コラム「音楽編」
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掲載日2017-01-11
この原稿は小学館発行の雑誌(今もあるのかな?)『サウンドパル』1997年6月号に書いたものです。連載『玉木正之のビデオで見るオペラの時間』の第1回目として連載を開始したもので、のちに東京新聞社のサンシャインシティ文化センター『東京カルチャー倶楽部』での講座『オペラは、ほんまにオモロイでぇ〜』(1999年4月〜2000年3月)の講義録と合わせて『オペラ道場入門』(小学館2000年5月刊)として単行本にしたものです。当時は帯に佐渡裕(指揮者)島田雅彦(作家)野村万之丞(狂言師)岡田武史(コンサドーレ札幌監督=当時)山下洋輔(ジャズ・ピアニスト)が推薦人として名前を連ねてくださり、出版と同時に料理評論家でオペラ・ファンの山本益博さんや、音楽評論家の故・宇野功芳氏や故・永竹由幸氏などが絶賛してくださった本でした。が、今では絶版になってしまったことでもあり、当ホームページで機会を見つけて“蔵出し”していきたいと思います。ご愛読をよろしく!

ビデオで見る玉木正之のオペラの時間 第1回 いまなぜ、あなたはオペラ・ファンになるべきか…?まず現代演出のオペラを見よう!

<ベートーヴェンは超凡人><ワーグナーはゴーマン男><バッハはCMソングのヒットメーカー>…と、昨年まで書き続けた本誌「サウンドパル」の連載を、『クラシック道場入門』と題して単行本にまとめたところが、なかなかの好評で、売れ行きもまずまず。読者の皆さん本当にありがとうございました(まだ、お買求めでない方は、すぐに書店へ駆けつけてください)。

 そこで「第二弾新連載!」の開始となったのだが、<ブラームスは援助交際のコギャルを求める頑固爺><チャイコフスキーはロシアの坂口安吾><ドビュッシーは印象派じゃなく観念派><武満徹は……>と「続編」を書くのも、少々カッタルイ。

 自慢じゃないけど、大学は半年通っただけで中退。TVのレギュラーも、1年も続けば飽きる。21歳から売文を生業に、45歳の今日に至るまで、とりあえず文章を書き続けてこれたのは、演劇、映画、ボクシング、野球、ラグビー、サッカー、クラシック、ジャズ、ポップス、演歌、オペラ、小説、随筆、TVドキュメンタリーの放送台本…と、カメレオンのようにクルクルと題材を変えてきたおかげ。

 シューベルトやサティなど『クラシック道場入門』でとりあげなかった作曲家を書きたくも思うのだが、どうも途中でダレそうな気がする。そこで、それらの作曲家についての小生の考えは読者の想像力におまかせし、新たなテーマとして「オペラ」と取り組むことにした。題して−−『ビデオ(映像)で見るオペラの時間』

 コンセプトは、『クラシック道場入門』と同じ。クラシック音楽ほどオモロイ娯楽はない…と考える小生が、クラシック音楽は難解…という誤った社会通念をくつがえし、クラシック音楽を聴く機会の少なかった「普通の男女」に、クラシック・ファンになってもらおう−−と企図したのと同様、今回も、オペラほどオモロイものはない…と確信する筆者が、オペラは難しいもの…などという間違った社会通念をひっくり返し、オペラに接する機会の少ない「普通の男女」に、オペラにハマッてもらおう−−というものである。

 が、ここで、読者の皆さんに、絶対に誤解されたくないことが、ひとつある。それは、「クラシック音楽」と「オペラ」のあいだには、何の関連性も関係性もない、ということである。

『クラシック道場入門』に続く「第二弾」としてオペラを選んだのは、ただ単に、小生が、その二種類の娯楽が大好きだからというだけのこと。敢えていうなら、「娯楽にハマル」シリーズの「第二弾」として、オペラではなく野球でもよかった。ラグビーでもよかった。『ビデオで楽しむスポーツ道場入門』でもよかった。しかし、小生は、最近オペラが何よりも好きなので、オペラをとりあげるだけのこと。くり返すが、「クラシック音楽」の次に「オペラ」を書くことに、何の関連性も関係性もないのだ。

