コラム「スポーツ編」
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掲載日2007-07-02

この原稿は、毎日新聞6月22日付朝刊の連載コラム『金曜カフェ』に寄稿したものです。少々早いですが、大阪での「世界陸上」も近づいたので、少々手を入れて、ここに“蔵出し”します。

世界陸上と日本のスポーツの未来

 今年最大の国際的スポーツイベントは、8月下旬に大阪で開催される世界陸上である。日本ではマラソン以外少々人気の薄い陸上競技だが、アテネ五輪を上回る212の国と地域から3千人以上のトップアスリートが集う闘いは、相当に見応えのあるものとなるに違いない。また、世界200か国以上に衛星放送されるこの機会に、大阪ならではのメッセージを発信してほしいものだ。

 もっとも、陸上競技は最近そのイベントのあり方が少々変化してきた。それは、世界選手権や五輪といった巨大イベントだけでなく、いくつかの大会を巡回するサーキット形式を重視するようになってきたことだ。

 今年もヨーロッパでは、6月から「IAAFゴールデンリーグ」が開催され、オスロ(ノルウェー)、サン=ドニ(パリ郊外)、ローマ、チューリヒ、ブリュッセル、そして世界陸上直前のベルリンまで、次々と大会が開催される。
  そのリーグで一つの競技に6戦全勝した選手の賞金は、なんと100万ドル(約1億2千万円)である。

 マラソンの選手は試合に頻繁に出場できないため、「ワールド・マラソン・メジャーズ」という別のサーキットがあり、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ボストン、ニューヨークの5大会に、世界選手権と五輪を加え、各大会の成績をポイント制で評価し、2年間で最高ポイントの選手が表彰される(賞金は50万ドル)。

 陸上競技は、テニスやゴルフやF1のような試合形式(サーキット)に移行し始めたのだ。
 すべてのスポーツがプロ化した今日、総合ポイントで王者を決めるこのやり方は、いずれ水泳や体操などのスポーツにも波及するだろう。

 ならば日本のスポーツ界も(都市も)、巨大イベントの招致だけに力を入れるのでなく、今後はサーキット開催都市の一員になることを考えなければならないはずだ。

 一度きりのイベントに一時的な経済効果を期待するのでなく、スポーツを恒常的に根付かせる。そのほうが、日本のスポーツのためにも、都市のためにも有意義なはずだが……。

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