コラム「スポーツ編」
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掲載日2007-08-22

このコラムは、8月3日付毎日新聞朝刊『金曜カフェ』のコーナーに掲載された原稿に、若干手を加えたものです。朝青龍問題が世間を騒がせている折から、ちょっと早いですが“蔵出し”します。

大相撲の改革の契機に

 処罰というものは、基本的に、重くなければ効果も価値もない。その意味で、日本相撲協会理事会が横綱朝青龍に下した処罰は(赤城農水大臣の「辞任」とは較べものにならないくらい)高く評価できるものといえる。

 もっとも、朝青龍の不祥事が、あたかも外国人であるがゆえのように語られることには、首肯できない。かつての日本人横綱のなかにも、横綱にふさわしいかどうか、首を傾げたくなる人物は何人かいた。

 また、TシャツGパン姿でハンバーガーを頬張りながら、丁髷を結った紋付き袴姿の人物を指さし、「外国人力士」と呼ぶことこそ、矛盾した行為といえるだろう。

 相撲は日本の国技であり、未来に守り伝えるべき大切な日本の伝統文化である。が、「守り伝える」とは、ただ「過去を継承する」ことではない。

 実際、かつては土俵の一部として女人禁制だった砂かぶりに、今では女性が座るようになった(コレは、某横綱がおめかけさんを座らせたことがきっかけになったと言われている)。
 土俵の屋根を支える四本柱も、テレビ中継と観客の見やすさが優先された結果、取り払われた。

 そして国際化の時代の流れのなかで、多くの力士が海を越えて集まり、日本の伝統文化の継承者となった現在、守り伝えるべき価値ある日本文化の本質と、そのために改革しなければならない部分を、きちんと峻別する必要に迫られている。

 たとえば土俵上が今も女人禁制であるのは神道思想から当然だと、かつては私も考えていた。が、上級の官職や企業の重役に女性が多く就任するようになった現在、神聖な土俵の上にも、そのような「役職の人物」ならば、役職を果たすために足を踏み入れてもよい、とルールを変更することは(神道思想のうえでも)可能なのではないか(卑弥呼なら土俵の上ものぼれるはずですから。逆に我々凡夫は男でも土俵の上にはのぼるべきではないでしょう)。

 また「外国人力士」という呼称を廃止し、きちんとモンゴル出身力士、ブルガリア出身力士…と呼ぶよう、理事会が率先して呼びかけることも、日本の大相撲の未来を考えるうえで有効なことではないかと思う。

 朝青龍の一件を機に、大相撲の守るべき本質と未来へ発展する道を考え直してほしいものだ。

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