 だから、オレはクラシックなんかワカラナイから…、ワタシはクラシック音楽が嫌いだから…、ましてやオペラなど、縁遠い存在…とは、絶対に思わないでいただきたい。

 たしかにクラシック音楽とオペラは、無縁ではない。オペラは、主としてクラシックと呼ばれている音楽が中心になっており、音楽のないオペラなど存在しない。そのため現実には、<クラシック音楽→オペラ>という道順で、まずクラシック音楽を好きになり、次にオペラの楽しさを知る、という人々が多いのも事実である。

 しかも、この国の学校教育では、(クラシックが中心の)音楽の授業でオペラをとりあげている。また、この国にはオペラ座(オペラ専門劇場)がほとんど存在せず、オペラは、劇場でなく、クラシック音楽の演奏会場で上演されることが圧倒的に多い。それに、ディスク・ショップでも、クラシック音楽のコーナーにCDやLDが並んでいる(註・当時はまだDVDは並んでませんでした)。

 そこで、<クラシック音楽→オペラ>どころか、<オペラ=クラシック音楽><オペラ・ファン=クラシック音楽ファン>と思っている人も少なくない。

 しかし、オペラには言葉がある。筋書きがあり、物語がある。オペラは音楽だけで成立するものではない。それは、音楽の授業でなく、詩や戯曲や演劇として、国語の授業でとりあげられてもいいものである。帝劇や新橋演舞場や、中座や南座で上演されてもいいものである。また、ディスク・ショップでは、クラシック音楽のコーナーに並べられるのでなく、「オペラ」という独自のコーナーが設けられるべきものであり、書店で販売されてもいいものなのである(現に『新潮オペラCDブック』という、読んでも聴いても面白い「オペラの本」も発売されてはいる)。

 すなわち、<クラシック音楽→オペラ>という道筋でオペラを好きになるのではなく、ベートーヴェンやブラームスの交響曲などまったく聴いたことがないという人が、<文芸(小説)→オペラ><芝居(演劇)→オペラ>という道筋で、オペラ・ファンになることも可能なのである。

 フランスの作曲家ビゼーがつくったオペラ『カルメン』は、メリメの書いた同名の有名な小説が原作であり、岩波文庫の『カルメン』を読んで面白いと思った人が、ビゼーの交響曲など知らないまま、おっ、カルメンはオペラにもなってるのか、それじゃあ、ちょっと見てみるか、聴いてみようか、といった具合に、オペラに手をつけてもいいのだ。

 ヴェルディの作曲したオペラ『椿姫』は、アレクサンドル・デュマ・フィス(『モンテクリスト伯』や『三銃士』で有名な大デュマの私生児)の書いたベストセラー小説をオペラ化したものであり、『マクベス』や『オテロ』(オセロのイタリア語読み)や『ファルスタッフ』、それにフランスの作曲家グノーの『ロミオとジュリエット』などは、いわずと知れたシェークスピアの戯曲をオペラ化したものである。

 また、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』はモリエールの戯曲などで知られる稀代の色事師ドン・ファンの物語をオペラにしたものだし、『フィガロの結婚』やロッシーニの『セビリャの理髪師』は、フランス革命の直前に大人気を博したボーマルシェの戯曲がもとになっている。

 ゲーテの『ファウスト』(グノー作曲。イタリアの作曲家ボイートも『メフィストフェーレ』と改題してオペラ化)、アベ・プレヴォーの名作『マノン・レスコー』(フランスの作曲家マスネやイタリアの作曲家プッチーニがオペラ化)、オスカーワイルドの傑作戯曲『サロメ』(リヒャルト・シュトラウス作曲)、トーマス・マンの小説『ヴェニスに死す』やヘンリー・ジェームズの小説『ねじの回転』(いずれもイギリスの作曲家ブリテンがオペラ化)、ドストエフスキーの小説『賭博師』やトルストイの大長編『戦争と平和』(いずれもプロコフィエフ作曲)、ゴーゴリの短編『鼻』やロシアの小説家レスコフの傑作『ムツェンスク郡のマクベス夫人』(いずれもショスタコーヴィチ作曲)、それに、グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』(フンパーディンク作曲)や、日本でも話題になったモーリス・センダックの絵本童話『怪獣たちのいるところ』(現代作曲家のオリバー・ナッセンが作曲)など、様々な文芸作品がオペラ化されているのだ。

 日本の文芸作品も、木下順二の『夕鶴』や武田泰淳の『ひかりごけ』(いずれも作曲は團伊玖磨)、泉鏡花の『天主物語』(作曲・水野修孝)、芥川龍之介の『袈裟と盛遠』(同・石井歓)、谷崎潤一郎の『春琴抄』(同・三木稔)、三島由紀夫の『金閣寺』(同・黛敏郎)、遠藤周作の『沈黙』(同・松村禎三)などがオペラ化され、最近では『忠臣蔵』が、作家の島田雅彦の台本、三枝成彰の音楽で、オペラ化上演された。

