えば日本(東京)の五輪招致委もリオの招致委とまったく同様に同じ相手に同じ金額を渡しましたがリオの招致委員長は逮捕されたけど東京の招致委員長は逃げ回りましたね。馳知事の発言はソレ(2億円)に較べたら小さいもんだ(2千万円+α)とでも思ったのでしょうかねえ?ソレを隠すための話題提供のつもりだったのでしょうか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「メタメッセージ」とは「含意」のことでソレが剥き出しになるところまでは馳知事の「失言」は至っていないと言うことですね。来週の『ニューズ・オプエド』のゲストは元JOC現五輪アナリストの春日良一さんだから本当の「含意」が奈辺にあったのか訊いてみましょう。ワン。終日イロイロ仕事して大相撲の優勝争いは熱海富士と霧島に絞られたのを確認して今日の『オプエド』のゲストは神戸親和大学教授の平尾剛さんと成城大学教授の山本敦久さん。電話でサッカー・ジャーナリストの大住良之さんにJリーグ等々力スタジアムの川崎vs鹿島の会場から日本代表のW杯予選活躍の評価やU-22の五輪出場の見通しなどを電話で話してもらったあとZOOMリモート出演の2人に神宮外苑再開発問題を語ってもらう。山本教授のスポーツの記憶を消し去るような文化としてのスポーツを馬鹿にした再開発批判も印象に残ったが平尾教授の人工芝批判=マイクロ・プラスチックの生産と海の汚染問題も気付かずにスルーしてしまいそうな重要な指摘でした。https://www.youtube.com/watch?v=KMe_A7iHVSI

11月25日(土)
内田樹×白井聡『新しい戦前 この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)読了。一番オモシロかったのは《第6章「暴力」の根底にあるもの》のなかに触れられていた教育論でしたね。《子供たち自身が自分で自分の心身を管理し抑圧している。その典型が「体育座り」です。膝を抱え込んで床に座る「体育座り」は自分の腕と脚を折りにして自分自身を縛り付ける体位です。胸が締め付けられているから深い呼吸はできない。手遊びができない。立ち歩きができない。子供たち自身が自分の身体を身動きできない状態(演出家の)(演出家の)竹内敏晴さんはこの「体育座り」を「日本の学校教育が子どもたちに及ぼした最も罪深い行い」だと批判していました(内田)》《戦わない人生に何の意味があるものか(白井)若者たちに直接「革命をめざせ」と語りかけてゆくしかないと思います。青春期に本気で取り組むことに「恋と革命」以外に何があるんだということをやはり社会的常識として言い続けておかなければいけないと思います(笑)(内田)》文中に(笑)と書かれていたとおり小生も思わず吹き出しましたけどその通りですね(爆)。最後にマスメディア批判がどーっと出てきてメディア(テレビ業界人)の「勇気の無さ」を批判されていた。《放送法の解釈変更で「停波もあり得る」と言われたらテレビ局は「やれるもんならやってみやがれ」と言えばいいだけなんですよね(白井)そうです。やればいいんです。「私どもの放送内容が気に入らないということで総務省の命令により本日ただいまより停波いたします。みなさんさようなら」とアナウンサーが言って画面がプツンと消えて暗転する。メディアが社会的にどういう役割を果たしているかを知らしめる上でこれほど劇的なチャンスはないと思いますよ(内田)》確かにその通りですけど新聞とテレビのクロスオーナーシップの酷さにも触れてほしかったですね。それに「スポーツウォッシング」の最先端としてのテレビの「働き」についても…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。チョイと仕事をして昼飯後ビデオに溜まった録画番組の整理をしているとライザ・ミネリの来日公演のNHKの再放送なんてのを発見。見てしまう。ヤッパリ超一流のエンターテイナーの舞台は凄いですね。「キャバレー」にも「NYNY」にも感激。そしてJリーグヴィッセル神戸初優勝を見たあと大相撲。ヤッパリ霧島が一枚上手だったですね。まだわからないけど熱海富士との優勝決定戦を見たいですね。晩飯は遊びに来た長女とヨメハンと3人で大船のジビエ料理の店『アジト』へ。鹿の焼き肉と猪のぼたん鍋に舌鼓。アナグマのTボーンステーキは少々脂身が多くて参りいましたね(笑)。

