コラム「スポーツ編」
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掲載日2005-08-22

一昨年のタイガース優勝時の原稿(『2003年版阪神タイガース栄光の全軌跡』=朝日新聞に連載したコラム『タイガースって、なんやねん』(全10回)の順次“蔵出し”も、いよいよ今回が最終回となりました。今回も、第8回、9回、10回の大サービス3本立て!ドラゴンズに抜かれる前に、すべてを“蔵出し”できた・・・かどうか・・・(笑)。

タイガースって、なんやねん 第9回
この先は、どんな時代になるんやねん?

 かつて、「ジャイアンツは保守本流政権与党の自民党」「タイガースは万年野党の社会党」に、模せられたことがあった。
 こういうアナロジーは、多分にコジツケ以外の何物でもない場合が多いのだが、それでも、「地方の時代」が叫ばれたときには広島カープが躍進し、中日ドラゴンズが優勝する年には首相の交代が多い(織豊家康の時代から政変の発火点は尾張遠江にあるらしい)といった「事実」は、面白くもある。

 野球は世に連れ、世は野球に連れ。なかでも、高度経済成長の時代とジャイアンツのV9の関係は、いまも同時代の社会現象として語り継がれている。佐藤栄作超長期政権のもとで、モーレツ・サラリーマンたちはONの活躍を明日の仕事の活力とし、管理職は川上監督の采配(管理野球)に学び、企業の業績を伸ばし・・・。

 もっとも、その直前の1961(昭和36)年から64(昭和39)年までの4年間は、巨人と阪神が交互に優勝する「二強時代」だった。時あたかも60年安保騒動の余波で社会が騒然としていた(社会党がまだ元気だった)時代。百戦錬磨の阪神監督・藤本定義が、巨人の新人監督・川上哲治を「テツ!」と呼び捨てて子供扱いするなか、村山、小山、バッキーの投手陣が巨人打線を翻弄し、2度のリーグ優勝(62、64年)を果たした。

 何やら現在の星野阪神・原巨人を髣髴(ほうふつ)とさせる構図ではある。
 その話を星野監督にすると、「おっ、そんなら再来年も優勝できるのか」と、顔をほころばせた。が、それは連続優勝できないということでもある。「優勝いうのは、そんな簡単にできるものやないんや」

 たしかにそうだろう。が、「巨人阪神二強時代」のあと、再び巨人の黄金時代(自民党長期政権と東京中心の経済成長の時代)が訪れるのか? あるいはタイガースの時代(自民党崩壊と地方分権の新しい時代)が始まるのか? 野球は政治と無関係だろうが、社会の動きとまったく無縁ともいえないはずだが・・・。

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