 ならば何もクラシック音楽のファンだけがオペラを好きになるのではなく、トーマス・マンの『ヴェニスに死す』を読んで感激した小説ファンや、シェークスピアが大好きな演劇ファンが、オペラに興味を持ち、<小説→オペラ><演劇→オペラ>という道筋で、オペラにハマッてもいいはずである。

 ところが、現実には、なかなか、そうはならない。『ヴェニスに死す』を読んで、ヴィスコンティの映画を見た人は大勢いるだろうが、ブリテンのオペラに興味を持つ人は、ほとんどいない。シェークスピアが好きで、ディカプリオ主演の映画『ロミオ+ジュリエット』を見る人は多くても、グノーのオペラを見たいと思う人は、少ない。

 それは、この国の「普通の男女」が、気軽にオペラに接することのできる機会が、まったくといっていいほどなかったからでもある。

 オペラの上演には、カネがかかる。オペラ歌手を集め、オーケストラや合唱団を揃え、練習をくり返し、舞台装置を作り、衣裳を作り、上演する−−には、とてつもない費用がかかる。そのため、この国では、そもそもオペラの上演される機会が少なかった。ミラノ・スカラ座やウィーン国立歌劇場などの来日公演も、入場料が高額で(安価な席は少ししかなく、クラシック音楽のファンですぐに埋まってしまい)、「普通の男女」が、オペラを見てみたい…と思っても、映画や演劇と同じように、オペラを楽しむことはできなかった。

 とはいえ、AV機器の発達と普及の結果、いまでは、多種多様なオペラを、誰でも、いつでも、きわめて安価に、ビデオやLDで楽しむことができるようになった(CDで、オペラの音楽や台詞や筋書きだけを楽しむことも簡単になった)。

 ところが、相変わらず、オペラを楽しもうと思う人は、映画や演劇を楽しんでいる人よりも、はるかに少ないままである。

 ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの「三大テナー」のコンサートが国立競技場に5万人の聴衆を集め、「オペラ・ブーム」などという言葉も口にされ、有名オペラ座の来日公演の切符はすぐに売り切れ、たしかに以前よりも少しはオペラ・ファンが増えたといえるかもしれない。が、ディスク・ショップに数多く並んでいるオペラのビデオの売上げが伸びたという話は聞かないし、オペラをNHK以外のテレビ局が放送するわけでもない。オペラ・ファンは、やはり、いまも少数派でしかないのだ。

 いや、♪恋はや〜さし〜、野辺の花よ〜…(スッペの喜歌劇『ボッカチオ』のアリア)や、♪風のなかの〜羽根のように〜…(ヴェルディの歌劇『リゴレット』のカンツォーネ)が大流行した戦前の浅草オペラの全盛期に較べれば、日本のオペラ・ファンは、いつの間にか、なぜか、少なくなってしまった、といえる。

 それは、浅草オペラが衰退したうえ、「浅草オペラと本物のオペラは別物」といった(気取った)考えが(クラシック音楽関係者の側から)強く主張された結果、<クラシック音楽→オペラ>という道筋しかオペラを好きになる方法がないという間違った意識が浸透し、クラシック音楽とは難解なものという誤った先入観が蔓延したから、といえるのではないだろうか。

 さらに、「三大テナー」のコンサートなどは単なる金儲けで、あんなイベントに熱狂するのは本当のオペラ・ファンじゃない、などという「クラシック音楽通」を気取る人たちの声もあって、せっかく、パヴァロッティやドミンゴやカレーラスの歌声を聴いて「すごい!」と思った人々が、次にいったい何を聴けばいいのか、何を見ればいいのか、わからないでいるからではないだろうか。

 しかし、先に、小説や演劇の例をあげたが、オペラを好きになるきっかけは、それ以外にも、あらゆる場所にコロがっているのである。

 アカデミー賞を受賞した映画『フィラデルフィア』を見て感激した人は大勢いるだろう。その映画では、イタリアの作曲家ジョルダーノが作ったフランス革命を背景にしたオペラ『アンドレア・シェニエ』のアリア(今世紀最高のソプラノ歌手マリア・カラスが歌っていた)が効果的に用いられ、エイズに苦しむ主人公の心情を表していた。