11月26日(日)
ベッドのなかの朝の読書は『新潮』『文春』。週刊誌で池田大作に関する記事や宝塚の虐め問題・羽生結弦の離婚等の記事を読む。まぁ活字中毒の暇潰しです。そう言えば10年以上前に宝塚の元大スターとテレビで一緒になったときに戦後すぐに海外で撮られた宝塚の役者さん総出演の日本を舞台にした映画が素晴らしかったという話をして大失敗をしたことがある。その時隣の座っていた元大スターはチョイ役だったのだ。そこで厳しい顔になった元大スターは映画で主役を演じた同僚の大スターの悪口をバシッと口にして小生を睨み付けたのだった。「あの方は見た目とは正反対の○○な方ですからねぇ」それはCMのときの話でCMが明けると元大スターはいつもの笑顔に戻ったが小生はその豹変ぶりが一層恐ろしく感じられて身の縮こまる思いがしたものでした。宝塚スター全員に言えることではないかもしれないがその時の嫉妬の爆発はまるで能面の般若でしたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩は昨晩泊まった長女がリードを持ったので俺は後ろから歩いて小便の水掛と雲古拾い。黒兵衛に引かれてるほうが坂道は楽ですね。ワン。帰宅後少々仕事したあと昼飯。午前中に長女とヨメハンが見ていた『アバウト・ア・ボーイ』という映画に続いて同じ監督による映画を見る。イスラエル尾秘密警察モサドがアルゼンチンに逃亡して隠れていた元ナチスのユダヤ人大量虐殺の張本人アドルフ・アイヒマンを捕まえて秘密裏にイスラエルへ連行するドラマ。実話らしいけど強烈なサスペンスドラマ。タイトルが何だったか忘れた。調べてもわからない。配信システムで映画を見るとこーゆーことが起こる。情報の消失。知識の浮遊。嗚呼。チョイと仕事のあと大相撲千穐楽は落ち着くところに落ち着きましたね。霧島の優勝。殊勲賞&技能賞がいなかったのが少々寂しいですナァ。

11月27日(月)
早朝ベッドでの読書は筑摩書房の『ちくま』12月号。金井美恵子・保阪正康・角田光代・鹿島茂など各氏の連載を読んだあと斎藤美奈子氏の連載『世の中ラボ163大河ドラマに備えて作家・紫式部の人生を知る』を読み始めて思わず笑ってしまった。来年のNHKの大河ドラマ『光る君へ』は紫式部が主人公らしいが彼女を知るための本として最初に選ばれていた本が小生のイチオシ漫画本の『新編 人生はあはれなり…紫式部日記』(小迎裕美子&紫式部・著/赤間恵都子・監修/KADOKAWA刊)だったのだ。小生はナゴン派の人間(清少納言が好き)でシキブ(紫式部)は少々というか…かなり苦手にしていたがこのメッチャ面白いシキブ漫画紹介本には完全に参ってしまった。何しろシキブのことが「平安系絶望女子」として社交的でなくネガティヴでセンシティヴでジイシキとプライドがメランコリックに混じり合った女性として捉えられているのだ。まさに400字詰め原稿用紙2400枚分の小説(源氏物語)でも書かなければ生きていけない「平安系絶望文学女子」の人生(日記)が「紫な劇場(激情)パープルライフ」として描かれているのは見事。著者の小迎裕美子さんは当初ナゴン派として『本日もいとをかし!!枕草子』(KADOKAWA)というケッサク本を上梓されたが「をかし」から「あはれ」へ=「ナゴン派」から「シキブ派」へと見事に変身して書かれたその本を3冊選んだ「シキブ」のトップに紹介した斎藤美奈子氏はやっぱりサスガですね。あとの2冊は山本淳子『紫式部ひとり語り』(角川ソフィア文庫)と倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書)。後者は読んだので前者も読んでみよ。そーすれば紫式部の《ソウルメイト》道長との《愛の物語》などと宣伝されている大河ドラマなど見なくて済むに違いない。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは『Up and Coming』(FORUM8)の連載『スポーツは教えてくれる』の原稿書き。川淵三郎氏の文化勲章受賞を取りあげて「スポーツ文化」とは何か?という原稿を纏める。小生が大阪のテレビのワイドショーに初めて出たとき「野球やサッカーを日本の文化に…」と話すと女子アナが「玉木さんの高校では野球部は文化部だったんですかぁ?」と言われたモノだった。今でも「スポーツ文化」とはどういうモノか…?答えられない人が多いですからね(>_<)晩飯はTVKで吉本新喜劇を見ながら。スッチー登場。しかし千葉ちゃんのほうが活躍しましたね。

