コラム「音楽編」
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掲載日2007-01-22

この原稿は(というか、インタヴューに答えた内容は)、小田和正さんの著書『風のようにうたが流れていた 小田和正私的音楽史』(宝島社/2005年・刊)に収録されたものです。本棚を整理していたら出てきたので、少しだけ手直しして“蔵出し”します。

日本ポップス史講座アンケート

  1. レイ・チャールズ『愛さずにはいられない』
     小学5年の頃に、 ラジオのリクエスト番組で初めて聴いて、音楽というものから生まれて初めて「感動」というものを味わった曲。それまで耳にしていた歌謡曲からも、楽しさや、嬉しさや、悲しさは感じたが、この曲は、劇的な感動というか、まったく別種の気持ちになった。心を激しく揺すぶられたというか、まさにショックでした。

  2. サウンドトラック盤『ウエストサイド物語』
     中学生の頃に、再上映か再々上映で映画を見て、音楽の持つパワー、迫力に圧倒されました。おまけに、作曲したのがクラシック音楽家のレナード・バーンスタイン。小学生の頃からクラシック音楽が好きになってしまったけど、当時は、ピアノを弾いたりクラシックを聴くのは女性の楽しみという先入観があって、友人の誰にも話せず、少しばかり恥ずかしく思ってた。この音楽の作曲者がクラシックもやってると知って、そういう馬鹿な考えがなくなった。

  3. 都はるみ『あんこ椿は恋の花』
     都はるみが16歳でデビューしたとき、あの唸り声には、「なんだ、これは!」と思った。大人たちは、軽く笑って、面白い少女がデビューしたもんだ、と思った程度だったけど、僕にとっては、わずか3〜4歳年上の少女が、それまでの歌い方とはまったく違う歌い方をしたことが、大いにショックだった。こんな歌い方もあるんだと、仰天しました。

  4. ザ・ビートルズ『プリーズ・プリーズ・ミー』
     ビートルズは、当時、女の子がキャアキャアと騒ぐだけの人気者、というのが通説で、ロックという音楽も、激しくてやかましいだけ、というイメージが強かった。けれど、この曲を聴いて、美しさを感じた。メロディもハーモニーもサウンドも、美しい。ロックに対する通説から離れることのできた一曲。

  5. リヒャルト・ワーグナー『ニーベルンクの指環』
     風のように流れてはいなかったけれど、僕の頭の中を駆けめぐった音楽。通して聴いたら14時間くらいかかる大楽劇。クラシック音楽が好きなら、この大曲を聴かなければ、という強迫観念から、高校3年の時に、当時4万円もする22枚組のレコードを買いました。そして最後まで聴いたら『ウエストサイド物語』のメロディが流れてきた。バーンスタインは、こんなところからも見事にパクっていたのか・・・と感心して、ますますバーンスタインのファンになりました。(この項目については、“蔵出しコラム音楽編”の「極私的ワーグナー体験の告白『私は如何にしてワーグナーの洗脳を解かれたか?』」に詳しく書いています)
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