 ノーマン・ジュイソン監督の恋愛映画『月の輝く夜に』では、主人公の男女が、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を見てデートをし、オペラの筋書きと映画の筋書きがオーバーラップするように作られていた(中森明菜の『ラ・ボエーム』という歌も、たぶんこのオペラから題名と題材をとったに違いない)。

 フランシス・コッポラ監督の映画『ゴッド・ファーザーpartV』ではアル・パチーノの扮したゴッド・ファーザーの息子が、弁護士にしたいと思う父親の意図に反抗してオペラ歌手になる、という筋書きで、マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』(田舎の騎士道)がドラマの重要な要素になっていた。それに、ヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ』では(当然のことながら)ワーグナーの存在が大きく、その音楽が随所に使われていた。

 それらの映画に感激した人なら、たとえクラシック音楽のファンではなくとも、<映画→オペラ>という道筋で、『アンドレア・シェニエ』や『ラ・ボエーム』や『カヴァレリア…』やワーグナーのオペラを(ビデオで)見て、十分に楽しめるはずである。そして、<映画→オペラ→音楽>という道をたどり、いつの間にか、オペラ・ファンになれるはずである。

 そもそも、ルキーノ・ヴィスコンティ、フランコ・ゼッフィレリ、オットー・シュレジンジャーといった人物は、日本では映画監督として有名だが、ヨーロッパではオペラ演出家としても高名で、ヨーロッパ系の映画監督は、誰もがオペラと深い関わりを持っている。

 ピエトロ・ジェルミの『刑事』やヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』や『ひまわり』、フェデリコ・フェリーニの『道』など、ネオ・レアリズモと呼ばれたイタリア映画も、今世紀初期のヴェリズモ(現実派)と呼ばれたイタリア・オペラと密接な関係がある(にもかかわらず、オペラをまったく無視して、映画の素晴らしさばかりを説く映画評論家が平気で存在していることには、仰天しないわけにはいかない)。それらの映画のファンなら、ベートーヴェンやシューベルトの音楽を聴いたことがなくても、先に紹介した『アンドレア・シェニエ』や『カヴァレリア…』や、レオンカヴァッロ作曲の『道化師』といったオペラを楽しむことができるはずである。

 映画以外にも、たとえばニューヨークのメトロポリタン歌劇場の天井には、シャガール直筆の絵画が描かれており、リンカーン・センターにある現在の新劇場が落成したときは、モーツァルトのオペラ『魔笛』の舞台装置と衣裳を、彼が手がけた。それに、現代絵画の巨匠デビッド・ホックニーが、舞台装置と衣裳を手がけた『魔笛』やストラヴィンスキーのオペラ『放蕩者のなりゆき』、森英恵が衣裳を担当したプッチーニの『蝶々夫人』(ミラノ・スカラ座)など、著名な画家やファッションデザイナーの手がけたオペラ(のビデオ)も数多くあり、クラシック音楽など知らなくても、<美術→オペラ→音楽><ファッション→オペラ→音楽>という道筋で、オペラ・ファンになることも可能なはずである。

 要するに、オペラは、あらゆる芸術的要素を組み入れた「総合芸術」なのだから、クラシック音楽だけでなく、それ以外のあらゆるジャンルがきっかけとなって、オペラ好きになることも可能なのである。

 いや、音楽でさえ、けっして「クラシック」というジャンルにとどまるものではない。アルゼンチン・タンゴの巨匠アストラル・ピアソラは、『ブエノスアイレスのマリア』という素晴らしいタンゴ音楽のオペラを作曲している。ジョージ・ガーシュインのオペラ『ポーギーとベス』には、エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロング、レイ・チャールズとクレオレーンというジャズ・シンガーたちによる名演がある。また、イタリア・ポップス界の女王ミルバは、クルト・ワイルの『三文オペラ』の歌をうたっている。

 クラシック音楽は聴かないが、タンゴは好き、ジャズは空き、ポップスは好き…という人も、<タンゴ→オペラ><ジャズ→オペラ><ポップス→オペラ>といった道筋でオペラの世界に入ることができるのだ。

 それに、パヴァロッティのコンサート(のビデオ)では、ブライアン・アダムス、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン、B.B.キング、ジェイムス・ブラウンといった歌手と共演したものもあり、<ロック→オペラ><ブルース→オペラ>という道をたどってオペラに触れることもできる。