11月28日(火)
朝のベッドの読書は昨日の朝に続いて小迎裕美子『人生はあはれなり…紫式部日記』(メディアファクトリー)再読&読了。斎藤美奈子さんの書評では本のタイトルに『新編』がついていて発行がKADOKAWAになっていた。小生の持っている本は内容も違うのなかな?書評では版元の《平安系こじらせ女子紫式部の超ネガティブ日記》という紹介文が引用されていたが小生の読んだ旧本には「こじらせ」「ネガティブ」の言葉はなかったように思う。このあたりはヨリ売れ筋を狙ったのか?また旧本には『紫式部日記』の原文が抜粋で掲載されていたが新編でまさかカットされてるなんてことはないでしょうね。漫画で紹介された古典では水木しげるさんの『方丈記』が巻末に鴨長明の原文が全文で載っていて思わず読んでしまった。イイコトですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。気温は寒くなったり暖かくなったりですが青空は真っ青な秋の空ですね。ワン。終日デスクワークは昨日書いた原稿の校正や年末の『ベートーヴェン交響曲全曲演奏会』のパンフレット用にベートーヴェンとの「出逢い」の執筆を開始。小生の家は街の小さな電気屋さんだったので最初の「出逢い」はステレオの試聴版レコード。フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の「交響曲第5番ハ短調」俗に「運命」と呼ばれてるヤツですね。小学3年4月始業式の日の出来事と憶えている。1楽章の抜粋だけの体験でしたが強烈なショックを感じた音楽でしたね。途中まで書いて明日のラジオの準備。『現代スポーツ評論49』に紹介されていた「ベースボール5」という「5人制野球」について調べ直す。投手ナシ。21m四方のフィールドを5人で守る守備陣の間を自分で持ったゴム鞠を自分で打って走る。来年日本でも第1回日本選手権が行われ3年後にはセネガルの首都ダカールで開催されるユース・オリンピックでも正式競技に採用された都市型アーバン・ベースボールだという。小生が餓鬼の頃にもハンド・ベースボールやキック・ベースボールや「ハサミ」(2ベース間のランダンプレイを楽しむ遊び)などいろんな「野球遊び」がありましたからね。画家のベン・シャーンもハンドボールという「壁当て野球」のような絵を残してますよね。グラヴもバットもいらないゴムボール1個でできる「ベースボール・ファイヴ5」は世界的に流行するかな?