 ミュージカルは大好きだけど、オペラは嫌い…という人が存在することも、小生にはまったく理解できない。レナード・バーンスタイン作曲の『ウエスト・サイド・ストーリー』など、本人もいっている通り、ミュージカルというより、すでに「古典(クラシック)」と呼ぶべき音楽であり、ホセ・カレーラス、キリ・テ・カナワらのオペラ歌手が録音したCDも発売されている。同じ作曲者による『オン・ザ・タウン』(フランク・シナトラ、ジーン・ケリーらが主演、邦題『踊る大紐育』のタイトルで映画化)も、オペラ歌手とブロードウェイ歌手の共演によるビデオが発売されている。

 コール・ポーターの『キス・ミー、ケイト』、アーヴィング・バーリンの『アニーよ銃を取れ』、ジェローム・カーンの『ショウボート』、リチャード・ロジャースの『回転木馬』『オクラホマ』『南太平洋』『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』、フレデリック・ローの『マイ・フェア・レディ』など、ヨハン・シュトラウスの『こうもり』やフランツ・レハールの『メリー・ウィドウ』(陽気な未亡人)といったオペレッタ(喜歌劇)と、なんら変わるものでなく、『キャッツ』『オペラ座の怪人』『ミス・サイゴン』などが好きな人なら、誰もが簡単に、<ミュージカル→オペラ>という道筋で、オペラ・ファンになるだろう。

 それどころか、最近まで放送されていたトレンディ・ドラマ『ストーカー〜逃げられぬ愛』を見て、ストーカーの青年が、いかにも偏執狂的な雰囲気で耳を傾けていた音楽(サン・サーンス作曲のオペラ『サムソンとデリラ』)に興味を抱いた人なら、<TVのトレンディ・ドラマ→オペラ>という道筋でオペラ・ファンになることもできる。

 はたまた、頭のなかが少々エロスに支配され、出張先のホテルでついついアダルト・ビデオの有料ビデオにチャンネルを合わせてしまうような人にとっても、オペラはきわめて身近な存在といえる。キリスト教のシスターたちがヘア丸出しの全裸になり、集団セックスに興じるオペラ(プロコフィエフの『炎の天使』)や、女性歌手が全裸になって踊った後、殺された男の首を抱きしめ、その唇にフェラチオのようなキスをするオペラ(『サロメ』)など、アダルト・ビデオなど足もとにも及ばないエロチシズムの漂うオペラのビデオが(ボカシなしで!)何種類も発売されており、<ポルノ→オペラ>という道筋も可能なのだ。

 要するに、オペラとは「何でもあり」の世界であり、誰でも好きになれるきっかけが、どこかにあるのだ。だから、クラシック音楽を聴く…と構えるのはやめて、小説にしろ演劇にしろ映画にしろ、美術にしろファッションにしろ、タンゴにしろジャズにしろ、ポップスにしろロックにしろ、ミュージカルにしろTVドラマにしろポルノにしろ…・、自分が少しでも興味を抱いているものから、オペラの世界に入ればいいのだ(三大テナーのコンサートをきっかけにオペラを興味を抱いたというのであれば、好きになった歌手−−たとえばホセ・カレーラスの顔ばかり見ている、というのもいいだろう。女優の賀来千香子さんのように(笑)。

 そうして、とにかくオペラと接したなら、最初は少々奇異に思われたソプラノの♪ハアアアア〜という甲高い声も、何を大袈裟に…と思えたテノールの演技も、荒唐無稽に思えた物語も、そのうち、すべてが快感となって、全身に電気が走るような感動を味わえるようになる。

 つまり、ハマル、のである。
 オペラは、ハマル。オペラは、毒である。その毒の美味を知り、身も心もふるえるようになれば、もう、こっちのもの。過去の大作曲家たちが残した素晴らしいオペラ−−生涯を通しても味わい切れないほどあるオペラの数々を、次から次へと味わえるようになり、高齢化社会のなかでどれほど歳をとろうと(ビデオ・デッキやLDプレイヤーさえあれば)最高に楽しい人生を送れるようになること、請合いである。

 自分の興味といわれても、いったいどんなオペラから見始めれば…と迷っている人のために、「入門編」としていくつかのオペラを下欄にあげておく。それらは「異端の現代風新演出」であったり(現代の大富豪ドナルド・トランプを主人公に据えた『フィガロの結婚』、黒人歌手がブリーフ一枚になって歌う『ドン・ジョヴァンニ』、神経症の女が妄想を展開する『さまよえるオランダ人』、1930年代のマフィアの世界を舞台にした『リゴレット』)、一般的には「難解」といわれている「現代オペラ」であったり(『ヴェニスに死す』『七つの大罪』『三つのオレンジへの恋』)、一般的にはオペラでなくミュージカルに分類されるもの(『オン・ザ・タウン』)など、他のオペラ入門書では(おそらく)紹介されないものばかりである。

 しかし、現代の「普通の男女」なら、鬘をつけた王様が、♪アアア〜と声を張りあげるような「時代劇オペラ」よりも、抵抗なく、素直に、楽しんでいただけるはずであり、な〜んだ、オペラって、TVのトレンディ・ドラマよりも、よっぽど面白いじゃん……と思っていただけるものばかりである(オペラなど無縁だった友人で、すでに実験済みのことなので、保証します)。

 では、次回からは、個々のオペラをとりあげ、読者をオペラの世界にどっぷりとハメルことにしよう。

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モーツァルト『魔笛』上演社中結成報告!

何しろ日本は万葉以来の“歌の国”泣く泣く絞った30曲+α

サスペンス劇場:オペラ殺人事件!!玉木正之の『オペラ超入門 徹底解説講座〜オペラを心ゆくまで楽しみましょう!〜』第5期 オペラ・サスペンス劇場:オペラに描かれた殺人事件の秘密!!

オペラ・オペレッタの日本語訳上演が不可能な本当の理由!?

連載「日本人ならオペラ・ファン」第3回 世界文学全集+音楽=オペラ〜それは、人生を楽しむ最高のツール!

連載「日本人ならオペラ・ファン」第2回 オペラのテーマは男と女〜しかも90パーセントが不倫!

連載「日本人ならオペラ・ファン」第1回 日独伊オペラ歌舞伎三国同盟

山下洋輔さん(ジャズ・ピアニスト)――自由な音の跳躍

佐渡裕『僕が大人になったら』〜解説「デッカイことはいいことだ!」

『現代』書評 新書・選書おたのしみレビュー〜音楽本を読みましょう

紫色の音にして〜追悼・浅川マキ、唄い続けた生涯

玉木正之の『オペラ超入門 徹底解説講座〜オペラを心ゆくまで楽しみましょう!〜』 第4期 プッチーニがオペラで描いた「女性」と「愛のカタチ」のすべて!〜華麗なるイタリア・オペラを味わい尽くす!

まえがき――貪欲な音楽ファンの呟き

劇団冬季ミュージカル・シアター 8000回突破連続上演中!

胸のわくわくするコンサート――西の端(ハーディング)と東の端(佐渡裕)の邂逅

佐渡裕さんのベルリン・フィル・デビューに拍手!〜世界が愛する世界市民オーケストラ

お見事!佐渡裕のベルリンフィル・デビュー

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第15回 小泉さん、日本のオペラにも注目して! / 第16回 (最終回)ヴェルディのブンチャカチャッチャにハマル

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第13回 「オキュパイド・ジャパン」(占領下の日本)のノーテンキな素直さ / 第14回 エレキギター協奏曲はキワモノ?

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第11回 一流の音楽家は一流の指導者でもある / 第12回 指揮者だけは、昔がよかった…かな?

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第9回 スポーツと音楽――その親密な関係 /第10回 万葉以来「歌」と生きている日本人

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第7回 日本最高のオペラ歌手・三波春夫 /第8回 映画音楽はイタリアンに限る!

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第5回 天才・筒美京平の歌謡曲は消えてゆくから美しい?/第6回 イタリアのド演歌歌手フィリッパ・ジョルダーノ

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第3回 森進一の「雪が降る」/第4回 バーブラ・ストライザンドの「歌曲」

『大人ぴあ』連載「玉木正之のちょっとオモロイモン」第1回 ひばりのプッチーニ/第2回 クレオ・レーンのシェーンベルク

スポーツ&音楽〜どちらも最高に面白い!

音楽のパワーを実感〜『第九』でのハーディング氏との幸運な出会い

玉木正之の『続々オペラ超入門講座〜オペラを心ゆくまで楽しみましょう!〜』第2期 Viva! Verdi! ヴェルディ万歳!〜華麗なるイタリア歌芝居の世界!

特報!! 撮影快調! 完成間近!! 公開迫る!映画『幻の幻燈辻馬車』の『遊び場』

若きバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏は、名演の宝庫。なかでも「ショスタコ五番」は絶品の一枚。

美しすぎるメロディは「何」を表す?