11月29日(水)
昨晩寝る前に本棚から小迎裕美子さんの『本日もいとをかし!!枕草子』(メディアファクトリー)を引っ張り出してナゴン(清少納言)のことを読み直そうと思ったのだがどこを探しても見つからなかった。本の行方不明は珍しいことではないが読み直したくなった本が見つからないと精神衛生上良くない。おまけに寝付きが悪くなる。仕方がないので活字を読まずに不貞寝。朝早く目覚めても読む本がないのでベッドを出て昨日書きかけたベートーヴェンの原稿の続きを書き始めるうちに朝になったのでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日調べた新しいアーバン・スポーツの5人制野球「ベースボール5」について話す。最後にこーゆー単純なスポーツがオリンピックでも好まれるようになるかもしれないから綱引きも復活したらいい…と話すとスタジオにいた皆さんがかつて綱引きが五輪の正式競技だったことを御存知なかった。いつか綱引きの話もしなければ…何しろ「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉が生まれたのはオリンピックの綱引きの勝敗で揉めたことがキッカケでしたからね。ラジオを終えて朝飯食って黒兵衛と散歩。天高く馬肥ゆる秋の青空にジェット戦闘機が超航空で飛行機雲を描いて飛んでいた。平和なのかそうでないのかワケのわからない風景ですね。ワン。終日デスクワークは『ベートーヴェンは凄い!』の原稿。たしか昭和30年代にナショナル(松下電器)が作ってステレオの販促用に電気店に配ったドーナツ盤レコードが何処かにあるはず…と本棚を探したらありました!ライナー指揮シカゴ響の「運命」と一緒にフィードラー指揮ボストン・ポップス響のタンゴ「ジェラシー」やハリー・ベラフォンテの「マ・マ・ルック・ア・ブーブー」なんてのも入っていました。それに蒸気機関車が左右に動く音も。何しろ最初期のステレオ用の試聴盤ですからね。他にも東京キューバンボーイズの「闘牛士のマンボ」などの試聴盤も。懐かしいなあ。残念ながらレコードプレイヤーがないので聴くことができません(>_<)原稿を完成させて……ふーとヒトイキ。晩飯&酒&風呂&ネル。

11月30日(木)
昨晩ベッドに持ち込んだ『世界思想 2022年春49号』(世界思想社)の「特集 民主主義」がメッチャ面白かった。と言う以上にいろいろ勉強になった。長崎の原爆爆心地にある《平和祈念像》が彫刻家の北村西望の作だとは知っていたけど彼は戦前皇居前三宅坂の旧帝国陸軍参謀本部前に《韓国併合の中心人物寺内正毅の騎馬像》も作っていたのですね。これも時代の変化なのでしょうが戦前に軍歌や軍隊の行進曲を多く作曲した音楽家が戦後「民主主義行進曲」を作ったのも同じですね。《騎馬像》は戦中の金属供出で失われてその台座には《軍国日本から文化日本への脱皮を象徴する》像として《古代ギリシアの三美神を参照して制作された》「平和の群像」と名付けられた3人の裸婦像が創られて今も残っている。これは《電通の広告人顕彰碑》として創られたらしいが意味がよくわかりませんけどコノ変化はオモシロイですね。ナルホド。レーニン像フセイン像リー将軍像コロンブス像ヴィクトリア女王像…などなど世界で破壊された銅像は山ほどあるのですね。人間の考え方は変わるのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと昨日書きあげた「ベートーヴェンは凄い!」の原稿を少々手直ししてメール草稿のあと午後から東京へ。「川淵三郎氏の文化勲章受章を祝う会」に出席するため国立競技場へ。早めに行って周囲の神宮外苑を見て回る。真っ黄色の銀杏並木が綺麗。この素晴らしい樹木を少しでも伐採する再開発は考え直したほうがイイですね。国立競技場へ入ると大勢の人。千人近くかな。席に座るとラグビー協会会長に就任した元同志社大・サントリーの土田雅人氏とバッタリ。隣の席で故・平尾誠二氏などの昔話。そのうちセレモニーが始まる。川淵夫妻の横に少し離れて高円宮妃久子殿下。その横にまた少し離れて森喜朗元総理・麻生太郎自民党副総裁・盛山正仁文科大臣・遠藤利明日本スポーツ協会会長衆院議員・河野太郎デジタル大臣・室伏広治スポーツ庁長官がズラリと並ぶ。司会はテレ朝の大下容子さん。サッカー大好き女子アナ。スタンドには橋本聖子元五輪組織委員長も。Jリーグのテーマのエレキギター生演奏やいろいろ挨拶があって川淵さんが奥さんを労って…セレモニーは終了。あまりに多い人の群れにパーティの出席は遠慮して退散。林真理子日大理事長にバッタリ出逢ったので「頑張って下さい」と挨拶して帰宅。大好きなテレビ番組NHK『魔改造の夜』を楽しみながら晩飯&酒&ネル。「祝う会」は会費1万円。お土産はバカラのグラスでした。以前のJリーグのパーティでも同じで2個目です(^_^)

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