メジャー級のプレイと音楽

イタリア・オペラからイタリア・サッカーを理解する

玉木正之の『続々オペラ超入門講座〜オペラを心ゆくまで楽しみましょう!〜』第1期「オペラのツボ」

『カルメン』は怖ろしい

ロマン派を金聖響さんの指揮で聴ける喜び

ベートーヴェンと『神』と『人々』は、どんな三角形を形づくるのか?

天才バーンスタインが残した『キャンディード』もう一つの大傑作

映画とは「オペラ」である。

紫色の音にして 追悼・浅川マキ、唄い続けた生涯

『山下洋輔プロデュース IMPROVISING ブーニン! 吉例異種鍵盤技名人戦/先手・鍵聖無有人古典派八段 VS 後手・盤鬼ヨウスケ邪頭派八段/初春 夢幻の対決』

オペラ『忠臣蔵外伝』第1幕第2場、第3場 作曲/三枝成彰 脚本・演出/島田雅彦 美術監督/日比野克彦 再構成/玉木正之

オペラ『忠臣蔵外伝』 作曲/三枝成彰 脚本/島田雅彦 再構成/玉木正之

マリオ・デル・モナコは長嶋茂雄である

ドラマチックに、そして、優しく……――大岩千穂さんの歌心

ダフ屋の矜恃

スポーツは音楽とともに

玉木正之の『クラシック音楽道場入門』 第1期「クラシックはオモシロイ〜その楽しみ方」

BRAVO! 神奈フィル新常任指揮者・金聖響さんの「魔法」に期待する!

『ウェスト・サイド・ストーリー』は最高のオペラ?

日本人なら『椿姫』で泣ける

「オペラ=音楽プラス世界文学」 それは、人生を楽しむ最高のツール!

オペラのテーマは男と女。しかも90パーセントが不倫!

アメリカ音楽が超大国アメリカを支える!?

21世紀のベートーヴェン――その国際性と多様性

ベートーヴェンの『天の時、地の利、人の和』

純文学書き下ろし序曲『のだめのためのだめな虚無舞踏序曲(ダンシング・ヴァニティ・オヴァチュア)』

『指輪物語』よりも面白い『ニーベルンクの指環』

日本人ならオペラ・ファンになる!〜「日独伊オペラ歌舞伎同盟」

オペラといえば『トゥーランドット』!?

真のオペラの誕生と成長

「身体の音楽」――太鼓打ち・林英哲さんに関する断想

トリエステ・オペラの魅力〜イタリア・オペラの神髄

玉木正之の『オペラはやっぱりオモロイでぇ』 第15期「オペラで世界文学全集!」

玉木正之のオペラへの招待 大人の恋の物語『メリーウィドウ』

『ジャンニ・スキッキ』の舞台は京都?

クラシック音楽ファン、オペラ・ファンは、なぜDVDに狂喜しているのか?

「不〜倫火山」大爆発!善男善女の皆さんも、煩悩まみれの皆さんも、みんな一緒に御唱和ください!「不倫、不倫、不倫、フリ〜ン!」

クラシック・コンサートは「真に新しい音楽」に触れる場所

オペラとは男と女の化かし合いを楽しむもの

50歳からのホンモノ道楽

『オペラはやっぱりオモロイでぇ』第14期「オペラ掘り出しモノ!」

山下洋輔ニュー・イヤー・コンサート ヨースケ&サド緊急“生”記者会見!『いま明かされる!反則肘打ち事件の真相』

「ベートーヴェンの交響曲」その名声と誤解

ベートーヴェンの「圧倒的感動」

ファジル・サイの魅力

スポーツは音楽とともに――フィギュアスケートはオペラとともに

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第3弾!

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第2弾!

300万ヒット記念特集・蔵出しの蔵出しコラム第1弾!

天才少年ヴィトゥスとテオと音楽と……

『オペラはやっぱりオモロイでぇ』第13期「オペラは、ゼッタイ演出に注目!」

<演歌 de おぺら(エンカ・デ・オペラ)>上演企画書

『指揮者列伝』ミニミニ・ダイジェスト「カラヤン・ゲルギエフ・セラフィン・バーンスタイン」

あけましてフリー漫才

男の子がヴァイオリンを弾くのは恥ずかしいことだった・・・?

『オペラはやっぱりオモロイでぇ』第12期「オペラは、祭りだ! お祭りだ!」MUSIC FESTIVALS IN THE WORLD

革命的斬新さを失わない音楽――それがクラシック

いつの世も変わらない「親子」と「男女」

日本ポップス史講座アンケート

待ち焦がれた“パリジャン”の本領

「浪漫派ベートーヴェン」を存分に楽しませてくれた演奏に心から拍手

音楽家はいかにして演奏に心をこめるのか?

JAZZとテツガク

ソロ(孤高)を求めてバンド(連帯)を怖れず!

我が「師匠」福島明也の魅力

城之内ミサ『華Uroad to OASIS』「ジャンル」を超えた素晴らしい音楽

懐かしい空間の響き

佐渡&玉木のぶっちゃけトーク

五嶋龍―「神童」の生まれ出る一瞬

ヤッタリーナ!ガンバリーナ!イタリーア!

アメリカのスポーツとアメリカの音楽

フィリッパ・ジョルダーノの魅力〜フィリッパの歌はイタリアの味

「私の好きな音楽」身体で感じる世界

玉木正之の『オペラはやっぱりオモロイでぇ』第10期「オペレッタを楽しもう!」

リヒャルト・シュトラウスのオペラは宝塚にふさわしい

日本人は「万葉集」以来「歌とともに生きている」

東方の奇蹟の二重唱

永遠の歌声

「原点回帰」の「山下洋輔ニュー・イヤー・コンサート2006」に贈る新春お笑い寄席 新作古典落語『人生振出双六』

20世紀最高の「歌役者」

クルマとラジオ

世界は演歌に満ちている

バーブラは諸行無常の響きあり

最高の「日本オペラ」

タイムマシンと冷戦時代

ニッポンは明るい!

春の祭典

シャンソンは高級?

イタリアはイタリア

ジャズはサッカー?

世界はひとつ?

大事なのは、質より量?内面より外見?

ビートルズはわかる?

無人島で聴く最後の歌

歌は世に連れない

クレオ・レーンの学歴

ひばりの川流れ

NASAと蓄音機

日本人の遊び心

「革命的音楽」は時代とともに消えてゆく?

究極のノスタルジー

『プロの仕事』

佐渡&玉木のぶっちゃけトーク(最終回)

「映画を所有したい!」と思うのは何故?

討ち入りや ゑひもせすまで ジャズに酔ひ――『ジャズマン忠臣蔵』講釈・前口上

ゲルギエフの引き出す無限の可能性/偉大な芸術とは、オモロイもんである。

冬の夜長にオペラ――その極上の面白さをDVDで味わう

都はるみさんの「世界」との新たな出逢い

天国の大トークバトル『クラシック あとは野となれ ジャズとなれ!』

超虚構音楽史―山下洋輔作曲「ピアノ・コンチェルト」の世紀の一戦

男と女の愛の形――悪いのはどっち?

「世の中に新しきものナシ」あらゆる創作はパクリである?

モーツァルトのオペラのおもしろさ

人を愛し、未来を信じ、時代を超越するパワー

バーンスタイン『キャンディード』の単純明快な世界

いつの世も変わらない「親子」と「男女」

<演歌 de オペラ>上演企画書

カルロス・クライバー〜〜実体験なき体験/〜夢のような体験

歌うピアニスト ―― G&G(グルダとグールド)

グレン・グールド<ガラス=音楽=グールド>

『ブルース・ブラザース』讃

翔べ! 21世紀へ!「エレクトリック・クラシック」の翼に乗って!

サロメ――官能と陶酔の神話の魅力

神野宗吉(ジャンニ・スキッキ)の娘・涼子(ラウレッタ)のアリア『好きやねん、お父ちゃん』(『私のお父さん』)

「子供(jr)」という大発見

NHK-FM『クラシックだい好き』 1〜6回プログラム

島田雅彦のオペラと小説――『バラバラの騎士』と『どんな? あんな?こんな? そんな!』

「オペラ忠臣蔵」のテロリズム

フリンオペラ年表400年史『オペラの歴史はフリンの歴史』

極私的ワーグナー体験の告白『私は如何にしてワーグナーの洗脳を解かれたか?』

ベートーヴェンの「朝ごはん」

サッカーと音楽の合体――それがスポーツ!それがワールドカップ!

オペラ「アイーダ」の本当の魅力

ヨースケのことなら何でもワカル!『ヤマシタ・ヨースケ・ジャズ用語大辞典』遠日発売未定 内容見本

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